900mm飛ばして30kg、その答えはPDFに載っていない
イレクターパイプで作業台を組もうとしている。天板の下を横に渡す距離は900mm、載せるのは工具と材料で合計30kgくらい。作る前に強度を確かめておきたくて、矢崎化工のテクニカルデータに辿り着く。そこに書いてあるのは、実質たった一行だ。
φ28イレクターパイプ 使用最大荷重 686N{70kgf}
条件はスパン900mm・両端自由支持・中央集中荷重・常温。1条件、1点。それだけ。
けれど作りたいものは違う。スパンは1200mmかもしれないし、荷重は天板越しに全長へ均等にかかるし、しかも前後2本のパイプで受ける。中央の一点に70kgをぶら下げる状況とは、条件が何ひとつ一致していない。この686Nを自分の寸法にどう読み替えればいいのか、どこにも書かれていない。
しかも厄介なのは、この686Nが「安全に使っていい荷重」なのか「そこで壊れる荷重」なのかすら、表からは読み取れないことだ。前者だと思って設計するのと後者だと思って設計するのとでは、許せる荷重が3倍違う。
このツールは、その1点を出発点にして任意のスパン・支持条件・本数へ外挿するために作った。曲げモーメント・曲げ応力・たわみ・安全率を出し、「この条件なら何kgまで載せられるか」を逆算して返す。
メーカーが計算ツールを持っていない、という状況から始まった
姉妹ツールの 単管パイプ耐荷重・スパン計算(単管パイプ φ48.6)を作ったときは楽だった。単管の材質は STK500 という鋼種で公表されている。鋼種が分かれば JIS の材料規格から降伏点が引けて、そこに安全率を掛ければ許容応力が組み上がる。教科書どおりの手順だ。
同じ手をイレクターパイプでやろうとして、最初の一歩で止まった。芯材の表記が「溶融亜鉛メッキ鋼管」で終わっている。鋼種が書かれていない。降伏点が分からなければ許容応力が決まらず、許容応力が決まらなければ安全率も出せない。
行き詰まって、公表されている686Nの側から逆に考えてみた。スパン900mm・中央集中なら曲げモーメントは M = W·L/4 だから、686N・900mmで154,455 N·mm。これをφ28の断面係数326.4mm³で割ると、曲げ応力は473 N/mm²になる。
この数字を見て、話がつながった。一般構造用の鋼の降伏点はだいたい235〜380 N/mm²の範囲だ。473はそれを超えている。つまりメーカーの686Nは「余裕を見た許容荷重」ではなく、その手前まで使い切った限界側の値だ(薄肉の円管は全断面が降伏したときのモーメントが弾性の Z 基準より約1.27倍大きくなるので、降伏点380 N/mm²級の鋼管が全断面降伏に至る荷重、と読むと辻褄が合う)。
ならば話は単純になる。686Nを安全率1.0の基準点として校正してしまえばいい。鋼種を当てにいく必要はない。メーカーが試験で出した唯一の数値を1.0の目盛りに置き、そこから任意の条件へ物理法則で伸ばす。DIYの常設什器なら、その1.0を3で割って使う。
おまけに、この定義には計算上おいしい性質がある。イレクターの鋼管寸法は公表値からの読み取りを含む推定値なのに、その推定誤差が安全率にはまったく効かない。理由は後半のアルゴリズムの節で書く。
イレクターパイプの強度とは何で決まっているのか
イレクターパイプ 強度を担っているのは中の鋼管だけ
イレクターパイプは、鋼管の外側に樹脂を被せた複合材だ。手で触れる白や黒の部分は AAS 樹脂という被覆で、φ28なら片側1.05mmの厚みがある。
この樹脂は曲げにほとんど効かない。理由はヤング率(材料の伸びにくさ)の差だ。鋼が205,000 N/mm² に対して AAS 樹脂は2,000 N/mm² 前後、およそ100分の1しかない。同じだけ変形させたときに樹脂が受け持てる力は鋼の1%程度で、しかも断面積も小さい。だから本ツールは樹脂被覆を強度計算から完全に外し、内部の鋼管だけで計算している。実物より弱く見積もることになるので、判断としては安全側に倒れる。
φ28の実寸はこうなっている。
被覆込み外径 27.5 mm
鋼管の外径 D 25.4 mm
鋼管の内径 d 24.0 mm
鋼管の肉厚 t 0.7 mm
被覆厚 (27.5 − 25.4) / 2 = 1.05 mm
質量 520 g/m
肉厚0.7mm。缶コーヒーのスチール缶が0.2mm前後、水道の給水管が2mm以上あることを思えば、かなり薄い。それでも70kgを受けられるのは、材料が断面の外側に配置されているからだ。
ラップの芯を思い浮かべてほしい。あれは中身が空っぽなのに、両手で持って曲げようとすると意外に抵抗する。一方で同じ紙を丸めずに平らな帯にすると、指先で簡単に曲がる。曲げに抵抗する能力は「材料がどれだけあるか」ではなく「材料が中心軸からどれだけ離れているか」で決まる。中空の丸パイプは、少ない材料を全部いちばん遠いところに置いた形なので、重量あたりの曲げ性能が高い。
断面二次モーメント 計算 — 硬さのI、強さのZ
