溶接アンダーカット許容値チェッカー

アンダーカット深さを入力し、JIS・AWS・道路橋示方書・JASS 6の許容値と自動照合して合否判定

アンダーカット深さを入力し、4規格(JIS Z 3104・AWS D1.1・道路橋示方書・JASS 6)の許容値と照合して合否判定を行うツール。

シナリオプリセット

適用規格

検査等級

測定値

判定結果

合否判定合格一般: ≤0.5mm
合格(余裕少)

許容値

0.5 mm

一般: ≤0.5mm

測定値

0.4 mm

余裕率

20.0%

深さ/板厚比

3.3%

許容値に近い値です。再測定を推奨します。

本ツールは規格値の簡易参照を目的としています。正式な検査判定は適用規格の原文および検査技術者の判断に従ってください。

不具合・ご要望はお気軽に@MahiroMemoまで

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溶接ビードの"えぐれ"、合格ラインはどこだ?

検査現場でアンダーカットを見つけたとき、「これ、セーフ? アウト?」と迷った経験はないだろうか。ゲージを当てて深さを測る。0.4mm――これが許容範囲内なのかは、適用する規格によってまったく違う。JIS Z 3104の1類ならアンダーカットは一切認められない。JASS 6の一般なら0.5mmまでOK。AWS D1.1の繰返し荷重なら0.25mmが上限だ。

規格の原文を引っ張り出して、該当するページを探して、等級を確認して……。この作業を溶接線の1箇所ごとにやるのは現実的じゃない。このツールは、アンダーカットの測定値を入力するだけで、4つの主要規格の許容値と自動照合し、合否・余裕率を即座に表示する。現場のスマホでもワンタップで判定完了。迷いを数値に変える道具だ。

なぜ作ったのか — 規格ごとの許容値、覚えきれない問題

溶接検査に携わっていると、アンダーカットの許容値が規格によってバラバラなことに何度も悩まされる。

JIS Z 3104は放射線透過試験の規格で、きず等級を1類・2類・3類に分けている。1類ではアンダーカット自体が不可、2類で0.5mm以下、3類で1.0mm以下。一方、建築のJASS 6は一般で0.5mm、特記仕様で0.3mm。AWS D1.1になると静的荷重で0.8mm(1/32インチ)、繰返し荷重では0.25mmと一気に厳しくなる。道路橋示方書は0.5mm一律。

問題は、ひとつの現場で複数の規格を参照するケースが珍しくないことだ。建築鉄骨工事ならJASS 6が基本だが、突合せ溶接の透過試験にはJIS Z 3104のきず等級を適用する。橋梁の下請けに入れば道路橋示方書。海外案件ならAWS。規格が変わるたびに許容値の表を探し直す手間が発生する。

「許容値の一覧表を手帳に書いておけばいい」——そう思って実際にやってみたこともある。でも等級や負荷種別まで含めると組み合わせが多く、記憶違いで誤判定するリスクがある。特にJIS 1類の「許容ゼロ」とJIS 3類の「1.0mmまでOK」を取り違えたら大問題だ。

だったら、規格を選んで深さを入れるだけで合否が出る仕組みを作ってしまえばいい。テーブル参照のシンプルなロジックだからこそ、ツール化する意味がある。人間が覚えるべきは「どの規格を適用するか」の判断だけで、数値の照合は機械に任せる。そういう割り切りで作ったツールだ。

アンダーカットとは何か — 溶接欠陥の基礎知識

アンダーカット 溶接欠陥としての定義

アンダーカット(undercut)とは、溶接ビードの止端部(トウ部)で母材が溝状にえぐれた欠陥のこと。溶接金属が母材表面を十分にカバーできず、ビードの縁に沿って細い溝が残る現象だ。JIS Z 3001-4(溶接用語―第4部:溶接不完全部)では「溶接の止端に沿って母材が掘られて、溶着金属が満たされないで残っている部分」と定義されている。

日常のたとえで言えば、ケーキにクリームを塗るとき、パレットナイフを強く押しつけすぎてスポンジごとえぐってしまう状態に近い。クリーム(溶接金属)は乗っているのに、その境界でスポンジ(母材)が削れてしまっている。

