重心計算&転倒角度計算

複数パーツから合成重心と左右転倒角を算出するモバイル向けツール

💡 車両の重量・軸距・トレッド幅を入力し、パーツを配置すると重心位置と転倒角を自動計算。プリセットからすぐ試せる。

車両仕様

後寄り前寄り

車両重心 X(前後配分から自動算出): 0.000 m

パーツ一覧 (0)

パーツがありません。追加するか、プリセットを読み込んでください。

プレビュー

前軸後軸CGX→前Y↑右

計算結果

転倒角 θ

0.00°

Safe

限界角 30.96° — 安全範囲内

合計重量
1.00 kg
合成重心 X
0.000 m

前後方向

合成重心 Y
0.000 m

左右方向

合成重心 Z
0.050 m

高さ方向

前軸荷重
0.50 kg

50.0%

後軸荷重
0.50 kg

50.0%

転倒限界角
30.96°
ホイールベース
1.000 m

免責事項: 本ツールは教育および参考目的で提供しています。実際の設計・安全評価には専門家の確認が必要です。計算結果に基づく行動による損害について、作者は一切の責任を負いません。

不具合・ご要望はお気軽に@MahiroMemoまで

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関連ツール

パーツを載せたら重心はどこへ動く? 転倒リスクを数値で見極める

コーナーで車両がふらつく、荷物を積んだフォークリフトが横転しかける——こうした「不安定さ」の正体は、重心位置と支持多角形の関係にある。

重心計算&転倒角度計算は、車両本体と搭載パーツの座標・重量を入力するだけで、合成重心位置(X, Y, Z)と前後荷重分配、さらに左右方向の転倒限界角を自動算出するブラウザツール。上面図と正面図の2つのSVGプレビューで、重心の偏りや転倒リスクを視覚的に把握できる。パーツを追加・移動するたびにリアルタイムで結果が更新されるから、最適なセッティングを数値で探れる。

なぜ重心計算&転倒角度計算を作ったのか

開発のきっかけ

ミニ四駆のレースで「コーナーで吹っ飛ぶ」問題に悩んでいた。バッテリーの位置を変えたりウェイトを貼ったりしても、勘と経験に頼るしかない。エクセルで重心計算シートを作ってみたものの、パーツを増やすたびにセル参照がぐちゃぐちゃになって、結局使わなくなった。

既存のオンライン重心計算ツールを5つほど試したが、どれも問題があった。ある一つは2D限定で高さ方向(Z軸)が考慮できない。別のツールは入力UIがスプレッドシート風で、スマホで使うと数値の入力欄が豆粒サイズになる。転倒角の計算まで一貫してやってくれるツールは見つからなかった。

「パーツを追加して重心を見る」だけじゃなくて「このセッティングで転倒しないか」まで一発でわかるツールが欲しい。そう思って作ったのがこのツール。

こだわった設計判断

  • Simple/Advancedモード: 初心者はSimpleで最低限の入力だけで結果が出る。慣れたらAdvancedで左右重心オフセットや前後トレッド差まで指定できる
  • SVGの2ビュー構成: 上面図でパーツ配置を俯瞰し、正面図で転倒角を直感的に理解できる。数値だけだとピンとこない転倒リスクも、ビジュアルなら一目瞭然
  • プライバシー重視: すべてブラウザ内で完結する。設計データをサーバーに送信する必要がないので、公開前の試作データも安心して扱える

重心と転倒角の基礎知識 — なぜ物体は倒れるのか

「重心」と「転倒角」の概念を第一原理から理解しておくと、ツールの結果を正しく読み取れるようになる。ここでは物理の教科書を読まなくてもピンとくるように、日常のたとえ話を交えて解説する。

重心(Center of Gravity)とは

重心とは、物体の質量分布を一点に集約したときの代表点のこと。地球の重力が物体を引っ張るとき、あたかもその一点だけに全質量が集中しているかのように扱える——それが重心だ。

身近な例を挙げると、指一本で水平に支えられる「バランスポイント」がまさに重心の位置。空のペットボトルなら底近くに重心があるけど、水を半分入れると中央付近に上がり、満杯にするとさらに上に移る。この「中身が変わると重心が動く」感覚が、パーツ追加で合成重心が変化するのと同じ原理。