この「外側に材料がある効き目」を数値化したものが断面二次モーメント I で、円管なら外径 D と内径 d から次の式で出る。
I = π(D⁴ − d⁴) / 64 [mm⁴]
Z = 2I / D [mm³]
φ28に実寸を入れると、I = 4145.70 mm⁴(= 0.41457 cm⁴)、Z = 326.43 mm³ になる。4乗で効くので、外径がわずかに違うだけで数値が大きく動くのが特徴だ。
I と Z は役割が違う。ざっくり言えば I は硬さ、Z は強さを表す。
Iはたわみの式の分母に入る。Iが大きいほど、同じ荷重でも垂れ下がりが小さいZは応力の式σ = M/Zの分母に入る。Zが大きいほど、同じ曲げモーメントでも材料にかかる負担が小さい
たわみが気になる(見た目や使い勝手の問題)のか、壊れるのが心配(強度の問題)なのかで、見るべき指標が変わる。この2つは連動しないので、片方だけで判断すると足をすくわれる。
φ42になると、I = 16690.65 mm⁴、Z = 834.53 mm³。φ28に対して Z が約2.6倍、I が約4.0倍になる。質量は520g/mが820g/mに増えるだけ(約1.6倍)なのに、たわみにくさは4倍だ。これが「太いパイプは効率がいい」と言われる中身になる。
イレクターパイプ 耐荷重は支持条件で4倍変わる
同じパイプ、同じ荷重でも、支え方と載せ方で曲げモーメントは大きく変わる。本ツールが扱う4条件を並べると分かりやすい。
| 支持条件 | 最大曲げモーメント | 最大たわみ |
|---|---|---|
| 両端支持・等分布 | M = W·L/8 | δ = 5W·L³/(384EI) |
| 両端支持・中央集中 | M = W·L/4 | δ = W·L³/(48EI) |
| 片持ち・等分布 | M = W·L/2 | δ = W·L³/(8EI) |
| 片持ち・先端集中 | M = W·L | δ = W·L³/(3EI) |
上から下へ、同じ荷重・同じスパンでもモーメントが8分の1から1倍まで、8倍の開きがある。メーカーが試験に使った「両端支持・中央集中」に対して、壁から突き出す片持ち先端集中は4倍厳しい。棚板を受ける両端支持・等分布は逆に半分で済む。
もうひとつ効くのがスパンの指数だ。モーメントは L の1乗で増えるのに対し、たわみは L³ で増える。スパンを2倍にすると、応力は2倍だがたわみは8倍になる。長く飛ばしたときにまず問題になるのが「折れる」ではなく「垂れる」なのは、この指数差が理由だ。
さらに詳しい定義は Wikipedia の断面二次モーメント、パイプ自体の公表データは矢崎化工のイレクター公式サイトを参照してほしい。
計算しないで組むと、数ヶ月後に効いてくる
イレクターDIYの失敗は、作った直後には現れないことが多い。よく聞くのは次の3パターンだ。
天板の中央が垂れてくる。 完成直後は真っすぐでも、荷物を載せたまま数ヶ月置くと中央が沈む。曲げ応力が降伏点に届いていなくても、常時荷重がかかり続けると変形が残る。しかも一度垂れたパイプは元に戻らない。
片持ちアームの根元が傾く。 壁から突き出したハンガーバーやモニターアーム。前述のとおり片持ちは同じ荷重で4倍のモーメントになるうえ、そのモーメントが全部根元のジョイント1個に集中する。パイプが無事でもジョイントが滑って角度が変わる。
ワゴンの棚板が波打つ。 工具を積んだら棚板が反った、というやつ。パイプの強度は足りていて、たわみだけが問題になっているケースだ。
3番目が典型的に示しているのは、強度とたわみが別問題だということだ。しかも別問題であることは計算するまで分からない。本ツールのデフォルト条件(φ28・両端支持等分布・900mm・30kg・2本)を計算すると、安全率は9.33。メーカー公表の限界に対して9倍以上の余裕がある。それなのに載せられる荷重の上限を決めているのはたわみのほうで、54.8kgで頭打ちになる。強度で判断していたら、この上限を見落とす。
たわみ制限の数字も感覚に直しておくといい。スパン900mmなら、L/300は3.0mm、L/200は4.5mm。1.5mmしか違わないが、L/200まで許すと載せられる荷重は5割増える。棚の見た目にこだわるならL/300、実用重視ならL/200、というのが選び分けの実感になる。
パイプがOKでも、ジョイントで決まることがある
そして、このツールで一番伝えたい注意がこれだ。イレクター構造物の耐力は、多くの場合パイプではなくジョイントで決まる。
矢崎化工が公表している「φ28イレクター構造物の強度目安」を見ると、その差がはっきり数字で出ている。
| フレーム寸法 | ジョイント | 最大積載荷重 |
|---|---|---|
| 600×600 | J-12C(プラスチック) | 約730N{75kgf} |
| 600×600 | HJ-2(メタル) | 約2350N{240kgf} |
| 600×1200 | J-12C(プラスチック) | 約490N{50kgf} |