アンダーカット 発生メカニズム

アンダーカットの発生原因は主に以下の3つだ。

溶接電流が過大: アークの熱量が大きすぎると、母材が広範囲に溶融し、溶接金属が溶融池を満たしきれずにえぐれが残る。特にフィレット溶接の水平脚で起きやすい。

溶接速度が速すぎる: トーチの移動が速いと、溶融金属が止端部まで流れる前にアークが先に進んでしまう。溶融池の後方が十分に充填されず、溝が生じる。

トーチ角度の不適切: ウィービング幅が広すぎたり、トーチを片側に傾けすぎると、ビードの片側だけにアンダーカットが発生する。

アンダーカット 深さの測定方法

アンダーカットの深さは、一般的にアンダーカットゲージ(専用の深さ測定器具)またはデプスゲージで測定する。測定精度は0.1mm単位が標準的だ。目視検査(VT)で発見し、寸法が疑わしい箇所をゲージで定量化するのが通常の検査フローになる。

近年はレプリカ法(シリコンゴムで型取りして断面を計測)やレーザープロファイラーによる非接触測定も使われている。いずれの方法でも、最も深い箇所の値を「アンダーカット深さ」として記録する。

規格ごとの許容値 比較

各規格の許容アンダーカット深さを整理すると以下のとおりだ。

規格区分許容深さ
JIS Z 31041類0.0mm(不可)
JIS Z 31042類0.5mm以下
JIS Z 31043類1.0mm以下
AWS D1.1静的荷重0.8mm以下
AWS D1.1繰返し荷重0.25mm以下
道路橋示方書共通0.5mm以下
JASS 6特記0.3mm以下
JASS 6一般0.5mm以下

同じ0.5mmのアンダーカットでも、JIS 2類なら許容限界ぎりぎり、AWS静的荷重なら余裕あり、AWS繰返し荷重なら完全にアウト。どの規格を適用するかで結果が真逆になることがある。

なぜアンダーカット管理が重要か — 疲労き裂の起点を見逃すな

アンダーカットが構造に与える影響

アンダーカットが危険なのは、応力集中の起点になるからだ。溝の底にノッチ(切欠き)効果が生じ、繰返し荷重を受ける構造物では疲労き裂の発生源になる。特に引張応力が作用する溶接継手では、アンダーカット底部の応力集中係数が3〜5倍に達することもある。

実際に、橋梁の疲労損傷事例ではアンダーカットを起点とした亀裂進展が報告されている。国土交通省の道路橋の損傷事例集でも、溶接止端部の欠陥が疲労き裂の主要因として繰り返し指摘されている。

規格が厳しい理由

AWS D1.1で繰返し荷重時の許容値が0.25mmと極端に厳しいのは、まさに疲労寿命への影響を重視しているからだ。静的荷重なら多少のノッチがあっても母材の引張強度で持ちこたえるが、繰返し荷重では微小な欠陥から徐々にき裂が進展する。

建築基準法施行令第67条では鉄骨造の溶接部について品質管理基準を設けており、JASS 6はその実務規定に相当する。特記仕様(0.3mm)が適用されるのは、高層建築や重要構造物など、溶接品質に特に厳格さが求められるケースだ。

補修コストとの兼ね合い

アンダーカットが許容値を超えた場合、グラインダーで滑らかに仕上げるか、再溶接(肉盛り補修)が必要になる。補修作業は元の溶接の数倍の手間がかかるため、「最初からアンダーカットを出さない溶接条件の管理」が経済的にも最善だ。とはいえ現場では完璧は難しく、だからこそ許容値との照合を正確・迅速に行う仕組みが求められる。

こんな場面で頼りになる

現場での溶接検査(VT/外観検査)

目視検査でアンダーカットを発見したとき、ゲージで深さを測ってこのツールに入力すれば即座に合否が判明する。紙の規格書を開く必要がない。複数箇所を連続で判定するときに特に時短効果が大きい。

社内品質管理・検査記録の作成

品質管理担当が検査成績書を作成する際、許容値と余裕率を一目で確認できる。余裕率が20%未満なら「再測定推奨」の警告も出るため、ボーダーラインの判定に悩む時間が減る。

溶接技能試験の学習・試験対策

JIS溶接技能者評価試験では、試験片の外観検査でアンダーカットが評価項目に含まれる。各等級の許容値を瞬時に確認できるため、練習段階で「自分の溶接がどの等級をクリアしているか」を把握しやすい。

海外規格との比較検討

国内案件でJASS 6を適用しつつ、海外の発注者からAWS D1.1準拠を求められるケースがある。同じ測定値で両規格の判定結果を見比べられるのは、規格横断ツールならではの強みだ。