複数の物体(パーツ)がある場合の合成重心は、各パーツの質量で重み付けした位置の平均で求まる:

合成重心 = Σ(各パーツの位置 × 各パーツの質量) / Σ(各パーツの質量)

3次元空間ではX, Y, Zの各軸について、この計算を独立に行えばよい。

転倒角(Tipping Angle)とは

転倒角は、重心の鉛直線が支持多角形(タイヤ接地点が囲む範囲)の端からどれだけ内側にあるかを角度で示した指標。車両が傾いたとき、重心から下ろした鉛直線がタイヤの接地点の外側に出た瞬間に、復元力がゼロになって転倒が始まる。

転倒限界角 とは — トレッド幅と重心高さの関係

転倒限界角は「あと何度傾けたら転倒するか」を表す角度。シンプルな直方体モデルで考えると:

転倒限界角 θ_limit = atan(トレッド幅/2 ÷ 重心高さ)

つまり、トレッド幅が広いほど・重心が低いほど、限界角は大きくなって安定する。逆にトレッド幅が狭くて重心が高い車両(荷物を積んだフォークリフト、二段積みのトレーラーなど)は限界角が小さくなり、少しの傾きで転倒するリスクが高まる。

レーシングカーが車高を極限まで下げて幅広タイヤを履くのは、まさにこの原理で転倒限界角を最大化するため。F1マシンはトレッド幅約1.8m・重心高さ約0.3mなので、理論上の転倒限界角は約72°にもなる。

重心の偏りが招く事故 — 転倒角が設計を左右する理由

重心計算は「あれば便利」なツールではなく、安全に直結する設計パラメータだ。重心の偏りや高さの見積もりを誤ると、以下のような深刻な問題が発生する。

フォークリフトの転倒事故

労働安全衛生規則第151条の14では、フォークリフトの荷物の偏荷重や急旋回による転倒防止措置が義務付けられている。厚生労働省の統計によれば、フォークリフト事故の約3割が転倒に起因する。荷物を高く持ち上げた状態で旋回すると、重心が上がり限界角が低下して転倒に至る——これはまさに重心高さと転倒限界角の関係そのもの。

トラックの横転と積載基準

道路交通法施行令では、貨物自動車の積載物の高さ制限が定められている。荷台の高さから3.8m(高さ指定道路では4.1m)を超えてはならない。これは単に道路構造物との干渉を防ぐだけでなく、高重心による横転リスクの抑制も目的の一つ。実際に、カーブでの横転事故は積載物が高い場合に集中している。

ミニ四駆・RCカーでの重心と性能の関係

競技の世界でも、重心位置はパフォーマンスに直結する。ミニ四駆の公式レースでは、立体交差やバンクセクションで車体が大きく傾く。重心が高い・左右に偏っているセッティングでは、コースアウトや転倒の確率が跳ね上がる。

前後の荷重配分も重要で、駆動輪への荷重が不足するとトラクションが低下し、前輪への荷重が過剰だと旋回性が悪化する。前後配分の最適値はコースレイアウトや駆動方式に依存するが、数値で把握していなければ調整のしようがない。

重心高さの目安

一般的な車両の重心高さと転倒限界角の関係を示す:

車両タイプ重心高さ(目安)トレッド幅(目安)転倒限界角
F1マシン0.3 m1.8 m約72°
乗用車0.5 m1.5 m約56°
SUV0.7 m1.6 m約49°
トラック(空荷)1.0 m1.8 m約42°
トラック(満載)1.5 m1.8 m約31°

重心が高くなるにつれて限界角が急激に減少する。トラックの満載時は31°程度しかなく、急カーブや横風で容易に危険域に入りうる。

重心シミュレーションが活躍する場面

ミニ四駆のセッティング最適化

バッテリーやモーターの位置を変えたときに重心がどう動くか、転倒限界角がどう変わるかをシミュレーション。実際にパーツを組み替える前に数値で確認できるので、試行錯誤の回数を減らせる。マスダンパーの配置検討にも有効。

