常温で完璧だったはめあいが、高温で緩む瞬間
組立時にはきれいなしまりばめだったのに、運転中に軸が空回りする——高温配管のフランジが緩んで蒸気が吹き出す——こうしたトラブルの多くは、温度変化による寸法変化を設計段階で見落としたことが原因だ。
金属は温度が上がれば膨張し、下がれば収縮する。軸と穴の材質が同じなら膨張量も揃うが、異種材料の組み合わせでは膨張の差(差膨張)がすきまやしめしろを変えてしまう。焼きばめの加熱温度が足りなければ圧入が成立せず、高すぎれば材料が劣化する。
熱膨張フィットシミュレーターは、こうした温度依存のはめあい問題をブラウザだけで即座に計算するツール。公差と材質を入力するだけで、温度後のすきま/しめしろと焼きばめ必要温度が出る。
なぜ熱膨張フィットシミュレーターを作ったのか
既存ツールでは温度が考慮できなかった
JISはめあい検索ツールを先に開発して、公差検索としては好評だった。でも「この組み合わせ、150℃の環境では大丈夫?」という質問に答えられなかった。JIS B 0401のはめあい公差は20℃基準で定義されていて、温度変化後の実効すきまは自分で計算するしかない。
既存のWeb計算ツールを探しても、線膨張の単純計算(1軸の伸び量を出すだけ)か、はめあい公差の検索(温度非対応)のどちらかで、両方を組み合わせたものがなかった。
焼きばめの温度計算が煩雑
焼きばめ設計では「穴をどこまで加熱すれば軸が入るか」を逆算する必要がある。公差の上下限から最大しめしろを計算し、組立余裕を加算し、線膨張係数で割り戻して必要温度を求める——手計算で3〜4ステップかかる。しかもしめしろが大きいと必要温度が焼き戻し温度を超えるかもしれず、材料の選定まで絡んでくる。
この煩雑さを1画面に収めて、入力した瞬間に結果が出るツールを作りたかった。既存のjis-fitアプリからの公差インポート機能もつけて、公称径を引き継げるようにした。
線膨張係数と熱膨張の基礎 — 焼きばめ 計算の前提知識
線膨張係数 とは
線膨張係数(線膨張率、CTE: Coefficient of Thermal Expansion)とは、温度が1℃変化したときに材料の長さがどれだけ変わるかを示す物理定数。記号はα(アルファ)で、単位は×10⁻⁶/℃。
たとえば鉄(S45C)のα = 11.7×10⁻⁶/℃は、「1mの鉄棒が1℃上がると0.0117mm伸びる」という意味。日常感覚では無視できそうだが、50mmの軸が100℃上昇すると0.0585mm ≈ 58.5μm膨張する。H7/g6のような精密はめあいでは公差幅が25μm程度なので、温度変化の影響は無視できない。
線膨張の計算式
伸び量の計算式は非常にシンプル:
ΔL = L × α × ΔT
ΔL: 伸び量 (mm)
L: 元の長さ (mm)
α: 線膨張係数 (×10⁻⁶/℃)
ΔT: 温度変化量 (℃)
温度変化後の寸法は:
L' = L × (1 + α × 10⁻⁶ × ΔT)
異種材料と差膨張 — 熱膨張 はめあい のキモ
軸と穴が同じ材質なら、どちらも同じ割合で膨張するため、すきま/しめしろの「比率」は変わらない(絶対値はわずかに変化するが実用上は無視できる)。
問題は異種材料の組み合わせだ。たとえば鉄軸(α=11.7)にアルミハウジング(α=23.8)を組む場合、アルミは鉄の約2倍膨張する。温度が上がるとアルミの穴が鉄の軸より大きく広がり、しまりばめがすきまばめに変わることがある。逆に温度が下がれば、アルミの穴が縮んでしめしろが増える方向に動く。
この「差膨張」がはめあい設計で最も注意すべきポイントで、本ツールが存在する理由でもある。
なぜ温度管理がはめあい設計で重要なのか
高温環境での緩み事故
ボイラー配管や蒸気タービン軸受など、運転温度が100℃を超える機器では、常温で適切だったしまりばめが高温で緩む事例がある。軸が空転すれば振動が発生し、最悪の場合はベアリング焼き付きや軸の振れ回りにつながる。
