巻いてみたら径が合わない — レデューサの型紙でつまずく2つの理由
丸ダクトの φ300 を φ200 に絞るレデューサを、板から作ることになった。教本のとおりに円錐を延長して頂点を求め、コンパスで扇形を描き、切り出した板を丸めて継ぎ目を合わせる。ところが相手のダクトに差し込もうとすると、どうも径がわずかに太い。手順は1つも飛ばしていないのに、だ。こういう経験、板金をかじった人なら一度はあると思う。
原因はたいてい2つのどちらかにある。1つは形に合わない描き方を選んでいること。展開図の描き方には平行線法・放射線法・三角形分割法の3通りがあり、円筒を斜めに切った形、頂点が軸の上に集まる円錐、片側に寄った偏心レデューサとで、使える方法が違う。もう1つは板厚のどこで描いたかだ。板を丸めると外側は伸び、内側は縮む。長さが変わらないのは板厚の中心だけなので、外径の数字のまま扇形を描くと、巻き上げた径が板厚1枚ぶんずれる。
このページのツールは、円錐台・偏心円錐台・斜め切り円筒・エビ曲げ・管の相貫(T字と斜め)の5つの形について、寸法と板厚から展開図を作り、等分点ごとの座標表と原寸の型紙(SVG)を出す。板を巻いて作るなら板厚の中心で、既製の管に紙を巻いてけがくなら管の外面の径で展開する。
なぜ作ったのか — 円錐の「次」で手が止まる
「板金展開図 アプリ」で検索すると、上に並ぶのは CAD の体験版か、英語のスマホアプリが中心だ。CAD はインストールして操作を覚えるまでが長く、現場で型紙が1枚欲しいだけの場面には重い。英語のアプリは機能こそ揃っているが、lobster back(エビ曲げ)や branch layout(分岐の切り口)といった用語を読み替えながら入力することになる。ブラウザで開き、寸法を入れたらその場で型紙が出る、という道具には行き当たらなかった。
日本語で計算できるページもあるにはあるが、ほとんどが同心の円錐(円錐台)で止まっている。ところが現場で本当に手が止まるのは、その先だ。片側をまっすぐに揃えた片寄せレデューサは、扇形をコンパスで描く方法がそのままでは使えない。エビ曲げは、切り口の傾きとピースの長さを決めないと1本目すら切れない。T字の分岐は、枝管の切り口が鞍の形にえぐれる。教本には作図の手順が載っているものの、補助線を何十本も引く作業で、寸法が1つ変わるたびに最初から描き直しになる。
もう1つ引っかかっていたのが板厚の扱いだ。展開図の解説の多くは、紙の模型と同じく厚さの無い面として描き方を説明していて、外径で描くのか内径で描くのかに触れていない。0.5mm の亜鉛鉄板なら目立たない差でも、肉厚 4.5mm の鋼管になると、巻き付ける長さで1cm以上の違いになる。
そこで、5つの形を1つの画面で扱い、寸法の基準(外径・内径・中立径)と板厚を入れれば、板から巻く型紙は板厚の中心で、既製の管に巻く型紙は外面の径で展開する道具を作った。結果は座標表と原寸 SVG で出すので、コンパスで描ける大きさならけがきの寸法として、描けない大きさなら点を結ぶ座標として使える。
展開図の3つの描き方 — 平行線法・放射線法・三角形分割法
板金の展開図は、形によって描き方が決まっている。順に、何をしているのかを第一原理から見ていく。
展開できる面とできない面
展開図は、立体の表面を切り開いて平面に広げた図のことだ。板金でいう展開には条件があって、紙を伸ばしも縮めもせずに平らにできる面でなければならない。数学ではこういう面を可展面と呼び、円柱と円錐がその代表になる。球やドーナツの表面はどこかを伸ばすか縮めるかしないと平らにならないので、板金では絞りや叩き出しで作るしかない。このツールが扱う5つの形は、どれも円柱か円錐の一部を切り取ったものなので、厳密に平らに開ける。
平行線法 — 斜め切り円筒の展開
トイレットペーパーの芯を斜めにハサミで切り、縦に切り開いてみてほしい。長方形の上辺が波打った形になるはずだ。これが平行線法の考え方になる。円筒の円周を n 等分し、等分点を通る母線(軸に平行な線)を立てると、展開図では母線が等間隔の平行線として並ぶ。各母線の長さを切り口まで測って点を打ち、なめらかに結べば切り口の曲線になる。
軸に直角な面から角 α だけ傾いた平面で切ると、母線の長さは次のようになる。ψ は継ぎ目(いちばん短い母線)から測った角度、r は半径、h0 は短い側の高さだ。
横位置 x(ψ) = r·ψ (一周で πD)
高さ y(ψ) = h0 + r·tanα·(1 − cosψ)
最長 h0 + D·tanα (ψ = 180°、継ぎ目の反対側)
切り口の曲線は、1周ぶんの余弦の波になる。
エビ曲げ 展開図 書き方
エビ曲げ(セグメントエルボ)は、斜めに切った短い円筒をつないで管を曲げる方法だ。曲げ角 Θ を N ピース(両端の半ピースを含む)で作ると、継ぎ目は N − 1 か所になり、1か所で Θ/(N − 1) ずつ向きを変える。1つの切り口はその半分を受け持つので、切り口の傾き γ は次の式で決まる。
γ = Θ / (2(N − 1))
