流体設計マスター

配管口径 × 流量 × JIS規格管自動比較

流量と流速から最適な配管口径を計算、またはその逆計算。JIS規格管(SGP)との自動比較・流速判定付き。無料で使えるブラウザ完結の配管設計ツール。

推奨: 1.53 m/s

計算結果

条件を入力すると結果が表示される

本ツールは参考値を提供する簡易計算ツール。最終的な配管設計・安全判断は現場の設計基準および専門家の確認に従うこと。

不具合・ご要望はお気軽に@MahiroMemoまで

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配管サイジングの「3変数パズル」を一発で解く

ポンプの吸引ラインを設計するとき、「この流量なら口径いくつ?」「この配管で流速は大丈夫?」と手計算で格闘した経験はないだろうか。現場でサイジングを急ぎたいのに、Excelシートを引っ張り出して式を確認し、JIS規格表を開いて照合して……という手間は地味にストレスがたまる。

流体設計マスターは、流量と流速から配管口径を即座に逆算し、同時にJIS規格管(SGP)の最寄りサイズとの比較・流速判定をワンセットで提示するブラウザ完結のツール。口径→流量の逆方向計算にも対応していて、「この既設管で何m³/h流せる?」という現場の問いにもすぐ答えが出る。

なぜ流体設計マスターを作ったのか

開発のきっかけ

化学プラントの配管ルート変更で、急きょ配管サイズを見直す場面があった。手元のExcelシートで連続の式を組んで口径を出し、別のPDFでJIS配管表を開いて照合し、流速が推奨範囲に入るかチェックして……という3段構えの作業を何度も繰り返した。しかもJIS表のPDFはスマホでは読みづらく、現場で確認するたびにピンチ操作でイライラした。

既存のオンライン計算ツールも5つほど試した。しかし、どれも「口径を出すだけ」「JISプリセットが選べるだけ」で、口径計算とJIS照合と流速判定を一画面でまとめてくれるものは見つからなかった。結局「全部入り」のツールを自分で作ることにした。

こだわった設計判断

  • JIS比較を常時表示: 他のツールではJISプリセットを「手動で選んで比較」する方式が多いが、計算結果に最も近い上下2サイズを自動で拾い、流速変化まで見せる設計にした。選ぶ手間ゼロで「25Aなら流速2.7 m/s、20Aなら4.3 m/s」が一目でわかる
  • 流体プリセットで流速自動入力: 推奨流速を覚えていなくても「水(吐出側)」を選べば1.5–3.0 m/sの中央値が自動で入る。もちろん手動で上書きも可能
  • 単位は個別に選べる: 流量はm³/hだけど口径はinchで見たい、という混合ニーズに対応。metric/imperial の二値切替ではなく、流量と長さをそれぞれ独立に切り替えられる

配管設計の基礎知識 — 流量・流速・口径の関係とは

配管設計で最初に押さえるべき3つの変数がある。流量(Q)、流速(v)、口径(d)。この3つは1本の式でつながっていて、2つがわかれば残りの1つは自動的に決まる。

流量・流速・口径 の意味と単位

流量 Q は「1秒間(または1時間)にどれだけの体積が流れるか」を表す量。水道の蛇口をイメージすると分かりやすい。蛇口を全開にすれば流量が多く、絞れば少ない。単位は m³/h(立方メートル毎時)や L/s(リットル毎秒)がよく使われる。

流速 v は「流体がどれくらいの速さで管の中を移動しているか」。同じ流量でも、管が細ければ水は速く流れ、太ければゆっくり流れる。ガーデンホースの先端を指で潰すと水の勢いが増すのと同じ原理。単位は m/s。

口径 d は配管の内径。日本のJIS規格では「25A」「50A」のような呼称で表し、実際の内径は管の種類(SGP、SUS304TPなど)と肉厚(スケジュール番号)によって変わる。

連続の式(Q = A × v) — 配管サイズ計算 の出発点

これら3変数をつなぐのが、流体力学の最も基本的な法則である連続の式。非圧縮性の定常流(水やオイルなど密度が一定で、流れが時間変化しない場合)では:

Q = A × v = π/4 × d² × v
  • Q: 体積流量 [m³/s]
  • A: 管断面積 [m²] = π × (d/2)²
  • v: 流速 [m/s]
  • d: 管内径 [m]

