照度計算・照明台数算出ツール

光束法で必要照明台数と平均照度を計算。JIS Z 9110準拠の推奨照度プリセット付き。

部屋の面積・用途と照明器具の光束を入力し、光束法(JIS Z 9110準拠)で必要照明台数と平均照度を算出。

部屋の条件

部屋の床面積(1〜500 m²)

照明器具

lm

使用する照明器具1台の全光束(100〜50,000 lm)

詳細設定

照明率U(0.1〜1.0)。リビングの標準: 0.55

保守率M(LED: 0.7〜0.8、蛍光灯: 0.6〜0.7が目安)

計算結果

必要台数

4

1台あたり 5.0 m²をカバー

適正
推奨照度300lx
必要総光束15,584lm
平均照度308lx

※ 本ツールは光束法による概算。実際の照明設計には、室指数・器具配光データ・反射率等を考慮した詳細計算が必要。JIS Z 9110の推奨照度は目安値。

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「暗い部屋」も「明るすぎるオフィス」も、原因は同じだった

リフォームしたリビングに新しい照明を付けたのに「なんか暗い」。逆に、オフィスのLED化で眩しくて頭痛がするようになった——照明トラブルの多くは「なんとなく」で器具を選んだ結果として起きる。

照明の明るさは「ルクス(lx)」という単位で測れる。JIS Z 9110では用途ごとに推奨照度が定められていて、たとえばリビングなら150〜300 lx、一般事務室なら500〜1000 lx。この数値を計算で割り出し、必要な照明台数を決める方法が「光束法」だ。

このツールは、部屋の面積と用途、照明器具の光束を入力するだけで、光束法による必要台数と平均照度をリアルタイムに算出する。照明率・保守率の調整も可能で、器具メーカーを問わず使える。

照明器具のカタログで「lm」と「lx」が混在して詰んだ話

開発のきっかけ

引っ越し先のリビング(約18畳・30 m²)にダウンライトを設置しようとしたときのこと。メーカーのカタログには「600 lm」としか書いていない。30 m²のリビングに600 lmのダウンライトが何台必要なのか、検索してもピンとこない。

「光束法」という計算方法があることは分かったけれど、計算には照明率や保守率という概念が出てくる。これが器具の種類や部屋の内装で変わる。Excel表にまとめて計算しようとすると、用途を変えるたびに照明率のデフォルト値を手で書き換えることになり、比較検討が面倒だった。

作ったツールの特徴

  • 用途を選ぶだけで推奨照度と照明率が自動設定 — JIS Z 9110ベースの8用途プリセット
  • 器具種別で照明率を自動補正 — ダウンライト・スポットライトなど配光特性の違いを反映
  • メーカー不問 — 光束値(lm)さえ分かればどの器具でもOK
  • 全計算がブラウザ完結 — サーバー送信なし、出先のスマホでも使える

照度計算 部屋の明るさとは何か — 光束法の基礎

照度(ルクス / lx)とは

照度とは、ある面が受ける光の量を表す物理量。単位はルクス(lx)で、1 lx = 1 lm/m² と定義されている。「1平方メートルの面に1ルーメンの光が均一に降り注ぐ状態」が1ルクスだ。

日常のたとえで言えば、晴天の屋外が約100,000 lx、コンビニの店内が500〜1,000 lx、住宅のリビングが150〜300 lx、映画館の通路が50 lx程度。人間の目は広い範囲に順応するが、作業の快適さや目の疲労度は照度に大きく左右される。

照度の単位体系 — lx・lm・cd・sr の関係

照明の世界には紛らわしい単位がいくつもある。まとめて整理しておこう。

単位名称物理量意味日常のたとえ
lx(ルクス)照度面が受ける光の密度1 lm/m²「机の上の明るさ」
lm(ルーメン)光束光源から出る光の総量光のシャワーの水量「電球のパッケージに書いてある数値」
cd(カンデラ)光度特定方向への光の強さ光のホースの勢い「懐中電灯のビームの強さ」
sr(ステラジアン)立体角光の広がり角度光が広がる範囲「懐中電灯の照射角」

これらの関係を式で表すと: 1 lm = 1 cd × 1 sr1 lx = 1 lm / 1 m²。LED電球のパッケージにはlm(全光束)が載っているのに対し、スポットライトのカタログにはcd(光度)が載っていることが多い。この違いを理解していないと、同じ「数値が大きい方が明るい」と思い込んで選定を間違えるので注意。