曲げの中心線の半径を R とする。腹(曲げの内側)を ψ = 0 にして周を回ると、切り口の高さは次のとおりだ。
端ピース(片側が直角) f(ψ) = (R − r·cosψ)·tanγ
中間ピース(両側が斜め) 2·f(ψ)
中間ピースの腹 = 2(R − r)·tanγ、背 = 2(R + r)·tanγ、中心 = 2R·tanγ
必要な管の長さ(中心線) = 2(N − 1)·R·tanγ
端ピースの式は、上の斜め切り円筒で α = γ、h0 = (R − r)·tanγ と置いたものと同じ曲線になる。エビ曲げは、斜め切り円筒を向きを変えながら積み重ねたものにすぎない。
相貫 展開図 — T字の切り口
2本の管が交わる線を相貫線と呼ぶ。主管(半径 R)に直角に枝管(半径 r)が刺さる T 字なら、主管の軸の方向(管の切り口側)から眺めれば済む。枝管の母線のうち主管の軸から横に y だけずれた母線は、主管の表面と、主管の軸から √(R² − y²) の高さで出会う。枝管の周を ψ で回ると y = r·sinψ なので、
t(ψ) = √(R² − r²·sin²ψ) (交差角90°のT字)
切り込み d(ψ) = t(ψ) − √(R² − r²)
切り込みの深さ = R − √(R² − r²)
主管の穴の周方向の幅 = 2R·asin(r/R)
ψ = 0°(主管の軸に沿った側=主管のてっぺん)で母線はいちばん高い位置で主管に当たり、ψ = 90°(主管の横へ回り込む側)でいちばん低くまで伸びる。展開図では、いちばん長く伸びる母線の先端を基準線にとり、そこから d だけ切り戻せば鞍の形の切り口になる。斜めに交わる場合はこの向きから見ただけでは決まらないので、座標を置いて解く(計算の仕組みの節で扱う)。
円錐 展開図 計算 — 放射線法
紙コップを縦に切り開くと、扇形から小さな扇形を抜いた形になる。紙コップの側面は円錐の頭を切り落とした円錐台で、元の円錐の頂点を中心に開くと、母線がすべて頂点から放射状に並ぶ。これが放射線法だ。
大径側の半径 r1、小径側の半径 r2、高さ H の円錐台で考える。まず斜辺(母線)の長さは三平方の定理から出る。
L = √(H² + (r1 − r2)²)
次に、頂点から大径側までの長さ R1 と小径側までの長さ R2。相似な三角形から R1 : R2 = r1 : r2 で、差が L なので、
R1 = L·r1 / (r1 − r2)
R2 = R1 − L
扇形の外弧の長さは、大径側の円周 2πr1 と一致しなければならない。半径 R1・中心角 θ の弧の長さは 2πR1·θ/360° だから、
θ = 360°·r1 / R1 = 360°·sin(半頂角)
けがきに使う寸法も、ここから出る。
外弧の弦長 = 2R1·sin(θ/2)
外弧の矢高 = R1·(1 − cos(θ/2))
等分の歩み = 2R1·sin(θ/(2n)) (ディバイダの開き。内弧は R1 を R2 に替える)
小径を 0 にすると R2 = 0 で、ただの扇形(尖った円錐)になる。逆に大径と小径が近いと r1 − r2 が小さくなり、R1 は急に大きくなる。
三角形分割法 — 偏心レデューサの展開
小径側の中心を大径側の中心から e だけずらした偏心レデューサでは、母線を延ばした先の頂点が大径側の中心の真上に来ない。頂点からの母線の長さが1本ずつ違うので、展開すると外周も内周も円弧にならず、コンパス1本で扇形を描く方法がそのままでは使えない。
そこで、上下の円をそれぞれ n 等分し、同じ番号どうしを結ぶ稜線と、隣の番号へ斜めに結ぶ対角線で、側面を細い三角形に分ける。三角形は3辺の長さが決まれば形が決まるので、立体の上で各辺の実長を求め、平面に1枚ずつ並べていけばよい。φk = 360°·k/n として、大径側の点 Pk と小径側の点 Qk を置くと、
Pk = (r1·cosφk, r1·sinφk, 0)
Qk = (e + r2·cosφk, r2·sinφk, H)
稜線の実長 gk = |PkQk| = √((e − (r1 − r2)·cosφk)² + ((r1 − r2)·sinφk)² + H²)
対角線の実長 dk = |PkQk+1|
周方向の辺 上下の円の1等分ぶん
e = (r1 − r2) にすると φ = 0 の稜線が垂直に立ち、片側がまっすぐな片寄せレデューサになる。
中立径 — 板厚のどこで描くか
板を丸めると、外側の繊維は引き伸ばされ、内側は押し縮められる。その間に長さの変わらない面があり、板厚に比べて十分に大きな半径で丸める場合は、ほぼ板厚の中心に来る。これを中立面、その直径を中立径と呼ぶ。陸上競技のトラックで、外側のレーンほどスタート位置が前にずらしてあるのと同じ理屈で、同じ一周でも半径が違えば長さが違う。展開図に写すべきなのは、伸びも縮みもしない中立面の長さだ。
中立径 Dm = 外径 − t / 内径 + t / 中立径ならそのまま