たとえ話で考えてみよう。通勤電車の乗客を「流量」、電車の速度を「流速」、ドアの幅を「口径」と置き換えると、「1時間に何人運べるか(流量)は、電車の速度(流速)×ドアの広さ(口径)で決まる」というイメージ。ドアを狭くしても速度を上げれば同じ人数を運べるが、ドアが狭すぎると混雑でトラブルが起きる——配管の流速過大も同じ構図。

この式を口径 d について解けば:

d = √(4Q / (π × v))

流量 Q と流速 v を与えるだけで、必要な管内径 d が求まる。本ツールの「流量→口径」モードはこの変形式を使っている。

配管口径・流速が設計の安全と寿命を左右する理由

「口径さえ決まればいい」と思いがちだが、流速の選択が配管の安全性と寿命に直結する。ここでは流速が不適切だとどうなるかを具体的に見ていく。

流速が速すぎると何が起きるか

流速が推奨範囲を超えると、以下の問題が発生する:

  • エロージョン(壁面侵食): 流体中の微粒子や気泡が管壁を削り取り、配管寿命が著しく短くなる。特にエルボー(曲がり部)やティー(分岐部)で顕著
  • 騒音・振動: 流速が速いほど乱流が激しくなり、配管の振動や騒音が増大する。事務所隣接の空調配管では致命的な問題に
  • 圧力損失の急増: Darcy-Weisbach式によれば圧力損失は流速の2乗に比例する。流速を2倍にすると圧力損失は4倍。ポンプ動力が余分に必要になり、ランニングコストが跳ね上がる

流速が遅すぎると何が起きるか

一方で管径を大きくしすぎて流速が低くなると:

  • スケール(水垢)堆積: 流速が0.3 m/s以下になると自浄作用が失われ、管内にスケールが堆積しやすくなる
  • エアポケット: 上り勾配の配管で流速が不十分だと、空気が溜まって流量が低下する
  • イニシャルコスト増: 管径が大きいほど材料費・保温材費・架台費が増え、プラント建設コストに直接影響する

規格が定める推奨流速の目安

配管設計の指針として、日本機械学会 配管設計規準や各種ハンドブックでは以下のような推奨流速が示されている:

流体推奨流速
水(吸引側)0.5 〜 1.5 m/s
水(吐出側)1.5 〜 3.0 m/s
空気(低圧)10 〜 20 m/s
蒸気(低圧)20 〜 40 m/s
油(一般)1.0 〜 2.0 m/s

吸引側の流速が吐出側より低いのは、ポンプ入口で流速が速いとキャビテーション(液体内部で気泡が生じ、消滅時に管壁を損傷する現象)が発生するリスクがあるため。この制約はJIS B 8301 遠心ポンプや配管設計の実務書で繰り返し強調されている重要な設計ルール。

配管設計のこんな場面で活躍する

ポンプ吸引・吐出ラインのサイジング

ポンプを新規選定するとき、カタログの流量から吸引側・吐出側それぞれの適正口径を算出したい。流体プリセットで「水(吸引側)」「水(吐出側)」を切り替えるだけで、推奨流速に基づく口径がすぐ出る。

空調・衛生設備の配管設計

ビル設備の冷温水配管で、空調負荷から求まった流量に対して何Aの配管が必要かを確認する場面。JIS自動比較で上下サイズの流速差がわかるので、コスト(管径アップ)と性能(流速低減)のトレードオフを即座に判断できる。

既設配管の能力チェック

工場の既設50A配管に、増産で流量を増やしたい。口径→流量モードで50A(JIS SGP-W 内径52.9mm)と増やしたい流速を入力すれば、最大どのくらい流せるか、流速が過大にならないかをその場で確認できる。

流体力学の演習・答え合わせ

連続の式 Q = Av を手計算で解く際の答え合わせに使える。単位変換(m³/h ↔ L/s ↔ gpm)もツール上で確認できるので、単位ミスの検算にも便利。

基本の使い方

たった3ステップで結果が出る。

Step 1: 計算モードを選ぶ

画面上部のボタンで「流量→口径」か「口径→流量」を選択する。

Step 2: 条件を入力する

流量(または口径)を入力し、流体プリセットを選ぶ。流速は自動で入るが、手動で調整してもOK。

Step 3: 結果とJIS比較を確認する

計算口径(または流量)、流速判定、最寄りJIS規格管のサイズと流速変化がまとめて表示される。

具体的な使用例(検証データ)

ケース1: ポンプ吸引側の口径算出

工場の清水ポンプ、吸引流量 3 m³/h を配管したい。

入力値:

  • モード: 流量→口径
  • 流量: 3 m³/h
  • 流体: 水(吸引側)→ 流速 1.0 m/s

計算結果:

  • 必要口径: 32.57 mm
  • JIS(小): 25A (φ27.6mm) → 1.39 m/s
  • JIS(大): 32A (φ35.7mm) → 0.83 m/s

解釈: 計算上は32.6mmで、JIS 25Aでは流速1.39 m/sとなり吸引側推奨上限(1.5 m/s)ギリギリ。32Aなら0.83 m/sで適正範囲内。吸引側には32Aを選定するのが余裕のある判断。

ケース2: ポンプ吐出側の口径算出

同じポンプの吐出側、流量 3 m³/h。

入力値:

  • モード: 流量→口径
  • 流量: 3 m³/h
  • 流体: 水(吐出側)→ 流速 2.0 m/s

計算結果:

  • 必要口径: 23.03 mm
  • JIS(小): 20A (φ21.6mm) → 2.27 m/s
  • JIS(大): 25A (φ27.6mm) → 1.39 m/s

解釈: 20A(φ21.6mm)なら2.27 m/sで吐出側の推奨範囲内(1.5〜3.0 m/s)。25Aなら1.39 m/sで下限寄り。コストと圧損のバランスで20A/25Aどちらを選んでも適正だが、長距離なら圧損を抑える25A、短距離・コスト重視なら20Aが目安。

ケース3: 低圧空気配管

圧縮空気ライン、流量 50 m³/h(標準状態)。

入力値:

  • モード: 流量→口径
  • 流量: 50 m³/h
  • 流体: 空気(低圧)→ 流速 15.0 m/s

計算結果:

  • 必要口径: 34.34 mm
  • JIS(小): 25A (φ27.6mm) → 23.20 m/s
  • JIS(大): 32A (φ35.7mm) → 13.87 m/s

解釈: 32Aなら13.9 m/sで推奨範囲内(10–20 m/s)。25Aでは23.2 m/sとなり上限を大幅に超え、騒音や圧力損失が懸念される。

ケース4: 既設管の流量チェック

既設の10A配管(JIS SGP-W φ12.7mm)で流速1.5 m/sのとき、何m³/h流れるか確認。

入力値:

  • モード: 口径→流量
  • 口径: 12.7 mm
  • 流速: 1.5 m/s

計算結果:

  • 計算流量: 0.684 m³/h
  • 断面積: 127 mm²

解釈: 10A管で推奨上限の1.5 m/sとしても約0.68 m³/hしか流せない。これ以上必要なら管径アップが必要。

ケース5: 低圧蒸気配管の口径算出

ボイラーからヘッダーまでの低圧蒸気ライン、蒸気流量 200 m³/h を通したい。

入力値:

  • モード: 流量→口径
  • 流量: 200 m³/h
  • 流体: 蒸気(低圧)→ 流速 25.0 m/s

計算結果:

  • 必要口径: 53.19 mm
  • JIS(小): 50A (φ52.9mm) → 25.28 m/s
  • JIS(大): 65A (φ67.9mm) → 15.35 m/s

解釈: 50Aなら25.3 m/s、65Aなら15.4 m/s。50Aは飽和蒸気推奨範囲(20–40 m/s)内に収まる。65Aでは範囲下限(20 m/s)を下回る。設計意図が25 m/sなら50Aの選定が妥当で、コスト面でも有利。

ケース6: 油圧配管の口径選定

工作機械の油圧ユニット、作動油流量 1.5 m³/h を配管する。

入力値:

  • モード: 流量→口径
  • 流量: 1.5 m³/h
  • 流体: 油(一般)→ 流速 1.5 m/s

計算結果:

  • 必要口径: 18.80 mm
  • JIS(小): 15A (φ16.1mm) → 2.05 m/s
  • JIS(大): 20A (φ21.6mm) → 1.14 m/s

解釈: 20Aなら1.14 m/sで推奨範囲(1.0–2.0 m/s)内。15Aでは2.05 m/sとなり推奨上限をわずかに超え、油温上昇や圧力損失の増大を招く。作動油は粘度が高いため流速過大の影響が水より顕著であり、20Aの選定が妥当。

