JIS慣用色名 逆引き辞典

HEX/RGBやカラーピッカーで色を指定 → 最も近いJIS慣用色名を色差順に表示

HEX/RGBやカラーピッカーで色を指定すると、最も近いJIS慣用色名(和名147色+外来色名122色)を色差ΔE順に表示。

カラープレビュー

入力色

#D7003A

最近似: 紅色

#D7003A ΔE=0.0

近似JIS慣用色名(色差順)

JIS慣用色名一覧(269色)

本ツールのJIS慣用色名はJIS Z 8102:2001に基づく近似RGB値を使用しています。ディスプレイの色域や環境光により実際の色票とは見え方が異なります。正式な色指定にはJIS標準色票を参照してください。

不具合・ご要望はお気軽に@MahiroMemoまで

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📘 色彩の学習・実務に役立つ参考書

「この色、日本語だと何て呼ぶんだろう?」

デザインカンプで指定された #D7003A という鮮やかな赤。Webではよくある16進数コードだけど、建築仕様書や印刷物では「色名」で指定するのが通例だ。そんなとき頭に浮かぶのが「この赤って、和色名だと何にあたるんだろう?」という疑問。

JIS慣用色名 逆引き辞典は、HEX/RGBやカラーピッカーで色を指定すると、最も近いJIS慣用色名を色差ΔE順にリスト表示するツール。和色名147色+外来色名122色の計269色を網羅し、色名からの順引きや一覧ブラウズにも対応している。

なぜJIS慣用色名 逆引き辞典を作ったのか

開発のきっかけ

建築の内装仕様書を書いていたときのこと。クライアントから「壁の色はこんな感じで」と渡されたのがHEXコード入りのスクリーンショットだった。仕様書にはJIS色名で記入する必要があるのに、HEXから逆引きする手段が見つからない。JIS慣用色名の一覧サイトは山ほどあるのに、「この色に一番近いJIS色名は?」を教えてくれるツールがどこにもなかった。

結局そのときは269色のRGB値をスプレッドシートに手打ちして、目視で近い色を探すという力技で乗り切った。二度とあんな作業はしたくない——そう思って作ったのがこのツールだ。

こだわった設計判断

色差ΔEの数値表示を最重要機能に据えた。人間の目は色の違いに敏感で、ΔE=3を超えると多くの人が「違う色だ」と感じる。だから単に「近い色」を並べるだけでなく、定量的にどれだけ離れているかを示すことで、ユーザーが自分の判断を裏付けられるようにした。

カラーピッカー対応にもこだわった。HEXコードを持っていないケース——例えば目の前の布地や塗料チップの色をモニタ上で合わせたいとき——にも使えるように、ブラウザネイティブのカラーピッカーから直接色差検索ができる。

JIS慣用色名とは何か

JIS Z 8102が定める色名体系

JIS慣用色名は、JIS Z 8102:2001「物体色の色名」で規定された色名体系だ。日本語で日常的に使われる色名を標準化したもので、大きく2つのカテゴリに分かれる。

  • 和色名(147色): 日本の伝統的な色名。植物・動物・鉱物など自然界に由来するものが多い。例:桜色、藍色、鶯色、山吹色
  • 外来色名(122色): 英語やフランス語由来の色名。近代以降に日本に定着したもの。例:ピンク、コバルトブルー、エメラルドグリーン

合計269色それぞれにマンセル値(色相・明度・彩度の三属性で色を表す体系)が割り当てられている。マンセル値から逆算することでRGB近似値が得られるが、この変換にはCIE色空間を経由する必要があり、単純な計算では済まない。

たとえば「紅色(べにいろ)」のマンセル値は 4R 4/14。これは「赤(R)系の色相で、明度4、彩度14の鮮やかな赤」を意味する。RGB近似値は (215, 0, 58)、HEXでは #D7003A になる。

マンセル表色系との関係

マンセル表色系は、色を**色相(Hue)・明度(Value)・彩度(Chroma)**の3軸で表す体系で、JIS Z 8721として日本でも規格化されている。JIS慣用色名の各色はマンセル値で定義されているため、マンセル値はJIS色名の「公式な座標」といえる。

参考: JIS Z 8102:2001 物体色の色名(日本産業標準調査会)