| 600×1200 | HJ-2(メタル) | 約1470N{150kgf} |
同じ寸法・同じパイプで、ジョイントを変えるだけで約3.2倍(600×1200では約3.0倍)違う。 パイプ側の計算がいくら成立していても、プラスチックジョイントで組めば構造物の耐力は3分の1になる。逆に言えば、パイプの計算がぎりぎりのときに真っ先に検討すべきはメタルジョイントへの変更だったりする。
本ツールはジョイントの耐力を計算していない。メーカーの公表値がフレーム全体に対する最大積載荷重であって、ジョイント単体の許容モーメントが公表されていないため、任意の形状へ一般化できないからだ。だから結果はあくまで「パイプ単体は成立するか」の答えであり、ジョイント選定は別途この表を見て判断する必要がある。
人が乗る・上で寝る・頭上に重量物を吊るす用途を対象外にしているのも同じ理由だ。これらは動荷重(衝撃)が入るうえ、壊れ方が接着部やジョイントの突然の抜けになる。静的な曲げの計算だけで判断していい領域ではない。
こういう構造を組むときに使う
作業台・ワークベンチの天板受け。 一番多い用途。天板を前後2本のパイプで受ける構成なら、分担本数を2にして両端支持・等分布で計算する。奥行き600mmの天板に工具と材料を置く程度なら、スパン900mmでも十分成立することが確認できる。
収納棚・パントリー棚の横パイプ。 棚板を受ける横方向のパイプ。スパンが短いほど劇的に強くなるので、「棚の幅を1200mmにするか、900mm×2連にするか」を数値で比べられる。
ガレージの工具ラック・タイヤラック。 スタッドレス4本で60kg超えという世界。φ28で行けるのか、φ42に上げるべきか、本数を増やして逃げるかを、載せる重さを入れて判定する。
モニターアーム・ハンガーバーなどの片持ち構造。 突き出し長さと先端荷重を入れて、片持ち・先端集中で計算する。片持ちは短くするのが最も効くので、「あと100mm短くできないか」を検討する材料になる。
ケージ・水槽台のような「重いが人は乗らない」構造。 60cm水槽で水込み70kg前後といった、静かに重い荷重がかかり続ける用途。長期のたわみが問題になりやすいので、たわみ制限をL/300の厳しめに設定して見るとよい。
基本の使い方
1. パイプ種別と支持条件を選ぶ。 パイプはφ28(ホームセンターで買える標準品)かφ42。支持条件は4種類から選ぶ。棚板や天板を受けるなら「両端支持・等分布」、壁から突き出すアームなら「片持ち・先端集中」。選んだ条件の説明と使用する式が下に表示されるので、自分の構造と合っているか確認できる。
2. スパン・荷重・分担本数を入れる。 スパンはジョイント間の距離(片持ちなら突き出し長さ)をmmで。荷重は載せる合計の重さをkgで入れる。分担本数は、同じ荷重を分け合う平行なパイプの数。天板を前後2本で受けるなら2だ。たわみ制限(L/300・L/200・5mm・10mm)と目標安全率(既定3.0)もここで決める。
3. 判定と「載せられる荷重」を見る。 安全率・曲げ応力・たわみが計算され、成立/注意/危険の3段階で判定される。同時に、その条件で載せられる荷重の上限と、それを決めているのが強度側かたわみ側かが表示される。成立しない場合は、成立する最大スパンと目標を満たす最小本数が逆算されるので、どこをどれだけ変えれば通るかがそのまま分かる。
迷ったら、両端支持・等分布+L/300+目標安全率3.0のまま使えばよい。用途プリセットが4件用意してあるので、近いものを1つ選んで7項目まとめて入れてから、自分の寸法に直していくのが早い。
使用例8ケース:入力から結果、そして解釈まで
実際に8通りの条件を計算した結果を、入力・結果・解釈の3点セットで並べる。すべて実装済みの計算エンジンの出力そのままだ。
ケース1:作業台の天板受け(強度は余っているのにたわみで決まる)
入力 φ28/両端支持・等分布/スパン900mm/荷重30kg/2本/L/300/目標安全率3.0
結果 1本あたり15.0kg、M=16.5N·m、σ=50.7 N/mm²(基準473.2)、安全率9.33、δ=1.64mm(制限3.0mm・OK)。載せられる荷重54.8kg(たわみ支配)、判定は成立。
解釈 安全率が9.33ということは、強度だけ見れば9倍以上の余裕がある。それでも上限が54.8kgで止まるのは、その手前でたわみ制限3.0mmに当たるからだ。「強度が余っている=もっと載せられる」は成り立たない。この構成なら30kgは余裕を持って成立する。
ケース2:収納棚の横パイプ(短スパンは圧倒的に強い)
入力 φ28/両端支持・等分布/スパン600mm/荷重15kg/2本/L/300/目標3.0
結果 1本あたり7.5kg、M=5.5N·m、σ=16.9 N/mm²、安全率28.0、δ=0.24mm(制限2.0mm・OK)。載せられる荷重123.3kg(たわみ支配)、判定は成立。
解釈 スパンを900mmから600mmへ、たった3分の1縮めただけで、安全率が9.33から28.0へ3倍になった。載せられる荷重も54.8kgから123.3kgへ2倍以上。スパンを詰めるのが最も安上がりな補強だという事実が、この2ケースの比較にそのまま出ている。