光束(ルーメン / lm)とは

光束は光源から出る光の総量。LED電球のパッケージに「810 lm」と書いてあれば、それがその電球から全方向に出る光の合計量。照度との関係で言えば、同じ810 lmの電球でも6畳の部屋と12畳の部屋では床面の照度がまったく異なる。

蛇口から出る水の量がルーメン、床に溜まった水の深さがルクス——こう考えると、「同じ水量でもバケツが大きければ浅くなる」のと同じ理屈で、部屋が広いほど同じ光束でも照度は下がる、という関係がスッと理解できるはずだ。

光束法と逐点法の比較 — 照度計算手法の選び方

照度の計算方法は主に2つあり、目的に応じて使い分ける。

比較項目光束法逐点法
精度概算(±15〜20%)高精度
必要データ面積・光束・照明率・保守率器具の配光データ(I-table)
得られる結果平均照度・必要台数各点の照度分布
計算の手軽さ電卓で可能専用ソフト推奨
適用場面初期検討・台数概算詳細設計・配置最適化
ツール例本ツールDIALux・パナソニック照明プラン

本ツールは光束法を採用している。「何台必要か」をサッと把握する初期検討には光束法で十分な精度があり、配光データのような器具固有の詳細情報も不要。

JIS Z 9110 照度基準 — 用途別の推奨照度

JIS Z 9110(照明基準総則)は、用途ごとに推奨照度の範囲を規定している。

用途推奨照度 (lx)備考
住宅リビング150〜300くつろぎ重視。調光で変えるのが理想
住宅キッチン200〜500食材の色判別に300 lx以上が望ましい
一般事務室500〜1000VDT作業はモニター映り込みに注意
精密作業室750〜1500図面確認・検査には高照度が必要
店舗(売場)500〜1000商品の見栄えに直結
倉庫75〜150ピッキング作業なら150 lx以上推奨
廊下・階段50〜100安全確保が目的
学校教室300〜750黒板面は500 lx以上が基準

この表を見れば、「リビングに500 lxは明るすぎ」「倉庫に300 lxは過剰」という感覚がつかめるはずだ。本ツールではプリセットを選ぶだけで推奨照度が自動設定されるが、微調整したい場合はこの表を参考にしてほしい。

光束法の計算式

光束法は、照明器具から出た光束のうち「作業面に有効に届く割合」を照明率として定義し、平均照度を算出する手法。基本式は以下の通り。

E = (F × N × U × M) / A

E: 平均照度 (lx)
F: 1台あたりの光束 (lm)
N: 器具台数
U: 照明率 (0〜1)
M: 保守率 (0〜1)
A: 部屋面積 (m²)

これを変形して必要台数を求める式が:

N = (E × A) / (F × U × M)

つまり「推奨照度 × 面積」の総必要光束を、1台あたりの有効光束(F × U × M)で割るだけ。このシンプルさが光束法の強みであり、概算として十分実用的な精度を持つ理由でもある。

照明率 U — 光はどこへ消える?

照明器具から出た光のすべてが床面には届かない。天井や壁に吸収されたり、器具自体の配光特性で横に逃げたりする。その「有効に作業面に届く割合」が照明率。

たとえばオフィス用の直接照明型器具なら照明率0.5〜0.7程度。つまり光束の半分以上は作業面以外に散っている。天井の高い倉庫や廊下はさらに低くなる。

保守率 M — 経年劣化と汚れの影響

照明器具は使い続けると光束が低下し、器具カバーに汚れが付く。この経年劣化を考慮する係数が保守率。LED照明なら0.7〜0.8、蛍光灯なら0.6〜0.7が一般的な設計値。保守率を高めに設定すると計算上は台数が減るが、数年後に暗くなるリスクがある。

なぜ適切な照度設計が重要なのか

作業効率への影響

照度と作業効率の関係は多くの研究で実証されている。JIS Z 9110が用途別の推奨照度を定めているのは、視作業の種類によって必要な明るさが異なるためだ。

一般事務なら500〜1000 lx、精密な図面作業なら750〜1500 lx。照度が足りないと目のピント調節に負担がかかり、長時間作業で疲労が蓄積する。逆に過剰な照度は不快グレア(眩しさ)の原因になり、VDT作業ではモニターの映り込みを招く。