系統色名との違い

JIS Z 8102には慣用色名のほかに「系統色名」も定められている。系統色名は「あざやかな赤」「暗い黄みの橙」のように、修飾語+基本色名で機械的に色を表現する方式だ。慣用色名は「紅色」「山吹色」のように固有名詞的な名前で、文化的な背景を含む点が異なる。

建築・デザイン・教育——色名を「知っている」ことの実務的な価値

仕様書での色名指定

建築設計やインテリアデザインの仕様書では、色の指定にJIS慣用色名マンセル値を使うのが一般的だ。「壁面: 練色(ねりいろ)」「天井: 灰白(かいはく)」のように記載すると、施工者が色票(カラーチップ)と照合して正確な色を再現できる。

HEXコードだけでは印刷や塗装の現場で通じないことが多い。色名を知っていることは、設計意図を正確に伝えるための基本スキルだ。

色彩検定での出題

色彩検定(AFT)やカラーコーディネーター検定では、JIS慣用色名の知識が問われる。特に1級では「色名と色を結びつける」問題が頻出する。269色すべてを暗記するのは非現実的だが、主要な色名とその色相の位置関係を把握しておくことが合格のカギになる。

カラー校正のコミュニケーション

印刷物のカラー校正で「もう少し"茜色"に寄せて」と言えるのと、「もうちょっと赤っぽく」としか言えないのとでは、指示の精度がまるで違う。共通の色名ボキャブラリーは、デザイナーと印刷所の間の認識ズレを減らす。

この辞典が役立つ場面

建築・インテリアの仕様書作成

施主からHEXコードで色のイメージを受け取ったとき、仕様書に記載するJIS色名をすぐに逆引きできる。ΔE値が小さい色名を選べば、施工時の色ブレも最小限に抑えられる。

Webデザインから印刷物への展開

Webサイトのテーマカラーをパンフレットやノベルティに展開するとき、HEXから対応するJIS色名を調べておくと印刷所との打ち合わせがスムーズになる。

色彩検定・カラーコーディネーター試験の学習

269色の一覧ブラウズで色と色名を結びつける練習ができる。色相順・50音順の切替で、異なる角度から色名を覚えられる。

日本文化・伝統色の研究

和色名147色には日本の四季や自然に由来する名前が多い。「この色は何色に近いんだろう?」という素朴な疑問から、伝統色の世界への入口になる。

基本の使い方

検索方法は3つ。どれも数秒で結果が得られる。

Step 1: 検索方法を選ぶ

「HEX/RGB」「カラーピッカー」「色名検索」から用途に合った方法を選ぶ。HEXコードがあるならHEX入力が最速。色のイメージだけならカラーピッカーで選ぶのが直感的。

Step 2: 色を指定する

HEXなら #D7003A のように入力。カラーピッカーならマウスやタッチで色を選択。色名検索なら「さくら」「ブルー」のようにテキスト入力。

Step 3: 結果を確認する

色差ΔE順に最も近いJIS慣用色名が10件表示される。各結果には色見本・色名・読み・HEX・マンセル値・ΔE値が一覧で並ぶ。結果カードをタップすると、その色を起点に再検索もできる。

具体的な使用例

ケース1: Webサイトのブランドカラーを和色名に変換

入力値: #E73562(ブランドの赤)

検索結果:

  1. ストロベリー — ΔE 0.0
  2. 紅梅色 — ΔE 7.2
  3. 韓紅 — ΔE 8.5

解釈: この赤は外来色名「ストロベリー」にほぼ一致。和色名なら「紅梅色」が最も近い。パンフレットでは「紅梅色に近い鮮やかな赤」と指定できる。

ケース2: 建築仕様書の壁色指定

入力値: #F5F0E8(白に近いベージュ)

検索結果:

  1. パールホワイト — ΔE 1.2
  2. オフホワイト — ΔE 3.5
  3. 練色 — ΔE 4.8

解釈: ΔE 1.2のパールホワイトがほぼ一致。仕様書には「パールホワイト(JIS慣用色名)」と記載すれば、施工者にも正確に伝わる。

ケース3: 色彩検定の暗記チェック

入力値: 色名検索で「あい」

検索結果:

  • 藍色(あいいろ)#165E83
  • 藍鼠(あいねず)#6C848D

解釈: 「藍」のつく色名と実際のHEX値を確認。視覚的にも色見本が並ぶので、暗記の定着確認に使える。

ケース4: カラーピッカーで「この緑」を特定

入力値: カラーピッカーで中明度の緑を選択(#3EB370付近)

