LED回路設計アシスタント

電源電圧とLEDのVf/Ifから電流制限抵抗・消費電力・推奨ワット数を計算。直列・並列構成の比較と電池寿命シミュレーション付き。

電源電圧とLEDのVf/Ifから電流制限抵抗・消費電力・推奨ワット数を自動計算。直列・並列構成の効率比較と電池寿命シミュレーション付き。

接続方式

LED仕様

データシートに記載の値

一般的な砲弾型は20mA

電源

計算結果

LED効率

40.0%

標準

LED消費電力 / 全体消費電力

必要抵抗値
150.0 Ω
最寄りE24値
150.0 Ω

標準抵抗値

E24採用時の実電流
20.00 mA

設定値: 20 mA

抵抗の消費電力
60.0 mW
推奨ワット数
1/8W

安全率2倍

合計消費電流
20.0 mA
合計消費電力
100.0 mW

本ツールの計算値はLEDの代表的なVf値に基づく概算です。LEDのVfは個体差・温度で変動します。重要な用途ではデータシートを確認し、実測で調整してください。

不具合・ご要望はお気軽に@MahiroMemoまで

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「この抵抗、何Ωを使えばいいの?」——LED回路の最初の壁

Arduinoに赤色LEDを1個つなぎたいだけなのに、抵抗の計算でつまずいた経験はないだろうか。データシートには「Vf = 2.0V, If = 20mA」と書いてあるけど、そこから先がわからない。ネットで検索しても「オームの法則で求まる」としか書かれていなくて、結局適当に220Ωを差し込んだ——そんな経験、電子工作を始めた人なら一度はあるよね。

このツールは、LED色と電源電圧を選ぶだけで必要な抵抗値・推奨ワット数・E24系列の最寄り値・消費電力・電池寿命まで一括で表示してくれる。直列・並列の構成比較もワンタップだ。

なぜLED回路設計アシスタントを作ったのか

開発のきっかけ

以前、12Vの電源で白色LEDを5個直列に並べようとしたときのこと。ネットのLED計算機で抵抗値を出したはいいけど、それは「LED1個の場合」の計算しかできないツールだった。直列にしたらVfが足し算されるのは知っていたが、5個では3.3V × 5 = 16.5Vになって12Vを超えてしまう。「最大何個まで直列にできるのか」を自分で計算し直す羽目になった。

並列にするか直列にするか、どちらが効率が良いのか。電池だと何時間持つのか。抵抗のワット数は1/4Wでいいのか。これらの疑問にまとめて答えてくれるツールが見つからなかったから、自分で作ることにした。

こだわった設計判断

  • E24系列の最寄り値サジェスト: 計算結果が「143.5Ω」でも、実際に買える抵抗は150Ωだ。E24丸め後の実電流も再計算して表示するので、LEDの定格オーバーに気づける
  • 直列/並列の比較表: 同じ個数のLEDを点灯させるとき、どちらが省電流で効率が良いか一目で比較できる
  • 電源プリセット: 「単3 × 2本」「USB 5V」「9V電池」など、よくある電源をワンタップで選べる

LEDの電流制限抵抗とは——なぜ抵抗なしでは壊れるのか

LEDと普通の電球の違い

白熱電球は電圧を上げると明るくなり、ある程度は自己調整が利く。しかしLEDは半導体だ。順方向電圧(Vf)を超えた瞬間に一気に電流が流れ出し、放っておくと焼損する。このため、LEDには必ず「電流を制限する仕掛け」が必要になる。最もシンプルな方法が電流制限抵抗だ。

Vf(順方向電圧)とは

LEDを点灯させるために最低限必要な電圧のこと。赤色LEDなら約2.0V、白色LEDなら約3.3Vが一般的な値で、これはLEDの材料(GaP, InGaN など)で決まる。データシートには「Forward Voltage」として記載されている。

If(順方向電流)とは

LEDの明るさを決める電流値。一般的な5mm砲弾型LEDは20mA(0.02A)が定格電流で、これを超えると寿命が大幅に短くなる。パワーLEDでは350mAや700mAのものもある。

オームの法則で抵抗値を求める

電源電圧を Vcc、LEDの順方向電圧を Vf、流したい電流を If とすると:

R = (Vcc - Vf) / If

例えば 5V電源で赤色LED(Vf=2.0V, If=20mA)を点灯させるなら:

R = (5.0 - 2.0) / 0.020 = 150Ω

抵抗にかかる電力は (Vcc - Vf) × If = 3.0 × 0.020 = 60mW。1/4W(250mW)の抵抗で十分対応できる。

参考: 発光ダイオード - Wikipedia

抵抗値を間違えるとどうなるか——3つの失敗パターン

抵抗が小さすぎる(過電流)

抵抗値が本来の半分だと、電流は倍になる。20mA定格のLEDに40mA流せば寿命は数百時間レベルまで激減し、最悪の場合はその場で焼損する。特にパワーLEDで定格超過すると、発熱で基板ごと焦がすこともある。

抵抗が大きすぎる(暗い)

逆に大きすぎると電流が不足し、LEDが暗くなる。20mAの定格に対して5mAしか流れないと、人間の目には「ほとんど光ってない」と感じるレベルまで減光する。回路は壊れないが、実用にならない。

抵抗のワット数が足りない(過熱)

12Vで赤色LEDを点灯する場合、抵抗の消費電力は (12 - 2.0) × 0.020 = 200mW。1/8W(125mW)の小型抵抗を使うと定格を超え、抵抗が異常発熱する。安全係数2倍で1/2W以上を選ぶのが基本だ。

こんな場面で活躍する

Arduino・ラズパイの電子工作

GPIOの3.3Vや5VでLEDを光らせる、最も基本的な用途。ブレッドボードで試作するとき、手持ちの抵抗セットからE24値でピッタリのものを探せる。

模型・ジオラマの電飾

Nゲージの建物に白色LEDを仕込むとき、12V電源で3個直列か4個直列か迷いがち。比較表で効率を確認しつつ、抵抗のワット数まで決められる。

イルミネーション・看板LED

電池駆動のイルミネーションでは「何時間持つか」が最大の関心事。電池寿命シミュレーションで、単3電池2本で青色LED 5個並列がどのくらい持つか事前に計算できる。

小中学生の理科実験

「LEDに抵抗をつなぐのはなぜ?」を体感する実験に。計算結果を見せながら説明すれば、オームの法則の理解が深まる。

基本の使い方

3ステップで計算完了。迷う要素はほぼない。

Step 1: LEDと接続方式を選ぶ

LED色を選ぶとVfとIfが自動入力される。カスタムを選べばデータシートの値を直接入力できる。接続方式は「単体」「直列」「並列」からタップで切り替え。

Step 2: 電源を設定する

プリセットから選ぶだけで電圧と電池容量が入る。「USB 5V」や「12V ACアダプタ」のように電池でない電源は、電池容量が空欄のまま(寿命計算はスキップ)。

Step 3: 結果を確認する

必要抵抗値・E24最寄り値・実電流・推奨ワット数・効率・電池寿命が一覧で表示される。「結果をコピー」ボタンで部品購入メモとして使える。

具体的な使用例——6つのケースで検証

ケース1: 赤色LED 1個を5V(USB)で点灯

入力値:

  • LED: 赤色(Vf=2.0V, If=20mA)
  • 電源: USB 5V
  • 接続: 単体

計算結果:

  • 必要抵抗値: 150Ω
  • E24最寄り値: 150Ω(ぴったり一致)
  • 抵抗消費電力: 60mW → 推奨1/8W
  • 効率: 40%

解釈: 5V × 20mA = 100mW のうち、LED自体が消費するのは 2V × 20mA = 40mW。残り60mWは抵抗が熱に変えている。USB給電なら効率はあまり気にしなくていい。

ケース2: 白色LED 3個を12V電源で直列点灯

入力値:

  • LED: 白色(Vf=3.3V, If=20mA)
  • 電源: 12V ACアダプタ
  • 接続: 直列 3個

計算結果:

  • 合計Vf: 9.9V
  • 必要抵抗値: 105Ω → E24最寄り: 100Ω
  • E24時の実電流: 21mA(定格の105%でOK)
  • 効率: 82.5%
  • 最大直列数: 3個

解釈: 12Vのうち9.9VをLEDが使い、わずか2.1Vが抵抗で消費される。高効率な構成だ。4個直列にすると13.2V必要で12Vでは不可。

ケース3: 青色LED 5個を5V電源で並列点灯

入力値:

  • LED: 青色(Vf=3.2V, If=20mA)
  • 電源: USB 5V
  • 接続: 並列 5列

計算結果:

  • 各列の抵抗値: 90Ω → E24最寄り: 91Ω
  • 合計消費電流: 約99mA
  • 効率: 64%
  • 部品数: 抵抗5個

解釈: 並列なので抵抗が5個必要だが、5V電源で青色LEDは直列にできない(Vf=3.2Vで2個直列は6.4V > 5V)。並列が唯一の選択肢だ。

ケース4: 9V電池で赤色LED 3個——電池寿命を確認

入力値:

  • LED: 赤色(Vf=2.0V, If=20mA)
  • 電源: 9V角型電池(500mAh)
  • 接続: 直列 3個

計算結果:

  • 必要抵抗値: 150Ω → E24: 150Ω
  • 消費電流: 20mA
  • 電池寿命: 約25時間
  • 効率: 66.7%

解釈: 9V電池は容量が小さい(500mAh)ので、20mA消費でも約25時間で消耗する。イベント用なら十分だが、常時点灯には向かない。

ケース5: E24丸めによる影響を比較

5Vで緑色LED(Vf=2.1V)を点灯する場合、理論値は145Ω。E24系列では150Ωが最寄りになる。

  • 理論値 145Ω → If = 20.0mA(ピッタリ)
  • E24値 150Ω → If = 19.3mA(3.4%減)

わずかに暗くなるが実用上の差はない。逆に130Ωを選ぶと If = 22.3mA となり、定格の11%超過。安全側に丸めるなら150Ω一択だ。

ケース6: パワーLED(350mA)を定電圧で駆動

入力値:

  • LED: カスタム(Vf=3.0V, If=350mA)
  • 電源: 5V
  • 接続: 単体

計算結果:

  • 必要抵抗値: 5.7Ω → E24: 5.6Ω
  • 抵抗消費電力: 700mW → 推奨2W
  • 効率: 60%

解釈: 抵抗の消費電力が700mWと大きい。2W抵抗は発熱するし、効率も悪い。パワーLEDには定電流ドライバの方が適している。このツールが「定電流ドライバの使用を推奨」と警告を出すケースだ。

仕組み・アルゴリズム——計算の裏側を解説

基本の計算: オームの法則

回路全体の電圧バランスはキルヒホッフの電圧法則に従う:

Vcc = V_LED + V_R

ここから抵抗の値を求める:

R = V_R / If = (Vcc - Vf) / If

直列接続の計算

N個直列にすると、LEDのVfが足し算される:

R = (Vcc - N × Vf) / If
最大直列数 = floor(Vcc / Vf)
効率 = (N × Vf) / Vcc × 100%

直列の場合、電流は全LEDで共通なのでIfのまま。効率はLEDが消費する電圧の割合で決まる。

並列接続の計算

各列に個別の抵抗を配置する:

各列の R = (Vcc - Vf) / If
合計電流 = N × If
効率 = Vf / Vcc × 100%(各列の効率は同じ)

並列の場合、電流がN倍になるので消費電力も大きい。ただし、LEDのVfバラツキの影響を受けにくいメリットがある。

E24系列丸めロジック

E24系列は 1.0〜9.1 の24個の値を持ち、10の累乗をかけて全ての抵抗値をカバーする。計算結果の抵抗値を対数スケールで最も近いE24値に丸め、丸め後の実際の電流を再計算する。

1. log10(R) を計算
2. E24の各値 × 10^n のうち、対数距離が最小のものを選択
3. R_E24 で実電流を再計算: If_actual = (Vcc - N×Vf) / R_E24

推奨ワット数の決定

抵抗の消費電力 P = (Vcc - N×Vf) × If に安全係数2倍をかけ、次の標準ワット数(1/8W, 1/4W, 1/2W, 1W, 2W, 5W)に切り上げる。

参考: E系列 - Wikipedia

「計算機なんて他にもあるのでは?」——差別化ポイント

直列/並列の比較表

秋月電子やDigiKeyのLED抵抗計算ツールは単体LED1個の計算に特化している。「5個つなぎたいけど直列と並列どっちが効率いい?」を比較できるツールは意外と少ない。このツールでは自動で両方式の消費電流・効率・部品数を並べて表示する。