JIS B 0401-1のはめあい公差は20℃(標準状態)で規定されているため、温度変化後の実効すきまは設計者が別途検証する責任がある。
焼きばめの温度不足・過加熱
焼きばめ(shrink fit)は穴側を加熱して膨張させ、軸を挿入してから冷却することでしまりばめを実現する接合法。加熱温度が不足すると軸が入らず、トーチで無理やり追加加熱すると局所的に温度が上がりすぎて材料特性が劣化する。
逆に、必要以上に加熱すると焼き戻し温度(焼入鋼で150〜250℃程度)を超えて硬度が低下し、設計したしめしろを維持できても面圧が不足するという二次的な問題が起きる。
温度変化と公差の関係 — 実務的な感覚
| 条件 | 50mm軸の膨張量 |
|---|---|
| 鉄 +50℃ | 29.3 μm |
| 鉄 +100℃ | 58.5 μm |
| アルミ +50℃ | 59.5 μm |
| アルミ +100℃ | 119.0 μm |
H7の公差幅は50mm径で25μm。鉄軸の50℃上昇だけで公差幅を超える膨張が起きることがわかる。
温度変化が効いてくる設計場面
焼きばめ設計
歯車・プーリー・フライホイールなどを軸に固定する最も一般的な手法。必要加熱温度を正確に逆算できなければ、作業標準書に書く温度を決められない。
高温配管のフランジ接合
蒸気配管やプロセスガス配管では、運転温度でのボルト軸力とフランジ面圧がシール性能を左右する。異種金属フランジ(ステンレスボルト+炭素鋼フランジなど)では差膨張がボルト軸力を変動させる。
エンジン・モーター部品
ピストンとシリンダー、モーターロータとシャフトの組み合わせ。運転温度域でのすきま管理が性能と寿命に直結する。
冷凍・低温設備
液化ガスプラント(-196℃の液体窒素環境など)では、温度低下によって金属が収縮し、常温でのすきまばめがしまりばめに変わることがある。
基本の使い方
3ステップで結果が出る。
Step 1: 寸法・公差を入力
公称径(mm)と、軸・穴の上限/下限公差(μm)を入力する。jis-fitアプリで計算済みなら「jis-fitから公差インポート」ボタンで公称径を引き継げる。
Step 2: 材質と温度を設定
軸と穴の材質をプリセット(鉄・アルミ・SUS・銅・真鍮)から選択。カスタム材質なら線膨張係数を直接入力。温度解析モードなら使用温度、焼きばめモードなら自動で必要加熱温度が逆算される。
Step 3: 結果を確認
温度後のはめあい状態(すきまばめ/中間ばめ/しまりばめ)がステータスカードに色分け表示される。膨張量・温度後寸法・最大/最小すきまの数値も一覧で確認可能。
具体的な使用例
ケース1: 鉄軸+鉄穴の基本確認(φ50 H7/p6、使用温度100℃)
入力値:
- 公称径: 50 mm
- 軸公差: +33 / +17 μm(p6)
- 穴公差: +25 / 0 μm(H7)
- 軸材質: 鉄(α=11.7)、穴材質: 鉄(α=11.7)
- 基準温度: 20℃、使用温度: 100℃
結果:
- 軸膨張量: 46.8 μm、穴膨張量: 46.8 μm
- 最大すきま(温度後): 8.0 μm → 常温とほぼ同じ
- 最小すきま(温度後): -33.0 μm → 常温とほぼ同じ
→ 解釈: 同一材質なので差膨張がほぼゼロ。温度変化してもはめあい状態は変わらない。
ケース2: 鉄軸+アルミハウジング(φ50 H7/p6、使用温度150℃)
入力値:
- 公称径: 50 mm
- 軸公差: +33 / +17 μm(p6)
- 穴公差: +25 / 0 μm(H7)
- 軸材質: 鉄(α=11.7)、穴材質: アルミ(α=23.8)
- 基準温度: 20℃、使用温度: 150℃
結果:
- 軸膨張量: 76.1 μm、穴膨張量: 154.7 μm
- 最大すきま(温度後): 86.6 μm
- 最小すきま(温度後): 45.6 μm