仕組み・アルゴリズム — 配管口径 計算 の手法比較

候補手法の比較 — なぜ連続の式を選んだか

配管口径を決める方法はいくつか存在する。開発時に検討した3つの手法を比較する。

手法精度計算速度実装の複雑さ追加入力
連続の式(採用)実用十分瞬時低い流量・流速のみ
Darcy-Weisbach式高い(損失込み)速い中程度管粗さ・配管長・高低差
配管網シミュレーション最高遅い高い全配管ルート情報

Darcy-Weisbach式(ダルシー・ワイスバッハ)は圧力損失を考慮した計算手法。管内壁の粗さ(管粗度 ε)、配管の全長、レイノルズ数から摩擦係数を求め、圧力損失と流量の関係を精密に計算する。ただし、入力パラメータが多く(管粗度・配管長・高低差・局所損失係数など)、初期サイジングの段階では情報が揃わないことが多い。

配管網シミュレーションは複数の分岐・合流を持つ配管系全体を連立方程式で解く方式。プラント全体の設計には必須だが、「この1本のラインの口径を決めたい」という場面にはオーバースペック。

連続の式を採用した理由は以下の3点:

  1. 入力が最小限: 流量と推奨流速の2値だけで口径が決まる。初期サイジングで必要十分な精度が得られる
  2. 直感的な理解: Q = A × v という式は流体力学の最も基本的な法則であり、計算結果の妥当性を設計者自身が判断しやすい
  3. ブラウザ上でリアルタイム計算可能: 解析解なので反復計算が不要。入力値を変えた瞬間に結果が更新される

圧力損失の詳細計算は、口径が仮決定した後の次ステップ(ポンプ揚程の確認、配管抵抗の積み上げ)で行うのが実務の標準的なフロー。まず連続の式で口径の目安を出し、その後に圧力損失計算で最終確認する——という2段階アプローチのうち、本ツールは「第1段階」をカバーしている。

計算フロー

流量→口径モード:

① 流量の単位変換: Q [入力単位] → Q [m³/s]
② 口径の計算:    d = √(4Q / (πv))  [m]
③ 単位変換:      d [m] → d [表示単位]
④ JIS管照合:     d に最も近い上下のSGP管を検索
⑤ JIS流速計算:   v_jis = 4Q / (π × d_jis²)
⑥ 流速判定:      v_jis が推奨範囲内かを評価

口径→流量モード:

① 口径の単位変換: d [入力単位] → d [m]
② 断面積の計算:   A = π/4 × d²  [m²]
③ 流量の計算:     Q = A × v  [m³/s]
④ 単位変換:       Q [m³/s] → Q [表示単位]

具体的な計算例

流量 1 m³/h、流速 2.0 m/s で口径を求める場合:

① Q = 1 m³/h = 1 / 3600 m³/s ≒ 0.000278 m³/s
② d = √(4 × 0.000278 / (3.14159 × 2.0))
     = √(4 × 0.000278 / 6.28318)
     = √(0.0001770)
     = 0.01330 m
     = 13.3 mm

③ JIS照合(JIS G 3452 SGP-W):
   JIS 10A (φ12.7mm) < 13.3mm < 15A (φ16.1mm) < 20A (φ21.6mm)
   → 実装では d 以下の最大のJIS管と、d 以上の最小のJIS管を取得
   → 小: 10A (φ12.7mm), 大: 15A (φ16.1mm)

④ JIS流速:
   10Aの場合: v = 4 × 0.000278 / (π × 0.0127²) = 2.20 m/s
   15Aの場合: v = 4 × 0.000278 / (π × 0.0161²) = 1.37 m/s

参考: 連続の式 - Wikipedia / Darcy-Weisbach式 - Wikipedia

手計算やExcelシートとの違い

データを外部に送信しない

すべての計算はブラウザ内のJavaScriptで完結する。サーバーにデータを送信しないので、社内の設計条件を入力しても情報漏洩の心配がない。

JIS規格管の自動比較

計算口径に最も近いJIS SGP管を上下2サイズ自動で抽出し、それぞれの実内径で流速がどう変化するかを一覧表示する。「25Aか32Aか」の判断材料がワンステップで揃う。同様のJIS自動比較機能を備えた無料ツールは意外と少ない。

複数単位系に対応

流量はm³/h、m³/s、L/s、gpmの4種、長さはmm、m、inの3種を個別に切り替え可能。海外メーカーのポンプカタログ(gpm表記)と日本のJIS配管(mm表記)を突き合わせるような場面でも、単位変換の手間がいらない。

