アイロンビーズ図案メーカー・色番号逆引き

画像をパーラービーズ公式100色へ総当たりで最近寄せし、図案グリッド・色別必要個数・プレート枚数を算出。カラーコードから色番号を逆引きするモードつき

カラーコードを入れると、カワダ公式の単色パーラービーズ100色からいちばん近い色番号を総当たりで探す。画像を選べば図案グリッド・色別必要個数・プレート枚数まで出る。画像はブラウザの中だけで処理され、サーバーには送信されない。

シナリオプリセット

入力モード

カラーコード

使う色の範囲

色差式

手持ちの色(0 / 100 色)

いまは「不透明85色」を使っているので、ここの選択は結果に使われない。手持ちだけで作れるか見たいときは「手持ちのみ」に切り替えてほしい。

いちばん近い色番号80-15211kトマト ΔE 1.28
ほぼ一致

色見本

#F71604

#FF0000 と比較

2位との差

ΔE 2.92

順位は安定している

使える色数

85 色

不透明85色

候補(上位5件)

順位品番色名HEXΔE
180-15211kトマト#F716041.28
25005あか#E6301B4.20
380-15246kタンジェリン#F444075.44
45059しゅいろ#EA564C9.91
55090キャラメル#E8580910.02

パーラービーズ公式100色カラーチャート

色をタップすると、そのHEXで逆引きに切り替わる。品番はカワダ公式の単色販売品番。

カワダはビーズのRGB値を公表していない。このツールのHEXは公式カラーリストの製品写真から採色した実測推定値で、2022年版の公式PDFカラーチャートと照合した測定ばらつきは中央値 ΔE2000 = 1.3・最大 8.3。画面の色と実物の色は光源・モニタ・ロットでも変わるので、最終判断は実物の色見本でしてほしい。

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袋の色と画面の色が、どうしても合わない

子どもとアイロンビーズをやっていると、必ずこの場面が来る。スマホで推しキャラの絵を見せられて「この青、どれ?」と聞かれる。引き出しには単色の袋が20個ばかり入っている。あお、みずいろ、スカイブルー、パステルあお、オーシャンブルー、デニム、ミッドナイトブルー。全部「青」だ。

袋を1つずつ画面の横に並べて、目を細めて見比べる。2つまでは絞れる。そこから先が決まらない。メーカーのカラーリストをブラウザで開いて拡大しても、載っているのはビーズを敷き詰めた写真で、色の数値はどこにも書いていない。結局「たぶんこれ」で1袋開けて、アイロンをかけたあとで「ちょっと違ったね」と言い合う。アイロンは取り消せない。

このツールは、その「たぶん」を数字に置き換えるために作った。カラーコードを入れれば、パーラービーズ公式100色のうち近い順に5色が色差ΔEつきで並ぶ。画像を入れれば、そのまま図案グリッドと色別の必要個数、プレートの枚数、仕上がりのミリ数まで出る。手持ちの色だけに絞ったときにどれくらい再現が落ちるかも、感想ではなく数値で出る。

「メーカーはRGB値を公表していない」と分かったところから始まった

最初は簡単な話だと思っていた。画像をドット絵にするツールはいくらでもあるし、ビーズの色一覧を載せているサイトもある。突き合わせれば終わり、くらいの見積もりだった。

止まったのは、色一覧の出典を確かめようとしたときだ。カワダの公式カラーリストに載っているのは、品番と色名と、ビーズを敷き詰めた製品写真だけ。RGBもHEXもCMYKも、どこにも無い。単色で買える色が何色あるかは分かる。その色が数値でいくつなのかは、メーカー自身が公開していない。

では検索で出てくる色対応表は何なのか。見に行くと、たいていは米国 Perler の色表で、日本のカワダとはラインナップが違う。実際、米Perlerの Red は #E1141C、日本の「あか」(5005) をこちらで実測すると #E6301B で、近いが同じではない。しかも肝心の「その数値をどこから持ってきたのか」「どう測ったのか」が、どのサイトにも書かれていない。孫引きの孫引きかもしれないし、誰かが目分量でスポイトを当てた値かもしれない。出典の書かれていない数値を定数に焼き込んで「あなたの色はこれだ」と断定するツールは、作れないと思った。