電気代への直結

照明は建物のエネルギー消費の20〜40%を占めると言われる。必要以上に明るくすれば電気代が無駄になるし、暗すぎれば作業効率が下がって人件費が膨らむ。光束法で適正台数を算出すれば、過不足のない照明計画を立てられる。

照度が足りないと何が起きるか

倉庫でピッキング作業をする場合、照度が50 lx以下だとラベルの読み取りミスが増える。コンビニの商品棚が暗いと客の購買意欲が下がる。住宅のキッチンが暗ければ食材の色味判別が困難になり、料理の安全性にも影響する。

照度は「なんとなく明るい」ではなく、数値で管理すべきパラメータだ。

照明台数 計算が活躍するシーン

  • 新築・リフォーム — リビングや寝室のダウンライト何台入れるか問題。面積と推奨照度から必要台数を逆算
  • オフィス移転 — 新しいフロアの面積に合わせて照明器具の台数を概算。見積依頼前の事前検討に
  • 店舗設計 — 商品の見え方に直結する売場照度。JIS推奨値750 lxを満たす照明台数を算出
  • 倉庫・工場の省エネ見直し — 既存の蛍光灯からLED化する際の台数削減シミュレーション

基本の3ステップで照度を算出

ステップ1: 部屋の条件を入力 面積(m²)と用途を選択。用途を選ぶとJIS Z 9110ベースの推奨照度と照明率が自動設定される。

ステップ2: 照明器具を指定 器具種別を選ぶと代表的な光束値が自動入力される。カタログの実値に書き換えてもOK。器具種別に応じて照明率の補正も自動で反映。

ステップ3: 結果を確認 必要台数・平均照度・1台あたり照射面積がリアルタイム表示。「結果をコピー」で計算条件と結果をまとめてクリップボードに出力できる。

リビング・オフィス・店舗・倉庫 — 6つの照度計算例

ケース1: リビング(30 m²)にダウンライト

  • 面積: 30 m²、用途: リビング(推奨300 lx)
  • 器具: ダウンライト 600 lm、照明率 0.47(0.55 × 0.85)、保守率 0.7
  • 必要台数: ceil(300 × 30 / (600 × 0.47 × 0.7)) = ceil(9000 / 197.4) = 46台

→ ダウンライト1台の光束が小さいため台数が非常に多くなる。600 lmクラスのダウンライトなら推奨照度を200 lxに下げるか、一部をシーリングライトにする併用プランが現実的。

注意点: リビングで300 lxは「読書や作業もできる明るさ」。くつろぎ重視なら150〜200 lxに下げ、手元照明(スタンドライト)と組み合わせる方が雰囲気も電気代も良くなる。

ケース2: オフィス(50 m²)にシーリングライト

  • 面積: 50 m²、用途: オフィス(推奨750 lx)
  • 器具: シーリングライト 4,000 lm、照明率 0.60、保守率 0.7
  • 必要台数: ceil(750 × 50 / (4000 × 0.60 × 0.7)) = ceil(37500 / 1680) = 23台
  • 平均照度: 23 × 4000 × 0.60 × 0.7 / 50 = 773 lx ✓ 推奨値を上回る

注意点: VDT作業(PC作業)中心のオフィスでは、照度が高すぎるとモニター画面に映り込みが発生する。JIS Z 9110ではVDT作業時の照度を300〜500 lxとしている場合もあるので、タスクに合わせて調光できる環境が理想的だ。

ケース3: 店舗(80 m²)にライン照明

  • 面積: 80 m²、用途: 店舗(推奨750 lx)
  • 器具: ライン照明 2,000 lm、照明率 0.47(0.55 × 0.85)、保守率 0.7
  • 必要台数: ceil(750 × 80 / (2000 × 0.47 × 0.7)) = ceil(60000 / 658) = 92台

→ 台数が50を超えている。より高出力のライン照明(4,000 lm以上)への変更、またはゾーン分割が推奨される。

注意点: 店舗照明は「全体照度」だけでなく「アクセント照明」の使い方が売上を左右する。全体を均一に明るくするより、商品棚をスポットライトで強調し、通路は抑え気味にする方が購買意欲を刺激できる。光束法は全体の底上げ照度の算出に使い、演出照明は別途検討すべきだ。

