JIS はめあい検索ツール

基準寸法とクラスを入力してJISはめあいを即時算出

計算結果

はめあい分類

H7 / g6

すきまばめ

基準寸法 25.000 mm(18〜30 mm)

穴(H7

上限寸法
25.021 mm
下限寸法
25.000 mm
公差幅
0.021 mm

21 μm

軸(g6

上限寸法
24.993 mm
下限寸法
24.980 mm
公差幅
0.013 mm

13 μm

最小すきま
0.007 mm
最大すきま
0.041 mm

公差帯図

0+21 μm0 μm-7 μm-20 μmμm

本ツールは JIS B 0401 に基づく計算支援を目的としており、参考値として利用してください。 最終的な設計判断は設計者の責任で行い、実務での使用前に必ず公式規格書を参照してください。 500mm 超のサイズ範囲は公式近似値を使用しています。

はめあい公差を基準寸法とクラスから即時算出

「この穴と軸、ちゃんとハマる?」——機械設計をやっていると、この確認を1日に何度もやることになる。JIS B 0401 の公差表を開いて、サイズ範囲を探して、偏差を読み取って、電卓で上限・下限を計算して……。正直、地味に面倒だ。

このツールは、基準寸法と穴/軸クラス(たとえば H7/g6)を入力するだけで、上限寸法・下限寸法・公差幅・最小/最大すきまを 0.001mm 単位で即座に算出する。すきまばめ・中間ばめ・しまりばめの分類も自動判定し、公差帯図で視覚的に確認できる。すべてブラウザ内で完結するので、規格書を開く手間がなくなる。

なぜ JIS はめあい検索ツールを作ったのか

開発のきっかけ

設計の現場で「H7/g6 の 25mm、すきまいくつ?」と聞かれたとき、即答できる人は少ない。自分もそうだった。毎回 JIS のハンドブックを引っ張り出して、表の該当行を指で追って、電卓を叩く。急いでいるときほどミスが起きる。

既存のオンラインツールも探してみたが、どれもイマイチだった。入力が面倒なもの、対応サイズ範囲が狭いもの、計算過程が見えないもの。特に「この数値、本当に合ってる?」と検算したいときに計算過程が表示されないのは致命的だ。

こだわった設計判断

JIS B 0401 の正式データを直接実装した。 IT公差テーブルと基本偏差テーブルを別々に保持し、そこから上限/下限を導出する方式にした。これにより、データの検証が容易で、将来的なクラス追加もテーブルに1行追加するだけで済む。

すきまばめ/中間ばめ/しまりばめの分類を JIS の定義通りに実装した。 最小すきま > 0 ならすきまばめ、最大すきま ≤ 0 ならしまりばめ、その中間が中間ばめ。任意の閾値ではなく、規格の定義に忠実に従っている。

500mm 超のサイズにも対応した。 0〜500mm は正式な表値を使い、500〜3150mm は JIS の公差公式(i = 0.45∛D + 0.001D)で計算する。実務では 500mm 超の精密はめあいは珍しいが、大型機械や設備設計で必要になることがある。

精密加工と組立の場面で

設計図面の公差記入前の確認

新しい部品を設計するとき、穴と軸のはめあいクラスを決めたら、実際の上限/下限寸法を確認したい。このツールなら、プリセットから H7/g6 を選んで基準寸法を入れるだけで、図面に記入すべき数値が即座にわかる。

加工現場での公差確認

加工担当者が図面を見て「この穴、上限いくつまでOK?」と確認するとき、手元のスマホでサッと確認できる。規格書を持ち歩く必要がない。

設計レビューでの検証

「この軸、本当にすきまばめになってる?」——レビューの場で即座に検算できる。詳細モードで計算過程を表示すれば、レビュアーも納得しやすい。

教育・学習での活用

機械設計を学んでいる学生が、はめあいの概念を理解するのに使える。基準寸法やクラスを変えてみて、すきまがどう変化するかを視覚的に確認できる。公差帯図は教科書と同じ形式なので、理論と実際の対応がつかみやすい。

基本の使い方

たった3ステップで結果が出る。

Step 1: 基準寸法を入力する

基準寸法を mm 単位で入力する。1mm〜3150mm まで対応。小数点以下3桁(0.001mm 単位)まで入力できる。

Step 2: はめあいクラスを選択する

プリセットから選ぶのが手軽。H7/g6(常用すきまばめ)をはじめ、現場でよく使う8組合せを用意してある。プリセット以外の組合せを使いたいときは「カスタム」を選んで、穴クラスと軸クラスを個別に指定する。