そこで方針を2つ決めた。自分で測る。そして、測った値であることを隠さない。

決定的だったのは2つ目のほうで、これがツールの性格をほとんど全部決めている。測定である以上、必ず不確かさがある。だから1色に断定しない。候補を5件、それぞれのΔEつきで出す。1位と2位の差が測定のばらつきより小さいときは、黙って1位を返すのではなく「この差では順位が入れ替わりうる」と画面にそう書く。判定の帯(ほぼ一致/近い色/やや離れる/代用は難しい)の一番上の境界も、他サイトの色差判定表からではなく、自分のパレットの測定ばらつきの実測値から決めている。

「近い色が5つ出る。どれかは実物で決めてほしい」は、一見すると弱い答えだ。けれど「この色だ」と1色だけ言い切って、それが写真から測った推定値だと言わないツールよりは、はるかに使い道がある。少なくとも、開ける袋を20個から2個に減らせる。どう測ったかは後半の仕組みの節にまとめた。

色差ΔEとは何か — RGBの引き算では「近さ」を測れない理由

RGBの距離は人の見えと比例しない

「近い色を探す」と聞けば、まずRGBの数値を引き算して距離を測ればいいと思う。実際それが一番素直だし、コードも3行で書ける。問題は、その距離が人の見えとほとんど比例しないことにある。

パーラービーズの実測値から具体例を2つ。どちらもRGB空間での距離はほぼ同じ「172」だ。

  • クリーム #F0E9AE と きいろ #F6E502 → RGB距離 172.2
  • エッグプラント #641441 と サワーアップル #68BF4D → RGB距離 171.5

前者は「淡い黄」と「濃い黄」で、同じ系統の中の濃淡。後者は「暗い紫」と「黄緑」で、誰が見ても別の色だ。数値の上では等距離なのに、見た目の隔たりはまるで違う。あとで出てくる ΔE2000 という尺度で測ると、前者は 16.2、後者は 81.2。5倍の開きがある。

逆向きの例も出る。あか #E6301B と トマト #F71604 の RGB距離は 38.7。きいろ #F6E502 と レモン #EFCE01 の RGB距離は 24.1。数値上は赤のペアのほうが1.6倍離れている。ところが実際に並べたときの違いは黄のペアのほうが大きい(ΔE2000 で 3.07 対 6.14)。赤どうしの微妙な差に人の目は鈍く、明るい黄どうしの差には敏感だからだ。

たとえるなら、地図上の直線距離と実際の移動時間の関係に近い。直線で5kmでも、あいだに川があって橋まで迂回するなら30分かかる。同じ5kmでも高速道路が通っていれば5分。「距離」と「体感」は別物で、色でも同じことが起きている。RGBは画面が光を出すための数値であって、人の目の感度を写した座標ではない。

Lab色空間 とは — 目の感度のほうを座標に描く

そこで使うのが CIE Lab(L*a*b*)色空間だ。発想が逆で、「色を出すための数値」ではなく「人がどう感じるか」のほうを座標系にしてある。

  • L*(明度)… 明るさ。0が黒、100が白
  • a* … 緑←→赤の方向。プラスが赤寄り
  • b* … 青←→黄の方向。プラスが黄寄り

設計の狙いは「座標上で同じだけ離れていれば、人が感じる違いも同じくらい」になること。RGBからLabへは、ガンマ補正を外して物理的な光の強さに戻し(線形化)、XYZという中間の色空間を経由してから変換する。純赤 #FF0000 を変換すると L=53.24 / a=80.09 / b=67.20 になる。a の値が大きく振れているのが「強い赤み」だ。

色差 計算 方法 — ΔE76 から CIEDE2000 へ

Labに移したら、2色の差は座標間の距離で測れる。最初に標準化されたのが ΔE76(CIE 1976・ΔEab とも書く)で、中身はただの三平方の定理だ。

// ΔE76(CIE 1976)— Lab空間のただの直線距離
ΔE76 = √( (L1 − L2)² + (a1 − a2)² + (b1 − b2)² )

単純で速く、手計算でも追える。ただ、Labの「等間隔であってほしい」という設計は完全には実現できておらず、特に青系と彩度の高い領域で、人の見えより差を大きく見積もる癖が残った。赤どうしの ΔE76 が大げさに出るのも同じ理由で、あか と トマト は ΔE2000 だと 3.07 なのに ΔE76 では 13.53 になる。

ΔE2000 とは — 明るさ・鮮やかさ・色みに別々の重みをかける

その癖を補正したのが CIEDE2000(ΔE2000)で、いまの国内標準は JIS Z 8781-6:2017 測色−第6部:CIEDE2000色差式。式は長いが、やっていることは言葉にできる。

