ヒートシンク放熱設計ツール

発熱量から必要な熱抵抗・フィン寸法・ヒートシンクサイズを逆算設計

半導体やパワーデバイスの発熱量・許容温度上昇・冷却条件を入力すると、必要な熱抵抗値を算出し、フィン枚数・高さ・ピッチからヒートシンクの推奨サイズを提案。

デバイス条件

デバイスの消費電力

Tj_max

ジャンクション→ケース

ケース→シンク

使用環境の最高周囲温度

冷却条件

フィン仕様

アルミ(A6063)209 W/(m·K)

設計結果

温度余裕余裕わずか
0.1℃
必要ヒートシンク熱抵抗2.50℃/W
熱伝達率10.5W/(m²·K)
フィン効率99.8%
推奨サイズ(幅×奥行×高さ)80 × 80 × 10mm
推奨フィン枚数20
フィンピッチ4.0mm
推定熱抵抗2.49℃/W
温度上昇見込み44.9
温度余裕0.1

本ツールは簡易的な1次元伝熱モデルによる概算値です。実際の設計ではCFD解析や実測による検証を行ってください。放射伝熱は考慮していません。計算結果の利用はすべて自己責任で行ってください。

不具合・ご要望はお気軽に@MahiroMemoまで

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「基板が落ちた」——放熱設計の失敗から始まる話

パワーMOSFETの試作基板を動かして30分、突然シャットダウン。触ってみるとデバイスが火傷しそうなほど熱い。データシートの「Tj_max = 150℃」を軽く見ていた。ヒートシンクなしで動かしたのが原因だった——こんな経験、電子機器を扱う技術者なら一度はあるよね。

ヒートシンク放熱設計ツールは、デバイスの発熱量・許容温度・環境温度を入力するだけで必要な熱抵抗値を逆算し、フィン枚数・高さ・ピッチから最小体積のヒートシンク推奨サイズを自動で提案するツールだ。自然空冷と強制空冷の両方に対応し、フィン効率の計算も組み込んでいるから、「とりあえずこのサイズで大丈夫か?」の判断がすぐにできる。

なぜヒートシンク放熱設計ツールを作ったのか

既存ツールへの不満

ヒートシンクの選定は、多くの技術者が「メーカーのカタログから見た目と熱抵抗値で選ぶ」というアプローチを取っている。しかしこれには問題がある。

まず、カタログに載っている熱抵抗値は特定の条件下での測定値だ。ベースサイズ、風速、取り付け方向——条件が変われば値は大きく変わる。次に、「必要な熱抵抗がそもそもいくらなのか」を計算しないままカタログを眺めている人が多い。Rth_jcやRth_csを考慮せずにヒートシンクの熱抵抗だけ見ても、正しい選定はできない。

市販の放熱計算ソフトはあるが、高機能すぎて「ちょっと確認したい」用途には重い。CFD解析はもちろん正確だが、概算段階でメッシュを切るのは過剰。

こだわった設計判断

  • 熱抵抗ネットワーク逆算: Rth_jc + Rth_cs + Rth_sa の直列モデルで、ヒートシンクに要求される熱抵抗を先に算出する。この「逆算」アプローチが放熱設計の第一歩
  • 最小体積探索: 幅・奥行・高さ・フィンピッチの標準寸法候補から、要求熱抵抗を満たす最小体積の組み合わせを自動探索する
  • フィン効率の自動計算: tanh(mL)/(mL) のフィン効率を組み込み、「フィンを高くすればいいわけじゃない」ことを数値で示す

ヒートシンクの放熱設計 とは何か

熱抵抗ネットワーク の基本

熱の流れは電気回路のオームの法則とまったく同じ構造で理解できる。温度差が「電圧」、熱流量(発熱量)が「電流」、熱抵抗が「抵抗」に対応する。

温度差 ΔT [℃] = 発熱量 P [W] × 熱抵抗 Rth [℃/W]

水道管にたとえると、太いパイプ(低い熱抵抗)なら水(熱)がスムーズに流れ、細いパイプ(高い熱抵抗)ではせき止められる。ヒートシンクの役目は、デバイスと空気の間にある「パイプ」を太くすることだ。

半導体デバイスからの熱は以下の直列経路をたどる:

ジャンクション → ケース → ヒートシンク → 周囲空気
  (Rth_jc)      (Rth_cs)      (Rth_sa)
  • Rth_jc(ジャンクション-ケース間熱抵抗): デバイスのデータシートに記載。パッケージ構造で決まり、ユーザーが変更できない
  • Rth_cs(ケース-シンク間熱抵抗): 放熱グリスやサーマルパッドの性能で決まる。通常0.2〜1.0 ℃/W程度
  • Rth_sa(シンク-周囲空気間熱抵抗): ヒートシンクの形状・材質・冷却方式で決まる。設計者が最もコントロールできる部分

フィン効率 とは

フィンの根元は熱源に近いから温度が高いが、先端に行くほど温度が下がる。この温度低下により、フィン全体が均一に放熱できるわけではない。「理想的なフィン(全面が根元温度)」に対する実際の放熱量の比率がフィン効率(η)だ。

η = tanh(mL) / (mL)
m = √(2h / (k × t))

h: 熱伝達率 [W/(m²·K)]
k: フィン材質の熱伝導率 [W/(m·K)]
t: フィン厚さ [m]
L: フィン高さ [m]

アルミフィン(k=209)で厚さ1.5mm、高さ30mmの場合、自然空冷(h≈10)ならη≈95%と高効率。しかし強制空冷(h≈50)でフィン高さを100mmにするとη≈60%まで低下する。フィンを高くしすぎると効率が落ちる——これが「最適な高さ」が存在する理由だ。

参考: フィン効率 — Wikipedia

放熱設計の実務で 熱抵抗が重要な理由

半導体の寿命は温度で決まる

半導体デバイスの故障率は、ジャンクション温度が10℃上がるごとに約2倍に加速する(アレニウスの法則)。つまり、放熱設計の不備は単にデバイスが壊れるだけでなく、製品寿命に直結する問題だ。

IPC-2221(プリント配線板の設計規格)でも、基板上の温度管理が重要な設計パラメータとして規定されている。車載ECU、産業用インバータ、LED照明——いずれも放熱設計の良し悪しが製品の信頼性を左右する。

ディレーティング の考え方

デバイスの許容電流やスイッチング周波数は、ジャンクション温度によって低減(ディレーティング)される。データシートに記載される最大定格は、多くの場合Tc=25℃(ケース温度25℃)が前提。実使用環境が40℃や60℃なら、使える電流はカタログ値より大幅に下がる。

たとえば、25℃で10A流せるMOSFETが、ジャンクション温度125℃付近では6A程度しか流せないケースは珍しくない。放熱設計は「デバイスを壊さない」だけでなく「定格通りの性能を出す」ためにも必須だ。

熱暴走の恐怖

パワーデバイスは温度上昇→ON抵抗増加→さらに発熱増加、という正のフィードバックループに入ることがある。これが「熱暴走」だ。一度熱暴走に入ると、外部から冷却しない限り温度が上がり続け、最終的にデバイスが破壊される。適切なヒートシンクは、この暴走ループを断ち切る防波堤になる。

こんな場面で放熱設計ツールが活躍する

  • パワエレ設計: MOSFET・IGBTのヒートシンク選定。スイッチング損失から必要な放熱面積を逆算
  • LED照明設計: 大電流LEDの温度管理。Tj上昇による光束低下と色温度ドリフトを防止
  • 産業用コンピュータ: ファンレス筐体の放熱設計。自然空冷でのヒートシンクサイズ見積り
  • 車載ECU: 高温環境(85℃〜)での放熱余裕の確認。安全マージンの数値化

基本の使い方 — 3ステップで完了

  1. デバイス条件を入力 — 発熱量(W)、許容ジャンクション温度(℃)、Rth_jcとRth_csをデータシートから転記
  2. 冷却方式を選択 — 自然空冷か強制空冷かを選び、フィン材質(アルミ/銅)を指定
  3. 結果を確認 — 必要熱抵抗、推奨フィン寸法、温度余裕が自動で表示される。余裕がマイナスなら赤色で警告