基本の使い方 — 3ステップで合否判定

ステップ1: 規格と等級を選ぶ

画面上部のセグメントボタンで適用規格(JIS Z 3104・AWS D1.1・道路橋示方書・JASS 6)を選択する。規格を選ぶと、その規格に応じた検査等級・負荷種別のボタンが表示されるので、該当する区分を選ぶ。

ステップ2: 測定値を入力する

アンダーカットの深さ(mm)を入力する。母材板厚を入力すると、深さ/板厚比も参考表示される。アンダーカットの長さは記録用の参考入力だ。

ステップ3: 合否と余裕率を確認する

入力と同時に、許容値・余裕率・合否判定が表示される。合格なら緑、不合格なら赤のステータスカードで一目瞭然。結果はワンタップでクリップボードにコピーでき、検査記録にそのまま貼り付けられる。

具体的な使用例 — 6つのケースで検証

ケース1: JASS 6 一般 — ぎりぎり合格

  • 規格: JASS 6(一般)
  • 入力: 深さ 0.4mm / 板厚 12mm
  • 結果: 許容値 0.5mm / 余裕率 +20.0% / 合格

余裕率20%はボーダーラインに近い。ツール上でも「許容値に近い値です。再測定を推奨します」の注意が表示される。測定誤差を考慮すると、再確認しておくのが無難だ。

ケース2: 道路橋示方書 — 許容超えで不合格

  • 規格: 道路橋示方書
  • 入力: 深さ 0.6mm / 板厚 16mm
  • 結果: 許容値 0.5mm / 余裕率 -20.0% / 不合格

0.1mmの超過で不合格。道路橋示方書では許容値が0.5mm一律のため、わずかでも超えればグラインダー修正または再溶接が必要になる。

ケース3: AWS D1.1 静的荷重 — 十分な余裕で合格

  • 規格: AWS D1.1(静的荷重)
  • 入力: 深さ 0.3mm / 板厚 20mm
  • 結果: 許容値 0.8mm / 余裕率 +62.5% / 合格

静的荷重の許容値0.8mmに対して0.3mmなので、余裕率62.5%と十分に安全圏。この程度のアンダーカットなら問題なしと判断できる。

ケース4: JIS Z 3104 1類 — アンダーカット不可で即不合格

  • 規格: JIS Z 3104(1類)
  • 入力: 深さ 0.1mm / 板厚 25mm
  • 結果: 許容値 0.0mm / 不合格

1類ではアンダーカットの存在自体が許されない。たった0.1mmでも即不合格だ。「1類ではアンダーカット不可」の注釈が表示される。放射線透過試験で最高等級を要求される重要継手では、溶接条件の見直しが不可欠。

ケース5: JIS Z 3104 3類 — 余裕ありで合格

  • 規格: JIS Z 3104(3類)
  • 入力: 深さ 0.8mm / 板厚 16mm
  • 結果: 許容値 1.0mm / 余裕率 +20.0% / 合格

3類の許容値は1.0mmと比較的緩い。0.8mmなら合格だが、余裕率20.0%とやや心もとない。1類や2類への格上げが求められる可能性がある場合は要注意だ。

ケース6: AWS D1.1 繰返し荷重 — 厳しい基準で不合格

  • 規格: AWS D1.1(繰返し荷重)
  • 入力: 深さ 0.3mm / 板厚 20mm
  • 結果: 許容値 0.25mm / 余裕率 -20.0% / 不合格

ケース3と同じ深さ0.3mmでも、荷重種別が「繰返し」に変わるだけで不合格になる。許容値が0.25mmと極めて厳しいため、0.05mmの超過でアウト。疲労荷重を受ける構造物では、この差が致命的な意味を持つ。

ケース7: JASS 6 特記仕様 — 合格だが油断禁物

  • 規格: JASS 6(特記)
  • 入力: 深さ 0.2mm / 板厚 14mm
  • 結果: 許容値 0.3mm / 余裕率 +33.3% / 合格

特記仕様の0.3mmに対して0.2mmで合格。ただし一般仕様の0.5mmと比べて許容幅が狭いため、溶接技能者への周知が重要だ。

仕組み・アルゴリズム — ルックアップテーブル方式の設計

候補手法の比較

アンダーカットの許容値判定には、大きく2つのアプローチが考えられる。

方式A: 数式ベース(板厚の関数として許容値を算出) 一部の規格では板厚に応じて許容値が変わるケースがある。板厚をパラメータにした関数 f(t) で許容値を計算する方式だ。ただし、今回対象とする4規格(JIS Z 3104・AWS D1.1・道路橋示方書・JASS 6)ではアンダーカット許容値は板厚によらず固定値であるため、この方式は不要な複雑さを持ち込むことになる。