上の全部の式は、この Dm(半径なら Dm/2)を入れて使う。なお、小さな R で鋭く折り曲げる場合は中立面が内側へ寄るので、平板の曲げ展開長は板金曲げ展開長カリキュレーターのように K 値で補正する。管やダクトを丸める大きな R では、板厚の中心で考えてよい。
板金展開図の計算を外すと何が起きるか
外径のまま描くと、巻き上げた径が板厚1枚ぶん太る
φ300→φ200・高さ150・板厚0.5mm のレデューサで比べる。外径基準として中立径(299.5/199.5)に直して展開すると、外半径 R1 は 473.6mm。外径の数字のまま描くと R1 は 474.3mm になり、差は R1 で 0.79mm、外弧の弦長で 1.32mm だ。図の上では目立たない差だが、巻き上げた外径は板厚1枚ぶん、つまり 0.5mm 太くなる。相手のダクトや継手と差し込みで接続するなら、この差がそのままはめ合いのきつさ・ゆるさになる。
板厚が増えると差は比例して大きくなる。配管用炭素鋼鋼管(JIS G 3452)の SGP 100A は外径 114.3mm・厚さ 4.5mm で、外径で描いた型紙と肉厚中心で描いた型紙とでは、一周の長さが約 14.1mm 違う。肉厚のある管や厚板の製缶では、どの面に合わせて型紙を作るのかを最初に決めておかないと、継ぎ目が合わないか、合わせた代わりに径が狂う。
エビ曲げのピース数は、切り口の傾きと圧損を決める
90°のエビ曲げで、ピース数 N と切り口の傾き γ の関係は、N = 2(留め継ぎ)で45°、N = 3 で22.5°、N = 4 で15°、N = 5 で11.25°になる。ピースを減らすほど切り口は急に傾き、溶接線は長い楕円になる(楕円の長径は D/cosγ で、留め継ぎなら管径の約1.41倍)。流れの側から見ても、1か所で大きく向きを変える継ぎ目ほど流れがはがれ、局部損失が増える。ダクトサイズ計算ツールが出すのは直管の圧力損失なので、エルボの局部抵抗は別に足すことになる。その局部抵抗の大きさを左右するのが、このピース数の選び方だ。一方でピースを増やせば、切断と溶接の箇所が増える。切り口の傾きを見ながらその兼ね合いを決めるのが、エビ曲げの設計だ。
相貫の穴は、型紙より大きく開けない
T字の分岐では、主管に開ける穴の形も相貫線で決まる。穴を型紙より大きく開けると、溶接の隙間が広がるうえ、主管の断面が余計に欠ける。斜めに交わるほど穴は軸方向に長く伸びる(使用例の斜め45°の相貫を参照)。圧力のかかる配管では、ASME B31.3 などの配管規格が分岐部の開口に補強(当て板など)の検討を求めている。穴を必要な大きさぴったりに開けることが、補強を最小限に抑える第一歩になる。
技能検定でも展開は避けて通れない
国家資格の技能検定には工場板金・建築板金の職種があり、展開図を描いて板を切り、曲げて組み立てる力が問われる。展開の誤差は組み立ての段階で継ぎ目の隙間や食い違いとして表に出るので、作図の手順だけでなく、どの寸法で描くかまで身に付けておきたい。
板金展開図アプリの出番 — 4つの現場
丸ダクトの現場加工。 スパイラルダクトの継手は既製品が揃っているが、半端な径のレデューサや、角度の決まった分岐は現場で板から作ることがある。寸法を測ってその場で型紙を出せれば、事務所に戻って作図する往復が消える。
ホッパー・シュートの製缶。 粉体のホッパーは、容量と排出性から上径・排出口・半頂角を決め、そのあと円錐部分を板から巻く。ホッパー容量・排出設計ツールで寸法を決めたら、同じ寸法をこのツールに入れれば型紙になる。径が1mを超えると扇形の半径が数mになり、コンパスやトラメル(棒コンパス)の準備から段取りが変わるので、先に大きさを知っておく価値がある。
配管のエビ曲げと分岐の切り口。 大口径でベンドの既製品が手に入らないとき、あるいは急ぎで直管から切り回すとき、エビ曲げと T字の切り口が必要になる。紙の型紙を管に巻き付けて切断線をけがくのが昔からのやり方で、その型紙の座標をここで出せる。
技能検定の練習。 手で描いた展開図の弦長や等分の歩みを、計算値と突き合わせて答え合わせに使える。作図の手順を覚える段階では、どの寸法がどれだけずれていたかが分かるのが一番の近道になる。
使い方 — 形を選び、基準と板厚を入れ、型紙にする
ステップ1: 形状を選ぶ。 円錐台・偏心円錐台・斜め切り円筒・エビ曲げ・相貫の5つから選ぶ。迷ったら「よくある形から選ぶ」のプリセット(丸ダクトのレデューサ、片寄せレデューサ、φ200 の45°斜め切り、SGP 100A のエビ曲げ、丸ダクトの T字分岐)を押すと、全部の欄が例の寸法で埋まる。寸法の欄は、選んだ形に必要なものだけが表示される。
ステップ2: 寸法の基準と板厚、寸法を入れる。 図面に書いてある径が外径か内径かを「寸法の基準」で選び、板厚を入れる。板厚の中心の径がすでに分かっているなら「中立径」を選ぶ。斜め切り円筒・エビ曲げ・相貫では「型紙の使い方」も選ぶ。板を巻いて管を作るなら「板から巻いて作る」(板厚の中心で展開)、既製の鋼管やダクトに紙を巻いて切り口をけがくなら「既製の管に巻いてけがく」(管の外面の径で展開)にすると、紙が管の外周でぴったり一周する。分割数は12・16・24・36から選べ、座標表の行数と展開図の等分線の数になる。偏心円錐台には、偏心量を上限(片寄せ)にそろえる操作が用意してある。
