電気設備2026-03-31

電気配線設計まとめ|ブレーカー選定から電線管サイズまで一括チェック

「前回も2.0mmで通ったから」が事故を招く

電気配線の設計で、ブレーカーの定格と電線の太さを「なんとなく」で決めていないだろうか。負荷容量が増えたのにブレーカーはそのまま、電線管の占有率は確認していない——こうした見落としが、過熱・漏電・火災という最悪の結果につながる。

電気配線設計で押さえるべき計算は大きく7つ。ブレーカー選定・電圧降下・電線サイズ変換・許容電流・電線管サイズ・束径・ケーブルラック幅だ。これらは独立しておらず、負荷容量→ブレーカー→電線→管路という一連のフローで相互に依存している。

この記事では、電気配線設計の計算項目を設計フローに沿って整理し、各計算の勘どころと無料ツールへのリンクをまとめた。電気設備の設計2〜5年目のエンジニアが「配線の選定、全部やったか?」とセルフチェックできる構成にしている。

なぜこの記事を書いたのか

電気配線の情報は断片的に散らばっている。「ブレーカー 選定」で検索すれば内線規程の抜粋が出てくるし、「電圧降下 計算」で調べれば公式の解説が出てくる。しかし、7つの計算項目をどの順番で、どう連携させて進めるべきかを俯瞰できるページが少なかった。

実務で怖いのは「計算を忘れた」ではなく「計算すべき項目を知らなかった」だ。ブレーカーは選んだけど電圧降下は未確認、電線管の占有率を超えていたのに束径を検算しなかった——こうした抜けは、設計フロー全体を一覧化していれば防げる。

特に電気配線設計は上流の決定が下流をすべて支配する。負荷容量が変われば、ブレーカーも電線も管路もすべてやり直し。だからこそ、全体像を把握した上で1つずつ確認する習慣が重要になる。

電気配線設計の全体像|7つの計算領域と設計フロー

電気配線設計と一口に言っても、検討すべき範囲は広い。以下の7領域を設計フローに沿ってカバーすることで、選定ミスを防げる。

#計算領域主な検討内容対応ツール
1ブレーカー・電線一括選定負荷容量からAT・電線・管を一括決定ブレーカー・電線一括選定
2電圧降下配線長・負荷電流による電圧ドロップ電圧降下チェッカー
3電線サイズ変換AWG⇔SQ⇔直径の相互変換AWG・SQ変換
4許容電流ケーブル種類・布設条件による減少係数許容電流早見
5電線管サイズ占有率32%/48%基準の管径選定電線管サイズ判定
6束径電線束ね直径と推奨配管径束径計算
7ケーブルラック幅営繕基準に基づくラック幅選定ラック幅選定

設計フローと依存関係

電気配線設計は上流から下流へ一方向に流れるのが基本だ。配管設計のようなイテレーションは少なく、上流の決定が下流を支配する:

Phase 1: 負荷確定と保護選定(①②)

  • 負荷容量を確定し、ブレーカーの定格ATを選定(①)
  • ブレーカーATに対応する電線サイズが決まる(①)
  • 配線長を入れて電圧降下を検証(②)。NGなら電線を太くする

Phase 2: 電線の仕様確定(③④)

  • 海外規格混在時はAWG⇔SQ変換で統一(③)
  • 布設条件(管内、気中、直埋など)を反映した許容電流を確認(④)。周囲温度や多条布設の減少係数を含めてNGなら電線を太くする

Phase 3: 管路・ラック選定(⑤⑥⑦)

  • 電線の本数と外径から電線管サイズを選定(⑤)
  • 束ね直径を計算して管径とのクロスチェック(⑥)
  • 幹線ルートではケーブルラック幅を選定(⑦)

上流で電線サイズが変わると、下流の管路・ラックがすべてやり直しになる。だから「ブレーカーだけ選んだ」「電線管だけ決めた」では不十分で、7領域を通しで確認する必要がある。

①ブレーカー・電線サイズ一括選定|配線設計の出発点

ブレーカー 電線 選定 の基本

電気配線設計のすべてはここから始まる。負荷の容量(kW)と電圧・相数から負荷電流を算出し、それに見合うブレーカーの定格AT(アンペアトリップ)を選定する。

負荷電流の基本式は単相・三相で異なる:

【単相2線式】
I = P / V

【単相3線式】
I = P / V(平衡負荷の場合)

【三相3線式】
I = P / (√3 × V × cosθ)

I: 負荷電流 [A]
P: 消費電力 [W]
V: 線間電圧 [V]
cosθ: 力率(一般負荷0.8〜1.0)

内線規程に基づく選定ルール

ブレーカーと電線の関係は内線規程(JEAC 8001)で明確に規定されている。基本的なルールは以下の通り:

  • ブレーカー定格AT ≧ 負荷電流 — 当然だが、これだけでは不十分
  • 電線の許容電流 ≧ ブレーカー定格AT — 電線がブレーカーの遮断前に過熱しないこと
  • 電線管サイズ — 占有率基準を満たす管径を選ぶ

この3つの関係が崩れると、ブレーカーが遮断する前に電線が過熱し、最悪の場合は被覆の溶融や火災に至る。「電線がブレーカーより先に壊れない」ことが鉄則だ。

ブレーカーの種類と使い分け

配線用遮断器(MCCB)と漏電遮断器(ELCB)の選定も重要だ。分電盤の主幹にはMCCB、分岐回路には感度電流30mAのELCBを設置するのが一般的。電気設備の技術基準の解釈では、水気のある場所への漏電遮断器設置を義務付けている。

ブレーカー・電線サイズ一括選定で負荷容量からブレーカーAT・電線・電線管を一括選定

②電圧降下チェッカー|配線が長いと電圧が足りない

電圧降下 計算 の基本

電線には抵抗がある。電流が流れると電圧降下が発生し、末端の機器に供給される電圧が低下する。モーターの起動不良、照明のちらつき、制御機器の誤動作——電圧降下が原因のトラブルは多い。

電圧降下の基本式:

【単相2線式】
e = 2 × I × (R cosθ + X sinθ) × L

【三相3線式】
e = √3 × I × (R cosθ + X sinθ) × L

e: 電圧降下 [V]
I: 負荷電流 [A]
R: 電線の抵抗 [Ω/m]
X: 電線のリアクタンス [Ω/m]
L: 配線長(片道)[m]
cosθ: 力率

許容電圧降下の基準

内線規程では電圧降下の許容値を以下のように定めている:

区間許容電圧降下
幹線(引込口→分電盤)供給電圧の3%以内
分岐回路(分電盤→コンセント)供給電圧の2%以内
幹線+分岐の合計供給電圧の5%以内

たとえば100V回路で幹線3%=3V、分岐2%=2V。合計5V以内に収める必要がある。200V回路なら幹線6V、分岐4V、合計10V以内だ。

電圧降下を減らすには

電圧降下が許容値を超えた場合の対策は3つ:

  1. 電線を太くする — 抵抗Rが下がり、電圧降下が減る。最も確実な方法
  2. 配線ルートを短くする — 距離Lが下がる。建物の設計段階でしか対応できない
  3. 電圧を上げる — 100V→200Vにすれば電流が半分になり、電圧降下も半分。動力回路では有効

延長コードやテンポラリー配線は特に要注意。細い電線を長距離引き回すと、電圧降下が5%を大幅に超える。工事現場の仮設電源でトラブルが多い原因はこれだ。

電圧降下・配線太さチェッカーで電圧降下と発熱リスクをリアルタイム計算

③AWG・SQ電線サイズ変換|規格の壁を越える

電線サイズ AWG SQ 変換 とは

日本の電線サイズはSQ(mm²=断面積)表記が標準だが、海外製機器はAWG(American Wire Gauge)表記が多い。輸入機器の端子台に「AWG 10」と書いてあったとき、日本のIV線で何SQを使えばいいのか——この変換を間違えると、端子のかしめ不良や許容電流のミスマッチが起きる。

主要な対応表:

AWG断面積 [mm²]近似SQ直径 [mm]
142.082.01.63
123.313.52.05
105.265.52.59
88.378.03.26
613.3144.11
421.2225.19
233.6386.54

AWGは数字が小さいほど太くなる点に注意。これは歴史的にダイス(引抜き型)の通過回数を表しているためで、通す回数が多いほど細くなる。ASTM B258がAWGの公式規格だ。