検索結果:

  1. 緑(みどり)— ΔE 0.5
  2. コバルトグリーン — ΔE 5.8
  3. 翡翠色 — ΔE 8.2

解釈: JIS慣用色名の「緑」にほぼ一致。和色名の「緑」は意外と鮮やかな色だということが、他の候補との比較で実感できる。

ケース5: 無彩色のグレーを分類

入力値: #949495

検索結果:

  1. 鼠色(ねずみいろ)— ΔE 0.2
  2. アッシュグレー — ΔE 0.2
  3. 灰色(はいいろ)— ΔE 6.8

解釈: 鼠色とアッシュグレーがほぼ同じ色。和色名と外来色名で同じ色を指す例があることがわかる。

ケース6: 深い青を和名で呼びたい

入力値: #1E50A2

検索結果:

  1. 瑠璃色(るりいろ)— ΔE 0.0
  2. ロイヤルブルー — ΔE 0.0
  3. 群青色 — ΔE 8.3

解釈: 瑠璃色とロイヤルブルーが同じHEX値。「瑠璃色」という和名を使えば、深みのある青に文化的な響きを加えられる。

仕組み・アルゴリズム——CIE Lab色差でJIS269色を全探索

候補手法の比較

色の「近さ」を測る方法はいくつかある。

手法精度計算コスト特徴
RGB距離最小人間の知覚と一致しない
CIE76 (ΔE*ab)知覚均等に近い、実装が簡単
CIE94彩度・色相の重み付き
CIEDE2000最高最新規格、複雑な補正項

本ツールでは**CIE76(ΔE*ab)**を採用した。269色という限定された色空間での全探索には十分な精度を持ちつつ、ブラウザ上でリアルタイム計算できる軽さを優先した。

計算フロー

入力: HEX (#D7003A)
  ↓
Step 1: HEX → RGB (215, 0, 58)
  ↓
Step 2: sRGB → リニアRGB (ガンマ補正の逆変換)
  r = ((215/255 + 0.055) / 1.055)^2.4 = 0.658
  ↓
Step 3: リニアRGB → XYZ (D65白色点)
  変換行列: sRGB → XYZ (IEC 61966-2-1)
  ↓
Step 4: XYZ → CIE Lab
  L* = 116 × f(Y/Yn) - 16
  a* = 500 × (f(X/Xn) - f(Y/Yn))
  b* = 200 × (f(Y/Yn) - f(Z/Zn))
  ↓
Step 5: 全269色のLabとの色差を計算
  ΔE = √((L₁-L₂)² + (a₁-a₂)² + (b₁-b₂)²)
  ↓
Step 6: ΔE昇順ソート → 上位10件を表示

具体的な計算例

入力色 #D7003A(紅色)のLab値:

  • L* = 42.6, a* = 68.2, b* = 32.1

比較対象「桜色」#FEEEED のLab値:

  • L* = 95.1, a* = 3.8, b* = 3.2

ΔE = √((42.6-95.1)² + (68.2-3.8)² + (32.1-3.2)²) ≈ 85.3

この大きなΔEは、紅色と桜色が「名前に赤系を含むが色としてはまったく別物」であることを定量的に示している。

参考: CIE 1976 色差式(Wikipedia)

なぜCIE76を選んだか

CIEDE2000のほうが精度は高いが、JIS慣用色名269色の中から「最も近い色」を探す用途では、CIE76で十分な弁別が可能だ。計算コストが小さいため、カラーピッカーのドラッグ中でもリアルタイムに結果が更新される体験を実現できた。

一覧サイトとの決定的な違い

「逆引き」ができる

JIS慣用色名の一覧サイトは多数あるが、そのほとんどは「色名 → HEX」の順引き専用。「HEX → 色名」の逆引きに対応しているのがこのツールの最大の差別化ポイントだ。