ステップ3: 座標表か原寸 SVG で型紙にする。 形ごとの代表値(円錐台なら展開の外半径 R1、エビ曲げなら切り口の傾き γ など)と主な寸法、展開図、等分点ごとの座標表が表示される。座標表はコピーして表計算ソフトに貼れる。原寸 SVG をダウンロードして印刷するときは、印刷の設定で**「実際のサイズ(100%)」**を選ぶ。用紙に合わせて縮小されると型紙にならない。型紙の大きさと、A4・A3 に収まるかどうかも表示される。
使用例 — レデューサからホッパーまで9ケースの展開図
以下はすべてツールの計算結果で、mm は小数1桁、角度は小数2桁に丸めている。
ケース1: 丸ダクトのレデューサ φ300→φ200(円錐台 展開図)
入力: 円錐台・外径基準・板厚0.5・大径300・小径200・高さ150・分割16 結果: 中立径 299.5/199.5、斜辺 158.1、展開の外半径 R1 473.6、内半径 R2 315.4、中心角 θ 113.84°(半頂角 18.43°)、外弧の弦長 793.6・矢高 215.1、等分の歩み 外58.8・内39.1、型紙 793.6 × 301.4mm 解釈: R1 が 473.6mm なので、トラメルで十分に描ける。外弧はディバイダを 58.8mm に開いて16歩、内弧は 39.1mm で16歩。弦長と矢高で扇形の開きを先に押さえておくと、歩みの誤差が端に溜まらない。型紙は A3 にも収まらない大きさなので、印刷するなら大判で、そうでなければ座標表の値で板に直接けがく。
ケース2: 片寄せレデューサ φ300→φ200(レデューサー 展開図)
入力: 偏心円錐台・外径基準・板厚0.5・大径300・小径200・高さ200・偏心量50(片寄せ)・分割16 結果: 稜線の実長は最小 200.0・最大 223.6(g0〜g8: 200.0, 200.9, 203.6, 207.6, 212.1, 216.6, 220.3, 222.8, 223.6。g9〜g16 は対称)、1歩の弧長 外58.8・内39.2、型紙 596.2 × 555.9mm 解釈: g0 = 200.0 は高さそのもので、片寄せ側の稜線が垂直に立っていることを示す。反対側の g8 は √(200² + 100²) = 223.6 だ。稜線が1本ずつ違う長さなので、表の順に三角形を並べていく。
ケース3: φ200 を45°で斜め切り
入力: 斜め切り円筒・外径基準・板厚0.5・管径200・切断角45°・短い側の高さ50・分割16 結果: 展開幅(円周)626.7、切り込み高さ 最短50.0・最長249.5、型紙 626.7 × 249.5mm 解釈: 最長と最短の差 199.5 は中立径 × tan45° そのものだ。同じ型紙で2本作って切り口どうしを合わせれば、90°の留め継ぎ(エルボ)になる。
ケース4: SGP 100A の90°エビ曲げ(エビ曲げ 展開図)
入力: エビ曲げ・外径基準・型紙の使い方「既製の管に巻いてけがく」・板厚4.5・管径114.3・曲げ半径150・曲げ角90°・ピース数4 結果: 展開に使った径 114.3(管の外面)、切り口の傾き γ 15.00°、中間ピース 背111.0・腹49.8・中心80.4、端ピース 背55.5・腹24.9、必要な管の長さ(中心線)241.2、展開幅 359.1 解釈: 4ピースは中間2個と端2個で、中心線の長さは 80.4 × 2 + 40.2 × 2 = 241.2mm になる(端ピースの中心は R·tanγ)。展開幅 359.1mm は外径 114.3 の一周そのもので、紙を鋼管の外面に巻くと継ぎ目がぴったり突き合う。同じ寸法で「板から巻いて作る」を選ぶと、板厚の中心(中立径 109.8)で展開するので展開幅は 344.9mm、中間ピースは背109.8・腹51.0 になる。差の14.1mm は π × 板厚4.5 で、既製管に中立径の型紙を巻くと一周で14mm 足りない。中心線の長さ 241.2mm はどちらでも変わらない。
ケース5: 丸ダクトの T字分岐 φ300×φ150(相貫 展開図)
入力: 相貫・外径基準・板厚0.5・主管径300・枝管径150・交差角90°・分割16 結果: 枝管の中立径 149.5、展開幅 469.7、切り込みの深さ 20.0、主管の穴 軸149.5 × 周156.5。等分点ごとの切り込み(k = 0〜8): 20.0, 17.2, 10.4, 3.1, 0.0, 3.1, 10.4, 17.2, 20.0 解釈: 枝管が主管の半分の径だと、鞍の深さは 20mm ほどの浅い波になる。主管の軸に沿った側(k = 0 と 8)で最も深く切り戻し、横へ回り込む側(k = 4)は基準線のまま。主管の穴は軸方向がちょうど枝管の中立径で、周方向は弧に沿うぶん少し長い。
