AWG・SQ電線サイズ変換&許容電流早見

AWG⇔SQ(mm²)⇔直径(mm)の双方向変換に加え、許容電流・抵抗値・電圧降下をワンページで計算

AWG⇔SQ(mm²)⇔直径(mm)の双方向変換に加え、銅・アルミの抵抗値・許容電流・電圧降下をワンページで即座に計算。下の早見表をタップすると即変換。

AWG断面積 (mm²)許容電流 (参考A)

許容電流は 14AWG以上が NEC Table 310.16(銅75℃・管内3本以下)、16AWG以下は開放空気中の単線の一般値。NEC 310.16 に16AWG以下の規定は無い

変換モード

電圧降下計算

電線スペック

導体直径
0.644 mm
断面積
0.3255 mm²
抵抗値
0.0530 Ω/m

銅・20℃基準

許容電流(参考値)
7.0 A

開放空気中の単線(シャーシ配線)・周囲30℃

束線・長距離時の目安
0.92 A

束ねる・長く引くと上段の値は使えない

許容電流は一般的な参考値(単線・空中配線・30℃基準)です。実際の配線では配管内収容・束線・周囲温度により大幅に変動します。正確な値は使用電線メーカーのデータシートおよびNEC/内線規程を参照してください。

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関連ツール

海外パーツを買ったら「22 AWG」としか書いてなかった

Amazon.comやAliExpressで電子部品を注文したら、スペック欄に「22 AWG」とだけ記されていた。手元にあるのは日本の「0.3 SQ」の線材。さて、これは同じ太さなのか? 変換表のPDFを検索して、拡大して、目で追って……面倒だ。

このツールはAWG⇔SQ(mm²)⇔直径(mm)の双方向変換に加え、抵抗値・許容電流・電圧降下までワンページで一気に計算できる。数値をタップするだけで、PDFの換算表を探す手間から解放される。

なぜAWG・SQ電線サイズ変換ツールを作ったのか

毎回PDFを開くストレスから

電子工作をしていると、海外部品のデータシートにAWG表記が出てくる頻度は思った以上に高い。DigiKeyやMouserのフィルタもAWG単位だし、GitHubのハードウェアプロジェクトもAWGが前提。そのたびにPDFの換算表を開いて、数値を探して、別の計算機で電圧降下を検算して……という流れを何十回と繰り返していた。

既存の変換ツールは「変換だけ」か「許容電流だけ」で完結していて、「この線で5m引っ張ったら電圧降下はどれくらい?」までワンストップで出せるものがなかった。

こだわった設計判断

  1. AWG公式計算を採用 — プリセットテーブルだけに頼らず、ANSI/ASTM B 258の等比数列公式で計算。テーブルに無いAWGでも正確に変換できる
  2. 銅・アルミの切り替え — 太陽光パネルの配線やアルミ電線を使うDIYユーザー向けに、材質を変えた瞬間に抵抗値と許容電流が再計算される
  3. 電圧降下計算をオプションに — シンプルに変換だけしたい人を邪魔しない。必要なときだけトグルONで入力欄が現れる設計にした

AWG・SQ・電線サイズ規格のすべて

AWG(American Wire Gauge)とは

AWGは北米で使われる電線の太さの規格。19世紀にワイヤー工場で銅線を引き抜く(ダイスを通す)工程から生まれた規格で、番号が大きいほど細いという一見逆に思える体系になっている。

これは引き抜き回数に由来する。太い銅線をダイスに1回通すと少し細くなる。2回通すとさらに細くなる。つまりAWG番号は「何回ダイスを通したか」のカウンタに近い。だから番号が大きい=たくさん引き抜いた=細い、となる。

数学的には、0000AWG(直径0.46インチ)から36AWG(直径0.005インチ)までを39ステップの等比数列で分割している。公式は以下の通り:

d(inch) = 0.005 × 92^((36 − n) / 39)
d(mm) = d(inch) × 25.4
断面積(mm²) = π / 4 × d(mm)²

この公式はANSI/ASTM B 258で規定されている。ASTM B 258の概要(英語)

