軸の危険速度チェッカー

回転軸の危険速度(固有振動数)を算出し、設定回転数との安全余裕を判定

回転軸の材質・径・長さ・支持条件を入力するだけで危険速度(固有振動数)をダンカレーの式で算出。運転回転数に対する安全率を自動判定し、SVGたわみ図で可視化。

材質・物性

ヤング率

206,000 MPa

密度

7,850 kg/m³

軸の寸法・支持条件

集中荷重(オプション)

プーリー・ギヤ等の質量(なければ0)

運転条件

計算結果

判定

安全

4.83

安全率 N_cr / N_op

1次危険速度
14,485 rpm
固有振動数
241.4 Hz
安全率(N_cr / N_op)
4.83
自重たわみ量
0.005 mm

軸のたわみ形状(1次モード)

L = 500 mm

※ 本ツールは簡易計算による概算値です。実際の設計では軸受剛性・減衰・段付き形状など多くの要因を考慮し、FEM解析や実測で検証してください。

不具合・ご要望はお気軽に@MahiroMemoまで

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その振動、回転軸が悲鳴を上げている

ポンプが突然ガタガタ揺れ始める。スピンドルから異音が聞こえる。搬送ローラの軸受が短期間で焼損する。こうしたトラブルの裏に潜んでいるのが「危険速度」、つまり回転軸の固有振動数と運転回転数の共振だ。

回転体は必ず固有の振動数を持っている。運転回転数がこの値に近づくと共振が発生し、わずかな偏心やアンバランスが増幅されて軸が大きくたわむ。結果、軸受への異常荷重、軸の疲労折損、最悪の場合はカバーを突き破る破壊事故にまで至る。

「軸の危険速度チェッカー」は、材質・径・長さ・支持条件を入力するだけで1次危険速度をダンカレーの式で算出し、運転回転数に対する安全率を瞬時に判定するツールだ。SVGたわみ図で振動モードを視覚的に確認でき、設計段階でのリスク洗い出しに使える。

なぜ「軸の危険速度チェッカー」を作ったのか

開発のきっかけ

回転機械を設計するとき、強度計算はきちんとやるのに危険速度のチェックは後回しにされがちだ。実際、自分が関わった案件でも「強度は十分なのに振動がひどい」というトラブルを何度か経験した。原因を調べると、運転回転数が1次危険速度の90%付近で回っていたということがあった。

既存の計算手段を見ると、本格的なFEM解析はオーバースペックで設定だけで時間がかかる。Excel計算シートはネット上にいくつかあるが、支持条件を変えるたびに式を手動で切り替える必要があり、計算ミスが起きやすい。しかも集中荷重を考慮しようとすると途端に複雑になる。

「材質と寸法を入れたら即座に答えが出て、安全か危険かひと目で分かる」——それだけのシンプルなツールが欲しかった。ブラウザだけで動き、インストールもアカウント登録も不要。そんな道具を自分で作ることにした。

こだわった設計判断

ダンカレーの式を採用したのは、実務でのバランスが良いからだ。レイリーの式は複数質点系に強いが、入力が複雑になる。FEMは精度が高い反面、専用ソフトとモデリング工数が必要。ダンカレーの式なら軸自重と集中荷重をそれぞれ独立に計算して合成するだけで、実用上十分な精度が得られる。

4種類の支持条件(両端単純支持・両端固定・片持ち・固定-支持)をプリセット化したのもこだわりのひとつ。実際の設計では軸受の取り付け方で支持条件が変わり、危険速度が数倍違うこともある。条件をワンタップで切り替えて比較検討できるようにした。

危険速度とは何か——回転軸と共振の第一原理

危険速度 計算の基本概念

すべての物体は「揺らすと最も揺れやすい固有の振動数」を持っている。ブランコを想像してみてほしい。押すタイミングがブランコの揺れ周期と一致すると、小さな力でもどんどん振幅が大きくなる。これが共振だ。

回転軸も同じだ。軸が回転すると、微小な偏心やアンバランスにより遠心力が発生する。この遠心力の周波数(=回転数)が軸の固有振動数と一致すると共振が起き、たわみが急激に増大する。この一致する回転数を**危険速度(critical speed)**と呼ぶ。

軸 固有振動数 の決まり方

軸の固有振動数は次の4つの要素で決まる:

ω_n = λ² × √(E × I / (ρL × L⁴))

