型締力の計算、毎回Excel開いてないか
射出成形の条件出しで真っ先に必要になるのが型締力の計算だ。樹脂の種類を確認して、キャビティ内圧力を調べて、投影面積を掛けて、安全率を乗せて……手計算やExcelで毎回やるのは地味に面倒だし、樹脂ごとの圧力値を暗記している人なんてそうそういない。
射出成形 型締力計算シミュレーターは、樹脂をドロップダウンから選ぶだけでキャビティ内圧力が自動セットされ、投影面積とキャビティ数を入れれば必要型締力(kN・トン)と推奨成形機がワンクリックで出る。安全率を加味した使用率ゲージ付きで、「この成形機で足りるのか」が一目でわかる。
なぜ型締力計算シミュレーターを作ったのか
開発のきっかけ
射出成形の現場で金型設計や成形機選定に関わっていると、「この樹脂のキャビティ内圧力って何MPaだっけ?」という場面に頻繁に遭遇する。PE、PP、ABS、PC、PA66……樹脂の種類だけで十数種類、それぞれ典型圧力が違う。手元の樹脂メーカー資料をひっくり返したり、先輩に聞いたりして、ようやく数値を確認してExcelに入力する。この作業を金型設計のたびに繰り返していた。
既存のオンライン計算ツールも探してみたが、ほとんどが「圧力と面積を入力→型締力を出力」で終わり。樹脂プリセットがないから結局圧力値は自分で調べる必要があるし、成形機トン数のマッチングもない。「計算結果は出たけど、結局どの成形機を使えばいいの?」という疑問が残るツールばかりだった。
こだわった設計判断
- 樹脂プリセット12種: PE、PP、PS、ABS、PA6、PA66、POM、PC、PBT、PET、PMMA、PVC。選ぶだけでキャビティ内圧力が自動設定されるから、資料を探す手間がゼロになる
- 成形機トン数マッチング: 30t〜3500tまで15段階の標準トン数から、安全率込みで最適なサイズを自動推奨。「計算して終わり」じゃなく「どの機械を使うか」まで回答する
- 使用率ゲージ: 推奨成形機に対する型締力使用率を色分け表示。50%以下は過大、70-90%は適正、90%超は不足リスク——という実務的な判断基準を内蔵した
射出成形の型締力とは — 金型を閉じ続ける力
型締力 計算 の基本概念
射出成形機は、溶融した樹脂を高圧で金型内に注入する。このとき、キャビティ内部には樹脂の射出圧力によって金型を押し開こうとする力が発生する。型締力とは、この力に対抗して金型を閉じ続けるために必要な力のことだ。
身近なたとえで言うと、ホースの先端を指で塞いだ状態を想像してみてほしい。水圧が高いほど指を押し返す力が強くなる。射出成形でも同じことが起きていて、キャビティ内圧力が高いほど、広い投影面積ほど、金型を開こうとする力が大きくなる。型締力が足りなければ金型が微妙に開いてしまい、バリ(樹脂のはみ出し)が発生する。
基本の計算式はシンプルだ:
型締力 [kN] = キャビティ内圧力 [MPa] × 投影面積 [cm²] ÷ 10
MPa(メガパスカル)は1 N/mm²に等しい。投影面積をcm²で入力する場合、1 cm² = 100 mm²なので、MPa × cm² = 100 N = 0.1 kN。つまり10で割ればkN単位になる。
キャビティ内圧力 樹脂 ごとの違い
キャビティ内圧力は、樹脂の種類・流動性・製品の肉厚・ゲート構造などによって大きく変わる。ただし、概算段階では樹脂種別ごとの典型値を使うのが一般的だ。JIS B 8650(射出成形機)でも、型締力の算出に際してキャビティ内平均圧力を用いることが標準的な手法として記載されている。
代表的な樹脂と典型的なキャビティ内圧力を整理しておこう:
| 分類 | 樹脂 | 典型圧力 (MPa) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 汎用樹脂 | PE | 30 | 低圧、流動性良好 |
| 汎用樹脂 | PP | 35 | やや高い流動性 |
| 汎用樹脂 | PS | 30 | 低粘度 |
| 汎用エンプラ | ABS | 40 | バランス型 |
| エンプラ | PA6 / PA66 | 40-45 | 吸湿注意、高融点 |
| エンプラ | POM | 45 | 結晶性高い |
| スーパーエンプラ | PC | 50 | 高粘度、高圧必要 |