ケース3:片持ちアーム(片持ちでも短ければ余裕)
入力 φ28/片持ち・先端集中/突き出し300mm/荷重5kg/1本/たわみ5mm固定/目標3.0
結果 M=14.7N·m、σ=45.1 N/mm²、安全率10.5、δ=0.52mm(制限5.0mm・OK)。載せられる荷重17.5kg(強度支配)、判定は成立。
解釈 4条件でいちばん厳しい片持ち先端集中でも、300mmなら5kgに対して10倍以上の余裕がある。ここで支配ケースが「強度支配」に変わっている点に注目したい。たわみ制限を絶対値5mmにしたことで、短いスパンではたわみ側が緩くなり、強度側が先に頭打ちになった。
ケース4:長スパンで不成立になる例(強度は通ってたわみで落ちる)
入力 φ28/両端支持・等分布/スパン1800mm/荷重40kg/2本/L/300/目標3.0
結果 1本あたり20.0kg、M=44.1N·m、σ=135.2 N/mm²、安全率3.50(目標3.0はクリア)、δ=17.52mm(制限6.0mm・NG)。載せられる荷重13.7kg(たわみ支配)、成立する最大スパン1053mm、必要本数6本、判定は注意。
解釈 安全率3.50で目標3.0を上回っている。強度の欄だけ見れば合格だ。それなのにたわみが17.5mmもある。1.8mのパイプの中央が指2本ぶん近く沈む状態で、載せた物が中央に転がってくる。この条件で40kgを載せるには6本必要、あるいはスパンを1053mmまで縮める必要がある——という具体的な次の一手まで出る。
ケース5:メーカー公表条件の再現・φ28(安全率がちょうど1.00になる)
入力 φ28/両端支持・中央集中/スパン900mm/荷重70kg/1本/L/200/目標3.0
結果 M=154.5N·m、σ=473.159431 N/mm²(基準473.159431と完全一致)、安全率1.000000、δ=12.27mm(制限4.5mm・NG)。載せられる荷重23.3kg(強度支配)、成立する最大スパン300mm、必要本数3本、判定は注意。
解釈 これはツールの検算だ。矢崎化工が公表している686N{70kgf}・スパン900mm・両端自由支持・中央集中をそのまま入力すると、安全率が厳密に1.000になる。公表値を1.0の目盛りに合わせるという設計方針が、実装まで正しく通っていることの確認になる。同時に、この条件のたわみが12.27mmもあることも分かる。公表値どおりに使うと、パイプは1cm以上たわむ。
ケース6:メーカー公表条件の再現・φ42(太物側でも一致する)
入力 φ42/両端支持・中央集中/スパン900mm/荷重190kg/1本/L/200/目標3.0
結果 M=419.2N·m、σ=502.35815 N/mm²(基準502.35815と一致)、安全率1.000000、δ=8.27mm(制限4.5mm・NG)。載せられる荷重63.3kg(強度支配)、判定は注意。
解釈 φ42側でも公表値の1862N{190kgf}が安全率1.000で再現される。φ28の基準応力473.2に対してφ42は502.4と約6%の差に収まっていて、同じ材料・同じ判定基準のシリーズであることとも矛盾しない。2種類のパイプが同じ土俵に乗っている、という確認だ。
ケース7:片持ち600mmで危険判定(本数追加では解決しない)
入力 φ28/片持ち・先端集中/突き出し600mm/荷重30kg/1本/L/300/目標3.0
結果 M=176.5N·m、σ=540.8 N/mm²(基準473.2を超過)、安全率0.875、δ=24.92mm(制限2.0mm・NG)。載せられる荷重2.4kg(たわみ支配)、成立する最大スパン170mm、必要本数13本、判定は危険。
解釈 安全率が1.0を下回った。メーカー公表の使用最大荷重そのものを超えており、恒久的な曲がりが残る領域だ。注目すべきは必要本数13本という数字で、これは「本数を増やせば何とかなる」の限界を超えている。ケース3(300mm・5kg)と比べると、突き出しを2倍・荷重を6倍にしただけで成立から危険へ振り切れる。片持ちは長さと荷重の両方に容赦がない。
ケース8:φ42の長スパン(太物でも長ければたわみで決まる)
入力 φ42/両端支持・等分布/スパン1800mm/荷重60kg/2本/L/300/目標3.0
結果 1本あたり30.0kg、M=66.2N·m、σ=79.3 N/mm²(基準502.4)、安全率6.33、δ=6.53mm(制限6.0mm・わずかにNG)。載せられる荷重55.1kg(たわみ支配)、成立する最大スパン1725mm、必要本数3本、判定は注意。
解釈 φ42に上げて安全率6.33、強度には十分な余裕がある。それでもたわみが6.53mmで制限6.0mmをわずかに超える。あと0.53mm、荷重を5kg落とすかスパンを75mm詰めれば通る、という際どさだ。太いパイプに替えても、長いスパンではたわみが最後の関門になる。太さを上げる前にスパンを見直したほうが効く場面が多い理由がここにある。