  1. 差を明度差・彩度差・色相差の3つに分解する
  2. それぞれに、色の位置によって変わる重み(SL SC SH)で割り算する。明るい色どうしの明度差は目立ちにくいので割り引く、鮮やかな色どうしの彩度差も割り引く、といった補正
  3. 青の領域だけ、彩度差と色相差が混ざって見えるぶんの回転項(RT)を足す
  4. 3つを二乗和平方根でまとめる

ΔE2000 のだいたいの読み方は、1前後で「並べてようやく分かる」、2〜5で「並べれば違うと分かる」、5を超えると「別の色として認識される」。本ツールは5を「ズレが目立つセル」の閾値に使っている。式の全体は CIEDE2000(Wikipedia) が分かりやすい。

本ツールの既定は ΔE2000 で、ΔE76 も切り替えで残してある。残したのは、他サイトの色差表が ΔE76 のことが多く、突き合わせたい場面があるからだ。ただしビーズの色は彩度が高く青系も多いので、迷ったら既定のまま使ってほしい。

色が1つ違うだけで図案は崩れる

ΔEの数字は抽象的に見えるが、アイロンビーズでは「買う袋が変わる」「作り直しになる」に直結する。

肌色を1段取り違えると、顔全体が置き換わる。 肌に使う候補は ピーチ #F7CAB7、さくらいろ #E0B5C3、アプリコット #F8D39B あたりで、名前だけ見るとどれも似ている。実際に測ると ピーチ と さくらいろ は ΔE2000 = 14.1、ピーチ と アプリコット は 13.2。どちらも「代用は難しい」帯(ΔE12超)に入る数値だ。顔は図案の中で面積が大きく、1粒の間違いではなく数十粒がまとめて置き換わる。さくらいろで作った顔は赤紫に寄り、アプリコットで作った顔は黄に寄る。完成してから「なんか血色が悪い」と気づく典型がこれだ。

グラデーションは間の色が抜けると縞になる。 空を描くとき、みずいろ #2F8CCB と パステルあお #84BDE6 の2色だけで塗ると、この2色の差は ΔE2000 = 15.8 もある。境目がくっきり段になって、グラデではなく縞模様に見える。あいだに オーシャンブルー #406FB6 を挟むと、オーシャンブルー と デニム #29609A のように ΔE 6〜7 刻みの階段になり、目には連続に見えはじめる。「青を3色買うか2色で済ませるか」は、この刻みの数字で決められる。

買い足しは金額より時間が痛い。 パーラービーズの単色は公式で全100色、1袋およそ1000ピースで各330円(税抜300円)。1粒あたり約0.33円だ。四角プレート1枚ぶん(29×29 = 841粒)を全部新品でそろえても約278円相当なので、金額そのものは大きくない。効いてくるのは「足りないと分かるタイミング」のほうで、だいたい作りはじめて半分まで置いたところで気づく。そこから注文して届くまで数日、その間ビーズを並べたプレートを触らずに置いておくことになる。

そしてアイロンは取り消せない。 色の違和感は、並べている最中は意外と気づかない。プレートの上では隣の色との関係で見えているからだ。アイロンをかけて持ち上げ、白い机の上に置いた瞬間に「顔だけ浮いている」と分かる。そこから直すには、該当部分を切り離すか、全部作り直すかしかない。事前にΔEで「この2色は14も離れている」と分かっていれば、袋を開ける前に判断できる。

数値が効くのは、色を選ぶ前の一瞬だけだ。並べ終わってからでは、どんな計算も間に合わない。

こんなときに数字が効く

推しカラーの品番を引く。 公式サイトやグッズに「ブランドカラーは #2E5FF5」と書いてあるとき、そのHEXを入れれば近い順に5色が出る。「一致する色は無いが、この3つが候補」まで分かる。色見本帳のマンセル値しか手元に無いときは、HEX⇄マンセル⇄日塗工 変換 でHEXに直してから入れればいい。

子どもの写真やイラストを図案にする。 画像を選んで横の粒数を決めるだけで、図案グリッドと色別の必要個数が出る。縦は画像の縦横比から自動で追従するので、比率が崩れない。

手持ちの色だけで作れるか確かめる。 使う色の範囲を「手持ちのみ」にして、家にある袋にチェックを入れる。図案がその色だけで組み直され、再現度(最大ΔE・平均ΔE・ズレが目立つセルの割合)が出る。買い物に行かずに済むかどうかが、作る前に分かる。