ケース6: 斜め45°の相貫 φ300×φ150
入力: ケース5と同じで交差角だけ45° 結果: 切り込みの深さ 149.5、主管の穴 軸211.4 × 周156.5。切り込み(k = 0〜8): 0, 1.8, 8.3, 22.3, 46.5, 79.5, 114.0, 139.9, 149.5 解釈: 深さは 2rb·cosβ/sinβ で、45°では枝管の中立径と同じ 149.5mm になる。T字の20mm と比べて7倍以上深く、切り口は鞍ではなく斜めに大きく削いだ形だ。穴の軸方向は 149.5 ÷ sin45° = 211.4mm と、T字より4割ほど長くなる。周方向は交差角によらず変わらない。
ケース7: ホッパーの円錐 D2000→D300(円錐 展開図 計算)
入力: 円錐台・外径基準・板厚3.2・大径2000・小径300・高さ1472.2・分割16 結果: 斜辺 1,700.0、R1 1,996.8、R2 296.8、中心角 θ 180.00°、型紙 3,993.5 × 1,996.8mm 解釈: ホッパー容量・排出設計ツールの既定(上径2000・排出口300・半頂角30°)と同じ寸法で、θ = 360° × sin30° のとおり型紙はちょうど半円になる。幅が約4m あり、5×10板(1524 × 3048mm)でも1枚では取れないので、2〜3枚に割って継ぐ前提で割り付けを考える。
ケース8: 留め継ぎ φ200(エビ曲げ N = 2)
入力: エビ曲げ・外径基準・板厚3.2・管径200・曲げ半径100・曲げ角90°・ピース数2 結果: 中立径 196.8、切り口の傾き γ 45.00°、中間ピースは無し、端ピース 背198.4・腹1.6、必要な管の長さ(中心線)200.0 解釈: 曲げ半径 100 が管の半径 98.4 とほぼ同じなので、腹側の切り口は 1.6mm しか残らず、ほぼ1点で接する。中心線の長さは 2R そのもので、2本の端ピースが45°の切り口で突き合わさる形だ。
ケース9: コンパスで描けない大径の円錐台 φ2000→φ1900
入力: 円錐台・外径基準・板厚1.6・大径2000・小径1900・高さ500・分割16 結果: R1 10,041.8、R2 9,539.3、中心角 θ 35.82°、外弧の弦長 6,176.4・矢高 486.7。展開の半径が大きすぎてコンパスでは描けない、という注記が添えられる 解釈: 径の差がわずか100mm だと、扇形の半径は10m を超える。工場の床でも中心が取れないので、弦長 6,176.4mm の両端と、その中点から 486.7mm 離れた矢高の点を先に打ち、残りは座標表の点を結んで弧にする。
計算の仕組み — 閉じた式と三角形分割の使い分け
候補手法の比較
円錐台は、三角形分割でも解ける。ただ同心であれば、展開の描き方の節で導いた扇形の式が厳密で、けがきもコンパス1本で済む。わざわざ近似を持ち込む理由が無いので、放射線法の閉じた式を採った。偏心円錐台は、頂点からの母線の長さがそろわず、コンパス1本で描ける閉じた式が無い。こちらは三角形分割法の一択になる。斜め切り円筒・エビ曲げ・相貫は、母線の長さそのものが閉じた式で出るので、平行線法で等分点ごとに値を出す。
偏心の三角形分割で、弦ではなく弧長を使う理由
三角形分割の教本どおりに、周方向の辺を等分点の間の弦(直線)で取ると、n 本の弦の合計は円周より短くなる。分割数12では型紙の周長が πDm より1.14%短く、φ500 なら巻き上げた直径が約5.7mm 小さくなる。分割数24でも0.29%短い。分割数を増やせば差は縮むが、ゼロにはならない。
このツールは周方向の辺に弧長(大径側 πDm1/n、小径側 πDm2/n)を使う。こうすると型紙の外周の長さが必ず πDm に一致し、分割数によらず巻き上げた径が狂わない。同心の円錐台でディバイダの開きとして弦長(等分の歩み)を出しているのとは、目的が違う。あちらは扇形の外弧の上を歩む道具の開きで、弧そのものはコンパスで描かれている。
計算の流れ
1. 寸法の基準と板厚から中立径 Dm を出す(円錐台・偏心は大小が逆なら入れ替える)
2. 形ごとに分岐
円錐台 R1・R2・θ・弦長・矢高・等分の歩みを閉じた式で出す
等分点 φk = −θ/2 + θ·k/n、外の点 (R1·sinφk, R1·cosφk)
偏心 稜線 gk と対角線 dk の実長を出す
P'0 = (0, 0)、Q'0 = (0, g0) から始め、
Q'k+1 = 「P'k から dk」と「Q'k から小径側の弧長」の2円の交点
P'k+1 = 「P'k から大径側の弧長」と「Q'k+1 から gk+1」の2円の交点
(交点は常に同じ側を取る)
斜め切り・エビ ψ = 360°·k/n ごとに母線の長さを出す
相貫 t(ψ) を0.5°刻み(720点)で評価して最小値を基準線にし、
等分点ごとに切り込み d = t − t_min と主管の穴の座標を出す
3. 型紙の外接矩形から、余白10mm込みで A4・A3 に収まるかを判定する