8ケースを通して見ると、成立しない原因が強度だった例は7だけで、残りはすべてたわみが上限を決めている。イレクターの実用域では、たわみのほうが先に効くのが常態だと考えていい。
仕組み:メーカーの1点を基準に校正するという設計
許容応力をどう決めるか、2つの選択肢
このツールの設計上いちばん悩んだのが、判定の基準になる応力をどう決めるかだ。候補は2つあった。
方法A:材料規格から許容応力を組み立てる。 鋼種を特定して JIS から降伏点を引き、安全率で割って許容応力にする。単管パイプ(STK500)を扱う姉妹ツールではこの手を採った。教科書どおりで説明もしやすい。
しかしイレクターパイプでは使えなかった。芯材が「溶融亜鉛メッキ鋼管」としか公表されておらず、鋼種=降伏点が特定できない。仮に「たぶん STK400 だろう」と決め打ちすると、その仮定が判定結果に直接乗る。当たっているかどうか誰にも検証できない数字を安全率の根拠にするのは避けたかった。
方法B:メーカー公表の使用最大荷重を安全率1.0の基準点として校正する。 こちらを採用した。矢崎化工が公表している唯一の強度データ——スパン900mm・両端自由支持・中央集中での使用最大荷重(φ28: 686N{70kgf}/φ42: 1862N{190kgf})——から、限界曲げモーメント Mlim を逆算する。
Mlim = 使用最大荷重[kgf] × 9.80665 × 900 / 4 [N·mm]
φ28: 70 × 9.80665 × 900 / 4 = 154454.7375 N·mm
φ42: 190 × 9.80665 × 900 / 4 = 419234.2875 N·mm
そして安全率をこう定義する。
安全率 = Mlim / M
なぜこの定義が効くのか:断面係数が相殺される
方法Bを選んだ決め手は、精度でも手軽さでもなくこの定義の構造だ。
応力で比較しようとすると σlim / σ = (Mlim/Z) / (M/Z) になるが、Z が分子と分母の両方に現れて約分で消える。結局 Mlim / M と同じになる。つまり安全率の計算に断面係数が一切関与しない。
これが重要なのは、イレクターの鋼管寸法が販売店の仕様欄からの読み取りを含む推定値だからだ。もし Z の推定が5%ずれていても、安全率にはその誤差が乗らない。Z が効いてくるのは表示用の応力 σ = M/Z だけで、判定そのものは推定誤差から独立している。「怪しい値を判定の根幹に入れない」という構造上の保証が得られたのが大きかった。
その帰結として、メーカー公表条件をそのまま入力すると安全率が厳密に1.000になる(使用例のケース5・6)。丸め誤差ですら出ないのは、公表表のN値ではなく kgf 値を一次データとして保持しているからだ。公表表は686N{70kgf}/980N{100kgf}/1862N{190kgf} のいずれも N = kgf × 9.8 の丸めになっており、N側を採ると9.8と9.80665の差が0.07%の誤差として残る。kgf 側を保持して GRAVITY = 9.80665 で換算すれば、その差が発生しない。
支持条件を係数テーブルに畳む
支持条件4種は、if 分岐ではなく係数テーブルで持たせた。すべての条件が同じ形に書けるからだ。
M = mCoef × P × L
δ = dCoef × P × L³ / (E·I)
const SUPPORT = {
simpleUdl: { mCoef: 0.125, dCoef: 5 / 384 }, // 両端支持・等分布
simplePoint: { mCoef: 0.25, dCoef: 1 / 48 }, // 両端支持・中央集中
cantiPoint: { mCoef: 1, dCoef: 1 / 3 }, // 片持ち・先端集中
cantiUdl: { mCoef: 0.5, dCoef: 0.125 }, // 片持ち・等分布
};
等分布荷重は w = P/L を代入済みの形にしてあるので、集中荷重と同じく「合計荷重 P」を渡せば済む。計算部には分岐が1つも要らず、支持条件を増やしても計算ロジックは触らずに済む構造になった。
なお、ジョイントは剛結ではなく単純支持としてモデル化している。プラスチックジョイントと接着液による結合は、理論上の完全固定にはならない。固定端として扱えばモーメントは小さく出るが、実物がそこまで固まっていない以上、単純支持のほうが安全側だ。
載せられる荷重は「小さいほう」を採る
許容荷重は、強度側とたわみ側の両方から逆算して小さいほうを採用している。応力もたわみも荷重に比例するので、逆算は一次式で書ける。
強度側 = 荷重 × 安全率 / 目標安全率
たわみ側 = 荷重 × たわみ制限 / 現在のたわみ
載せられる荷重 = min(強度側, たわみ側)