→ 解釈: 常温ではしまりばめだったのが、150℃ではすきまばめに変化。アルミの穴が鉄の軸より大きく膨張するため、高温環境では固定力が失われる。軸の固定が必要ならキー溝やセットスクリューの併用を検討すべき。
ケース3: 焼きばめ温度の逆算(φ80 H7/s6、鉄同士)
入力値:
- 計算モード: 焼きばめ設計
- 公称径: 80 mm
- 軸公差: +59 / +43 μm(s6)
- 穴公差: +30 / 0 μm(H7)
- 穴材質: 鉄(α=11.7)
結果:
- 常温最大しめしろ: 59.0 μm(軸最大 − 穴最小)
- 必要膨張量: 79.0 μm(しめしろ + 組立余裕 20μm)
- 必要加熱温度: 104℃
→ 解釈: 穴を約104℃まで加熱すれば軸が挿入できる。鉄の焼き戻し温度を十分下回るため問題なし。
ケース4: SUS304軸+銅穴の低温収縮(φ30、-50℃環境)
入力値:
- 公称径: 30 mm
- 軸公差: +20 / +7 μm、穴公差: +21 / 0 μm
- 軸材質: ステンレス(α=17.3)、穴材質: 銅(α=16.8)
- 基準温度: 20℃、使用温度: -50℃
結果:
- 軸の収縮量: -36.3 μm、穴の収縮量: -35.3 μm
- 最大すきま(温度後): 15.0 μm
- 最小すきま(温度後): -20.0 μm
→ 解釈: 線膨張係数が近い材料の組み合わせなので、低温でも差膨張は小さい。はめあい状態は常温とほぼ変わらず中間ばめのまま。
ケース5: 航空宇宙部品の冷やしばめ — アルミ軸+チタン穴(φ40、液体窒素冷却)
入力値:
- 計算モード: 焼きばめ設計(冷やしばめとして応用)
- 公称径: 40 mm
- 軸公差: +50 / +34 μm(s6相当)
- 穴公差: +25 / 0 μm(H7)
- 軸材質: アルミ(α=23.8)、穴材質: チタン(α=8.6、カスタム入力)
結果:
- 常温最大しめしろ: 50.0 μm(軸最大 − 穴最小)
- 軸を冷却する場合の必要収縮量: 70.0 μm(しめしろ + 組立余裕 20μm)
- 必要冷却ΔT: -73.5℃ → 軸を-53℃まで冷却
→ 解釈: アルミは線膨張係数が大きいため、ドライアイス(-78℃)で十分に冷却可能。液体窒素(-196℃)を使えばさらに余裕がある。航空宇宙分野ではチタン製ハウジングにアルミ部品を冷やしばめする例があり、加熱による酸化やアルミの軟化を避けられる点が大きなメリット。ただしアルミの低温脆性は比較的少ないものの、急激な温度変化による熱衝撃割れには注意が必要だ。
ケース6: 加熱方式の比較 — オイルバス vs 高周波誘導加熱(φ120 H7/s6、鉄同士)
入力値:
- 計算モード: 焼きばめ設計
- 公称径: 120 mm
- 軸公差: +78 / +58 μm(s6)
- 穴公差: +35 / 0 μm(H7)
- 穴材質: 鉄(α=11.7)
- 基準温度: 20℃
結果:
- 常温最大しめしろ: 78.0 μm
- 必要膨張量: 98.0 μm(しめしろ + 組立余裕 20μm)
- 必要加熱温度: 89.8℃(約90℃)
→ 解釈: 必要加熱温度が約90℃と比較的低いため、オイルバス(油槽)加熱で十分対応可能。オイルバスは温度が均一に入りやすく、大径部品でも内外の温度差が小さいのが利点。一方、高周波誘導加熱は昇温が速い(数十秒〜数分)ため量産ラインに向くが、表面だけが先に膨張して内径側の実効膨張が不足するリスクがある。φ120クラスの大径歯車やフライホイールの焼きばめでは、誘導加熱後に数分の均熱時間を確保するか、オイルバスで穴全体を均一に加熱する方が確実だ。必要温度が100℃未満なので焼き戻しの心配もなく、作業温度に余裕がある好条件といえる。
仕組み・アルゴリズム
候補手法の比較
| 手法 | 精度 | 温度範囲 | 実装難度 |