ケース4: 倉庫(200 m²)にシーリングライト

  • 面積: 200 m²、用途: 倉庫(推奨100 lx)
  • 器具: シーリングライト 4,000 lm、照明率 0.50、保守率 0.7
  • 必要台数: ceil(100 × 200 / (4000 × 0.50 × 0.7)) = ceil(20000 / 1400) = 15台
  • 1台あたり照射面積: 200 / 15 = 13.3 m²/台

注意点: 倉庫は天井高が4〜6mと高いことが多く、光が作業面に届くまでに拡散する。天井高3m以上の場合は照明率を0.05〜0.1下げて再計算するのが安全側だ。また、高天井にはハイベイタイプ(投光器型LED)の方が照明率が高く、台数を削減できる。

ケース5: 学校の教室(63 m²)にシーリングライト

  • 面積: 63 m²(9m × 7m の標準教室)、用途: 教室(推奨500 lx)
  • 器具: シーリングライト 4,000 lm、照明率 0.55、保守率 0.7
  • 必要台数: ceil(500 × 63 / (4000 × 0.55 × 0.7)) = ceil(31500 / 1540) = 21台
  • 平均照度: 21 × 4000 × 0.55 × 0.7 / 63 = 516 lx

→ 文部科学省の「学校環境衛生基準」では教室の照度を300 lx以上(黒板面500 lx以上)としている。500 lxで設計すれば黒板面も概ねクリアできる。

注意点: 教室の照明設計でよくある失敗は、黒板面の照度を忘れること。教室全体を均一に照らしても、黒板面は壁面の反射率が低い(特にグリーンボード)ため、照度が不足しやすい。黒板灯(専用器具)の追加を前提に設計すべきだ。

ケース6: 美容室・飲食店(40 m²)にダウンライト+ペンダント

  • 面積: 40 m²、用途: 店舗(推奨500 lx)
  • 器具: ダウンライト 800 lm × 20台 + ペンダント 1,200 lm × 6台
  • 照明率: ダウンライト 0.47、ペンダント 0.50、保守率 0.7
  • 合計有効光束: (800 × 20 × 0.47 + 1,200 × 6 × 0.50) × 0.7 = (7,520 + 3,600) × 0.7 = 7,784 lm
  • 平均照度: 7,784 / 40 = 195 lx → 推奨500 lxに対し不足

→ ダウンライトとペンダントの混在は雰囲気が出るが、数値上は照度不足になりやすい。美容室ではカット台にスポットライト(手元照明)を追加して作業面だけ500 lx以上を確保する設計が現実的。

よくある間違い: 飲食店や美容室で「全体照度が足りない」と慌てて台数を増やすと、雰囲気が壊れてしまう。こうした店舗では全体照度は150〜200 lxに抑え、作業エリア(カット台・調理場)だけをタスクライトで補強するのが照明設計のセオリーだ。

光束法の計算フロー — なぜこの手法を選んだか

候補手法の比較

手法精度必要データ適用場面
光束法概算(±15〜20%)面積・光束・照明率・保守率初期検討・台数概算
逐点法高精度器具の配光データ(I-table)詳細設計・配置最適化
放射伝達法非常に高精度部屋の3Dモデル・材質反射率照明シミュレーションソフト

本ツールでは「カタログの光束値だけで使える」という手軽さを重視し、光束法を採用した。逐点法は器具メーカー固有の配光データが必須で汎用性に欠ける。放射伝達法は精密だがDIALuxなどの専用ソフトが前提になる。

実装の計算フロー

1. 用途プリセットから推奨照度 E を取得
2. 用途の標準照明率 × 器具種別の補正係数 → 照明率 U を算出
3. 必要総光束 = (E × A) / (U × M)
4. 必要台数 N = ceil(必要総光束 / F)
5. 平均照度 = (N × F × U × M) / A
   (切り上げにより推奨照度以上になる)

計算例(ステップバイステップ)

20 m²のリビングにシーリングライト(4,000 lm)を設置する場合:

E = 300 lx(リビングの推奨照度)
A = 20 m²
F = 4,000 lm
U = 0.55(リビング標準)× 1.0(シーリングライト補正)= 0.55
M = 0.7(LED保守率)

必要総光束 = (300 × 20) / (0.55 × 0.7) = 6000 / 0.385 = 15,584 lm
必要台数 N = ceil(15584 / 4000) = ceil(3.896) = 4台