具体的な使用例・検証データ

ケース1: MOSFET(TO-220パッケージ)の放熱

  • 発熱量: 5W / Tj_max: 150℃ / Ta: 40℃ / Rth_jc: 1.5℃/W / Rth_cs: 0.5℃/W
  • 必要Rth_sa = (150-40)/5 - 1.5 - 0.5 = 20.0 ℃/W
  • 結果: 自然空冷で30×30×15mmの小型ヒートシンクで十分。温度余裕も大きい

注意点: Rth_sa = 20℃/Wは「放熱グリスなしの基板放熱だけで足りるのでは?」と思えるほど緩い条件。しかし基板のみでの放熱は周囲の部品配置に大きく左右されるため、実装密度が高い場合はヒートシンクを付けたほうが確実。余裕がありすぎるケースでもヒートシンクを省略する判断は慎重に。

ケース2: IGBTモジュール(大電力)

  • 発熱量: 80W / Tj_max: 150℃ / Ta: 40℃ / Rth_jc: 0.3℃/W / Rth_cs: 0.2℃/W
  • 必要Rth_sa = (150-40)/80 - 0.3 - 0.2 = 0.875 ℃/W
  • 結果: 自然空冷では大型シンクが必要。強制空冷(2m/s)に切り替えると100×80×40mm程度で収まる

注意点: IGBTモジュールのRth_jcは端子温度(Tc)基準であることが多い。サーマルグリスの塗りムラがあるとRth_csが0.2℃/Wから0.5℃/W以上に悪化するため、80W級では塗り方だけでΔT=24℃もの差が出る。均一な薄膜塗布が不可欠。

ケース3: 高輝度LED(10W級)

  • 発熱量: 8W / Tj_max: 120℃ / Ta: 40℃ / Rth_jc: 3.0℃/W / Rth_cs: 1.0℃/W
  • 必要Rth_sa = (120-40)/8 - 3.0 - 1.0 = 6.0 ℃/W
  • 結果: アルミ製50×50×20mmのヒートシンクで対応可能。フィン効率95%以上

注意点: LEDはTjが上がると光束が低下し色温度もドリフトする。Tj_max = 120℃は「壊れない上限」であって「光学性能が保証される上限」ではない。照明用途では実運転時のTjを85℃以下に抑えるのが一般的で、その場合必要Rth_saは(85-40)/8 - 3.0 - 1.0 = 1.625℃/Wとケタ違いに厳しくなる。

ケース4: 車載ECU(高温環境)

  • 発熱量: 15W / Tj_max: 125℃ / Ta: 85℃ / Rth_jc: 1.0℃/W / Rth_cs: 0.3℃/W
  • 必要Rth_sa = (125-85)/15 - 1.0 - 0.3 = 1.37 ℃/W
  • 結果: 周囲温度が高いためΔTが40℃しかなく、強制空冷が望ましい。自然空冷では大型化が避けられない

注意点: 車載環境のTa=85℃は「定常的な最悪条件」。実際には夏季の渋滞時にエンジンルーム内が100℃を超えることもある。車載ECUの設計では、Ta=105℃(AEC-Q100 Grade 2)やTa=125℃(Grade 1)で検証するメーカーも多い。Taが20℃上がるだけで必要Rth_saは(125-125)/15=0℃/W(つまり放熱だけでは解決不能)になりうる。

ケース5: 三相インバータ(6素子合計120W)

  • 発熱量: 120W / Tj_max: 150℃ / Ta: 40℃ / Rth_jc: 0.5℃/W / Rth_cs: 0.3℃/W
  • 必要Rth_sa = (150-40)/120 - 0.5 - 0.3 = 0.117 ℃/W
  • 結果: 自然空冷では事実上不可能。強制空冷(3m/s以上)で200×150×50mm級の大型シンクが必要

注意点: 6素子の合計発熱量で計算しているが、実際のインバータではスイッチングパターンにより各素子の発熱が非対称になる。最も発熱する素子(通常は下アーム側)の温度が最高になるため、発熱の偏りを考慮した設計が必要。合計120Wの均等割り20W/素子ではなく、最悪25〜30W/素子で個別にチェックすべきだ。

ケース6: Raspberry Pi のファンレス筐体設計

  • 発熱量: 6W / Tj_max: 85℃ / Ta: 35℃ / Rth_jc: 5.0℃/W / Rth_cs: 2.0℃/W
  • 必要Rth_sa = (85-35)/6 - 5.0 - 2.0 = 1.33 ℃/W
  • 結果: SoCのRth_jcが大きいためΔTの大部分がチップ内部で消費され、ヒートシンクに求められる熱抵抗は意外と低い。アルミ筐体を放熱面として利用する設計なら達成可能