電池寿命シミュレーション

「単3電池2本で何時間持つか」を概算できる計算機は珍しい。電池プリセットを選ぶだけで、容量÷消費電流の概算寿命が出る。

E24丸め後の実電流チェック

計算結果の理論値だけでなく、実際に購入できるE24抵抗を使ったときの電流値を再計算する。定格の20%超過で警告が出るので、LEDの寿命を縮める選択を防げる。

LED発明の歴史——赤から青、そしてノーベル賞へ

最初の実用LEDは赤色だった

1962年、ゼネラル・エレクトリックのニック・ホロニアクが赤色LEDを発明した。当初は非常に暗く、表示器にしか使えなかったが、1970年代には緑色・黄色が加わり、電卓やデジタル時計の表示に普及した。この時代のLEDのVfは約1.8〜2.1Vで、今でも赤色LEDの標準的な値として使われている。

参考: 発光ダイオードの歴史 - Wikipedia

青色LED——「20世紀中には無理」と言われていた

1990年代に赤崎勇・天野浩・中村修二が窒化ガリウム(GaN)を用いた青色LEDの実用化に成功。「光の三原色」が揃ったことで白色LEDが実現し、照明革命が始まった。2014年にはこの3人にノーベル物理学賞が授与された。青色LEDのVfが3.0〜3.5Vと高いのは、GaNのバンドギャップが大きいためだ。

砲弾型 vs 表面実装型

電子工作でおなじみの5mm砲弾型LEDは、ブレッドボードに差しやすく初心者向け。一方、表面実装(SMD)LEDはサイズが小さく、高密度実装に向いている。パワーLEDはCOB(Chip on Board)タイプが主流で、照明用途に使われる。どのタイプでも「電流制限」の原理は共通だ。

知っておくと役立つTips

Vfは温度で変わる

LEDのVfは温度が上がると低下する(約-2mV/℃)。常温で計算した抵抗値は高温環境では電流が増える方向にシフトするので、屋外用途では余裕を持った抵抗値を選ぶと安心だ。

複数色のLEDを直列にしない

赤(Vf=2.0V)と青(Vf=3.2V)を直列にすると、Vf差のせいで電流バランスが崩れ、片方が暗くなったり過電流になる。異なるVfのLEDは並列(各列に個別抵抗)が原則。

定電流ドライバの使いどころ

パワーLED(350mA以上)では抵抗方式だと消費電力が大きすぎる。定電流ドライバICを使えば効率90%以上を実現でき、LEDの寿命も安定する。抵抗方式は20mA程度の小信号LEDに向いている。

よくある質問

Q: LEDに抵抗なしで直結していいの?

基本的にダメ。LEDは電圧がVfを超えると急激に電流が流れるため、抵抗なしだと過電流でLEDが焼損する。唯一の例外はVccがVfとほぼ等しい場合(例: コイン電池3VでVf=3.0Vの白色LED)だが、それでも電池の内部抵抗が電流制限の役割を果たしているに過ぎない。安定した動作のためには抵抗を入れるのが原則だ。

Q: 直列と並列、どちらが良いのか?

電源電圧が十分に高い場合は直列の方が効率が良い(抵抗で捨てる電圧が少ないため)。ただし、直列は1個でも故障すると全部消灯する。並列は部品数が増えるが、1個故障しても他は点灯し続ける。信頼性を重視するなら並列、効率を重視するなら直列、というのが基本的な選び方だ。

Q: 計算データはサーバーに送信される?

一切送信されない。すべてのデータはブラウザ内で計算・表示され、外部サーバーへの通信は行われない。ブラウザを閉じれば入力データは消える。

Q: パワーLED(1W以上)にも対応している?

計算自体は対応している。ただし、パワーLEDを抵抗で駆動するのは非効率で発熱も大きいため、350mA以上の場合は定電流ドライバの使用を推奨する。ツール側でも消費電力が大きい場合に警告を表示する。

まとめ

LED回路設計アシスタントは、電子工作で最も基本的な「抵抗値の選定」を一瞬で片付けるツールだ。直列・並列の効率比較、E24丸め後の安全チェック、電池寿命の概算まで、パーツ選びに必要な情報がこの1ページで揃う。

抵抗値が決まったら、抵抗カラーコード変換ツールで色帯を確認してみて。電池駆動の設計ならバッテリーサイジング計算も役立つはずだ。


不具合や要望があれば、X (@MahiroMemo)から気軽に教えて。

M

Mahiro

Mahiro Appの開発者。中学の理科実験でLEDを抵抗なしにつないで一瞬で焼いた経験が、このツールの原点。

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