Step 3: 結果を確認する

穴と軸それぞれの上限/下限寸法、公差幅、そして最小/最大すきまが表示される。すきまばめ・中間ばめ・しまりばめの分類も自動判定。「結果をコピー」ボタンでテキスト形式でクリップボードにコピーできるので、チャットやメールへの貼り付けも簡単。

具体的な使用例(検証データ)

ケース1: H7/g6 すきまばめ(常用)

一般的な回転軸・摺動部に使われる組合せ。

入力値:

  • 基準寸法: 25 mm
  • はめあい: H7 / g6

計算結果:

  • 穴: 25.000〜25.021 mm(公差 0.021 mm)
  • 軸: 24.993〜24.980 mm(公差 0.013 mm)
  • 最小すきま: +0.007 mm
  • 最大すきま: +0.041 mm

解釈: 最小すきまが正の値なので「すきまばめ」。軸は穴に対して常にすきまを持ち、自由に回転・摺動できる。ベアリングの外輪ハウジングなどに適している。

ケース2: H7/k6 中間ばめ

位置決め用のピンや軽い圧入に使われる組合せ。

入力値:

  • 基準寸法: 25 mm
  • はめあい: H7 / k6

計算結果:

  • 穴: 25.000〜25.021 mm(公差 0.021 mm)
  • 軸: 25.002〜25.015 mm(公差 0.013 mm)
  • 最小すきま: -0.015 mm
  • 最大すきま: +0.019 mm

解釈: 最小すきまが負、最大すきまが正なので「中間ばめ」。実際の仕上がり寸法によって、すきまになったり干渉になったりする。プーリやギアのキー溝付き軸に使われることが多い。

ケース3: H8/f7 ルーズなすきまばめ

高速回転やポンプ軸など、十分なすきまが必要な場合の組合せ。

入力値:

  • 基準寸法: 50 mm
  • はめあい: H8 / f7

計算結果:

  • 穴: 50.000〜50.039 mm(公差 0.039 mm)
  • 軸: 49.975〜49.950 mm(公差 0.025 mm)
  • 最小すきま: +0.025 mm
  • 最大すきま: +0.089 mm

解釈: すきまが大きめの「すきまばめ」。潤滑油の膜を確保しやすく、高速回転でも焼き付きにくい。ただし、すきまが大きい分、位置精度はやや劣る。

ケース4: H7/m6 軽いしまりばめ

歯車やカップリングの軸固定に使われる組合せ。

入力値:

  • 基準寸法: 25 mm
  • はめあい: H7 / m6

計算結果:

  • 穴: 25.000〜25.021 mm(公差 0.021 mm)
  • 軸: 25.008〜25.021 mm(公差 0.013 mm)
  • 最小すきま: -0.021 mm
  • 最大すきま: +0.013 mm

解釈: 中間ばめ寄りだが、組合せによっては干渉になる。組み立て時に軽い圧入が必要なケースが多い。回転トルクを伝達する軸継手に使われることが多い。

仕組み・アルゴリズム

採用しているアルゴリズム

このツールは JIS B 0401-1:2016(寸法公差及びはめあいの方式)の規格データを直接実装している。計算の流れはこうだ:

  1. サイズ範囲の決定: 基準寸法から該当するサイズ範囲(例: 18〜30mm)を特定する
  2. IT公差の取得: IT等級(例: IT7 = 21μm @ 18-30mm)を表から取得する
  3. 基本偏差の取得: 文字記号(例: g → es = -7μm @ 18-30mm)を表から取得する
  4. 上限/下限偏差の算出: 基本偏差とIT公差から上下の偏差を算出する
  5. 寸法の算出: 基準寸法 + 偏差/1000 で上限/下限寸法を得る
  6. すきまの算出: 穴下限 - 軸上限 = 最小すきま、穴上限 - 軸下限 = 最大すきま

具体的な計算例

H7/g6 @ 25mm の場合:

サイズ範囲: 18-30mm

穴 H7:
  基本偏差 EI = 0 μm(H は常に 0)
  IT7 = 21 μm(18-30mm 区間)
  ES = EI + IT7 = 0 + 21 = +21 μm
  上限寸法 = 25 + 21/1000 = 25.021 mm
  下限寸法 = 25 + 0/1000 = 25.000 mm

軸 g6:
  基本偏差 es = -7 μm(18-30mm 区間)
  IT6 = 13 μm(18-30mm 区間)
  ei = es - IT6 = -7 - 13 = -20 μm
  上限寸法 = 25 + (-7)/1000 = 24.993 mm
  下限寸法 = 25 + (-20)/1000 = 24.980 mm