|---|---|---|---|
| 線形膨張モデル(採用) | 常温〜200℃で十分 | 限定的 | 低い |
| 多項式膨張モデル | 広い温度範囲で高精度 | 広い | データ収集が困難 |
| FEA(有限要素法) | 最高(応力分布も算出) | 全範囲 | 非常に高い |
線形膨張モデルを選んだ理由は、一般的な焼きばめ設計(〜300℃程度)では線膨張係数をほぼ一定と見なせるため。多項式モデルは温度ごとの膨張係数データが必要だが、材料のロットや熱処理状態によって変わるため、Webツールで網羅するのは現実的でない。
計算フロー
Step 1: 常温の実寸法を算出
軸最大寸法 = 公称径 + 上限公差/1000 (mm)
軸最小寸法 = 公称径 + 下限公差/1000 (mm)
穴最大寸法 = 公称径 + 上限公差/1000 (mm)
穴最小寸法 = 公称径 + 下限公差/1000 (mm)
Step 2: 温度変化後の寸法を算出
軸最大(温度後) = 軸最大 × (1 + α_shaft × 1e-6 × ΔT)
穴最小(温度後) = 穴最小 × (1 + α_hole × 1e-6 × ΔT)
(同様に軸最小、穴最大も算出)
Step 3: すきまを計算
最大すきま = (穴最大(温度後) - 軸最小(温度後)) × 1000 [μm]
最小すきま = (穴最小(温度後) - 軸最大(温度後)) × 1000 [μm]
Step 4: はめあい状態の判定
最小すきま > 0 → すきまばめ
最大すきま < 0 → しまりばめ
それ以外 → 中間ばめ
焼きばめ温度の逆算
最大しめしろ = (軸最大 - 穴最小) × 1000 [μm]
必要膨張量 = 最大しめしろ + 組立余裕(20μm) [μm]
必要ΔT = 必要膨張量(mm) / (公称径 × α_hole × 1e-6)
必要加熱温度 = 基準温度 + 必要ΔT [℃]
ここで穴のみ加熱、軸は常温のままという前提を置いている。これは焼きばめの標準的な作業手順に基づく。
計算例
φ50 H7/s6、鉄同士の焼きばめ:
軸最大 = 50 + 59/1000 = 50.059 mm
穴最小 = 50 + 0/1000 = 50.000 mm
最大しめしろ = (50.059 - 50.000) × 1000 = 59 μm
必要膨張量 = 59 + 20 = 79 μm = 0.079 mm
必要ΔT = 0.079 / (50 × 11.7 × 1e-6) = 135.0℃
必要加熱温度 = 20 + 135.0 = 155℃
既存ツール・手計算との違い
JISはめあい検索ツール(jis-fit)との比較
jis-fitは20℃基準でのはめあい公差検索に特化している。「温度が変わったらどうなるか」には答えられない。本ツールはjis-fitの温度拡張版として、温度後の実効すきまを算出する。jis-fitで出した公差をそのままインポートして使える設計にした。
手計算との比較
線膨張の計算式自体はシンプルだが、公差の上下限4つ(軸上限・軸下限・穴上限・穴下限)を組み合わせて最大/最小すきまを計算するのは手間がかかる。特に異種材料では軸と穴で膨張係数が異なるため、4通りの組み合わせ計算が必要。本ツールは入力した瞬間に全組み合わせを計算して判定を出す。
市販の設計支援ソフトとの比較
CATIA、SolidWorksなどのCADソフトにもはめあい解析機能があるが、ライセンスが高額でスマホからは使えない。本ツールはブラウザだけで完結し、無料で即座に結果が出る点が強み。
知っておくと面白い熱膨張の話
バイメタルの原理
2種類の金属を貼り合わせたバイメタルは、温度が変わると両者の膨張差で曲がる性質を利用している。バイメタルはサーモスタットや温度計に使われていて、まさに「差膨張」を積極的に活用した技術だ。
新幹線のレール伸縮継目