買い足す色を決める。 手持ちのみで再現度が落ちたら、範囲を不透明85色に戻して同じ図案を出し、色別必要個数の表を見比べる。手持ちに無くて使用量の多い色が、買い足しの第一候補だ。どうしても近い単色が無い色は、2色を市松に置いて中間色に見せる手もある(その見え方は 色混合シミュレーター で先に確かめられる)。「なんとなく青が足りない気がする」ではなく「この図案でいちばん多く要るのは手持ちに無いデニム」で判断できる。

基本の使い方

1. 画像を選ぶ。 入力モードを「画像から図案化」にして、手元の画像ファイルを指定する。選んだ画像はブラウザの中だけで処理され、サーバーには送信されない。

2. 横のビーズ数を決める。 8〜64の範囲で入力する。縦は画像の縦横比から自動で追従するが、手で変えればそちらが優先される。プレート1辺のピン数も入力できる(既定は29)。ここはメーカーが仕様表に載せていない値なので、手元のプレートの1辺を数えて入れてほしい。

3. 図案と必要個数を見る。 図案グリッドと合計粒数、プレート枚数、仕上がりサイズ(mm)、色別の必要個数が表示される。再現度の最大ΔEとΔEバーで、いまの色数で足りているかを確認する。色別個数の表は品番つきのテキストでコピーできるので、そのまま買い物メモになる。

逆引きだけ使うときは、入力モードを「色番号を逆引き」にしてカラーコードを入れる(#は省略可・小文字も可)。画像は要らない。ビーズ数の欄が空でも逆引きは動く。

具体的な使用例(8ケース)

すべて実装済みのツールに同じ入力を与えて確認した出力。パレットは断りのない限り「不透明85色」、色差式は ΔE2000。

ケース1:純赤 #FF0000 を逆引き 入力: #FF0000 → 結果: トマト(品番 80-15211k・実測 #F71604)ΔE = 1.28「ほぼ一致」。2位は あか(5005)で、1位との差は 2.92。解釈: 「赤といえば あか(5005)」と思い込みがちだが、モニタの純赤にいちばん近いのは トマト のほうだ。差が 2.92 あるので順位は安定していて、迷わず トマト を選んでいい。

ケース2:パレットの実測値そのものを入れる #E6301B 入力: #E6301B → 結果: あか(5005)ΔE = 0.00。解釈: これは あか の実測HEXをそのまま入れたケースで、ΔEがきっちり0になることの確認。小文字・#なしの e6301b でも同じ結果になる。カラーチャートから色を選んで入れれば、当然その色が1位で返る。

ケース3:黒 #000000 を逆引き 入力: #000000 → 結果: くろ(5018・実測 #14110E)ΔE = 3.70「近い色」。解釈: 黒を入れているのに ΔE が 0 にならない。パレットが写真からの実測値だからで、写真ではビーズ表面のハイライトのぶん暗部が明るく写る。この 3.70 という数字が「暗い色では実測がやや明るく出る」系統誤差の大きさそのもの。ズレを隠さずに数値として見せているのがこのツールの立場で、黒を選ぶのに迷う余地は無いのだから、ΔE だけ小さく見せる細工はしていない。

ケース4:順位が決まらないケース #118833 入力: #118833 → 結果: みどり(5010)ΔE = 4.56。ただし2位の クローバー(80-15199k)との差が、パレットの測定ばらつき(2出典照合の中央値 ΔE2000 = 1.3)より小さい。解釈: この場合は「みどり が正解」ではなく「みどり と クローバー のどちらもありえる」が正しい答えだ。画面にも順位が測定誤差の範囲である旨が出る。ここで1色だけ返すツールは、持っていない精度を持っているふりをしている。 2つの袋を実物で見比べて決めてほしい。

ケース5:一致する色が無いケース #2E5FF5 入力: #2E5FF5(このサイトの基準色)→ 結果: オーシャンブルー(5089・実測 #406FB6)ΔE = 8.96「やや離れる」。2位は デニム(80-15253k)で ΔE 11.39。解釈: 鮮やかな青は、この彩度のままでは単色ビーズに存在しない。ΔE 9 は「並べれば明確に別の色」の領域なので、ブランドカラーの完全再現はあきらめて、オーシャンブルー で作るか、配色そのものを変えるかを選ぶことになる。