小さいほうがどちらだったかを「強度支配/たわみ支配」として表示している。使用例のとおり、イレクターの実用域ではたわみ支配になることが圧倒的に多い。どちらが効いているかが分かれば、φ42に替えるべきか(I が4倍でたわみに効く)、スパンを詰めるべきか(L³ で効く)の判断が変わる。
最大スパンの逆算にある指数の罠
「成立する最大スパン」の逆算では、一箇所つまずいた。たわみ側の指数が、たわみ制限の種類によって変わるのだ。
- 絶対値制限(5mm・10mm) のとき、制限値は定数。たわみは
L³に比例するので、逆算はL × (制限/δ)^(1/3) - 比率制限(L/300・L/200) のとき、制限値そのものが
Lに比例する。比δ/制限はL³/L = L²に比例するので、逆算はL × √(制限/δ)
ここを一律に3乗根で書くと、比率制限のときに最大スパンを過大に見積もる。安全側ではなく危険側に外れるので、必ず制限の種類で分岐させる必要がある。実装では制限の型(比率か固定か)を持たせて、この2式を切り替えている。
断面諸元は3重にチェックした
鋼管の寸法はメーカーが直接公表しているわけではないので、次の3段階で確からしさを詰めた。
- 寸法を販売店2社で突合。 φ28は「外径27.5mm(被覆込み)/内径24mm/肉厚0.7mm」、φ42は「外径42mm/内径38.6mm」が2社の仕様欄で一致した
- その寸法から質量を計算し、公表値と突合。 φ28は鋼426g/m+樹脂93g/m=520g/mで、矢崎化工の公表値520g/mと誤差0.0%。φ42は鋼678+樹脂138=816g/mで公表820g/mに対し**−0.5%**。寸法が間違っていれば質量がこの精度で合うことはない
- 逆算した基準曲げ応力の整合。 使用最大荷重から求めた基準応力がφ28で473.2、φ42で502.4 N/mm²。同一シリーズ・同一判定基準なら近い値になるはずで、実際に約6%差に収まった
φ32を入れなかった理由
現行ラインナップはφ28・φ32・φ42の3種だが、本ツールはφ32を扱っていない。使用最大荷重980N{100kgf}は公表されているので、安全率だけなら計算できる。問題はたわみだ。
たわみは断面二次モーメント I に反比例するので、I を確定できなければ数値を出せない。そしてφ32は鋼管の内径・肉厚の公表値が確認できなかった。φ28・φ42と同じ肉厚0.7mmと仮定して質量を試算すると610g/mになるが、公表質量は750g/mで18.7%も合わない。φ28が誤差0.0%、φ42が−0.5%で一致したのと比べれば、この仮定が外れているのは明らかだ。
推定値でたわみを出せば、それらしい数字が表示されて利用者は信じてしまう。確度の差が数字の見た目からは分からない以上、出さないほうが誠実だと判断した。寸法が判明したら追加する。
実際の計算をひととおり追う
デフォルト条件(φ28・両端支持等分布・スパン900mm・荷重30kg・2本・L/300・目標安全率3.0)を最初から最後まで通してみる。
1) 1本あたりの荷重
30 kg ÷ 2本 = 15.0 kg
P = 15.0 × 9.80665 = 147.1 N
2) 曲げモーメント(両端支持・等分布 → mCoef = 1/8)
M = 0.125 × 147.1 × 900 = 16548.7 N·mm = 16.55 N·m
3) 曲げ応力
σ = 16548.7 / 326.43 = 50.7 N/mm² (基準 473.2)
4) 安全率(Z が相殺されるので Mlim / M)
SF = 154454.74 / 16548.7 = 9.33
5) たわみ(dCoef = 5/384、I = 4145.70、E = 205000)
δ = (5/384) × 147.1 × 900³ / (205000 × 4145.70) = 1.64 mm
制限 = 900 / 300 = 3.0 mm → OK
6) 載せられる荷重
強度側 = 30 × 9.33 / 3.0 = 93.3 kg
たわみ側 = 30 × 3.0 / 1.64 = 54.8 kg
→ min は 54.8 kg(たわみ支配)
安全率9.33という数字の裏で、実際の上限を決めていたのはたわみ側の54.8kgだった。この「どちらが効いているか」を毎回表示するのが、本ツールが一番やりたかったことだ。
φ28専用に割り切る、という設計判断
イレクターの強度を調べようとすると、行き着く先は3種類しかない。メーカーの技術資料、個人ブログの製作記事、そして汎用の梁計算ツールだ。
メーカー資料が1条件1点であることは前半で触れたとおり。個人ブログのほうは「うちは1200mmで飛ばしたけど平気だった」という体験談の集合で、条件を自分の側に動かせない。載せていた物の重さも「工具箱を数個」のような書かれ方が多く、kgに直せない。
汎用の梁計算ツールは任意条件を扱えるが、断面二次モーメントと断面係数を自分で調べて入力する必要がある。ここでイレクター特有の罠が出る。入れるべきは被覆込みの27.5mmではなく、中の鋼管の外径25.4mm・肉厚0.7mmのほうだ。そのうえ許容応力に何を入れるかという問題が残る。鋼種が公表されていない以上、一般的な炭素鋼の値を借りてくれば根拠のない数字になる。