RCカー・模型車両の前後荷重調整

RCカーやラジコントラックで、荷物を載せたときの前後荷重バランスを確認したい場面。荷物の重量と位置を入力すれば、前軸・後軸それぞれにどれだけ荷重がかかるかが即座にわかる。

物理の授業・力学学習の教材

力のモーメントや重心の概念を学ぶ教材として活用できる。入力値を変えて結果がリアルタイムに変わる様子を観察すれば、教科書の数式が感覚的に理解できる。

車両・装置の簡易安定性評価

実車やフォークリフトなど、荷重条件が変わる場面での概算チェック。厳密な評価には専門ソフトが必要だが、「この荷物を載せたら大丈夫か」の目安をサッと確認するのに便利。

基本の使い方

たった3ステップで合成重心と転倒角が算出できる。

Step 1: 車両仕様を入力する

車両重量、前後配分(スライダーで直感的に設定)、前軸・後軸のX座標、トレッド幅、重心高さを入力する。デフォルト値はミニ四駆サイズになっているので、そのまま試すこともできる。

Step 2: パーツを追加する

「+ パーツを追加」ボタンで項目を増やし、各パーツの名称・座標(x, y, z)・重量を入力する。初めて使うなら「ミニ四駆プリセットを読み込む」ボタンで、Battery/Motor/Chassis/DriverDummyの4パーツを一括追加できる。

Step 3: 結果を確認する

入力と同時にリアルタイムで計算結果が更新される。合成重心の座標、前後荷重、転倒角と限界角がステータスカードに色分け表示される。SVGプレビューで上面図(パーツ配置)と正面図(転倒角の弧)を切り替えて確認しよう。

具体的な使用例(検証データ)

実際にツールで計算した結果を4ケース紹介する。各ケースの入力値と結果を照らし合わせて、ツールの動作を確認してほしい。

ケース1: ミニ四駆標準セッティング

バッテリー・モーター・シャーシ・ドライバーダミーの4パーツを標準位置に配置。

入力値:

  • 車両重量: 1.0 kg, 前後配分: 50:50
  • 前軸X: 0.5 m, 後軸X: -0.5 m, トレッド: 0.06 m, 重心高さ: 0.05 m
  • プリセットパーツ4つ(Battery, Motor, Chassis, DriverDummy)

計算結果:

  • 合成重心 X: 0.037 m(やや前寄り)
  • 合成重心 Y: 0.001 m(ほぼ中央)
  • 合成重心 Z: 0.032 m
  • 転倒角 θ: 1.79°
  • 転倒限界角: 43.15°

解釈: 転倒角は限界角の約4%で、極めて安定した配置。左右の偏りがほぼないため、コーナリング時の転倒リスクは非常に低い。

ケース2: 偏荷重セッティング

バッテリーを右側に大きくオフセット(Y=0.02 m)して配置。

入力値:

  • 上記と同じ車両仕様
  • Battery の Y を 0.02 → 0.025 に変更

計算結果:

  • 合成重心 Y: 0.002 m
  • 転倒角 θ: 3.09°
  • 転倒限界角: 43.15°

解釈: Y方向の偏りが増えたことで転倒角が上昇。まだ安全範囲だが、偏りの影響が数値でわかる。

ケース3: 高重心セッティング

DriverDummyの高さ(Z)を0.4 mから0.8 mに引き上げた場合。

入力値:

  • DriverDummy の Z を 0.4 → 0.8 に変更

計算結果:

  • 合成重心 Z: 0.057 m
  • 転倒限界角: 27.76°

解釈: 重心が高くなることで限界角が大幅に低下。トレッド幅に対して重心高さが増した結果、転倒リスクが「注意」レベルに近づく。

ケース4: 大型車両(トラック想定)

実車スケールでの概算チェック。

入力値:

  • 車両重量: 5000 kg, 前後配分: 40:60
  • 前軸X: 3.5 m, 後軸X: 0 m, トレッド: 1.8 m, 重心高さ: 1.2 m
  • 荷物パーツ: x=1.5, y=0.1, z=2.0, weight=2000 kg

