ギアモジュール計算

歯数・モジュール・ピッチ円直径の相互計算と簡易プレビュー

歯数とモジュールからピッチ円直径を計算

入力値

プリセットから選択するか直接入力

計算結果

モジュール

m = 1.000 mm

小型モジュール
歯数 z
20
モジュール m
1.000 mm
ピッチ円直径 d
20.000 mm
円周ピッチ
3.142 mm
歯先円直径 da
22.000 mm
歯底円直径 df
17.500 mm

歯形プレビュー

ピッチ円 (d)歯先円 (da)歯底円 (df)

本アプリは概算計算ツールです。実設計・安全検証には専門家の確認を行ってください。転位歯車やヘリカル歯車の詳細計算には対応していません。

歯数・モジュール・ピッチ円を相互計算+歯形プレビュー

歯車の設計図面を渡されて「モジュール1.5、歯数24のピッチ円直径は?」と聞かれたとき、暗算でパッと出せる人はそう多くない。設計の現場では歯数(z)、モジュール(m)、ピッチ円直径(d)の3つの値を頻繁に行き来する。

このツールは、3つのうち2つを入力するだけで残りの1つを自動計算する。さらに歯先円直径・歯底円直径・円周ピッチなどの関連値も一括で算出し、SVGで歯形の概観もプレビューできる。電卓を叩く手間をゼロにする、機械屋のための概算チェッカーだ。

なぜギアモジュール計算を作ったのか

開発のきっかけ

ある日、後輩から「この歯車の外径って何mmですか?」と聞かれた。図面にはモジュール2、歯数30とだけ書いてある。d = m × z = 60mm、歯先円は d + 2m = 64mm。簡単な計算だけど、確認のために毎回電卓を叩くのが地味に面倒だった。

既存のオンラインツールも調べてみた。5つほど試したが、どれも入力欄が多すぎたり、転位係数やヘリカル角まで必須入力だったりで、「ちょっと確認したいだけ」の用途には重すぎる。逆にシンプルすぎて歯先円直径が出ないものもあった。

「歯数とモジュールを入れたら、欲しい値が全部出てくる。それだけでいい」——そんなツールが欲しかった。

こだわった設計判断

計算モードの3択切替を導入した。従来のツールは「全部入力して計算ボタンを押す」形式が多いが、実務では「z と m は分かっている」「d と z から m を逆算したい」のように、知っている値の組み合わせが決まっている。計算モードを明示することで、どの値が入力でどの値が出力かが一目で分かる。

SVG歯形プレビューも付けた。数値だけでなく、歯車の概形を視覚的に確認できる。ピッチ円・歯先円・歯底円が色分けされているので、各寸法の関係を直感的に理解できる。

外部APIを使わない設計にした。すべてブラウザ内で計算が完結するので、社内ネットワークでも使えるし、入力した設計データが外部に漏れることもない。

歯車設計のこんな場面で

機械設計の概算チェック

CADで歯車を描く前に、ピッチ円直径や歯先円直径の概算値をサッと確認したい場面。図面のレビューで「この歯車の外径合ってる?」と聞かれたときにも即座に回答できる。

学校の課題・試験対策

機械設計の授業で歯車の基礎を学んでいるとき、教科書の例題を自分の計算と照らし合わせて検算に使える。計算式だけでなく歯形のプレビューも出るので、各寸法の意味を視覚的に理解しやすい。

模型・工作のギア選定

3Dプリンタでギアを作りたいホビイストが、歯数とモジュールから外径を求めてモデリングの参考にする。市販のギアキットを組み合わせるときの寸法確認にも便利。

既存歯車のリバースエンジニアリング

手元にある歯車のピッチ円直径をノギスで測って、歯数を数えれば、モジュールを逆算できる。交換部品を探すときの型番特定に役立つ。

基本の使い方

たった3ステップで計算が完了する。

Step 1: 計算モードを選ぶ

「z + m → d」「z + d → m」「m + d → z」の3つから、自分が知っている値の組み合わせを選ぶ。デフォルトは「z + m → d」。

Step 2: 数値を入力する

選んだモードに応じた入力欄に値を入力する。モジュールはプリセット(JIS標準モジュール)から選ぶか、直接数値を入力できる。

Step 3: 結果を確認する

入力と同時にリアルタイムで結果が表示される。ピッチ円直径だけでなく、歯先円・歯底円・円周ピッチまで一括で確認できる。SVGプレビューで歯形の概観もチェックできる。