注意点: Raspberry Piのような基板実装SoCはRth_jcの公開値が不正確なことが多い。データシートにRth_jaしか記載されていない場合、Rth_jcを推定する必要がある。サーマルパッドの厚みが1mmを超えるとRth_csが3〜5℃/Wに悪化するため、筐体とチップの間の隙間管理が鍵になる。

仕組み・アルゴリズム — 自然対流と強制対流の計算

手法の比較

放熱計算には大きく3つのアプローチがある。

手法精度計算時間用途
1次元伝熱モデル(本ツール)±20-30%即時概算・初期検討
CFD解析(ANSYS Fluent等)±5-10%数時間〜詳細設計
実測(熱電対・赤外線カメラ)最高精度試作必要最終検証

本ツールは1次元伝熱モデルを採用した。概算段階で「このサイズ感で足りるか」を素早く判断するのが目的であり、最終設計にはCFDや実測を推奨する。

自然空冷の計算フロー

垂直平板の自然対流ではグラスホフ数(Gr)とレイリー数(Ra)からヌセルト数を求める。

Ra = g × β × ΔT × L³ / (ν × α)
   = g × β × ΔT × L³ / (ν² / Pr)

Nu = 0.59 × Ra^0.25  (層流、Ra < 10⁹)

h = Nu × k_air / L

ここでg=9.81 m/s²、β=0.00336 1/K、ν=1.56×10⁻⁵ m²/s、Pr=0.71、k_air=0.026 W/(m·K)はいずれも25℃の空気物性値。

強制空冷の計算フロー

平板上の強制対流では、レイノルズ数(Re)で層流・乱流を判定する。

Re = V × L / ν

層流(Re < 5×10⁵):
  Nu = 0.664 × Re^0.5 × Pr^(1/3)

乱流(Re ≥ 5×10⁵):
  Nu = 0.037 × Re^0.8 × Pr^(1/3)

h = Nu × k_air / L

具体的な計算例

10W / Tj=85℃ / Ta=40℃ / Rth_jc=1.5 / Rth_cs=0.5 / 自然空冷 / アルミ / フィン厚1.5mmの場合:

[必要熱抵抗]
Rth_sa = (85 - 40) / 10 - 1.5 - 0.5 = 2.5 ℃/W

[自然空冷のh(フィン高さ30mm=0.03m仮定)]
Ra = 9.81 × 0.00336 × 22.5 × 0.03³ / (1.56e-5² / 0.71) ≈ 6,300
Nu = 0.59 × 6300^0.25 ≈ 5.25
h = 5.25 × 0.026 / 0.03 ≈ 4.55 W/(m²·K)

[フィン効率]
m = √(2 × 4.55 / (209 × 0.0015)) = √(14.5) ≈ 3.81 /m
η = tanh(3.81 × 0.03) / (3.81 × 0.03) = tanh(0.114) / 0.114 ≈ 0.996

→ フィン効率99.6%(自然空冷ではフィン効率は非常に高い)

他の放熱設計ツールとの違い

メーカー選定ツール vs 本ツール

ヒートシンクメーカー(ミスミ、フィッシャー等)のWebカタログは、自社製品の中から型番を選ぶには便利だが、「そもそも必要な熱抵抗がいくらか」を教えてくれない。本ツールは要求仕様の逆算から始めるので、メーカーカタログを見る前の「当たりをつける」ステップに最適。

CFD解析 vs 本ツール

CFD(ANSYS, COMSOL等)は3次元の流れ場と温度分布を高精度に計算できるが、メッシュ生成・境界条件設定に時間がかかる。初期検討段階では過剰。本ツールで概算→CFDで精査、というフローが効率的。

同サイト内の熱伝導シミュレーター との使い分け

熱伝導シミュレーターは壁・屋根の層構成からU値と結露リスクを判定する建築向けツール。本ツールは電子デバイスのヒートシンク設計に特化しており、フィン効率や推奨寸法の提案機能がある。目的に応じて使い分けてほしい。