相貫だけ0.5°刻みで別に探すのは、斜めに交わると t の最小が等分点の上に来るとは限らないからだ。分割数を変えたら切り込みの深さまで変わってしまう、ということが起きないようにしている。
斜めの相貫の式を座標から導く
T字の式は主管の軸の方向から眺めて出せたが、斜めに交わると枝管の母線ごとに主管へ当たる高さと前後の位置が同時に変わる。そこで座標を置く。主管の軸を x 軸にとり、主管の中立面を y² + z² = Rm² とする。枝管の軸は xz 面内で x 軸と角 β をなし、その向きを a = (cosβ, 0, sinβ)、周方向の基準を u = (−sinβ, 0, cosβ)、w = (0, 1, 0) とすると、枝管の母線上の点は次のように書ける。
点 = t·a + rb·(cosψ·u + sinψ·w)
→ y = rb·sinψ、z = t·sinβ + rb·cosψ·cosβ
主管の面に乗る条件 y² + z² = Rm² を t について解くと
t(ψ) = ( √(Rm² − rb²·sin²ψ) − rb·cosψ·cosβ ) / sinβ
主管の穴 周方向 s = Rm·asin(rb·sinψ / Rm)、軸方向 x = t·cosβ − rb·cosψ·sinβ
β = 90° を入れると cosβ = 0、sinβ = 1 で、t(ψ) = √(Rm² − rb²·sin²ψ) となり、T字の切り口の節で出した教科書の式に戻る。さらに、交差角を30〜90°で変え、ψ を720分割した全点について「主管の面に乗っているか」「枝管の軸からの距離が rb か」を独立に確かめると、残差は最大でも 1.5 × 10⁻¹¹mm だった。式は両方の管の交線を正しく与えている。
計算例 — 斜め45°の相貫 φ300×φ150(板厚0.5・外径基準)
中立径にすると Rm = 149.75、rb = 74.75。sin45° = cos45° ≒ 0.7071 を使う。
ψ = 0° t = (149.75 − 74.75 × 0.7071) / 0.7071 = 137.03 ← 最小(基準線)
ψ = 90° t = √(149.75² − 74.75²) / 0.7071 = 183.51 → d = 46.48
ψ = 180° t = (149.75 + 74.75 × 0.7071) / 0.7071 = 286.53 → d = 149.50
ψ = 180° と 0° の差は 2rb·cosβ/sinβ に整理でき、45°では 2rb = 149.5mm になる。ψ = 90° の 46.48 は等分点 k = 4 の切り込みと一致する。
偏心量0で閉じた式と突き合わせる
三角形分割の実装は、偏心量を0にして同心の円錐台と比べると検算できる。φ300→φ200・高さ150・板厚0.5・分割24 で偏心量0にすると、稜線の実長はすべて 158.1139mm になり、円錐台の斜辺と一致する。展開した型紙の両端 P'0 と P'24 の距離は 793.75mm で、閉じた式の外弧の弦長 793.59mm との差は0.02%。三角形は平面なので曲面をわずかに折れ線で近似した分だけずれるが、弧長を使っている効果で周長は崩れず、同心の場合に閉じた式へきちんと収束している。
板金展開図の無料ツール・CADとの違いと、隣のツールとの役割分担
冒頭の「なぜ作ったのか」で触れたとおり、日本語・ブラウザ・無料の3つがそろった展開図ツールはほとんど見当たらない。ここでは、実際に候補に上がる3種類と何が違うのかを事実ベースで並べておく。
円錐展開図のテンプレートを出す日本語のWebツールは、ブラウザで開けてすぐ使える点ではいちばん近い。ただし対象は円錐と円錐台だけで、偏心(片寄せ)レデューサ・斜め切り・エビ曲げ・相貫は扱わず、板厚の補正も無い。このツールは同じ画面で5つの形を切り替えられ、外径・内径・中立径のどれで入れても、板を巻いて作るなら板厚の中心で、既製の管に巻いてけがくなら管の外面の径で展開する。
CADTOOL 板金展開9のような有償のデスクトップソフトは、レデューサも相貫も描ける本格派だ。代わりにインストールが要り、体験版で試したあと使い続けるには購入が要る。現場のスマホや事務所の共用PCで「1枚だけ型紙が欲しい」場面には重い。こちらはDXF出力こそ無いが、座標表のTSVコピーと原寸SVGのダウンロードで、表計算ソフトにも印刷にもそのまま渡せる。
英語のiOSアプリ(Flat Pattern 系・Branch Pipe Layout 系)は相貫やレデューサに対応するものがあるが、画面が英語で、使える端末も選ぶ。
サイト内の隣のツールとは扱う対象が重ならないように分けている。
- 板金曲げ展開長カリキュレーターは、平板をL・Z・コの字・ハットに折るときの展開長と伸びを出す。このツールは回転体と管の展開図が担当で、平板の曲げは扱わない。円錐台のふちにフランジを折り返すなら、型紙はここで、折り返しの伸びは向こうで出す