具体的な使用例(検証データ)

ケース1: 標準的な平歯車の寸法計算

歯数20、モジュール2の平歯車の各寸法を求める。

入力値:

  • 計算モード: z + m → d
  • 歯数 z: 20
  • モジュール m: 2

計算結果:

  • ピッチ円直径 d: 40.000 mm
  • 歯先円直径 da: 44.000 mm
  • 歯底円直径 df: 35.000 mm
  • 円周ピッチ: 6.283 mm

解釈: ピッチ円直径は d = z × m = 20 × 2 = 40mm。歯先円は d + 2m = 44mm で、これが歯車の外径に相当する。歯底円は d - 2.5m = 35mm。

ケース2: ピッチ円直径からモジュールを逆算

外径約50mmの歯車を入手。歯数を数えたら24枚。ピッチ円直径は歯先円より小さいので、仮に48mmとして計算。

入力値:

  • 計算モード: z + d → m
  • 歯数 z: 24
  • ピッチ円直径 d: 48

計算結果:

  • モジュール m: 2.000 mm
  • 歯先円直径 da: 52.000 mm
  • 円周ピッチ: 6.283 mm

解釈: モジュール2.000はJIS標準モジュールに一致。この歯車はモジュール2の標準品である可能性が高い。歯先円52mmなので、実測の外径約50mmから考えると、ピッチ円は46mm前後かもしれない。

ケース3: 大型減速機の歯車

減速機に使われる大きな歯車。モジュール8、歯数60。

入力値:

  • 計算モード: z + m → d
  • 歯数 z: 60
  • モジュール m: 8

計算結果:

  • ピッチ円直径 d: 480.000 mm
  • 歯先円直径 da: 496.000 mm
  • 歯底円直径 df: 460.000 mm
  • 円周ピッチ: 25.133 mm

解釈: ピッチ円直径480mm、外径約496mmの大型歯車。ステータスカードに「大型モジュール」と表示され、一般的な精密機械では使われないサイズ帯であることが分かる。

ケース4: 精密機器の小型ギア

腕時計や小型ロボットに使われるような微小歯車。モジュール0.5、歯数12。

入力値:

  • 計算モード: z + m → d
  • 歯数 z: 12
  • モジュール m: 0.5

計算結果:

  • ピッチ円直径 d: 6.000 mm
  • 歯先円直径 da: 7.000 mm
  • 歯底円直径 df: 4.750 mm
  • 円周ピッチ: 1.571 mm

解釈: 外径わずか7mmの微小歯車。ステータスカードは「小型モジュール」。歯数12は少ないため、アンダーカット(歯元の切り下げ)に注意が必要。

仕組み・アルゴリズム

基本計算式

歯車の幾何学は、3つの基本パラメータの関係式に基づいている:

d = m × z

ここで d はピッチ円直径(mm)、m はモジュール(mm)、z は歯数(無次元)。この式から任意の1つを他の2つから求められる。

参考: 歯車 - Wikipedia

派生値の計算

基本の3値から、以下の派生値を算出する:

歯先円直径  da = d + 2m
歯底円直径  df = d - 2.5m
円周ピッチ  p  = π × m
基準円直径  db = d × cos(α)

α は圧力角で、一般的には20°が標準。14.5°は旧規格、25°は高強度用途で使われる。

参考: インボリュート歯車 - Wikipedia

なぜこの方式を選んだか

本ツールは**標準平歯車(転位なし)**の計算に特化している。転位係数やヘリカル角を含めると入力項目が増え、概算確認という目的からずれてしまう。標準歯車の計算式はJIS B 1701-1に規定されており、上記の式で十分な精度が得られる。