知っておくと便利な配管設計の豆知識

JIS配管の「A呼称」と「B呼称」

日本の配管サイズは「25A」「1B」のように呼ばれる。AはミリメートルベースのJIS呼称、Bはインチベースの呼称で、25A = 1B(1インチ)の関係。ただし実際の内径は肉厚(スケジュール)によって変わるため、必ず実内径で計算すること。SGPとSUS304TPでは同じ25Aでも内径が異なる点に注意。

参考: JIS G 3452 配管用炭素鋼鋼管

流速と圧力損失の関係

Darcy-Weisbach式によれば、圧力損失は流速の2乗に比例する。つまり流速を2倍にすると圧力損失は4倍になる。「少し口径を小さくしてコスト削減」の判断は、圧力損失の急増を招くことがあるので慎重に。

参考: Darcy-Weisbach式 - Wikipedia

レイノルズ数と層流・乱流

管内の流れが「層流」か「乱流」かはレイノルズ数 Re = vd/ν で判断する。Re < 2,300 なら層流、Re > 4,000 なら乱流。一般的な配管設計では大半が乱流域なので、推奨流速はすべて乱流を前提にしている。

参考: レイノルズ数 - Wikipedia

使い方のコツ・Tips

プリセットを活用して、必要なら微調整

推奨流速を暗記していなくても、流体プリセットを選べば中央値が自動入力される。特殊な条件(高粘度流体やスラリーなど)では、プリセット選択後に流速を手動で上書きすればいい。

JIS比較は「上下両方」をチェック

計算口径に近い上下2サイズが表示されるので、両方の流速判定を見比べよう。小さい方が「過大」なら大きい方を選ぶのが基本だが、コスト・スペースとの兼ね合いで判断する。

単位切替で海外カタログと照合

ポンプメーカーの仕様がgpm表記なら、流量単位をgpmに切り替えてそのまま入力すればOK。内部でm³/sに変換して計算されるので、手動で単位換算する必要がない。

吸引側は必ず余裕を持つ

吸引側はキャビテーション防止のため、推奨流速の上限ギリギリではなく余裕を持った口径を選ぶのが鉄則。ツールの流速判定が「適正」でも、安全側に1サイズ上げる判断が実務では珍しくない。

よくある疑問

Q: SUS(ステンレス)配管には対応している?

現在はJIS SGP(配管用炭素鋼鋼管)のプリセットのみ対応している。SUS304TPなど他の材質は、口径→流量モードで実内径を手入力すれば計算できる。材質別プリセットの追加は今後のアップデートで検討中。

Q: 計算結果はどの程度正確?

連続の式に基づく理論計算であり、非圧縮性流体で定常流の条件下では正確。ただし圧力損失、管路抵抗、温度による密度変化、実際の運転条件は考慮していない。最終的な設計判断は必ず詳細計算や専門家のレビューを経ること。

Q: 圧力損失の計算には対応している?

現在のバージョンでは圧力損失計算には対応していない。本ツールは連続の式に基づく「口径の目安」を素早く得ることに特化している。圧力損失の詳細計算(Darcy-Weisbach式、局所損失係数の積み上げ)は口径が仮決定した後のステップとして、別途計算が必要。

Q: 入力データはサーバーに送信される?

すべてブラウザ内で処理される。サーバーにデータは一切送信されない。「設定を保存」ボタンを押すとブラウザのlocalStorageに保存され、次回アクセス時に「設定を読み込み」で復元できる。ブラウザのデータを消去すれば保存データも消える。

まとめ

流体設計マスターは、配管口径と流量の相互計算をJIS規格管との自動比較付きでブラウザ上で完結させるツール。

推奨流速に基づく判定と上下2サイズのJIS比較が一画面で見られるので、配管サイジングの初期検討を大幅にスピードアップできる。流速が速すぎればエロージョンや騒音、遅すぎればスケール堆積——この「ちょうどいい流速」を見極める判断材料として活用してみて。

配管設計をさらに進めるなら、配管保温厚さ計算で放熱ロスの検討、膨張タンク容量計算で温水系統の安全設計、バルブトルク計算で操作力の見積もりもブラウザで完結する。構造設計に興味があれば鋼材断面のコンシェルジュも便利。


不具合や要望があれば、X (@MahiroMemo)から気軽に教えて。

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Mahiro

Mahiro Appの開発者。プラントの配管ルート変更で流量・流速・口径の3変数を何度も手計算した経験から、JIS照合まで一発で終わるツールを作った。

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