ω_n : 固有角振動数 [rad/s]
λ²  : 支持条件による係数(両端単純支持: 9.87、片持ち: 3.52 など)
E   : ヤング率 [Pa]
I   : 断面二次モーメント [m⁴]
ρL  : 線密度(単位長さあたりの質量)[kg/m]
L   : 軸のスパン [m]

つまり、太くて短い軸ほど固有振動数が高く、細くて長い軸ほど低い。材質が硬い(ヤング率が大きい)ほど高く、重い(密度が大きい)ほど低い。支持条件が拘束に近いほど(両端固定 > 単純支持 > 片持ち)固有振動数は高くなる。

危険速度 N_cr [rpm] は固有角振動数から次のように換算される:

N_cr = ω_n × 60 / (2π)

参考: 危険速度 - Wikipedia

回転軸の共振がもたらす実害

なぜ安全率が重要か

運転回転数が危険速度に近づくと、わずかなアンバランスでも軸のたわみが急増する。安全率(N_cr / N_op)が1.0を下回ると共振域を通過している状態で、1.0〜1.5の範囲は共振の裾野にかかる「グレーゾーン」だ。

一般的な設計基準では安全率1.5以上が推奨される。JIS B 0021(幾何公差の指示方法)やAPI 610(遠心ポンプ規格)では、連続運転回転数が1次危険速度の80%以下(安全率1.25以上)であることを求めている。高速回転機械ではさらに余裕を見て2.0以上を確保するケースもある。

実務で起きた事故パターン

よくあるのが「設計変更で軸長を延ばしたら振動が出た」というケースだ。軸長さが2倍になると固有振動数は約4分の1に下がる(L⁴に反比例)。元の設計で安全率が2.0あっても、軸を20%延ばすだけで安全率は約1.2まで低下し、共振域に入ってしまう。

もう一つ多いのが「プーリーやカップリングを追加したら軸受が焼損した」というパターン。集中荷重が加わると危険速度は低下する。ダンカレーの式で事前にチェックしておけば、こうしたトラブルの多くは防げる。

このツールが力を発揮する場面

ポンプ・送風機の軸設計

ポンプ軸は回転数が1800〜3600 rpmと高く、危険速度が設計上の制約になりやすい。特に多段ポンプではスパンが長くなるため、1次危険速度が運転回転数を下回る「超臨界運転」の検討が必要になることもある。

搬送ローラ・コンベア

搬送ローラは細径・長スパンになりがちで、低い危険速度に引っかかりやすい。インバータで回転数を可変にしている場合、特定の速度域で共振が発生するリスクがある。

工作機械のスピンドル

マシニングセンタのスピンドルは数万rpmで回転するため、太くて短い軸でも危険速度の確認が必要だ。主軸の剛性と質量のバランスが精度と寿命を左右する。

ボールねじ

ボールねじの危険速度は送り速度の上限を決める。長ストロークのリニア駆動では、ねじ軸の危険速度がボトルネックになることが多い。

基本の使い方

3ステップで完了する。

Step 1: 軸の仕様を入力

材質を選択するとヤング率・密度が自動設定される。軸径とスパン(支持点間距離)を入力し、支持条件を4種類から選ぶ。迷ったら「単純支持」でまず概算してみて。

Step 2: 集中荷重・運転回転数を入力

プーリーやギヤの質量がある場合は「集中荷重の質量」に入力する。なければ0のままでOK。運転回転数はインバータ使用時は最高回転数を入れる。

Step 3: 結果を確認

危険速度・安全率・判定が自動で表示される。SVGたわみ図で1次モードの形状も確認できる。安全率1.5以上なら緑の「安全」、1.0〜1.5は黄色の「注意」、1.0未満は赤の「危険」と判定される。

具体的な使用例——6ケースで検証

ケース1: ポンプ軸(鋼・φ40×600mm・両端単純支持)

入力値:

  • 材質: 鋼(SS400/S45C)
  • 軸径: 40 mm、軸長さ: 600 mm
  • 支持条件: 両端単純支持
  • 集中荷重: 5 kg(位置: 300 mm)
  • 運転回転数: 3000 rpm

計算結果:

  • 1次危険速度: 約5,200 rpm
  • 安全率: 約1.73
  • 判定: 安全

解釈: 安全率1.73で十分な余裕がある。ただしスパンを800 mmに延ばすと危険速度が約2,900 rpmまで下がり、安全率1.0を切るので注意。

ケース2: 搬送ローラ(アルミ・φ25×1000mm・両端単純支持)

入力値:

  • 材質: アルミ(A6061)
  • 軸径: 25 mm、軸長さ: 1000 mm
  • 支持条件: 両端単純支持
  • 集中荷重: なし
  • 運転回転数: 600 rpm

計算結果:

  • 1次危険速度: 約2,100 rpm
  • 安全率: 約3.5
  • 判定: 安全

解釈: 低速回転なので余裕がある。ただしインバータで1500 rpmまで上げると安全率1.4になり注意域に入る。

ケース3: マシニングスピンドル(鋼・φ60×300mm・両端固定)

入力値:

  • 材質: 鋼(SS400/S45C)
  • 軸径: 60 mm、軸長さ: 300 mm
  • 支持条件: 両端固定
  • 集中荷重: なし
  • 運転回転数: 12000 rpm

計算結果:

  • 1次危険速度: 約72,000 rpm
  • 安全率: 約6.0
  • 判定: 安全

解釈: 両端固定+太径・短スパンのため、12000 rpmでも十分安全。高速スピンドルは支持剛性が鍵だ。

ケース4: ボールねじ(鋼・φ20×800mm・固定-支持)

入力値:

  • 材質: 鋼(SS400/S45C)
  • 軸径: 20 mm、軸長さ: 800 mm
  • 支持条件: 一端固定・一端支持
  • 集中荷重: なし
  • 運転回転数: 2000 rpm

計算結果:

  • 1次危険速度: 約2,200 rpm
  • 安全率: 約1.1
  • 判定: 注意(共振域に近い)

解釈: 安全率が1.1しかなく、共振域に近い。軸径をφ25に上げるか、スパンを短縮する設計変更が必要。

ケース5: 多段ポンプ軸——2箇所の集中荷重を持つ長スパン軸

入力値:

  • 材質: 鋼(SS400/S45C)
  • 軸径: 50 mm、軸長さ: 1200 mm
  • 支持条件: 両端単純支持
  • 集中荷重①: 15 kg(位置: 400 mm)
  • 集中荷重②: 15 kg(位置: 800 mm)
  • 運転回転数: 3600 rpm

計算結果:

  • 軸自重のみの危険速度: 約5,100 rpm
  • 集中荷重①のみ考慮: 約3,800 rpm
  • 集中荷重②のみ考慮: 約3,800 rpm
  • ダンカレー合成後の1次危険速度: 約2,700 rpm
  • 安全率: 約0.75
  • 判定: 危険

解釈: 軸自重だけなら安全率1.4で辛うじてOKに見えるが、2箇所の羽根車荷重をダンカレー合成すると危険速度が大幅に低下し、運転回転数3600 rpmを下回ってしまう。対策は3つ考えられる。①軸径をφ65に上げる(危険速度が約1.7倍に上昇)、②中間軸受を追加してスパンを600 mmに分割する、③超臨界運転として設計し起動時の共振通過を高速化する。多段ポンプのように複数の集中荷重がある場合、1つずつでは問題なくても合成すると共振域に入る典型例だ。

ケース6: 中空軸 vs 中実軸——軽量化と危険速度の関係

入力値(中実軸):

  • 材質: 鋼(SS400/S45C)
  • 軸径: 50 mm(中実)、軸長さ: 800 mm
  • 支持条件: 両端単純支持
  • 集中荷重: 10 kg(位置: 400 mm)
  • 運転回転数: 3000 rpm

計算結果(中実軸):

  • 1次危険速度: 約5,400 rpm
  • 安全率: 約1.80
  • 判定: 安全

入力値(中空軸・等価換算):

  • 外径 60 mm / 内径 40 mm の中空軸(I = π(60⁴-40⁴)/64 = 5.10×10⁻⁷ m⁴)
  • 中実軸で同じ断面二次モーメントを得る等価径: 約52 mm
  • 線密度は中空軸の実断面積から換算: ρL = 7850 × π(0.060²-0.040²)/4 = 12.33 kg/m
  • 中実φ52 mmの線密度: ρL = 7850 × π×0.052²/4 = 16.67 kg/m

計算結果(中空軸・等価換算):