| その他 | PMMA / PET | 45 | 透明・結晶性 |
PC(ポリカーボネート)のように粘度が高い樹脂ほど高い射出圧力が必要で、結果としてキャビティ内圧力も高くなる。逆にPE(ポリエチレン)のような流動性の良い樹脂は低圧で成形できる。
投影面積 とキャビティ数
投影面積とは、金型の型開き方向から見たときの成形品の面積だ。重要なのは、ランナー(樹脂の流路)の面積も含めて計算すること。ランナーにも樹脂圧力がかかるから、ランナー面積を忘れると型締力を過小評価してしまう。
多数個取り(1つの金型で複数の成形品を同時に作る)の場合は、1個あたりの投影面積にキャビティ数を掛けた値が総投影面積になる:
総投影面積 = 1個あたり投影面積 × キャビティ数
型締力の選定を間違えると何が起きるか
型締力 不足のリスク — バリ・金型損傷
型締力が不足すると、射出圧力に負けて金型のパーティングライン(合わせ面)が微小に開く。ここから溶融樹脂がはみ出してバリが発生する。バリは見た目の不良だけでなく、後工程でのバリ取り作業が加わるためコスト増の原因にもなる。
さらに深刻なのは、金型損傷だ。パーティングラインが繰り返し開閉されると、合わせ面が摩耗・変形して金型寿命が大幅に短くなる。精密金型の修繕費は数百万円に達することもあるから、型締力の不足は直接的な経済的損害につながる。
型締力 過大のリスク — エネルギー浪費・金型圧縮
逆に型締力が必要以上に大きすぎるのも問題だ。大型成形機は消費電力が大きく、1ランク上の機械を使うだけで電力コストが跳ね上がる。また、過大な型締力は金型を過度に圧縮し、ガス抜き(ベント)を塞いでしまう。ガスが抜けないとショートショット(充填不足)や焼けが発生する。
JIS B 8650では、成形機の型締力仕様は定格値として規定されている。実務では定格の70〜85%程度で運用するのが適正とされており、安全率を加味した上で余裕のあるサイズを選ぶことが推奨されている。
型締力計算が活躍する場面
金型設計の初期段階
新規金型の設計を始めるとき、まず必要型締力を算出して使用する成形機を決める。成形機が決まらないとダイプレートサイズやタイバー間隔の制約が確定せず、金型外形寸法が決まらない。つまり型締力計算は金型設計の起点になる。
成形機の新規導入・更新
工場に新しい成形機を導入する際、既存の金型群が要求する型締力の範囲をカバーできるか確認する。1台で30t〜100tの金型を回している工場なら、100t機で十分。しかし多数個取りの大型金型を導入する予定があるなら、それを見越したトン数選定が必要になる。
多数個取り検討時
生産性向上のために1個取り→4個取り→8個取りと増やす検討をするとき、型締力の増加を計算して既存の成形機で対応可能かを判断する。キャビティ数を2倍にすれば型締力もほぼ2倍になるから、機械の容量を超えていないか事前確認が欠かせない。
基本の使い方 — 3ステップで完了
ステップ1: 樹脂を選択する
ドロップダウンから成形する樹脂の種類を選ぶ。ABS、PC、PPなど12種類のプリセットが用意されていて、選択するとキャビティ内圧力が自動的にセットされる。プリセットにない樹脂は「カスタム」を選んで手入力できる。
ステップ2: 投影面積とキャビティ数を入力する
成形品+ランナーの投影面積(cm²)を入力し、キャビティ数(1個取りなら1、4個取りなら4)を入力する。投影面積はCADから取得するか、概算で「製品の外形寸法 × 0.7〜0.8」で見積もる方法もある。
ステップ3: 結果を確認する
必要型締力(kN / トン)、安全率込みの型締力、推奨成形機トン数が表示される。使用率ゲージで適正サイズかどうかが色で判断できる。
射出成形 型締力の具体的な計算例 — 6ケースで検証
実際にツールに値を入れた結果を6ケース紹介する。計算式は共通で、型締力 = 圧力 × 総面積 ÷ 10、安全率を掛けて推奨機を判定する。
ケース1: ABS 小型部品 1個取り
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 樹脂 | ABS(40 MPa) |
| 投影面積 | 100 cm² |
| キャビティ数 | 1 |
| 安全率 | 1.2 |
| 総投影面積 | 100 cm² |