- ホッパー容量・排出設計ツールは、円錐ホッパーの容量とマスフロー・ブリッジの判定をする。型紙は出さないので、向こうで決めた上径・排出口・半頂角を、こちらの円錐台にそのまま入れて展開する流れになる
- **配管サイズ換算ツール(呼び径A・B・外径・内径)**は、呼び径から外径・肉厚を引く。エビ曲げのプリセットにある SGP 100A の寸法は、向こうの定数と同じ値を使っている
えび管・トラメル・原寸場 ― 展開図にまつわる現場の言葉
エビ曲げは「海老の背中」から
短い管を少しずつ角度を付けてつないだ曲がり管を、日本の現場では「エビ曲げ」「えび管」「海老継ぎ」と呼ぶ。くの字に折れた節が連なる姿が、殻の節ごとに曲がる海老の背中に見えるからだ。面白いのは、英語圏でも同じものを lobster back(ロブスターの背)と呼ぶことで、遠く離れた土地の職人が同じ甲殻類を連想している。英語ではほかに segmented bend、mitred bend とも言い、mitre は木工の「留め継ぎ」と同じ言葉だ。2ピースのエビ曲げを留め継ぎと呼ぶのは、額縁の角を45°ずつ切って合わせるのと、やっていることが同じだからである。
トラメル ― コンパスの届かない円を描く道具
大きな円錐台の扇形を描こうとすると、手持ちのコンパスではまず足りない。そこで使われるのがトラメル(棒コンパス)だ。長い角材や鋼の棒に、針とけがき針の付いた2つの金具を好きな間隔で締め付けて使う。棒さえ長ければ半径はいくらでも伸ばせるので、ホッパーやタンクの屋根のような大物の型紙はこれで描かれてきた。英語では beam compass とも呼ばれ、金具を trammel points と言う。棒は現場の木材で済むので、金具だけ持ち歩く職人も多い。
原寸場とロフト
造船や橋梁、建築鉄骨の工場には、かつて体育館のような広い床に図面を実物大で描く場所があった。造船では「現図場」、鉄骨では「原寸場」と呼ばれ、ここで描いた線から型板を起こして鋼板をけがいた。英語ではこの作業を lofting と言う。工場の床の上に設けた屋根裏(loft)のような広い中二階で描いたのが語源で、船体の曲線を細い木の当て板(バテン)をしならせて引いた。
1970年代以降は数値計算とCADに置き換わり、床に原寸を描く光景はほとんど消えた。それでも3D CADには、断面をなめらかにつないで立体を作る「ロフト」というコマンドが今も残っている。鉄骨の世界でも、製作前に寸法を確かめる工程を「原寸」と呼ぶ習慣が続いている。座標表から型紙を起こすこのツールの流れも、言ってみれば原寸場を小さく持ち歩くようなものだ。
けがきと型紙づくりのコツ
1. 円周の等分は「折る」と速い。 管に紙テープを1周巻いて、重なった位置で切れば周長そのものが手に入る。それを半分に4回折れば16等分になる。分割数16を選んだときは、この折り目がそのまま等分点になる。暗算の目安として、16等分の1区間は直径のほぼ5分の1(π/16 ≒ 0.196)と覚えておくと、けがいた間隔の検算が一瞬で済む。
2. ディバイダで弧を歩むときは、最後のずれを等分数で割って開き直す。 扇形の外弧をディバイダで歩んで、終点が数mmずれたとする。そのずれを等分数で割った分だけディバイダを開く(または閉じる)と、2回目でほぼ合う。円錐台の結果に出る「等分の歩み」は弦長なので、ディバイダの開きにそのまま合わせられる。
3. 継ぎ目は最も短い母線に置く。 斜め切り円筒やエビ曲げのピースは、どこで切り開いても展開図として成り立つが、いちばん短い母線で開くと溶接やはぜの長さが最短で済む。帯板からエビの中間ピースを何枚も取るときは、1枚おきに上下を反転して並べると切り口の曲線が隣どうしで共有でき、端材がほとんど出ない。
4. 大きな弧は細い定規をしならせて引く。 コンパスもトラメルも届かない半径なら、座標表の点を板に打ち、細い木の定規やアクリルの帯をしならせて点に沿わせる。3点以上を通るなめらかな曲線がすぐ引ける。
5. 型紙は薄く、伸び縮みしにくい材料で。 管に巻く型紙は、薄いケント紙か0.1〜0.2mm程度のPETフィルムが扱いやすい。普通紙は湿気で伸び縮みし、厚紙は管に密着しない。巻いたら両端がぴったり突き合うかを必ず確かめる。すき間や重なりが出たら、寸法の基準(外径か内径か)の取り違えか、「型紙の使い方」が「板から巻いて作る」のままになっていないかを疑う。
板金展開図メーカーのよくある質問
原寸SVGを印刷したら、型紙の寸法が少し小さい(大きい)
印刷ダイアログの倍率が「ページに合わせる」や「用紙サイズに合わせて縮小」になっていると、型紙が数%縮んで出る。「実際のサイズ」や「100%」を選び直してほしい。それでも合わないときは、印刷した型紙の幅を定規で測り、画面に出ている「W × H mm」と比べると、プリンタ側の誤差か設定の問題かを切り分けられる。型紙がA4・A3に収まらないときは、同じ行にその旨が表示される。分割印刷には対応していないので、大きな型紙は座標表から板に直接けがくほうが確実だ。
角ダクトや、角から丸に変わるダクトの展開はできる?