本ツールはφ28とφ42の2種に絞り、この断面性能の入力を丸ごと消した。空いた枠に載せたのは、メーカー公表値を安全率1.0とする校正、荷重を何本で分担するかの指定、たわみ制限の4択、成立しないときの最大スパンと最小本数の逆算だ。汎用ツールの上位互換ではなく、部材を固定した代わりに判断材料を増やした形になっている。
サイト内の使い分けはこうなる。単管パイプのDIYなら単管パイプ耐荷重・スパン計算で、あちらはφ48.6の別物だ。外径が1.7倍ほど違えば飛ばせる距離も桁が変わる。木の棚板は棚板たわみ計算シミュレーター、壁側の固定は壁掛け耐荷重チェッカー、2×4材で柱を立てるならディアウォール・ラブリコ設計ツール。断面を自分で指定して応力を追いたい場面は、任意断面を扱う梁の強度計算・たわみ計算ツールの領分になる。
25.4mm — イレクターの数字はどこから来たのか
φ28の鋼管の外径は25.4mm。この数字に見覚えがあるなら鋭くて、1インチがちょうど25.4mmだ。芯材はインチ系の管材で、そこに片側1.05mmの樹脂被覆が乗って27.5mmになり、それを切り上げた通称が「28」ということになる。製品名の28は鋼の寸法でも実測の外径でもない、という少しややこしい成り立ちだ。ジョイントの内径が合うのはメーカーが揃えているからで、他社の28mmパイプが必ず入るとは限らない。
その樹脂被覆が担当しているのは強度ではない。AAS樹脂は屋外の紫外線に強い系統の樹脂で、役目は溶融亜鉛メッキの上をさらに覆う防錆、握ったときの手触り、絶縁、載せる物に傷を付けないことだ。多少削れても曲げの強さは変わらない。逆に言えば、削れた場所は錆びる。屋外で使うなら被覆の傷こそ気にしたほうがいい。
専用のサンアロー接着液も、名前から想像する働きとは違う。糊が両者の間に膜を作って固まる接着剤ではなく、溶剤が樹脂の表面を溶かし、パイプの被覆とジョイントの樹脂が混ざって一体化する溶着に近い仕組みだ。効くのは樹脂同士の界面だけで、鋼管が露出した部分には効かない。乾くとは溶剤が抜けることで、抜けきる前に動かすと弱くなる。そして一度くっつけば外せない。仮組みで寸法を確定してから流すのが鉄則になる。
ラインナップの質量はφ28が520g/m、φ32が750g/m、φ42が820g/m。φ28からφ32の増え方に比べ、φ32からφ42はほとんど変わらない。ところが使用最大荷重はφ32が980N{100kgf}、φ42が1862N{190kgf}と大きく開く。重さが同じなら太いほうが得、という直感がそのまま通る珍しいケースだ。
ジョイントの強度目安を数値で公表しているのも、この手の部材では珍しい。面白いのは、同じ600×600のフレームでもプラスチックのJ-12Cが約730N{75kgf}なのに対し、同じくプラスチックのJ-12Bは約2150N{220kgf}で、メタルのHJ-2の約2350N{240kgf}に迫ることだ。プラスチックだから弱い、という単純な話ではない。パイプを何面で抱え込むか、荷重の向きにどう当たるかという形状の差が効いている。ジョイントは素材より品番を見るべき、というのがこの表の読み方だ。
組む前に効く5つの勘どころ
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天板は前後2本で受ける: 受けるパイプが2本になれば1本あたりの荷重は半分になり、曲げ応力もたわみも半分になる。分担する本数の入力欄はこのためにある。1本の横パイプだけで天板を受ける設計は、強度以前に載せた物が転がる。
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たわみが気になるなら中間に脚を1本足す: 部材を太くするより、スパンを分割するほうが効く。スパンが半分になればたわみは1/8から1/16程度まで落ちる。φ28のまま脚を増やすほうが、φ42に総取り替えするより安く早い場面は多い。
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片持ちは短くするのが最善手: 突き出し長さを1.5倍にすると曲げモーメントも1.5倍、たわみは3.4倍になる。太くしても長さの3乗には勝てない。壁付けアームは、必要な突き出し量まで詰めてから強度を見るほうが早い。
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実態が等分布なら等分布で入れる: 同じ重さでも、中央の1点に載るのと全長に均等に載るのではモーメントが2倍違う。棚板や天板を介する荷重は等分布でよい。安全側に倒そうと全部を中央集中で入れると、成立するはずの設計が不成立に見える。