SQとAWGは1対1対応ではない

上の表を見てわかる通り、AWGとSQの断面積は完全には一致しない。AWG 10は5.26mm²だが、日本のSQでは5.5mm²になる。この差は許容電流に数%の影響を与えるので、厳密な設計では変換後の実断面積で計算し直すべきだ。

AWG・SQ電線サイズ変換&許容電流早見でAWG⇔SQ⇔直径を双方向変換、許容電流も同時に確認

④ケーブル許容電流|布設条件で大幅に変わる

ケーブル 許容電流 とは

ケーブルの許容電流とは、絶縁体の最高許容温度を超えずに連続通電できる最大電流のこと。カタログに載っている基準値は「気中1条、周囲温度30℃」など特定の布設条件での値であり、実際の施工条件では減少係数を掛ける必要がある

許容電流を左右する要因

要因影響減少係数の目安
周囲温度高温ほど放熱が悪化40℃で0.82〜0.91
管内布設対流が制限される0.70〜0.80
多条布設相互加熱で温度上昇3条で0.70
直埋布設土壌熱抵抗に依存0.75〜0.85

これらの減少係数は掛け算で適用される。たとえば「管内布設(×0.80)、周囲温度40℃(×0.87)」なら 0.80 × 0.87 = 0.696。カタログ値の約70%まで許容電流が落ちる。

見落としがちな多条布設の影響

電線管内に複数のケーブルを収めると、ケーブル同士が発熱を共有して温度が上がる。電技解釈では管内布設時の許容電流値を規定しており、気中の基準値からの低減が必要だ。特にCVケーブルの3条以上の管内布設では、許容電流がカタログ値の50〜60%にまで落ちることもある。

電線サイズの選定時には、減少係数を適用した後の許容電流 ≧ ブレーカー定格AT であることを必ず確認する。これが逆転していると、ブレーカーが遮断する前に電線が過熱する。

ケーブル許容電流 早見・計算ツールでケーブル種類・布設方法・温度から許容電流を即表示

⑤電線管サイズ判定|占有率の壁を越える

電線管 サイズ 選定 の基本

電線管のサイズは、収納する電線の断面積の合計と管の内断面積の比率(占有率)で決まる。占有率が高すぎると電線の引き入れが困難になり、放熱も悪化して許容電流が低下する。

内線規程が定める占有率の基準:

条件占有率上限
電線3本以下32%以内
電線4本以上40%以内
占有率 = 電線の総断面積 / 管の内断面積 × 100 [%]

電線の断面積: 絶縁被覆を含む仕上がり外径から算出
管の内断面積: 管の呼び径に対応する内径から算出

管の種類による選択肢

電線管は大きく3種類ある:

  • 薄鋼電線管(C管) — 屋内の一般配線に最も多用される。呼び径C19〜C75
  • 厚鋼電線管(G管) — 屋外や機械的衝撃を受ける場所。呼び径G16〜G104
  • PF管・CD管(合成樹脂管) — コンクリート埋設やRC造の隠蔽配線。可とう性あり

同じ呼び径でも管種によって内径が異なるので、占有率の計算には管種の指定が必要だ。たとえばC19とG16は呼び径が違うが内径はほぼ同等で、使い分けは施工条件による。

電線管サイズ判定シミュレーターで電線の占有率を計算し、最適な管サイズを自動判定

⑥電線束径計算|管路設計のダブルチェック

電線 束径 計算 とは

電線管の占有率計算とは別に、電線を束ねたときの外接円直径(束径)を算出する計算だ。占有率がクリアしていても、束径が管の内径を物理的に超えていたら入らない。

束径の計算は電線の本数によって公式が変わる:

【2本の場合】
D = 2d

【3本の場合】
D = d × (1 + 2/√3) ≈ 2.155d

【4本以上(正多角形配置)】
D = d × (1 + 1/sin(π/n))

d: 電線の仕上がり外径 [mm]
n: 電線の本数
D: 束径(外接円直径)[mm]

占有率と束径のクロスチェック

占有率の計算は電線の断面積の合計で判定するが、束径の計算は電線の**配置(幾何形状)**で判定する。同じ占有率でも、太い電線3本と細い電線10本では束径が異なる。