SQ(スケア)とは

SQ(スケア)は日本・欧州で使われる電線の断面積表記で、単位はmm²。JIS C 3005に基づき、0.08 SQ、0.14 SQ、0.3 SQ……のように標準断面積が定められている。

AWGが直径ベースの等比数列なのに対し、SQは断面積そのもので表すため、計算がシンプルで直感的。たとえば「2 SQ」なら「導体の断面積が2mm²」とそのまま読める。

世界の電線規格を比較

規格主な地域基準特徴
AWG北米・日本の一部直径(等比数列)番号大=細い
SQ (mm²)日本・欧州・アジア断面積直感的
IEC 60228国際規格断面積SQとほぼ同じ体系
B&S Gauge旧英国AWGと同一歴史的名称の違いのみ

電線の規格について(Wikipedia)

AWG SQ 許容電流 早見表【全サイズ】

ツールが参照しているテーブルをそのまま載せる。許容電流は太さによって根拠となる規格が変わるので、2つの表に分けてある。1枚の表にまとめると、14AWG(20A)より16AWG(22A)のほうが大きいという逆転が起きて誤読を招くためだ。逆転の正体は電線の性能差ではなく、測定している設置条件が違うことにある。

14AWG以上の許容電流(建物配線・NEC Table 310.16)

金属管や配線ダクトに収めて建物に敷設する条件の値。銅・75℃絶縁・管内3本以下・周囲温度30℃が前提になっている。

AWG断面積 (mm²)導体直径 (mm)近いSQ許容電流 銅 (A)許容電流 アルミ (A)
1/0 AWG53.498.25160 SQ150117
2 AWG33.636.54438 SQ11589.7
4 AWG21.155.18922 SQ8566.3
6 AWG13.304.11514 SQ6550.7
8 AWG8.3663.2648 SQ5039.0
10 AWG5.2612.5885.5 SQ3527.3
12 AWG3.3092.0533.5 SQ2519.5
14 AWG2.0811.6282 SQ2015.6

ブレーカ定格は別に上限がある。 NEC 240.4(D)(small conductor rule)により、過電流保護器の定格は 14AWG=15A / 12AWG=20A / 10AWG=30A を超えられない。つまり12AWGの電線は25A流せる能力があっても、保護するブレーカは20Aまでというのが北米のルールだ。「12AWGは20Aか25Aか」で情報が割れるのはこれが理由で、電線の許容電流が25A、ブレーカ上限が20Aと読み分ければ両方正しい。

16AWG以下の許容電流(機器内配線)

NEC Table 310.16 に16AWG以下の規定は無い。この帯域は電子機器・ハーネスの世界で、Handbook of Electronic Tables and Formulas 由来の一般値が事実上の共通認識になっている。規格値ではないので、そのつもりで扱ってほしい。

AWG断面積 (mm²)導体直径 (mm)近いSQ開放空気中 単線 (A)束線・長距離 (A)
16 AWG1.3091.2911.25 SQ223.7
18 AWG0.8231.0240.75 SQ162.3
20 AWG0.5180.8120.5 SQ111.5
22 AWG0.3260.6440.3 SQ70.92
24 AWG0.2050.5110.14 SQ3.50.577
26 AWG0.1290.4050.14 SQ2.20.361
28 AWG0.0810.3210.08 SQ1.40.226
30 AWG0.0510.2550.08 SQ0.860.142

この2列の差がいちばんの注意点。 22AWGは開放空気中の単線なら7A流せるが、束ねて長く引くなら0.92Aが目安で、その差は約7.6倍ある。左の列は「1本だけ空中に張って、風で冷える状態」を想定した値で、コルゲートチューブに10本詰めた瞬間に成立しなくなる。ハーネスやドローンの機体内配線では右の列を見るのが正しい。

12AWGの許容電流は?

銅で25A(NEC 310.16・75℃)。ただし保護ブレーカは20Aが上限になる。断面積は3.309mm²で、日本のSQ表記では3.5 SQがいちばん近い。北米の一般的な20A分岐回路で標準的に使われるサイズだ。

10AWGの許容電流は?

銅で35A(NEC 310.16・75℃)、ブレーカ上限は30A。断面積5.261mm²で5.5 SQ相当。エアコンや電気温水器のような大きめの専用回路で使われる。

22AWGの許容電流は?