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重量物はφ42かメタルジョイントから検討する: 判定が注意や危険で返ったとき、まず動かすのはスパンと本数だが、必要本数が6本を超えるなら構成ごと変えたほうが早い。使用例の長スパンのケースが、本数追加では解決しない典型だ。
イレクターパイプの強度についてよくある質問
メーカーの資料にある686Nと、このツールの結果が合わない
理由は3つ。1つめ、公表値の条件はスパン900mm・両端自由支持・中央集中・パイプ1本に固定されている。曲げモーメントはスパンに比例するので、900mm以外なら一致しないのが正常だ。2つめ、支持条件が違えばモーメントが変わる。中央集中と等分布では2倍、片持ち先端集中とは4倍の開きがある。3つめ、樹脂被覆を強度に算入していない。ただし3つめは安全率には効かない。前半で書いたとおり、断面係数が分子分母で相殺されるからだ。公表条件そのもの(φ28・両端支持中央集中・900mm・70kg・1本)を入れれば安全率は1.00と表示され、φ42を190kgで入れても同じく1.00になる。
目標安全率はいくつにすればいいのか
既定の3.0から始めてほしい。根拠は、メーカー公表の使用最大荷重が「安全に使える荷重」ではなく限界側の値だという点にある(前半で断面係数から検算している)。安全率1.0はその限界値ちょうどを意味するので、余裕がまったくない状態だ。常設の什器・作業台・収納棚なら3.0、人が触れる・倒れると危ない物が載る・長期間置きっぱなしにするといった条件が重なるならもう少し上げてもいい。数日で解体する仮設なら下げる判断もあるが、その場合でも荷重の見積もりを甘くしないほうが実質的な安全につながる。入力できるのは1.0から10.0の範囲だ。
ジョイントの強度は見てくれるのか
見ていない。計算するのはパイプ単体の曲げ応力とたわみだけだ。メーカーが公表しているのは600×600といったフレーム全体の最大積載荷重であって、ジョイント単体の許容モーメントや許容せん断ではない。フレーム寸法も組み方も無数にあるので任意の構成に一般化できない、というのが理由になる。代わりに参考として、公表されている構造物の強度目安を画面に表示している。実際にはパイプよりジョイントで耐力が決まることのほうが多いので、判定が成立と出ても接合部は別途確認してほしい。特に片持ちは、突き出し部分のモーメントがそのまま根元の1箇所に集中する。パイプが余裕でも根元が滑る、という壊れ方が起きやすい。
φ32が選べないのはなぜか
たわみが計算できないためだ。使用最大荷重980N{100kgf}は公表されているので安全率だけなら出せるが、鋼管の内径と肉厚が確認できず断面二次モーメントIを確定できない。たわみはIに反比例するので、推測値では誤差がそのまま結果に乗る。φ28とφ42は質量による検算で寸法の確からしさを確かめてから採用していて、同じ検算がφ32では通らなかった(数値は前半の仕組みの節に書いた)。それらしい数字を出して信じさせるより、非対応と明示するほうを選んでいる。寸法が確認でき次第追加する。
入力した寸法や荷重はどこかに送信されるのか
されない。計算はすべてブラウザの中で完結していて、スパン・荷重・本数といった入力値がサーバーに送られることはない。結果をコピーする機能もクリップボードに書き出すだけで、外部への通信は発生しない。仕事で使う什器の寸法をそのまま入れても外に出ないので、その点は気にせず使ってほしい。
まとめ
イレクターは1本ずつならただの細い管なのに、組み方しだいで作業台にもラックにもなる。だからこそ「この長さで飛ばして大丈夫か」という問いが毎回出るのに、答えは1条件ぶんしか公開されていなかった。その1点を安全率1.0の基準として校正しておけば、スパンも荷重も本数も自由に動かせる。強度は余っているのにたわみで落ちる、という自分の設計の弱点も一目で分かる。買いに行く前に30秒だけ入れてみてほしい。
関連するツールもあわせてどうぞ。
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- 棚板たわみ計算シミュレーター — 木の棚板のたわみ。パイプで受けた上に何を載せるかの検討に
- 梁の強度計算・たわみ計算ツール — 任意断面の梁を自分で指定して応力とたわみを追う
- 壁掛け耐荷重チェッカー — 片持ちアームを壁に留める側が持つかどうか
- ディアウォール・ラブリコ設計ツール — 2×4材とアジャスターで柱を立てる場合の設計
計算の前提や、φ32の寸法情報について気づいた点があれば、お問い合わせページから聞かせてほしい。
Mahiro
Mahiro Appの開発者。イレクターで作業台を組む前に矢崎化工のテクニカルデータを開いたら、載っていたのはスパン900mmの1点だけだった。686Nを断面係数で割って473 N/mm²という数字が出た時点で、あれが許容値ではなく限界値だと分かり、このツールの方針が決まった。
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