ケース6:色差式を変えると1位が入れ替わる #00005A 入力: #00005A、ΔE2000 → 結果: ミッドナイトブルー(80-15236・実測 #1E2E5E)ΔE = 13.59。同じ色を ΔE76 に切り替えると → あお(5008・実測 #23469A)が1位、ΔE = 31.04。解釈: 式を変えただけで答えが変わる。RGB全域を15刻みで総当たりすると、5832点のうち 2137点(約37%)で ΔE2000 と ΔE76 の1位が食い違った。青系はとくに ΔE76 が苦手な領域なので、この手の濃い青では既定の ΔE2000 を使ってほしい。

ケース7:手持ちが3色しかないとき #FF8800 入力: 使う色の範囲を「手持ちのみ」にして しろ・くろ・あか の3色だけ選び、#FF8800(オレンジ)を逆引き → 結果: あか(5005)ΔE = 24.57「代用は難しい」。候補は3件しか出ない。解釈: 候補は常に5件出るわけではなく、使えるパレットの色数ぶんしか出ない。ΔE 24 は代用にならない水準で、「オレンジは持っていないので買う」という判断材料になる。ちなみに しろ1色だけに絞ると ΔE は 35.62 になり、候補は1件だけになる。

ケース8:図案サイズとプレート枚数(画像モード) 入力: 64×48粒、プレート1辺29ピン → 結果: 3072粒・プレート 3×2 = 6枚・仕上がり 320×240mm。比較用に 29×29粒なら 841粒・プレート1枚・145×145mm。解釈: プレート枚数は ceil(横/ピン数) × ceil(縦/ピン数) の単純な切り上げなので、横64粒は29ピンのプレートに2枚では収まらず3枚必要になる(58粒までが2枚)。あと6粒削って58×48にすれば、プレートは4枚で済む。この手の判断は、粒数を決める前にしかできない。ピン数の欄を14に変えると同じ29×29の図案でも9枚と出るので、手元のプレートに合わせて確かめてほしい。

仕組み:100色の色を、どうやって測ったか

3つの選択肢から「公式の製品写真」を選んだ理由

色の数値が公表されていない以上、どこかから持ってくるしかない。候補は3つあった。

候補1:第三者サイトの色表をそのまま使う。 一番楽だが、前半で書いたとおり出典と採色方法が書かれておらず、多くは米国 Perler のラインナップ。日本のカワダの品番に一対一では対応しない。却下。

候補2:公式PDFカラーチャート(2022年10月版)の色見本から採る。 一次資料ではある。ただし収録は66色で、現行の単色100色には足りない。印刷用に整えられた色見本でもある。

候補3:公式Webカラーリストの製品写真から採る。 現行の100色すべてが揃っていて、実際の製品の写真でもある。弱点は、写真なので撮影時の照明とホワイトバランスの影響を受けること。

採ったのは候補3で、候補2は捨てずに「独立した検証用の一次資料」に回した。これが効いた。撮影時期(2022年と2026年)も媒体(印刷用チャートと製品写真)も違う2つのソースから独立に色を採って突き合わせれば、どちらか一方だけでは絶対に分からない「測定の不確かさ」が数字で出る。

採色手順 — 平均ではなく中央値を使う

各色について、製品写真の中央60%領域を切り出し、そのピクセルのRGB中央値を採った。ポイントは2つ。

  • 周辺20%ずつを落とすのは、写真の縁に背景やケラレ、隣の色が入り込むため
  • 平均ではなく中央値なのは、ビーズが円筒形で中央に穴があるから。写真には必ずハイライト(白飛び)と穴の影(黒つぶれ)が混ざる。平均を取ると両端の外れ値に引っ張られて、明るい色は暗く、暗い色は明るく寄る。中央値ならこの2種類の外れ値をまとめて無視できる

検証:2つの一次資料を66色で突き合わせた

両ソースに共通する66色で ΔE2000 を計算した結果が、中央値 1.31 / 平均 2.07 / 最大 8.32(うぐいすいろ)。ΔE 3 を超えたのは16色だった。

この数字がパレット全体の信頼度を規定している。中央値1.3ということは、どのHEXも ΔE で1〜2程度の測り誤差を含んでいると考えるべきだ。だから候補1位と2位の差がその程度しかないときは、順位に意味が無い。判定の帯で「ほぼ一致」の上限を 2.1 に置き、その差を下回ったら順位が入れ替わりうると明示しているのは、平均2.07 という実測値から来ている。他サイトの色差判定表には出てこない、このツール固有の値だ。