実務では両方を計算してクロスチェックするのが安全だ。特に異径電線(太さの異なる電線)を混在させる場合、占有率は余裕があっても束径が管の内径に近くなることがある。

電線束径計算機で電線の種類と本数から束ね直径と推奨配管径を概算

⑦ケーブルラック幅選定|幹線ルートの動脈を設計する

ケーブルラック 幅 選定 とは

ケーブルラックは、大量のケーブルを整理して敷設するための金属製トレーだ。ビルや工場の天井裏、EPS(電気シャフト)で幹線ケーブルを集約するルートに使う。

ラック幅の選定は公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)(いわゆる営繕基準)に基づくのが標準的だ:

必要ラック幅 = ケーブルの仕上がり外径の合計 × 余裕係数

余裕係数:
- 電力ケーブル: 外径合計の1.2倍以上
- 弱電ケーブル(制御・通信): 外径合計の1.0倍以上
- 電力と弱電の混在: セパレータで分離

ラック幅の標準サイズ

ケーブルラックの幅は規格品で決まっている。JIS C 8461では以下のサイズが標準だ:

100, 150, 200, 300, 400, 500, 600 [mm]

ケーブル外径の合計に余裕係数を掛けた値以上の、最小の標準サイズを選ぶ。将来の増設を見込む場合は、さらに1〜2サイズ上を選定することが多い。

段積みと荷重制限

ラック上にケーブルを積む高さには制限がある。一般的にはケーブル外径の合計が100mm以下(単層敷き)が望ましい。段積みすると下のケーブルの放熱が悪化し、許容電流の減少係数が必要になる。

また、ケーブルラックの許容荷重にも注意が必要だ。ケーブルの重量が支持間隔あたりの許容荷重を超えないことを確認する。CVT 100mm²が10条、ラック長50mともなれば、ケーブル重量だけで数百kgになる。

ケーブルラック幅選定シミュレーターで営繕基準に基づくラック幅を自動算出、SVG配置図付き

電気配線設計チェックリスト

設計レビューや自己チェックに使えるリストをまとめた。

  • 負荷容量・電圧・相数は確定しているか
  • ブレーカーの定格ATは負荷電流以上か → ブレーカー・電線一括選定
  • 電線の許容電流 ≧ ブレーカー定格ATか → 許容電流早見
  • 電圧降下は許容値(幹線3%+分岐2%=合計5%)以内か → 電圧降下チェッカー
  • 海外規格混在時のAWG⇔SQ変換は正確か → AWG・SQ変換
  • 布設条件(管内・気中・直埋・多条)の減少係数を適用したか
  • 電線管の占有率は基準値(32%/40%)以内か → 電線管サイズ判定
  • 束径と管内径のクロスチェックをしたか → 束径計算
  • ケーブルラック幅は余裕係数を含めて十分か → ラック幅選定
  • 漏電遮断器(ELCB)の設置要否を確認したか

豆知識|電気配線で知っておきたいトリビア

「許容電流」は温度で決まる

電線の許容電流の正体は「絶縁体が劣化しない上限温度から逆算した電流値」だ。IVケーブルの絶縁体(塩化ビニル)の最高許容温度は60℃、CVケーブル(架橋ポリエチレン)は90℃。CVケーブルの許容電流がIVより大きいのは、絶縁体が高温に耐えるからであって、導体の銅自体が違うわけではない。JIS C 3605にケーブルの許容電流算出方法が規定されている。

「32%ルール」の由来

電線管の占有率32%という数値は、電線を管内に引き入れる際の摩擦と放熱のバランスから決められた経験値だ。3本以下の場合32%、4本以上の場合40%と区別があるのは、本数が少ないほど1本あたりの電線が太くなる傾向があり、引き入れ時に管壁との摩擦が大きくなるためだ。ちなみに米国のNEC(National Electrical Code)では40%が基準で、日本より緩い。

AWGの起源は19世紀のワイヤ工場

AWG(American Wire Gauge)の番号体系は、1857年にJ. R. Brownが制定した。ブラウン・アンド・シャープ社のダイス(引抜き型)を通す回数がそのまま番号になったため、番号が大きいほど細くなるという直感に反する体系になった。AWG 0000(4/0と表記)が最も太く、AWG 40が最も細い。