| 必要型締力 | 400 kN(40.8 tf) |
| 安全率込み | 48.9 tf |
| 推奨成形機 | 50t |
小型のABS部品ならば50t機で十分。使用率は97.8%とギリギリだが、安全率1.2を込みで計算しているため実用上は問題ない。
ケース2: PC 大型部品 4個取り
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 樹脂 | PC(50 MPa) |
| 投影面積 | 500 cm² |
| キャビティ数 | 4 |
| 安全率 | 1.3 |
| 総投影面積 | 2000 cm² |
| 必要型締力 | 10000 kN(1019.7 tf) |
| 安全率込み | 1325.6 tf |
| 推奨成形機 | 1800t |
PCは高粘度で50 MPaと高い圧力が必要。4個取りで総投影面積が2000 cm²に膨れ上がり、1800t級の大型機が必要になる。安全率も1.3と高めに設定しているのは、PCの圧力変動が大きいためだ。
ケース3: PP 小型部品 8個取り
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 樹脂 | PP(35 MPa) |
| 投影面積 | 50 cm² |
| キャビティ数 | 8 |
| 安全率 | 1.1 |
| 総投影面積 | 400 cm² |
| 必要型締力 | 1400 kN(142.8 tf) |
| 安全率込み | 157.0 tf |
| 推奨成形機 | 200t |
PP小型部品の8個取り。1個あたり50 cm²でも8個取りになると総投影面積400 cm²で200t機が必要。多数個取りの型締力増大をしっかり計算しておかないと、既存機の容量オーバーに気づかないまま金型を発注してしまうリスクがある。
ケース4: PA66 中型部品 2個取り
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 樹脂 | PA66(45 MPa) |
| 投影面積 | 200 cm² |
| キャビティ数 | 2 |
| 安全率 | 1.2 |
| 総投影面積 | 400 cm² |
| 必要型締力 | 1800 kN(183.5 tf) |
| 安全率込み | 220.3 tf |
| 推奨成形機 | 300t |
PA66はエンジニアリングプラスチックの中でも高融点で圧力が高め。2個取りで220.3 tfとなり、200t機では足りず300t機が必要。200tで無理やり成形するとバリが発生するから、ここでの1ランクアップは必須の判断だ。
ケース5: POM 大型部品 1個取り
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 樹脂 | POM(45 MPa) |
| 投影面積 | 300 cm² |
| キャビティ数 | 1 |
| 安全率 | 1.1 |
| 総投影面積 | 300 cm² |
| 必要型締力 | 1350 kN(137.7 tf) |
| 安全率込み | 151.4 tf |
| 推奨成形機 | 200t |
POMは結晶性が高く収縮が大きい樹脂だが、1個取りなら200t機で対応可能。使用率75.7%で適正範囲に収まっている。
ケース6: PE 小型部品 16個取り(大量生産)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 樹脂 | PE(30 MPa) |
| 投影面積 | 80 cm² |
| キャビティ数 | 16 |
| 安全率 | 1.3 |
| 総投影面積 | 1280 cm² |
| 必要型締力 | 3840 kN(391.6 tf) |
| 安全率込み | 509.0 tf |
| 推奨成形機 | 650t |
PEは低圧(30 MPa)で成形できる樹脂だが、16個取りの大量生産になると総投影面積が1280 cm²まで増加。低圧樹脂でも多数個取りでは大型機が必要になるという好例だ。安全率1.3を入れて650t機を推奨。
型締力計算の仕組みとアルゴリズム
候補手法の比較
型締力の算出方法には主に2つのアプローチがある:
- 平均キャビティ内圧力法(本ツール採用): キャビティ内の平均圧力と投影面積から算出。概算段階で広く使われている標準的な手法
- 射出圧力換算法: 射出シリンダー圧力にスクリュー面積比を掛けて換算する方法。成形機の仕様から逆算するため、成形条件が決まった後の検証に向いている
本ツールでは、金型設計の初期段階で使うことを想定して平均キャビティ内圧力法を採用した。理由は3つ:
- 入力パラメータが少なく直感的(樹脂・面積・個数だけ)
- 樹脂メーカーが公開する典型圧力値をそのまま使える
- JIS B 8650の型締力算出方法に沿った標準的な計算手法
計算フローの詳細
【入力】
P = キャビティ内圧力 [MPa]
A = 1個あたり投影面積 [cm²](ランナー含む)
n = キャビティ数
SF = 安全係数(1.0〜2.0)
【計算】
1. 総投影面積: At = A × n [cm²]
2. 型締力(kN): F = P × At / 10
(MPa × cm² = 100 N = 0.1 kN → ÷10でkN)
3. 型締力(tf): Ft = F / 9.80665
4. 安全率込み: Freq = Ft × SF
5. 推奨成形機: machineSizes中 Freq 以上の最小トン数
【成形機トン数リスト】
30, 50, 75, 100, 150, 200, 300, 450,
650, 850, 1000, 1300, 1800, 2500, 3500 [t]
計算例: ABS 100cm² 1個取り 安全率1.2
At = 100 × 1 = 100 cm²
F = 40 × 100 / 10 = 400 kN
Ft = 400 / 9.80665 = 40.8 tf
Freq = 40.8 × 1.2 = 48.9 tf
推奨 = 50t(48.9 以上の最小トン数)
安全係数の根拠
安全係数は一般的に1.1〜1.3が推奨される。この値は以下の不確定要素をカバーするためのものだ:
- 樹脂ロット間のバラツキ: 同じABSでもグレードやロットでMFR(メルトフローレート)が変動し、キャビティ内圧力が変わる
- 成形条件の変動: 保圧・射出速度・樹脂温度の変更で実際の圧力が上下する
- 金型の経年劣化: 長期使用でゲートやランナーの摩耗が進み、圧力損失が変化する
精密成形や高粘度樹脂(PCなど)では1.3、汎用樹脂(PE、PPなど)の安定した成形では1.1が目安になる。
他の型締力計算ツールとの違い
樹脂プリセット+成形機マッチングの一体化
多くのオンライン型締力計算ツールは「圧力 × 面積 = 力」の単純な計算機にとどまっている。樹脂の種類からキャビティ内圧力を引いてくるのはユーザーの仕事で、計算結果がトン数で出ても「じゃあどの成形機?」は自分で調べる必要がある。
本ツールは**入力(樹脂プリセット)→ 計算(型締力)→ 出力(推奨成形機)**を一気通貫で提供する。12種類の樹脂プリセットにはそれぞれ典型圧力が内蔵されていて、ドロップダウンで選ぶだけで設定が完了する。計算結果は30t〜3500tの15段階の成形機トン数に自動マッチングされるから、「何トン機を使えばいいか」まで回答が出る。
使用率ゲージによる適正判定
計算結果だけでなく、推奨成形機に対する使用率をパーセンテージとゲージで表示する。50%以下なら「過大(小型機でOK)」、70-90%なら「適正」、90%超なら「不足リスク」——この判定があるから、計算に不慣れな人でも結果の妥当性を直感的に判断できる。
型締力にまつわる豆知識
世界最大級の射出成形機
射出成形機の型締力は、小型の数十トンから超大型の数千トンまで幅広い。世界最大級の成形機は8000トン超の型締力を持ち、自動車のバンパーやダッシュボードのような大型部品の一体成形に使われている。射出成形(Wikipedia)にも記載されている通り、射出成形は1946年にスクリュー式が発明されてから急速に発展し、現在ではプラスチック加工法の中で最も広く用いられている。
トン表記の由来
成形機のサイズを「○○トン」で表すのは、型締力がかつて重力単位系のトン重(tf)で表記されていた名残だ。国際単位系(SI)ではkNが正式だが、業界では今でもトン表記が圧倒的に多い。1 tf = 9.80665 kN(重力加速度 × 1000 kg)という変換係数を覚えておくと、カタログ読みが楽になる。