裏取りも2点。しろ(5001) は製品写真から #FEFEFD、PDFからは #FDFDFA で、どちらもほぼ純白。白が白として出ているので、採色にホワイトバランスの偏りは無い。ゴールド(5085) は2ソースで ΔE 8.21 もずれた。金属光沢は見る角度で色が変わるので、写真ごとに違う値になるのが当然だ。この結果がそのまま、パール・シルバー・ゴールド・とうめい・ラメ・夜光の特殊色15色を既定のパレット(不透明85色)から外している根拠になっている。単一のRGBで表せない色を、表せるふりをして候補に混ぜない。

セルの平均色は線形RGBで取る

画像を図案にするときは、各セルに含まれるピクセルから代表色を1つ決める。ここで sRGB の数値をそのまま平均すると失敗する。sRGBにはガンマ補正がかかっていて数値と光の強さが比例しないので、明暗の混ざったセルが実際より暗く濁るからだ。写真を図案化すると顔が黒ずむ、という市販ツールでよくある現象の正体がこれ。

// セル代表色: いったん光の強さ(線形)に戻してから平均し、sRGBへ戻す
lin(c)  = (c/255 <= 0.04045) ? (c/255)/12.92 : ((c/255+0.055)/1.055)^2.4
mean    = Σ lin(c_i) / n
srgb(v) = (v <= 0.0031308) ? v*12.92 : 1.055*v^(1/2.4) - 0.055

アルファ値が閾値未満のピクセルは平均から外し、セル内に有効なピクセルが1つも無ければ「ビーズを置かないセル」として扱う。透過PNGがそのまま使えるのはこのため。

計算例:#FF0000 が トマト になるまで

ケース1の中身を追うと、こうなる。

1) #FF0000 → 線形RGB → XYZ(D65) → Lab
   Lab = (L 53.2408, a 80.0925, b 67.2032)
2) パレット85色ぶんの Lab と総当たりで ΔE2000 を計算
3) 最小は トマト(80-15211k) #F71604 → ΔE2000 = 1.284
   2位 あか(5005) #E6301B    → ΔE2000 = 4.205  (差 2.921)
4) 差 2.921 ≧ 2.1 なので順位は確定。判定は「ほぼ一致」

同じ組を ΔE76 で測ると 4.560 になる。同一の2色でも式によって3.5倍違う、というのが ΔE76 と ΔE2000 の距離感だ。色差の計算そのものは 色差ΔE計算ツール(CIE76 / CIEDE2000) と同じ関数を使っているので、どちらで調べても同じ値が返る。和名で調べたいときは JIS慣用色名 逆引き辞典 が同じ最近傍探索を JIS の269色に対して行う。

他の図案化ツール・色表サイトと何が違うのか

画像をドット絵に変えるツールも、ビーズの色表を載せたサイトも、探せばいくつも出てくる。前半で触れたとおり、前者は「ドット絵にする」ところで止まり、後者は色の出典が書かれていない。その隙間を埋めるために作ったので、どこが違うのかを具体的に並べておく。

日本で買える品番で答える。 DotPixer のような変換ツールは画像のドット絵化が主で、どの色を買えばいいかまでは踏み込まない。図案変換ドットコムはアイロンビーズ向けに図案化してくれるが、使っているパレットの出典も、元の色からどれだけ離れたかの数値も表には出ない。beadpattern.net のような海外系は色番号まで返すが、それは Perler(US) や Hama の番号で、日本の店頭に並ぶ袋とは別物だ。Picbead をはじめとする色表サイトも Perler(US) の HEX 一覧で、その HEX をどう決めたのかは書かれていない。このツールが返すのは、カワダ公式のカラーリストに載る単色100色、つまり日本で1袋ずつ買える色の品番だけ。

1色に断定しない。 他の色表は「この色はこれ」と1つだけ返す。このツールは候補5件に ΔE を添えて返し、順位が測定のばらつきに埋もれるときはそう書く(そうした理由は前半で述べたとおり)。断定してくれるほうが気持ちはいいが、断定できるだけの根拠がこちらに無い。読む側も、どれだけ近いのかが数字で見えたほうが動きやすいはずだ。

手持ちで作れるかを数値で出す。 使う色の範囲を「手持ちのみ」にすると、いま家にある袋だけで図案が組み直される。そのとき最大ΔE・平均ΔE・ΔE 5 超のセルの割合が一緒に出るので、「作れる/作れない」ではなく「どのくらい妥協することになるか」を見てから買い足しを決められる。