放熱設計にまつわる豆知識

ベイパーチャンバーとヒートパイプ

スマートフォンやゲーミングPCで使われるベイパーチャンバーは、薄い銅板の中に水を封入した「面で熱を拡散する」デバイス。内部の水が蒸発→移動→凝縮のサイクルで熱を高速に輸送する。従来のヒートパイプが「線」で熱を運ぶのに対し、ベイパーチャンバーは「面」で運ぶので、薄型デバイスに最適だ。

参考: ヒートパイプ — Wikipedia

アルミ vs 銅 — コストと性能のトレードオフ

銅はアルミの約1.87倍の熱伝導率(391 vs 209 W/(m·K))を持つが、密度は約3.3倍(8,960 vs 2,700 kg/m³)、コストも数倍。大型ヒートシンクでは重量とコストがボトルネックになるため、実用上はアルミが主流。銅はヒートパイプのベースやスプレッダーなど「局所的に熱を拡散する」用途に使われることが多い。

黒色アルマイト処理の効果

ヒートシンクの表面を黒色にすると放射率が約0.9(無処理アルミは約0.1)に上がり、放射による放熱量が増える。自然空冷で密閉筐体内という条件では、黒色アルマイトだけで5〜15%の温度低減効果が報告されている。

放熱設計の実践Tips

  • 放熱グリスは薄く均一に塗る: 厚く塗ると逆に熱抵抗が上がる。理想は0.05〜0.1mm程度。ヘラで薄く伸ばすか、X字に塗って締め付けで広げるのがコツ
  • フィンの向きは重力方向に揃える: 自然空冷では上昇気流を利用するため、フィンは必ず垂直に配置する。水平だと対流が阻害され放熱性能が半減することも
  • 基板のサーマルビアを活用: ヒートシンクに加え、基板裏面に銅箔パターンとサーマルビアで放熱パスを確保すると、デバイスのRth_jcが実質的に改善される
  • 接触熱抵抗を甘く見ない: ヒートシンクのベース面が完全に平面でない場合、面接触率が下がりRth_csが悪化する。放熱グリスまたはサーマルパッドは必須

よくある質問(FAQ)

Q: 自然空冷と強制空冷はどちらを選べばいい?

コスト・騒音・信頼性の観点から、まず自然空冷で設計を検討するのが基本。自然空冷で温度余裕が確保できない場合のみ強制空冷に切り替える。ファンは可動部品なので寿命(一般的に3〜5万時間)があり、ファン故障時のフェイルセーフも考慮が必要だ。

Q: フィン効率が低いときはどう改善する?

フィン効率が低い(50%以下)場合の対策は3つ。①フィン高さを下げる(最も効果的)、②フィン厚さを増やす、③より高熱伝導率の材料に変更する(アルミ→銅)。フィン効率70%以上を目安に設計するのが実務的な推奨。

Q: 計算結果と実測値がずれる原因は?

本ツールは1次元伝熱モデルの概算値であり、以下の要因でずれが生じる。①放射伝熱を考慮していない(密閉環境で黒色表面の場合5〜15%影響)、②フィン間の空気の流れは理想化している、③取り付け方向や周囲の気流パターンの影響を考慮していない。実設計ではCFD解析や実測での検証を推奨する。

Q: 入力データはサーバーに送信される?

すべての計算はブラウザ内で完了する。入力データは外部サーバーに送信されない。安心して社内の設計データを入力してほしい。

まとめ

ヒートシンク放熱設計ツールは、デバイスの発熱量と許容温度から必要な熱抵抗を逆算し、最小体積のヒートシンク推奨サイズを自動提案するツールだ。

一番の強みは「Rth_jc→Rth_cs→Rth_saの直列モデルで逆算する」という設計フローをそのままツール化していること。概算段階で「このサイズ感でOKか?」を素早く判断できる。壁や屋根の断熱設計が気になったら、熱伝導シミュレーターも試してみて。


不具合や要望があれば、X (@MahiroMemo)から気軽に教えてほしい。

M

Mahiro

Mahiro Appの開発者。パワーMOSFETの試作基板で熱暴走を経験し、「逆算で放熱設計できるツール」の必要性を痛感。1次元伝熱モデルをベースに、実務で使える概算ツールを開発した。

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