条件次第で7Aと0.92Aに分かれる。基板上の短い引き回しやテスト配線なら7A、ワイヤーハーネスに束ねて機器間を結ぶなら0.92Aを上限に見る。Arduinoやセンサーの信号線のような数十mAの用途であれば、どちらの基準でも余裕がある。

AWGとSQの対応は?

AWGは直径ベースの等比数列、SQは断面積そのものなので、両者はきれいな整数比にならない。上の表の「近いSQ」列は標準SQサイズのうち断面積が最も近いものを示している。14AWG≒2 SQ、12AWG≒3.5 SQ、16AWG≒1.25 SQ、22AWG≒0.3 SQあたりは実務で頻出するので覚えておくと早い。

電線サイズ選定を間違えると何が起きるか

過電流による発熱・火災

電線が細すぎると、流れる電流に対して抵抗が大きくなり、ジュール熱(I²R)で発熱する。家庭用配線で1.25 SQの延長コードに15A流し続けると、被覆が溶融して最悪の場合は火災に至る。

消防庁の統計によると、電気火災の原因で「配線の過負荷・短絡」は毎年上位に入っている。電線サイズの選定ミスは、計算を怠った結果として最も直接的に被害が出るケースだ。

電圧降下による機器不動作

12V系のLED照明を10m先まで22AWG(0.33mm²)で引っ張ると、2Aの負荷で約2.1Vの電圧降下が発生する。末端電圧は約9.9Vとなり、定格12VのLEDドライバが起動しない、または明るさが大幅に低下するケースがある。

内線規程(JEAC 8001)では、低圧幹線の電圧降下を供給電圧の3%以内に抑えることを推奨している。5%を超えると機器の動作保証外になることが多い。

実務的な感覚

  • 22AWG(0.33mm²): 信号線・センサー配線。電流は数百mAまで
  • 18AWG(0.82mm²): Arduino電源、小型ファン。1〜2A程度
  • 14AWG(2.08mm²): 家庭用コンセント配線(北米の標準)。15Aまで
  • 10AWG(5.26mm²): エアコン専用回路。30A級

AWG・SQ変換が力を発揮する場面

海外通販の部品選定で

DigiKeyやMouserでコネクタを選ぶとき、対応ワイヤーサイズが「22-26 AWG」と書いてある。手元の0.3 SQの線が使えるかどうか、即座に判定できる。

太陽光パネルのDIY配線で

ソーラーパネルからチャージコントローラーまで8m。20Aの電流を流すとき、何AWGの線が必要か。電圧降下が許容範囲に収まるか。このツールなら材質をアルミに切り替えて比較もできる。

車載・キャンピングカーの電装で

サブバッテリーからインバーターまでの配線は大電流が流れる。12V系で50A流すなら、AWG4(21mm²)クラスが必要。電圧降下計算で配線長の限界を事前に把握できる。

ロボット・ドローンの内部配線で

重量制限の厳しい機体内で、最細で済むAWGを選定したい。モーター電流に対して許容電流と電圧降下のバランスを取る計算がワンページで完結する。

基本の使い方

3ステップで変換結果から電圧降下まで確認できる。

Step 1: 早見表をタップ(または変換モードを選ぶ)

ページ上部の「よく使う電線サイズ早見表」にAWG 8〜22の断面積・許容電流が一覧表示されている。該当行をタップすれば、その場でAWG→メトリック変換に切り替わって全スペックが出る。一覧にないサイズや逆引きが必要なら「AWG→メトリック」「メトリック→AWG」のモードボタンで切り替える。

Step 2: 電線サイズと材質を指定する

AWGモードならプルダウンから番号を選択。メトリックモードならSQ値を選ぶか、カスタム入力で任意の断面積を入力。導体材質は「銅」「アルミ」を切り替え可能。

Step 3: 結果を確認する

変換結果・抵抗値・許容電流(参考値)が即座に表示される。電圧降下も計算したい場合は「電圧降下計算」トグルをONにして、電圧・配線長・電流を入力すればOK。

具体的な使用例と検証データ

ケース1: Arduino信号線の選定

入力値:

  • モード: AWG→メトリック
  • AWG: 22
  • 材質: 銅

計算結果:

  • 導体直径: 0.644 mm
  • 断面積: 0.326 mm²
  • 抵抗値: 0.0529 Ω/m
  • 許容電流: 7.0 A(開放空気中の単線)
  • 束線・長距離時の目安: 0.92 A

解釈: Arduinoの信号線は数十mA程度なので22AWGで十分。0.3 SQとほぼ同等の太さだと分かる。信号線ではなくモータードライバへの電源線として束ねて使うなら、上限は0.92Aのほうで見る。

ケース2: 12V LED照明の配線(5m)

入力値:

  • モード: AWG→メトリック
  • AWG: 18
  • 材質: 銅
  • 電圧降下計算ON: 12V、5m、2A

計算結果:

  • 断面積: 0.823 mm²
  • 抵抗値: 0.0210 Ω/m
  • 電圧降下: 0.419 V(3.50%)
  • 末端電圧: 11.58 V

解釈: 電圧降下率3.5%。ギリギリ許容範囲だが、10m以上引き回すなら16AWG以上を検討すべき。

ケース3: 太陽光パネル配線(アルミ・8m・20A)

入力値:

  • モード: AWG→メトリック
  • AWG: 4
  • 材質: アルミ
  • 電圧降下計算ON: 48V、8m、20A

計算結果:

  • 断面積: 21.15 mm²
  • 抵抗値: 0.00125 Ω/m
  • 許容電流: 66.3 A
  • 電圧降下: 0.400 V(0.83%)
  • 末端電圧: 47.60 V

解釈: 48V系なら4AWGアルミで電圧降下1%未満。許容電流も余裕がある。

ケース4: SQからAWGを逆引き

入力値:

  • モード: メトリック→AWG
  • 断面積: 5.5 SQ
  • 材質: 銅

計算結果:

  • 最近接AWG: ≈ 10 AWG
  • 導体直径: 2.646 mm
  • 抵抗値: 0.00314 Ω/m
  • 許容電流: 35.0 A

解釈: 日本の5.5 SQはAWG10に近い。北米のデータシートで10AWG対応コネクタを選べばよい。

ケース5: スピーカーケーブルの選定

入力値:

  • モード: AWG→メトリック
  • AWG: 16
  • 材質: 銅
  • 電圧降下計算ON: 30V(アンプ出力想定)、10m、3A

計算結果:

  • 断面積: 1.309 mm²
  • 抵抗値: 0.0132 Ω/m
  • 電圧降下: 0.792 V(2.64%)

解釈: スピーカーケーブルの推奨は片道10m以内で16AWG以上。オーディオ的には損失2.6%は許容範囲内。

ケース6: 極細配線(28AWG)の確認

入力値:

  • モード: AWG→メトリック
  • AWG: 28
  • 材質: 銅

計算結果:

  • 導体直径: 0.321 mm
  • 断面積: 0.0810 mm²
  • 抵抗値: 0.2129 Ω/m
  • 許容電流: 1.4 A(開放空気中の単線)
  • 束線・長距離時の目安: 0.226 A

解釈: リボンケーブルやフレキ基板の内部配線レベル。単独で張っても1.4Aが上限で、リボンケーブルのように隣接導体が並ぶ状態なら0.2A台まで落ちる。長距離引き回しには不向き。

仕組み・計算アルゴリズムの詳細

採用した手法: ANSI/ASTM B 258の等比数列公式

AWG変換には大きく2つのアプローチがある:

  1. ルックアップテーブル方式 — あらかじめ全AWG番号の値を配列に持つ。高速だが、テーブルにないサイズに対応できない
  2. 公式計算方式 — 等比数列の数式から動的に計算。任意のAWG番号に対応でき、メトリック→AWGの逆変換も連続的に行える

本ツールは公式計算方式をベースに、偶数AWG(0〜30)の許容電流だけをテーブルで補完するハイブリッド方式を採用した。許容電流を式で出さないのは、そもそも電流容量が導体の太さだけで決まらないためだ。同じ電線でも管に入れるか空中に張るかで倍以上変わるので、条件を固定した表を引くしかない。