方式B: ルックアップテーブル方式(規格×等級 → 許容値を直引き) 規格と等級/負荷種別の組み合わせから、許容アンダーカット深さを定数テーブルで引く方式。各規格の許容値が固定値である以上、これが最もシンプルで保守しやすい。

本ツールでは方式Bのルックアップテーブル方式を採用した。規格の改訂があった場合もテーブルの値を更新するだけで対応できる。

実装の流れ

計算フローは以下の3ステップだ。

1. テーブル参照: allowable = ALLOWABLE_DEPTH[standard][subClass].depth
2. 余裕率計算:  margin = (allowable - depth) / allowable × 100
3. 合否判定:    pass = (depth <= allowable)

特殊ケースとして、JIS Z 3104の1類は許容値が0.0mmのため、余裕率の計算でゼロ除算が発生する。この場合は深さが0より大きければ無条件で不合格とし、深さ0なら「アンダーカットなし」として合格扱いにする。

計算例: JASS 6 一般、深さ0.4mm

step1: ALLOWABLE_DEPTH["jass6"]["standard"].depth = 0.5 mm
step2: margin = (0.5 - 0.4) / 0.5 × 100 = 20.0 %
step3: 0.4 <= 0.5 → pass = true(合格)

計算例: AWS D1.1 繰返し荷重、深さ0.3mm

step1: ALLOWABLE_DEPTH["aws-d1.1"]["cyclic"].depth = 0.25 mm
step2: margin = (0.25 - 0.3) / 0.25 × 100 = -20.0 %
step3: 0.3 <= 0.25 → false → pass = false(不合格)

規格データの信頼性

テーブルに格納している許容値は、以下の原典に基づいている。

規格改訂時にはテーブル値の更新が必要になるが、ロジック自体は変更不要。これがルックアップ方式の大きな利点だ。

他ツールとの違い — 4規格横断チェックという独自性

アンダーカットの許容値を調べる方法はいくつかある。規格の原文を開く、社内基準書を参照する、あるいは先輩に聞く。だが、どれも「その場にある1つの規格」にしかアクセスできない。

このツールが決定的に違うのは、JIS Z 3104・AWS D1.1・道路橋示方書・JASS 6の4規格を1画面で切り替えて照合できる点だ。たとえば海外向け鋼構造物の検査でAWS D1.1を使い、同じ溶接部を国内基準でも確認したいとき、規格を切り替えるだけで許容値と余裕率が即座に再計算される。

一般的なExcelの判定シートは1つの規格に固定されていることが多く、別規格で確認するにはシートを作り直す手間がかかる。また、規格値を手入力しているシートでは転記ミスのリスクもある。本ツールは規格値をロジックに組み込んでいるため、入力するのは測定値だけ。判定ロジックの信頼性が段違いだ。

さらに、板厚比(深さ/板厚)の参考表示や余裕率の数値化は、検査報告書を書くときに重宝する。「合格/不合格」の二値だけでなく、どれだけ余裕があるかを定量的に示せるのは現場の品質管理で大きなアドバンテージになる。

豆知識 — アンダーカットの補修と防止の実務知識

アンダーカットはなぜ発生するのか

アンダーカットの主な原因は、溶接電流が高すぎる・溶接速度が速すぎる・アーク長が長すぎるの3つ。母材が溶融プールに十分供給されないまま凝固すると、ビード止端部に溝状の欠陥が残る。特に立向溶接や上向溶接で発生しやすく、溶接姿勢が不利なほどリスクが高まる。

補修方法の選択肢

不合格になったアンダーカットの補修には、大きく2つのアプローチがある。

1つ目は追加溶接(肉盛り溶接)。アンダーカット部に小径の溶接棒(φ2.6〜3.2mm程度)で低電流のなめ付け溶接を行う方法だ。ただし、入熱管理を誤ると新たな欠陥を生む。HAZ(熱影響部)の硬化や残留応力の増大にも注意が必要になる。

2つ目はグラインダー仕上げ。浅いアンダーカット(0.3mm以下程度)であれば、ビード止端を滑らかに研削して応力集中を緩和する方法もある。ただし、母材の有効板厚が減少するため、設計上の板厚余裕を確認してから実施すること。