いまは対応していない。扱うのは円錐台・偏心円錐台・斜め切り円筒・エビ曲げ・相貫の5つで、いずれも丸い断面の形だ。角ダクトのエルボや角の折り曲げは平板の曲げなので、展開長と伸びは板金曲げ展開長カリキュレーターで出せる。角から丸へのトランジション(角丸)は三角形分割法で描ける形だが、入力と表示が大きく変わるため今回は見送った。
寸法は外径・内径・中立径のどれで入れればいい?
なぜ板厚の中心で展開するのかは、上の展開図の描き方の節で説明したとおりだ。ツールの使い方としては、手元の図面や現物で測った径を、そのままの種類で入れればいい。ダクトの外側に差し込む継手なら内径、鋼管のエビ曲げなら規格表の外径、という具合だ。
もう1つ選ぶのが「型紙の使い方」(斜め切り円筒・エビ曲げ・相貫のとき)。板を巻いて管を作るなら「板から巻いて作る」を選ぶ。内部で中立径に換算して展開するので、巻き上げたときに入れた径どおりになる。既製の鋼管やダクトに紙を巻いて切り口をけがくなら「既製の管に巻いてけがく」を選ぶ。管の外面の径で展開するので、紙が外周でぴったり一周する。肉厚のある鋼管でここを取り違えると、一周で π × 肉厚ぶん足りなくなる。SGP などの外径と肉厚は配管サイズ換算ツールで引ける。
大きな円錐台で「コンパスで描くのは現実的でない」と出た
大径と小径が近く高さがある円錐台は、扇形の半径が極端に大きくなる。展開の外半径が5mを超えると、この注意が出る(使用例の φ2000→φ1900 の円錐台がその例で、けがき方もそこに書いた)。座標表はTSVでコピーできるので、表計算ソフトに貼って点の間隔を確かめてから板に打つと安心だ。
相貫で板厚の注意が出たのはなぜ?
板厚が枝管の径に対して大きいと表示される。たとえば板厚4.5mm・枝管の中立径56.0mm の相貫では、板厚と枝管径の比が 0.0804 になり、目安の5%を超えるので注意が出る。このツールは「板から巻いて作る」なら両管とも板厚の中心どうし、「既製の管に巻いてけがく」なら両管の外面どうしを合わせて展開している。実際に枝管の内面を主管の外面に載せるのか、中心どうしで突き合わせるのかで、厚板では切り口が数mm変わる。開先を取る溶接なら、型紙は目安として使い、最後は現物合わせで削り込んでほしい。
入力した寸法はどこかに送られる?
送られない。展開の計算・SVGの作図・座標表の作成・原寸SVGのファイル生成は、すべて開いているブラウザの中で完結している。寸法や板厚がサーバーに保存されることはなく、ページを閉じれば入力も消える。客先の図面の寸法をそのまま入れても外に出ないので、見積もり前の検討にも使ってかまわない。
まとめ:管と円錐の型紙はここで、前後の計算は隣のツールで
円錐台・片寄せレデューサ・斜め切り・エビ曲げ・相貫の型紙は、寸法と板厚を入れれば座標表と原寸SVGまで一度に出る。平板の折り曲げは板金曲げ展開長カリキュレーター、ホッパーの容量と排出性はホッパー容量・排出設計ツール、丸ダクトの径と直管の圧力損失はダクトサイズ計算ツール、鋼管の外径・肉厚は配管サイズ換算ツール(呼び径A・B・外径・内径)、胴を巻いたタンクの容量はタンク容量計算シミュレーターと組み合わせると、設計から型紙まで一続きになる。切らずにベンダーで曲げる管の切断長と印の位置はパイプ・電線管の曲げ寸法計算(90°曲げ・オフセット・3点サドル)が受け持つ。
展開してほしい形や、使っていて気になった点があればお問い合わせページから気軽に送ってほしい。