最小すきま = 25.000 - 24.993 = +0.007 mm
最大すきま = 25.021 - 24.980 = +0.041 mm
→ すきまばめ

なぜこの方式を選んだか

IT公差と基本偏差を別テーブルで管理する方式を採用した理由は2つある。第一に、JIS 規格の構造そのものがこの2段階になっているため、規格書との照合が容易。第二に、新しい文字クラスを追加する際に基本偏差テーブルに1行追加するだけで済み、保守性が高い。

JISハンドブックとの違い

JIS B 0401 の正式データを実装

IT公差テーブル(IT6〜IT8)と基本偏差テーブル(H, h, g, f, js, k, m)を JIS 規格に基づいて実装。0〜500mm は正式な表値、500〜3150mm は JIS 公差公式で対応する。「参考値」ではなく「規格準拠値」を目指した。

すきまばめ/中間ばめ/しまりばめの自動分類

最小すきまと最大すきまの符号から、JIS の定義通りにはめあいの種類を自動判定する。公差帯図も連動して色が変わるので、直感的に理解できる。

スマホでサッと使える

現場で規格書を広げる必要がない。スマホのブラウザでアクセスして、数値を入力するだけ。レスポンシブ対応で、画面サイズに関係なく快適に使える。すべての計算はブラウザ内で完結するため、ネットワーク環境に依存しない。

知っておくと便利なはめあいの豆知識

穴基準と軸基準

はめあいには「穴基準方式」と「軸基準方式」がある。穴基準方式は穴の公差を H(EI=0)に固定し、軸の文字記号を変えてすきまを調整する。現場では穴の加工精度を変えるよりも軸の加工精度を変える方が容易なため、穴基準方式が圧倒的に多い。このツールもデフォルトで穴基準方式を採用している。

IT等級の意味

IT は International Tolerance の略で、公差の「幅」を表す。IT6 なら IT7 より公差幅が小さい(精密)。一般的な機械部品は IT6〜IT8 が多く、IT5 以下は精密機器向け。参考: JIS B 0401 概要

はめあいの歴史

はめあいの規格化は 1920年代のISO(当時のISA)にさかのぼる。日本では1956年に JIS B 0401 として制定され、その後何度かの改正を経て現在の 2016年版に至る。穴基準方式と軸基準方式の二本立ては、当時の加工技術の制約から生まれた設計思想だ。

使い方のコツ・Tips

Tip 1: プリセットから始めよう

初めて使うなら、まずプリセットの8組合せを試してみて。H7/g6(すきまばめ)→ H7/k6(中間ばめ)→ H7/m6(しまりばめ寄り)と順に見ていくと、文字記号とすきまの関係が体感的にわかる。

Tip 2: 詳細モードで計算過程を確認

「この値、どうやって出てるの?」と思ったら詳細モードに切り替えてみて。サイズ範囲、偏差値、IT公差がすべて表示される。レビュー時の説明資料としても使える。

Tip 3: 結果コピーで報告書作成を時短

計算結果を「結果をコピー」ボタンでクリップボードに転送できる。テキスト形式なので、メールやチャット、報告書にそのまま貼り付けられる。

Tip 4: 履歴機能で比較検討

詳細モードでは計算結果を履歴に保存できる。異なるクラスの組合せを比較検討するときに便利。履歴はブラウザのローカルストレージに保存されるので、ブラウザを閉じても残る。

気になるポイントQ&A

Q: データはどこに保存される?

すべての計算はブラウザ内で完結する。サーバーにデータは送信されない。履歴機能を使った場合のみ、ブラウザのローカルストレージに保存される。ブラウザのデータを消去すれば履歴も消える。

Q: 500mm 超の計算値は正確?

0〜500mm は JIS B 0401 の正式表値を使用している。500〜3150mm は JIS の公差公式(i = 0.45∛D + 0.001D)で算出した近似値。実務で 500mm 超の精密はめあいを扱う場合は、必ず公式規格書を参照してほしい。

Q: H6/g5 のような組合せは使える?

現在のMVP版では、穴クラスは H6/H7/H8、軸クラスは f7/g6/h6/js6/js7/k6/m6 に対応している。これらは実務で最もよく使われる組合せ。今後のアップデートで対応クラスを拡充する予定。

まとめ

JIS はめあい検索ツールは、基準寸法とクラスを入力するだけで穴/軸の上限・下限寸法とすきまを即座に算出するブラウザ完結型のツールだ。

規格書を毎回引かなくても、プリセットの8組合せから選ぶだけで主要なはめあいの数値が手に入る。詳細モードでは計算過程も確認できるので、設計レビューや教育にも活用できる。

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Mahiro Appの開発者。はめあい公差をJISハンドブックで毎回引くのが面倒で、基準寸法とクラスを選ぶだけで即結果が出るツールを開発した。

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