ΔE値で距離がわかる

「近い色」を表示するだけでなく、色差ΔEの数値を明示する。ΔE < 3なら「ほぼ同じ色」、3〜10なら「近い色」、10以上なら「別の色」という判断基準が使える。

カラーピッカーからの直接検索

HEXコードを持っていなくても、画面上で色を選んでそのままJIS色名を検索できる。実物の色をモニタで合わせて調べるような使い方にも対応している。

JIS慣用色名に隠された物語

植物に由来する色名の多さ

和色名147色のうち、約40%が植物に由来する。桜色、藤色、萩色、撫子色、桔梗色……。日本人がいかに四季折々の植物を通じて色を認識してきたかがわかる。

興味深いのは「鴇色(ときいろ)」のように、絶滅危惧種の名を冠する色名もあること。トキの風切羽のピンクは、かつて日本の空で普通に見られた色だった。色名には、失われつつある自然の記憶が刻まれている。

参考: 日本の伝統色(Wikipedia)

外来色名の渡来史

外来色名122色には、英語由来が大半だが、フランス語由来のものもある。「エクルベージュ(écru beige)」はフランス語の「生成りのベージュ」、「ジョンブリヤン(jaune brillant)」は「輝く黄色」。明治以降の西洋文化の流入とともに、色の語彙も拡大していった歴史が読み取れる。

参考: 色名の歴史(Color Science Association of Japan)

色名を使いこなすためのTips

HEXが手元にないときはカラーピッカーモードで

実物の色をモニタで見ながら合わせるなら、カラーピッカーが一番直感的。スマホでもブラウザのネイティブカラーピッカーが使えるから、外出先でも色名を調べられる。

ΔE < 3を目安にする

ΔEが3未満なら「ほとんど同じ色」と言って差し支えない。仕様書に記載するときは、ΔEが最小の色名を選ぶのが安全。ΔEが10を超える場合は、JIS色名での近似が難しい色域にいる可能性が高い。

一覧ブラウズで色感を養う

色相順で一覧を眺めると、赤→橙→黄→緑→青→紫のグラデーション上に色名がどう散らばっているかが一目でわかる。50音順に切り替えると、名前からは想像しにくい色(「滅紫」「水浅葱」など)を発見できる。

JIS慣用色名に関するよくある質問

Q: 色差ΔEの数値はどのくらい正確?

CIE76(ΔE*ab)方式で計算している。人間の知覚に完全に一致するわけではないが、ΔE < 3なら「ほぼ同じ色」と判断できる精度がある。JIS269色の中から最近似を選ぶ用途には十分な精度だ。より厳密な判定が必要な場合はCIEDE2000を使う分光測色計による測定が推奨される。

Q: 和色名と外来色名で同じ色を指すものはある?

ある。たとえば「黄色(きいろ)」と「イエロー」、「灰色(はいいろ)」と「グレー」は同じマンセル値を持つ。ただし微妙にRGB近似値が異なるケースもあるため、このツールでは別エントリとして扱っている。

Q: マンセル値はどう読めばいい?

マンセル値は「色相 明度/彩度」の形式で表記される。例えば「4R 4/14」は「赤(R)系の色相4、明度4、彩度14」を意味する。明度は0(黒)〜10(白)、彩度は0(無彩色)から色相ごとの最大値まで変動する。Nは無彩色(Neutral)を表す。

Q: 入力した色データはどこかに保存される?

一切保存されない。すべての計算はブラウザ上で完結しており、サーバーへの通信は発生しない。入力した色のデータがどこかに送信されたり記録されたりすることはない。

Q: 269色のデータの出典は?

JIS Z 8102:2001「物体色の色名」に基づくマンセル値から、CIE色空間を経由してRGB近似値に変換したデータを使用している。ディスプレイの色域や変換誤差により、実際のJIS標準色票とは若干の差異がある。正式な色指定にはJIS標準色票を参照してほしい。

まとめ

JIS慣用色名 逆引き辞典は、HEXコードから最も近いJIS慣用色名をΔE順に検索できるツール。建築仕様書の色名指定、Webデザインから印刷への色展開、色彩検定の学習まで、「色名を知りたい」あらゆる場面で使える。

色の数値変換が気になった人は、HEX⇄マンセル⇄日塗工 変換ツールも試してみて。マンセル値とHEXの相互変換に特化したツールで、JIS色名辞典と組み合わせるとさらに便利だ。


不具合や要望があれば、X (@MahiroMemo)から気軽に教えて。

M

Mahiro

Mahiro Appの開発者。建築の仕様書作成中に「HEXから和色名を逆引きしたい」と痛感し、269色の色差計算ツールを作り上げた。

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