平均照度 = (4 × 4000 × 0.55 × 0.7) / 20 = 6160 / 20 = 308 lx
→ 推奨照度300 lxをクリア ✓

メーカーの照明選定ツールとの違い

メーカー提供の照明設計ソフト(パナソニックの照明プラン、東芝のライティングナビなど)は高機能だが、自社製品に最適化されている。他社製品の光束値を入力して横断比較するには向かない。

このツールは「光束値(lm)」だけを入力パラメータとするため、メーカー横断の比較に最適。カタログで見つけた器具のスペックをそのまま入力し、リビング用に何台必要かをサッと概算できる。

一方、配光分布を考慮した詳細な照度分布の計算はできない。最終的な配置計画にはメーカーツールや逐点法が適している。このツールはあくまで「初期検討・台数概算」のためのもの。

LED照明の意外な話 — 演色性と色温度

照明選びでは明るさ(lm)だけでなく、「色の見え方」も重要な要素。

演色性(Ra)

演色性とは、照明がどれだけ自然光に近い色再現をするかの指標。Ra100が太陽光相当で、一般的なLEDはRa80〜85程度。食品売場や美術館ではRa90以上が推奨される。安価なLEDはRa70台のこともあり、食材の色がくすんで見える原因になる。

色温度(K)

色温度は光の「色味」を表す。2700K(電球色)は暖かい雰囲気で住宅のリビングに向く。5000K(昼白色)は自然な白さでオフィスや作業場に最適。6500K(昼光色)は青白い光で集中力が上がると言われるが、長時間だと目に負担がかかる場合も。

lm/Wという視点

同じ明るさ(lm)を得るのに消費電力が少ないほど省エネ。最新のLEDは150〜200 lm/Wに達しており、蛍光灯(80〜100 lm/W)の約2倍の効率。照明台数を減らせば器具代と電気代の両方が下がる。

照明配置を成功させるための実践テクニック

  • 均斉度を意識する — 明るい場所と暗い場所の差が大きいと不快感がある。照明の間隔は均等にし、壁際は器具を壁から0.5〜1m離して配置すると壁面が暗くなりにくい
  • 作業面の高さを考慮する — 机の上(床から0.8m)を照らすのか、床面を照らすのかで有効な光の量が変わる。キッチンのカウンター照明は特に重要
  • 調光機能を活用する — 計算上は推奨照度ぴったりでも、時間帯や活動内容で求める明るさは変わる。調光対応の器具を選んでおくと柔軟性が高い
  • 間接照明との組み合わせ — 直接照明だけだと影がきつくなる。天井面や壁面を照らす間接照明を加えると、同じ照度でも空間の印象が柔らかくなる

よくある質問

照明率と保守率がよく分かりません。デフォルトのまま使って大丈夫?

用途と器具種別を選択すれば、一般的な設計で使われる照明率が自動設定される。保守率0.7はLED照明の標準的な値。初期検討ならデフォルトのままで十分な精度が得られる。内装が極端に暗い(濃色の壁・天井)場合は照明率を0.05〜0.1下げて再計算するのがおすすめ。

計算結果と実際の照度が合わないのですが?

光束法は「部屋全体の平均照度」の概算であり、実測値とは±15〜20%の差が出ることがある。照明器具の配光特性(狭角/広角)、家具による遮蔽、壁・天井の反射率の違いが主な原因。より正確な照度予測には配光データを用いた逐点法が必要。

ダウンライトの台数が多すぎる結果になるのですが?

ダウンライトは1台あたりの光束が300〜1,000 lm程度と小さく、配光も狭いため照明率が低い。広い部屋全体をダウンライトだけで照らすと台数が膨大になる。シーリングライトやペンダントとの併用、または高出力ダウンライト(1,500 lm以上)の採用を検討してほしい。

入力データがサーバーに送信されることはある?

すべての計算はブラウザ内(JavaScript)で完結しており、入力データは一切サーバーに送信されない。オフライン環境でも(一度ページを読み込めば)利用可能。

まとめ — 照明の「なんとなく」を数値に変える

光束法は「面積 × 推奨照度 ÷ 1台の有効光束」という単純な割り算で、必要な照明台数を概算できる。新築・リフォーム・店舗設計・オフィス移転——照明の台数に迷ったら、まずこのツールで数値を出してみてほしい。

より詳細な照度シミュレーション(室指数・照明率テーブル補間・逆算モード)が必要なら、照度計算シミュレーターも合わせてチェックしてみて。


ツールの不具合や改善要望は X (@MahiroMemo) からどうぞ。

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