テーブルは根拠を2系統に分けて持っている。14AWG以上はNEC Table 310.16(銅・75℃・管内3本以下)、16AWG以下は開放空気中の単線の一般値で、後者には束線時の値も併せて保持している。この分割をデータ側に持たせているので、画面の「許容電流(参考値)」には必ずどちらの条件の数字かが添えて表示される。

AWGからメトリックへの計算フロー

入力: AWG番号 n, 導体材質
↓
1. 直径(inch) = 0.005 × 92^((36 − n) / 39)
2. 直径(mm) = 直径(inch) × 25.4
3. 断面積(mm²) = π/4 × 直径(mm)²
4. 抵抗(Ω/m) = 抵抗率(Ω·m) / (断面積 × 10⁻⁶)
   - 銅: 1.724 × 10⁻⁸ Ω·m (20℃)
   - アルミ: 2.65 × 10⁻⁸ Ω·m (20℃)
5. 許容電流 → テーブル参照(アルミは銅の78%で概算)
   - 14AWG以上: NEC Table 310.16(銅・75℃・管内3本以下・周囲30℃)
   - 16AWG以下: 開放空気中の単線の一般値 + 束線時の目安を併記
   - 表に無いAWG(奇数・30超)は許容電流を出さない

メトリックからAWGへの逆変換

入力: 断面積 A (mm²)
↓
1. 直径(mm) = √(4A / π)
2. 直径(inch) = 直径(mm) / 25.4
3. AWG(実数) = 36 − 39 × ln(直径(inch) / 0.005) / ln(92)
4. 最近接の偶数AWG番号に丸める
5. AWG 0〜30の範囲外なら「範囲外」と表記

計算例: 22AWG銅線の抵抗値

d(inch) = 0.005 × 92^((36-22)/39)
        = 0.005 × 92^(14/39)
        = 0.005 × 92^0.3590
        = 0.005 × 5.073
        = 0.02537 inch

d(mm) = 0.02537 × 25.4 = 0.6439 mm
A(mm²) = π/4 × 0.6439² = 0.3257 mm²
R(Ω/m) = 1.724×10⁻⁸ / (0.3257×10⁻⁶)
        = 0.05294 Ω/m

テーブル上の22AWG(0.3255mm²、抵抗0.0530Ω/m)とほぼ一致する。

電圧降下の計算

Vdrop = 2 × L(片道) × R(Ω/m) × I(A)
Vdrop% = Vdrop / V(供給) × 100
末端電圧 = V(供給) − Vdrop

「2倍」は往復分。片道の長さを入力するだけで自動的に往復の抵抗が考慮される。

PDFの換算表やDigiKeyの変換計算機と何が違うか

ワンストップで電圧降下まで

多くの変換ツールは「AWG→mm²」の一方向変換で終わる。電圧降下を知りたければ別のページに移動して、もう一度パラメータを入力する必要がある。本ツールは変換と電圧降下計算がシームレスにつながっている。

SQの標準サイズから即変換

メトリック→AWGモードでは、日本のJIS標準SQ値(0.08〜60 SQ)をプルダウンで選べる。カスタム入力も可能なので、非標準サイズにも対応している。

モバイル完全対応

作業現場や工作台でスマホからサッと使える。PDFは拡大・スクロールが必要だが、このツールはタップだけで完結する。結果のコピー機能でSlackやLINEにそのまま貼り付けられる。

AWGの知られざる歴史と豆知識

19世紀の銅線工場から生まれた番号体系

AWGの原型は1857年にアメリカのJ. R. Brown氏が提案した「Brown & Sharpe Gauge」。当時の銅線製造は、太い銅棒をダイス(穴の空いた金属板)に何度も通して引き延ばすことで細くしていた。1回通すごとにゲージ番号が1つ上がる(=細くなる)仕組みがそのまま規格化された。

AWGの歴史(Wikipedia英語版)

「92」という不思議な数字の意味

AWGの等比数列の底が92なのは、0000AWG(直径0.46インチ)と36AWG(直径0.005インチ)の比率が約92:1だから。39ステップで92倍の比を等分するため、隣接AWG間の直径比は92^(1/39)≈1.123、つまり約12.3%ずつ細くなる。断面積では約26%ずつ減少する。6AWG上がると断面積がほぼ半分になるのは、この等比数列の性質による。