ホットランナーと型締力
ホットランナー金型(ランナーを加熱して樹脂を溶融状態に保つ方式)では、コールドランナーに比べてランナー部分の投影面積が小さくなる。そのため同じ製品でも型締力を低減できることがある。ただし、ホットランナーのノズル近傍では局所的に圧力が高くなるため、単純に面積を減らすだけでは不十分な場合もある。
型締力計算のTips
Tip 1: ランナー面積の見積もり方
投影面積に「ランナー含む」とあるが、設計初期段階ではランナーレイアウトが決まっていないこともある。その場合、製品投影面積の10〜20%をランナー面積として加算するのが実務的な概算方法だ。ホットランナーの場合はランナー面積をほぼゼロにできる。
Tip 2: ガラス繊維入り樹脂の注意点
GF(ガラスファイバー)入りの樹脂(PA6-GF30、PBT-GF30など)は、非強化グレードよりも粘度が高くなるため、キャビティ内圧力が10〜20%程度上昇する傾向がある。プリセット値はノンフィラーの典型値なので、GF入りの場合は「カスタム」を選んで圧力値を手動で上げることを推奨する。
Tip 3: 多数個取りでのバランス確認
4個取り以上の金型では、ランナーバランスが崩れるとキャビティ間で充填差が生じ、局所的に高い圧力が発生する。型締力計算では均等充填を前提としているため、実際のランナーレイアウトが不均等な場合は安全率を高め(1.3以上)に設定しておくのが安全だ。
Tip 4: 投影面積の簡易推定
CADデータがまだない概算段階では、製品の外形を長方形で近似して「長辺 × 短辺 × 0.7」で投影面積を見積もる方法がある。0.7は「長方形の中に製品形状が収まる充填率」の概算値で、複雑な形状でも大きく外れることは少ない。
よくある質問
Q: キャビティ内圧力はどうやって決めればいい?
まずは樹脂プリセットの典型値を使うのが最も手軽。より正確な値が必要な場合は、樹脂メーカーの技術資料(成形ガイド)に記載されている推奨射出圧力から換算するか、過去の成形実績データを参照する。実際のキャビティ内圧力は、製品の肉厚・流動長・ゲート構造で変動するため、±20%程度のバラツキを見込んで安全率に反映させるとよい。
Q: 安全率はどのくらいに設定すべき?
一般的な目安は1.1〜1.3。汎用樹脂(PE、PP、PS)の安定した成形条件では1.1で十分。高粘度樹脂(PC、PMMA)や精密成形では1.2〜1.3を推奨する。金型の初回トライアルなど条件が不確定な段階では、1.3以上に設定しておくと安全だ。
Q: 3500tを超える結果が出たらどうすればいい?
3500tを超える場合は超大型の特殊成形機が必要になる。対策としては、(1) キャビティ数を減らす、(2) 製品設計を見直して投影面積を小さくする、(3) ホットランナーを採用してランナー面積を削減する、(4) 低圧成形が可能な樹脂グレードに変更する、などがある。成形機メーカーに相談して最適な構成を検討してほしい。
Q: 入力したデータはサーバーに送信される?
すべての計算はブラウザ上で完了しており、入力データがサーバーに送信されることはない。金型設計の機密情報を扱う場合でも安心して利用できる。
まとめ
射出成形 型締力計算シミュレーターは、樹脂の種類を選んで投影面積とキャビティ数を入力するだけで、必要型締力と推奨成形機トン数を一発で算出できるツールだ。
樹脂プリセット12種、成形機トン数15段階のマッチング、使用率ゲージによる適正判定——これらを一画面に凝縮した。金型設計の起点となる型締力計算を、資料を探す手間なく数秒で完了させてほしい。
ボルト締結の強度計算が必要な場面ではボルト強度・破断モード診断、鋼材の断面性能を確認したい場合は鋼材断面のコンシェルジュも活用してみて。
不具合や要望があれば、X (@MahiroMemo)から気軽に教えてほしい。
Mahiro
Mahiro Appの開発者。射出成形の現場で金型設計のたびにExcelを開いて樹脂別の圧力値を調べていた経験から、プリセット選択だけで型締力と推奨成形機が出るツールを開発した。
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