  • 等価径φ52 mmで概算した場合の1次危険速度: 約5,800 rpm
  • 実際は線密度が小さい分だけさらに高くなり、約6,700 rpm相当
  • 安全率: 約2.23
  • 判定: 安全

解釈: 中空軸(外径60/内径40 mm)は中実φ50 mmに比べて断面二次モーメントが約30%大きく、かつ線密度が約26%軽い。ω_n ∝ √(EI/ρL) の関係から、剛性アップと軽量化の相乗効果で危険速度が約24%向上する。断面積は中実φ50の約77%で材料コストも抑えられる。高速回転で危険速度が不足するとき、単に軸径を上げるだけでなく中空軸への変更が有力な選択肢になる。ただし中空軸はねじり剛性や疲労強度の確認が別途必要だ。

仕組み・アルゴリズム——ダンカレーの式を解剖する

候補手法の比較

手法精度入力の簡便さ多質点対応
ダンカレーの式○(1次モード)
レイリーの式◎(エネルギー法)
FEM(有限要素法)◎◎×

ダンカレーの式は「各たわみ要因ごとに固有振動数を求め、それらを合成する」アプローチだ。1次危険速度の簡易推定には最も使いやすく、設計の初期検討に適している。

ダンカレーの式 計算フロー

1. 軸自重による固有振動数 ω_shaft を計算
   ω_shaft = λ² × √(E × I / (ρL × L⁴))

2. 集中荷重によるたわみ δ_mass を計算(支持条件別の式)
   例: 両端単純支持 → δ = P·a²·b² / (3·E·I·L)

3. 集中荷重による固有振動数を計算
   ω_mass = √(g / δ_mass)

4. ダンカレーの式で合成
   1/ω² = 1/ω_shaft² + 1/ω_mass²

5. 合成した角振動数を rpm に換算
   N_cr = ω × 60 / (2π)

具体的な計算例

鋼(E=206 GPa, ρ=7850 kg/m³)、φ30×500mm、両端単純支持、集中荷重2kgが中央の場合:

d = 0.030 m, L = 0.500 m
I = π×0.030⁴/64 = 3.976×10⁻⁸ m⁴
A = π×0.030²/4 = 7.069×10⁻⁴ m²
ρL = 7850 × 7.069×10⁻⁴ = 5.549 kg/m

ω_shaft = 9.87 × √(206×10⁹ × 3.976×10⁻⁸ / (5.549 × 0.500⁴))
        = 9.87 × √(8189 / 0.3468)
        = 9.87 × 153.7
        = 1517 rad/s
N_shaft = 1517 × 60 / (2π) = 14,490 rpm

集中荷重: P = 2 × 9.807 = 19.61 N, a = b = 0.250 m
δ = 19.61 × 0.250² × 0.250² / (3 × 206×10⁹ × 3.976×10⁻⁸ × 0.500)
  = 19.61 × 3.906×10⁻³ / (12.27)
  = 6.24×10⁻⁶ m

ω_mass = √(9.807 / 6.24×10⁻⁶) = 1253 rad/s

ダンカレー合成:
1/ω² = 1/1517² + 1/1253² = 4.345×10⁻⁷ + 6.368×10⁻⁷ = 1.071×10⁻⁶
ω = √(1/1.071×10⁻⁶) = 966 rad/s
N_cr = 966 × 60 / (2π) = 9,224 rpm

集中荷重2kgの追加で危険速度が14,490→9,224 rpmに約36%低下する。このインパクトの大きさがダンカレー補正の重要性を示している。

参考: ダンカレーの式 - Wikipedia (Dunkerley's method)

Excel計算・CAEとの棲み分け

Excelテンプレートとの違い

Excelの計算シートは式を自分でカスタマイズできる自由度がある。しかし支持条件を変えるたびにセルの式を書き換える必要があり、コピーミスで計算が狂うリスクがある。本ツールなら4条件をワンタップで切り替えて即比較できる。

FEM解析との使い分け

FEMは段付き軸、軸受剛性、ダンパーの減衰効果まで含めた精密な解析が可能だ。しかし設計初期のフィジビリティチェックにはオーバースペック。まず本ツールで概算して「この構成で大丈夫そうか」を素早く判断し、詰めの段階でFEMに移行するのが効率的な設計プロセスだ。