自分の数字の限界を先に見せる。 色表サイトは HEX を並べるだけで、その値がどこから来て、どれだけ当てになるのかは書かない。このツールは2つの一次資料から独立に採色して突き合わせ、そのズレの大きさまで画面と記事に出している(数値は前半の仕組みの節にある)。判定の帯の境界も、他サイトの色差判定表ではなくその実測から引いた。色の対応表で不確かさを公開しているものは、探した限り他に無かった。

自社の色ツールとの役割分担も書いておく。2色の色差そのものを確かめたいだけなら色差ΔE計算ツール、その色を和名で呼びたいならJIS慣用色名 逆引き辞典が担当で、このツールは「パーラービーズ100色への最近寄せと、そこから先の図案・必要個数」に特化している。同じ色を調べても目的が違うので、行き来しながら使ってほしい。

豆知識: パーラービーズの色名と品番

100色ぶんの色を1つずつ測っていると、色そのものより名前と番号のほうが気になってくる。図案づくりに直接は効かないが、一覧を眺めていると見えてくる話をいくつか。

和名のひらがなと、カタカナの外来語が混ざっている

公式カラーリストの品番は、よく見ると2系統ある。しろ 5001、あか 5005、くろ 5018 のような4桁の番号が56色。トマト 80-15211k、ミッドナイトブルー 80-15236 のような 80- で始まる長い番号が44色。カワダが由来を公表しているわけではないが、前者が古くからの定番で、後者が後から増えた色だと思われる。名前の付き方がきれいに割れているからだ。

4桁系56色のうち、ひらがなの和名が入るのは38色(パステルきいろ・ラメあか のような複合名も含む)。しろ・くろ・あか・きいろ・みどり・あお・むらさき という基本色に加えて、やまぶきいろ・うぐいすいろ・つつじいろ・さくらいろ・しゅいろ・ぶどういろ・おうどいろ と、日本の伝統色の名前がそのまま並ぶ。

ところが 80- 系44色で和名なのは、ひまわり・そらいろ・ふかむらさき・もみのき・はがねいろ の5色だけ。残りはカンタロープ、ロビンズエッグ、トワイライトプラム、サワーアップル、ジンジャーブレッド、コットンキャンディ……と、ほぼ外来語で占められている。カンタロープはメロンの一種、ロビンズエッグはコマドリの卵の青、サワーアップルは青リンゴ。どれも英語圏で昔から使われてきた色のたとえで、日本語の色名の作り方とは発想が違う。

パーラービーズはもともと米国 Perler のブランドで、日本ではカワダが展開している。後から足された色の名前が本家の色名をカタカナに写したものだと考えると、この割れ方は腑に落ちる。和名が付いているのは、日本で早くから売られていた基本色のほうだ。

品番末尾の k は、付いたり付かなかったりする

もうひとつ、通販で袋を探すときに効く小ネタ。80- 系44色のうち40色は品番が k で終わる。ところが ミッドナイトブルー 80-15236、ミント 80-15240、ライトグレー 80-15181、シルバー 80-15105 の4色だけ k が付かない。k を勝手に足したり落としたりすると検索に引っかからないことがあるので、公式のカラーリストの表記どおりに打つのが確実だ。このツールが返す品番も、公式の表記をそのまま持っている。

色名のほうも同じで、「みずいろ」と「そらいろ」と「スカイブルー」が別々に存在する。名前で検索すると取り違えるので、買うときは品番で照合したほうが早い。

図案づくりが早くなるTips

  • 粒数 × 5mm で仕上がりが暗算できる。 パーラービーズ(ミディアム)のピッチは 5mm なので、20粒で 10cm、29粒で 14.5cm、64粒で 32cm。飾る額やフレームの内寸が先に決まっているなら、内寸(mm) ÷ 5 が入れられる粒数の上限になる。粒数から決めるより置き場所から決めたほうが、あとで「入らない」とならない。

  • 袋数は「いちばん多い色」で決まる。 単色1袋はおよそ1000粒で、29×29 のプレート1枚(841粒)の約1.2枚ぶん。ただし全色が均等に減るわけがなく、背景を1色で塗りつぶせばその色だけで半分以上を食う。色別必要個数は多い順に並ぶので、1行目が1000を超えていないかだけ先に見ておけば、買い足しの判断はそれで足りる。

  • 写真は読み込む前にコントラストを上げておく。 粒に落とすと階調が数十段から数色まで潰れるので、元画像が眠いままだと輪郭が消えて何の絵か分からなくなる。スマホの編集機能でコントラストと彩度を少し強めてから読み込ませると、同じ粒数でも形が残る。明るさをいじるのは読み込む前だけでいい。

  • ΔE 12 を超えたら単色での代用はあきらめる。 「代用は難しい」と出る領域では、どの1色を選んでも別の色にしか見えない。そこまで離れたら、近い2色を市松に置いて中間色に見せる(ディザ)ほうが早い。どの2色を混ぜるとどう見えるかは色混合シミュレーターで先に当たりを付けられる。

よくある質問(FAQ)

選んだ画像はどこかに送信される?