防止策の基本

日本溶接協会(JWES)が推奨する基本対策は、溶接電流の適正化・ウィービング幅の制限・多層盛りでのビード配置の最適化だ。TIG溶接の場合はアーク長を2〜3mmに保つことが鉄則。被覆アーク溶接なら棒径に応じた適正電流範囲を守り、運棒速度を一定に保つのが効果的。

最近では溶接ロボットのリアルタイムモニタリングで、アンダーカット発生を溶接中に検知・自動補正する技術も実用化されつつある。品質管理のDX化が進む分野の一つだ。

Tips — 検査精度を上げる5つのコツ

  1. 測定器はデプスゲージを使う — アンダーカット深さの測定には、溶接ゲージのアンダーカット測定部かデプスゲージが適している。ノギスでの代用は測定面が安定せず誤差が大きくなりがち

  2. 3箇所以上で測定して最大値を採用 — アンダーカットは長さ方向で深さが変化する。1箇所だけの測定で合格と判断するのは危険。最も深い箇所を記録に残すのが基本

  3. 測定前にスラグとスパッタを除去 — ビード止端に付着したスラグやスパッタを除去しないと、見かけ上の深さが変わる。ワイヤブラシで清掃してから測定すること

  4. 規格の「連続長さ」条件も確認する — 一部の規格では、アンダーカットの深さだけでなく連続長さにも制限がある。深さが許容内でも長さが基準を超えれば不合格になるケースがある。このツールの「長さ(参考)」欄を活用して記録を残しておこう

  5. 検査記録は写真と数値をセットで — 合否判定の結果をコピー機能で取得し、測定箇所の写真とともに検査報告書に添付する。トレーサビリティの確保に有効だ

FAQ — よくある質問

JIS Z 3104の1類でアンダーカット深さ0.0mmと表示されるのはなぜ?

JIS Z 3104の1類(最も厳しい等級)では、アンダーカットは原則として認められていない。許容深さ0.0mmは「アンダーカット不可」を意味しており、わずかでもアンダーカットが検出されれば不合格となる。原子力関連や高圧容器など、極めて高い信頼性が求められる溶接部に適用される等級だ。

規格ごとに許容値が異なるのはなぜ?どれを適用すべき?

各規格は対象構造物の用途・荷重条件・要求信頼性に応じて許容値を定めている。たとえばAWS D1.1は繰返し荷重で0.25mmと厳しく、静的荷重では0.8mmと緩やか。適用すべき規格は設計図書・仕様書・契約条件で指定されているはず。不明な場合は設計者または発注者に確認するのが鉄則だ。

余裕率が20%未満と表示された。再検査すべき?

このツールでは余裕率20%未満で「許容値に近い値です。再測定を推奨します」の警告を表示する。測定誤差を考慮すると、ギリギリの数値は別の測定箇所や異なる測定方法で再確認するのが安全だ。特にデプスゲージのゼロ点調整が不十分な場合、0.1mm程度の誤差は容易に生じる。

入力したデータはサーバーに送信される?

すべての計算はブラウザ上で完結しており、入力データがサーバーに送信されることはない。検査データや測定値が外部に漏れる心配は不要だ。ページを閉じればデータは消去される。

板厚比(深さ/板厚)が10%を超えると何が問題?

アンダーカットは応力集中源として働き、深さが板厚の10%を超えると疲労強度への影響が顕著になる。特に繰返し荷重を受ける部材では、アンダーカット底部からき裂が進展するリスクが高い。板厚比はあくまで参考指標だが、10%を超える場合は補修または追加検討を推奨する。

まとめ

溶接アンダーカット許容値チェッカーは、JIS Z 3104・AWS D1.1・道路橋示方書・JASS 6の4規格を1画面で切り替え、測定値と許容値の照合・余裕率の算出を瞬時に行えるツールだ。現場での検査判定、品質記録の作成、溶接技能試験の学習に活用してみてほしい。

溶接部の強度をさらに詳しく検討したいなら溶接強度計算ツールが役立つ。脚長の設計には溶接脚長計算ツール、溶接施工要領書との整合確認にはWPS適合チェックツールも合わせて使うと、溶接品質管理のワークフローが一気に効率化する。


不具合や要望があれば、お問い合わせページから気軽に教えて。

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Mahiro

Mahiro Appの開発者。溶接検査の現場で4規格の許容値を毎回調べ直していた経験から、テーブル参照で即判定できるツールを作った

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