参考: JIS B 1701-1 円筒歯車のモジュール

カタログや計算シートとの違い

データを外部に送信しない

すべての計算はブラウザ内で完結する。サーバーにデータは送信されない。社内の設計データや試作品の寸法を安心して入力できる。

計算モード切替で迷わない

「z + m → d」のように、入力と出力の関係が一目瞭然。他のツールにありがちな「どこに何を入れればいいか分からない」問題を解消している。

SVG歯形プレビュー付き

数値だけでなく、歯車の概形を視覚的に確認できる。ピッチ円(青)・歯先円(白)・歯底円(グレー)の色分けで、各直径の大小関係が直感的に分かる。

JIS標準モジュールのプリセット

0.5〜20のJIS標準モジュール値をプリセットから選択できる。実務でよく使うモジュールをワンタップで入力可能。もちろん直接入力も対応。

知っておくと便利な歯車の豆知識

モジュールと歯の大きさの関係

モジュールは「歯の大きさ」を表す指標。モジュール1なら歯の高さ(歯たけ)は約2.25mm、モジュール3なら約6.75mm。モジュールが大きいほど歯が頑丈になるが、歯車全体も大きくなる。同じピッチ円直径ならモジュールが小さいほど歯数が多くなり、滑らかな回転が得られる。

歯数が少ないとアンダーカットが発生する

圧力角20°の標準歯車では、歯数が17枚以下になるとアンダーカット(歯元の切り下げ)が発生する。これは歯の強度を低下させる原因になる。対策として転位歯車を使うことが多い。14.5°の場合は32枚以下でアンダーカットが起きるので、20°が標準になった歴史的背景の一つでもある。

インチ系の歯車表記

アメリカやイギリスでは、モジュールの代わりにダイヤメトラルピッチ(DP)を使う。DP = 25.4 / m の関係で、モジュールが大きいほどDPは小さくなる。DP8は約モジュール3.175に相当する。本ツールの詳細モードで単位をinchに切り替えるとDP値も表示される。

使い方のコツ・Tips

Tip 1: モジュール逆算で交換部品を探す

壊れた歯車の交換品を探すなら「z + d → m」モードが便利。歯数を数えて、ノギスでピッチ円直径(歯先円直径 - 2m ≒ 歯先円 × z/(z+2))を測れば、モジュールが逆算できる。JIS標準値に近ければ市販品が見つかる可能性が高い。

Tip 2: 詳細モードで基準円をチェック

歯車のかみ合いを検討するときは詳細モードに切り替えて基準円直径を確認しよう。基準円はインボリュート曲線の基準になる円で、圧力角によって変わる。

Tip 3: エクスポートで設計メモを保存

計算結果はエクスポートボタンでブラウザに保存できる。次回アクセス時にインポートすれば、前回の計算条件をそのまま復元できる。複数の設計案を比較するときに便利。

よくある疑問

Q: データはどこに保存される?

すべてブラウザ内で処理される。サーバーにデータは送信されないし、エクスポート機能もブラウザのlocalStorageを使うだけ。プライバシーを重視した設計になっている。

Q: 転位歯車の計算はできる?

現在のバージョンでは転位歯車(転位係数を含む計算)には対応していない。標準歯車(転位なし)の概算確認に特化している。転位歯車の詳細計算が必要な場合は専用のCADソフトや歯車設計ソフトを使ってほしい。

Q: ヘリカル歯車(はすば歯車)の計算はできる?

ヘリカル歯車への対応は今後の拡張機能として検討中。現時点では平歯車(スパーギア)の計算のみ対応している。

Q: 圧力角はどれを選べばいい?

特に指定がなければ20°が標準。14.5°は旧JIS規格で、古い機械で使われていることがある。25°は高トルク・高強度が求められる特殊用途向け。迷ったら20°を選んでおけば問題ない。

まとめ

ギアモジュール計算は、歯数・モジュール・ピッチ円直径の相互計算を3ステップで完了するツール。

概算チェックに必要な値がすべてワンページで得られるのが最大のメリット。SVGプレビューで歯形の概観も確認できるので、数値の意味を視覚的に把握しやすい。

構造設計に興味がある人は梁の安全審判員ボルト強度・破断モード診断も試してみて。歯車だけでなく、梁やボルトの強度計算もブラウザで完結する。


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M

Mahiro

Mahiro Appの開発者。歯車のモジュール選定で歯数とピッチ円の関係を直感的に把握したくて、歯形プレビュー付きの計算ツールを作った。

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