送信されない。画像はブラウザの中だけで読み込んで、そのまま端末の中で図案に変換している。サーバーへアップロードする処理は入っていないので、読み込んだあとに回線を切った状態でも図案は出る。画像を外すかページを閉じれば、読み込んだデータはその場で消える。子どもの写真や、人に見せる前のイラストをそのまま入れてもらって構わない。

画面に出る色と、実物のビーズの色が違って見える

パレットの HEX はカワダが公表している数値ではなく、公式の製品写真から採った実測推定値だ(どうやって測ったかは前半の仕組みの節で説明したとおり)。加えて、画面の色はモニタの設定と部屋の明るさでも変わる。だから最終判断は、実物の色見本か、手持ちの1粒を画面の横に並べて決めてほしい。

実用上の使い分けは2つ。1位と2位の差が 2.1 を下回るときは「この差では順位が入れ替わりうる」と注記が出るので、そのときは両方を買い物候補に入れておく。それと、手元の色見本帳がマンセル表記ならHEX⇄マンセル⇄日塗工 変換でいったん HEX に直してから入れると、目分量で近い色を選ぶより確実だ。

ラメや夜光の色が候補に出てこない

とうめい・パール・シルバー・ゴールド・ラメ6色・夜光5色の15色は、既定の85色から外してある。透明も金属光沢も蓄光も、見える色が背景と光の当たり方で変わるので、1つの RGB では表せない(外した根拠は前半の仕組みの節にある)。

使う色の範囲を「特殊色込み100色」に切り替えれば候補に入る。ただし出てくる ΔE は目安として読んでほしい。ラメや夜光を混ぜるかどうかは、数値で決めるより実物を1粒置いてみたほうが早い。面積の小さいワンポイントに使うぶんには、順位が多少前後しても困らないはずだ。

ハマビーズや Artkal の色番号にも対応する?

いまのところカワダのパーラービーズ公式100色だけ。ハマビーズも Artkal も色数も品番の振り方も別物なので、この100色の表をそのまま流用することはできない。海外の色表サイトが載せている Perler(US) の番号も、日本の店頭に並ぶ袋の品番とは一致しない。

対応させること自体は難しくない。色を測る手順はメーカーが変わっても同じなので、公式が色見本を出しているブランドなら同じやり方で表を作って足せる。なお、アイロンビーズではなくアクセサリー用のビーズの必要数やテグスの長さを知りたい場合は、ビーズアクセサリー個数計算のほうが向いている。

作った図案を保存しておきたい

いまは画像や PDF で書き出す機能を付けていない。買い物メモ用のテキストのコピーは前半で触れたとおりなので、色の記録はそれで残せる。図案そのものは画面のスクリーンショットで残してほしい。

そのかわり再現はできる。同じ画像・同じ粒数・同じ色の範囲を入れれば、毎回まったく同じ図案が出る(乱数を使っていないので結果がぶれない)。控えておくのは横と縦の粒数、使う色の範囲、色差式の3つだけでいい。書き出し機能は追加の候補に入れてある。

まとめ: 近い色は「候補」で見る

画像から図案を起こすのも、カラーコードから品番を引くのも、やっていることは「パーラービーズ100色のどれがいちばん近いか」の総当たりだ。1色に断定せず、候補とΔE、手持ちの色で作ったときの劣化まで数字で出す。HEX は写真からの実測推定値なので、最後は実物の色見本で決めてほしい。

2色の色差そのものを確かめたいときは色差ΔE計算ツール(CIE76 / CIEDE2000)、その色を和名で呼びたいときはJIS慣用色名 逆引き辞典が使える。

対応してほしいメーカーや、こんな出力がほしいという要望があればお問い合わせページから教えてほしい。

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Mahiro

Mahiro Appの開発者。子どもに「この青どれ?」と聞かれるたび、引き出しの単色袋を20個並べて目を細めていた人。公式カラーリストにRGBが載っていないと分かってから100色ぶんを写真から測り直し、ようやく「近い順に5つ」と答えられるようになった。

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