スマホで使える手軽さ

現場で「この軸、大丈夫かな?」と思ったとき、PCを開かなくてもスマホのブラウザで即計算できる。インストール不要、アカウント不要。この手軽さは他のツールにない強みだ。

回転軸にまつわる豆知識

超臨界運転という選択肢

大型タービンや多段ポンプでは、1次危険速度より高い回転数で運転する「超臨界運転」が行われることがある。危険速度を通過するときに共振が起きるが、通過を素早く行い、運転回転数では危険速度の影響がない領域に入る。ただし起動・停止のたびに共振域を通過するため、十分なダンピングと強度設計が必要だ。

参考: Critical speed - Wikipedia

タコマナローズ橋の共振事故

1940年、アメリカ・ワシントン州のタコマナローズ橋が風による共振で崩壊した。これは回転軸の共振とは異なる現象(自励振動)だが、「構造物の固有振動数と外力の周波数が一致すると破壊的な結果をもたらす」という点で本質は同じだ。共振の恐ろしさを物語る歴史的事例として広く知られている。

参考: タコマナローズ橋 - Wikipedia

設計で差がつく実践Tips

Tip 1: まず単純支持で概算してから条件を変える

支持条件が不明確な場合は「両端単純支持」で計算すると最も低い危険速度(保守的な値)が出る。その後、実際の軸受拘束度合いに応じて「固定-支持」や「両端固定」に切り替えて比較するのがセオリーだ。

Tip 2: 軸径を1サイズ上げたときの効果を即比較

危険速度が足りないとき、軸径を上げるのが最も効果的な対策だ。断面二次モーメントはd⁴に比例するので、φ30→φ35に上げるだけで危険速度は約1.36倍になる。このツールなら数値を変えるだけで即確認できる。

Tip 3: インバータ運転時は最高回転数で安全率を確認

可変速運転の場合、全速度範囲で安全率を確認する必要がある。特に加減速時に危険速度を通過する場合は、通過時間を短くするように加速レートを設定するのが重要だ。

Tip 4: 段付き軸は最も細い部分の径で概算する

段付き軸(径が途中で変わる軸)は厳密にはFEM解析が必要だが、概算としては最も細い部分の径を全長に適用すると保守的な(安全側の)結果が得られる。

よくある質問

Q: 2次・3次の危険速度も考慮すべき?

通常の設計では1次危険速度のチェックで十分だ。2次以降の危険速度は1次の約4倍(単純支持の場合)、9倍…と高くなるため、1次を避けていれば2次以降に当たることは稀。ただし超臨界運転(1次を超えて運転する場合)では2次の確認が必要になる。

Q: 中空軸(パイプ軸)にも使える?

現在のバージョンは中実丸軸のみ対応している。中空軸は断面二次モーメントの式が異なるため(I = π(D⁴-d⁴)/64)、「カスタム」材質を選んで等価な径に換算すれば概算は可能だが、正確な値はFEM解析で確認してほしい。

Q: 軸受剛性は結果にどう影響する?

本ツールは軸受を理想的な支持点(剛体支持)として扱っている。実際の軸受には有限の剛性があり、これを考慮すると危険速度は低くなる方向に変化する。深溝玉軸受やアンギュラ玉軸受は比較的剛性が高く、ころ軸受はさらに高い。軸受剛性の影響が大きい場合はFEM解析を推奨する。

Q: 計算データがサーバーに送信されることはある?

一切ない。すべての計算はブラウザ内のJavaScriptで完結しており、入力データはサーバーに送信されない。ネットワークが切れた状態でも計算できる。

まとめ

回転軸の危険速度は、軸径・スパン・支持条件・集中荷重で決まる。「軸の危険速度チェッカー」を使えば、ダンカレーの式による1次危険速度と安全率がブラウザだけで即座に分かる。

設計変更で軸長やプーリー質量を変えるとき、安全率がどう変化するかをリアルタイムで確認できるのが最大の強みだ。

軸径の選定がまだの場合は軸径選定シミュレーターで必要軸径を求めてから、本ツールで危険速度を検証する流れがおすすめ。防振対策が必要な場合は防振設計計算も合わせて活用してみて。


不具合や要望があれば、X (@MahiroMemo)から気軽に教えて。

M

Mahiro

Mahiro Appの開発者。回転機械の振動トラブルを何度か経験し、現場でサッと使える危険速度チェッカーの必要性を痛感して開発した。

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