新幹線のレールは1本25mの定尺レールを溶接して数百mのロングレールにしている。しかし無限に溶接し続けるわけではなく、要所には伸縮継目が設けられている。東海道新幹線では夏冬の温度差が40℃以上に達することがあり、1km当たり数十mmの伸縮が発生する。これも線膨張そのものの実例。
宇宙での熱膨張
人工衛星は太陽光の当たる面と影になる面で200℃以上の温度差が生じることがある。この極端な温度変化に対応するために、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)のようにα≈0の材料が使われる。地上の焼きばめ設計とはスケールが違うが、根底にある物理は同じ。
使い方のコツ・Tips
焼き戻し温度に注意
焼入鋼(SCM440、S45Cの焼入材など)は150〜250℃で焼き戻し効果が出る。焼きばめの加熱温度がこの範囲を超えると硬度が低下するため、材料のデータシートで焼き戻し温度を事前に確認しておくこと。
冷やしばめという選択肢
穴を加熱する代わりに、軸をドライアイス(-78℃)や液体窒素(-196℃)で冷却して収縮させる「冷やしばめ」という方法もある。加熱による材質劣化を避けたい場合に有効だが、低温脆性のリスクがあるため材質選定に注意が必要。
組立余裕の目安
本ツールのデフォルト組立余裕は20μm。これは「加熱して穴が膨張したとき、軸が自重で落ち込む」程度のすきまを確保するための経験値。公称径が大きい(φ100超)場合は30〜50μm程度に増やすことが多い。
異種材料の組み合わせは差膨張を必ず確認
「鉄軸+アルミ穴」のように線膨張係数が2倍近く違う組み合わせは、50℃の温度変化でもすきまが大きく変動する。温度解析モードで必ず確認してから設計を進めること。
Q&A
Q: 線膨張係数は温度によって変わらないの?
厳密には温度依存性がある。たとえば鉄のαは0℃付近で約10.5、200℃で約12.5と変化する。本ツールは常温(20℃付近)の代表値を使った線形近似なので、極端な高温(300℃以上)や極低温(-100℃以下)では誤差が大きくなる可能性がある。そうした条件では多項式モデルやメーカーデータシートの値を参照してほしい。
Q: ヤング率(弾性係数)は計算に入っていないの?
本ツールは寸法変化のみを扱い、しめしろによる面圧(接触圧力)は計算しない。面圧計算にはLaméの式(厚肉円筒の応力式)とヤング率・ポアソン比が必要になる。これはMVP以降の拡張機能として検討中。
Q: 計算結果と実測値が合わないのはなぜ?
主な原因は4つ。(1) 実際の加工寸法が公差中央値からずれている(公差範囲内のどこに入るかは加工精度次第)。(2) 線膨張係数が材料ロットや熱処理状態で異なる。(3) 温度分布が一様でない(表面と内部で温度差がある)。(4) 弾性変形や塑性変形が起きている。本ツールは理想的な条件での計算なので、実設計では安全マージンを見込むことを推奨する。
Q: 入力データはどこに保存される?
すべての計算はブラウザ内で完結しており、サーバーにデータは一切送信しない。jis-fitからのインポート機能もブラウザのlocalStorageを経由するだけで、外部通信は発生しない。ブラウザを閉じると入力データは消える。
まとめ
熱膨張フィットシミュレーターは、温度変化によるはめあい状態の変化と焼きばめ必要温度をブラウザだけで即計算するツールだ。
異種材料の差膨張による「高温で緩む」「低温で固着する」といった問題を事前に数値で確認できる。焼きばめ設計では加熱温度を逆算して材料の焼き戻し温度を超えないかもチェック可能。
常温でのはめあい公差はJISはめあい検索ツールで、軸径の選定には軸径選定シミュレーターも合わせてどうぞ。ボルト締結が関わるならボルト締付トルク計算やボルト強度・破断モード診断も使える。
不具合や要望があれば、X (@MahiroMemo)から気軽に教えてほしい。