配線作業で差がつく実践テクニック

ワイヤーストリッパーはAWG刻印を確認

ワイヤーストリッパーの刃にはAWG番号が刻印されている。22AWGの穴に0.3 SQの線を通すと少し緩い(0.326mm² vs 0.3mm²)。正確な被覆むきには対応AWGの確認が大切。

より線と単線で許容電流が変わる

同じAWG番号でも、単線(ソリッド)とより線(ストランド)で実効断面積が異なる。より線は隙間があるため、単線より実効断面積がわずかに小さい。許容電流の表を見るときは、単線/より線のどちらのデータか確認しよう。

端子圧着は「正しいサイズのダイス」が命

AWG22用の圧着端子にAWG24の線を入れると、圧着不良で接触抵抗が増大する。発熱の原因になるため、電線サイズに合った端子とダイスを必ず使うこと。

長距離配線は「ワンサイズ上」が安心

計算上ギリギリの電圧降下率でも、実際の配線では接続部の接触抵抗や温度上昇で悪化する。特に屋外やエンジンルームなど高温環境では、余裕を持って1段太い線を選ぶのが実務のセオリー。

よくある質問

Q: AWGの奇数番号(21AWG、23AWGなど)は存在する?

存在する。AWG規格自体は連続的な等比数列なので、奇数番号も定義されている。ただし市販のワイヤーは偶数番号(18, 20, 22…)が圧倒的に流通量が多い。本ツールでは実用性を重視して偶数AWGのプリセットを用意しているが、メトリック→AWGモードで任意の断面積を入力すれば、最も近いAWGを自動計算する。

Q: 許容電流の値はどの規格に基づいている?

太さによって根拠が違う。14AWG以上はNEC(National Electrical Code / NFPA 70)のTable 310.16で、銅・75℃絶縁・管内3本以下・周囲30℃の条件の値。16AWG以下についてはNEC 310.16に規定が無いため、機器内配線で広く使われる一般値(開放空気中の単線)と、束線・長距離時の目安を併記している。後者は規格値ではない。いずれも配管内収容・束線数・周囲温度による補正が必要で、日本の内線規程(JEAC 8001)とは異なる場合がある。正式な設計にはメーカーのデータシートを参照してほしい。

Q: 12AWGは20Aと25A、どちらが正しい?

どちらも正しく、指しているものが違う。電線そのものの許容電流はNEC Table 310.16で25A(銅・75℃)。一方でNEC 240.4(D)のsmall conductor ruleにより、12AWGを保護する過電流保護器の定格は20Aが上限と決められている。同じ制限が14AWG=15A、10AWG=30Aにもかかる。ツールが表示するのは電線側の25Aなので、ブレーカを選ぶときは20Aで頭打ちになると覚えておいてほしい。

Q: アルミ線の許容電流はどう計算している?

本ツールでは、銅線の許容電流に対して78%の概算係数を適用している。これはNECのアルミ線許容電流と銅線許容電流の一般的な比率に基づく。アルミ線は銅線より抵抗率が約1.6倍高いが、重量あたりの導電率では銅より優れているため、航空機や送電線では広く使われている。

Q: 計算データはサーバーに送信される?

一切送信されない。すべての計算はブラウザ内のJavaScriptで完結しており、入力データがサーバーに送られることはない。オフラインでも動作する(初回アクセス後にキャッシュされた場合)。

まとめ

AWGとSQの変換は、電子工作や配線設計で避けて通れない日常作業。このツールなら変換・抵抗値・許容電流・電圧降下をワンページで即計算できる。

配線の太さ選びに迷ったら、まずこのツールでサイズを確認してみて。関連する配線設計にはケーブル許容電流シミュレーター電圧降下・配線太さチェッカーも併せて活用すると、より安全な設計ができる。


不具合や要望があれば、お問い合わせページから気軽に教えて。

M

Mahiro

Mahiro Appの開発者。海外通販で買った部品のAWG表記に毎回悩まされた経験から、変換と電圧降下計算をワンストップでできるツールを作った。

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