電圧降下5%の「根拠」

内線規程の「幹線+分岐で5%以内」という基準には技術的な根拠がある。100V機器の多くは電圧が95V以上であれば正常動作するように設計されている。5%低下した95Vが事実上の下限だ。ただし、モーターの起動時は定格電流の5〜7倍の突入電流が流れるため、起動時の一時的な電圧降下は5%を超えることがある。これは「瞬時」であれば問題ないとされている。

Tips|電気配線設計で失敗しないために

  • まず負荷リストを固める — 負荷容量が変わると、ブレーカーから管路まですべてやり直しになる。設計着手前に負荷リストのフリーズを確認する
  • 電圧降下は幹線と分岐を分けて計算 — 「合計5%以内」だけ見ていると、幹線で4%使い切って分岐回路で1%しか余裕がないという状況に陥る。幹線3%・分岐2%の配分を守る
  • 許容電流は「最悪条件」で計算 — 夏場の機械室の温度は40℃を超える。30℃基準のカタログ値をそのまま使うと過負荷になる
  • 電線管はワンサイズ上を選ぶ習慣 — 占有率ギリギリだと電線の引き入れが極めて困難。将来の増設余地も考え、1サイズ上を選ぶのが実務の知恵
  • ケーブルラックは増設率20%を見込む — ビルの改修・テナント入替でケーブルが増えることは確実。竣工時に満杯では対応できない
Q. ブレーカーの定格ATと電線の許容電流、どちらを先に決める?

ブレーカーの定格ATを先に決める。負荷電流からブレーカーATを選定し、そのATに対応する許容電流を持つ電線を選ぶのが正しい順序だ。電線を先に決めてしまうと、ブレーカーの遮断特性と電線の保護協調が取れなくなるリスクがある。内線規程では「電線の許容電流 ≧ ブレーカー定格AT」を原則としている。

Q. 電圧降下が許容値を超えた場合、まず何をすべき?

最も効果的なのは電線を太くすること。電圧降下は電線の抵抗に比例するので、断面積を2倍にすれば電圧降下はほぼ半分になる。配線ルートの短縮が可能なら、距離を減らすのも有効。100V回路を200V回路に変更できれば電流が半分になり、電圧降下も半分に減る。

Q. 電線管の占有率が32%をわずかに超えたが、1サイズ上にすると大きすぎる。どうする?

まず電線の被覆外径を正確に確認する。メーカーによって外径が異なるため、カタログ値でなく実測値に近いデータで再計算すると基準内に収まることがある。それでもダメなら、電線の本数を分散(管を2本に分ける)するか、管種をPF管など内径の大きいものに変更する方法がある。占有率の基準は安全のための数値なので、超過は認められない。

Q. 計算結果のデータはサーバーに保存される?

いずれのツールもブラウザ内で完結しており、入力データや計算結果がサーバーに送信されることはない。設計データを安心して入力できる。

Q. 内線規程と電技解釈、どちらに従えばいい?

電技解釈(電気設備の技術基準の解釈)は法的拘束力を持つ最低基準で、内線規程は業界の推奨基準だ。内線規程は電技解釈より厳しい値を設定していることが多い。実務では内線規程に準拠するのが一般的で、内線規程を満たせば電技解釈も自動的にクリアする。発注者の仕様書で「内線規程準拠」と指定されることが多い。

まとめ|上流から下流へ、7つの計算を通しで確認する習慣が品質を決める

電気配線設計で必要な計算は、ブレーカー選定・電圧降下・電線サイズ変換・許容電流・電線管サイズ・束径・ケーブルラック幅の7領域。上流のブレーカー・電線選定が下流の管路・ラック設計をすべて支配するので、通しでの確認が欠かせない。

この記事で紹介した7つのツールを使えば、ブラウザだけで一通りの検証が完了する:

関連記事として配管設計まとめもあわせて参照してほしい。電気配線と配管は建物のインフラとして並走する設備なので、両方の設計フローを理解しておくと現場での調整がスムーズになる。

不具合の報告や機能リクエストはX (@MahiroMemo)から。

M

Mahiro

Mahiro Appの開発者。電気設備設計歴6年。初担当の工場案件で電圧降下を見落とし、モーターが起動しなかった苦い経験が原点。

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