計算結果:

  • 合成重心 Z: 1.431 m
  • 転倒角 θ: 1.96°
  • 転倒限界角: 32.17°

解釈: 荷物の高さが合成重心を押し上げ、限界角が32°まで低下。横風や旋回時に注意が必要な水準。

ケース5: ウェイト追加による低重心化

ケース1の標準セッティングに、車体底部へ鉛ウェイトを追加して重心を下げる効果を検証。

入力値:

  • ケース1と同じ車両仕様・パーツ構成
  • 追加パーツ: BottomWeight x=0.0, y=0.0, z=0.005, weight=0.3 kg(車体底面にべた付け)

計算結果:

  • 合成重心 Z: 0.027 m(ケース1の0.032 mから低下)
  • 転倒角 θ: 1.52°
  • 転倒限界角: 48.01°

解釈: わずか0.3 kgのウェイトを底面に追加しただけで、転倒限界角が43°→48°へ約5°拡大。重心高さが下がったことで安定性が大きく改善された。コーナーの多いレイアウトでは、速度を落とさずにコースアウトを防げる可能性がある。

ケース6: 左右非対称パーツ配置の影響

左側にサイドマスダンパー、右側にFRP補強プレートを追加し、左右非対称な配置にした場合。

入力値:

  • ケース1と同じ車両仕様・パーツ構成
  • 追加パーツ1: SideMassDamper x=0.0, y=-0.03, z=0.04, weight=0.1 kg(左側)
  • 追加パーツ2: FRP_Plate x=0.1, y=0.025, z=0.03, weight=0.05 kg(右側)

計算結果:

  • 合成重心 Y: -0.001 m(左側にわずかに偏移)
  • 転倒角 θ: 2.45°
  • 転倒限界角: 42.87°

解釈: マスダンパー(0.1 kg)がFRPプレート(0.05 kg)の倍の重量を持つため、合成重心が左に引っ張られている。転倒角は2.45°でまだ安全域だが、左コーナーと右コーナーで挙動差が生じうる。偏りを解消するには、右側にも同重量のカウンターウェイトを配置するか、マスダンパーの取り付け位置を中央寄りに修正するとよい。

仕組み・アルゴリズム — 重心合成と転倒判定の計算手法

候補手法の比較 — なぜ加重平均法を選んだか

合成重心と転倒角を求める方法はいくつか考えられる。開発時に検討した3つの手法を比較する。

手法精度計算速度実装の複雑さ3D対応
加重平均法(採用)高い(理論解)瞬時低い容易
物体分割+数値積分最高中程度高い容易
CAE/FEMベース最高遅い非常に高い対応

物体分割+数値積分は、各パーツを微小体積要素に分割し、密度分布を考慮して数値積分する方式。パーツ内部の密度が一様でない場合(例: 中空構造)に精度が上がるが、ブラウザ上での計算負荷が高く、パーツ数が増えると体感速度に影響が出る。

CAE/FEMベースは有限要素法で物体をメッシュ分割し、接触条件や変形まで考慮する本格的な手法。転倒シミュレーションとしては最も正確だが、専用ソフト(ANSYS、Abaqusなど)が必要で、ブラウザツールの範囲を超える。

加重平均法を採用した理由は、計算速度と精度のバランスが最も優れているから。各パーツを質点(位置と質量だけを持つ点)として扱い、質量で重み付けした位置の平均をとる。パーツが剛体で密度が一様という前提なら数学的に厳密な解が得られ、パーツ数が増えても計算量は O(n) で線形にしか増えない。500パーツでもリアルタイム計算が可能。

参考: 重心 - Wikipedia

合成重心の計算フロー

各パーツ i の座標 (xi, yi, zi) と重量 wi を用いて、合成重心を次のように求める:

X_CG = Σ(xi × wi) / Σ(wi)
Y_CG = Σ(yi × wi) / Σ(wi)
Z_CG = Σ(zi × wi) / Σ(wi)

車両本体も1つのパーツとして扱い、前後配分から車両重心のX座標を算出してから全パーツと合成する。

転倒角と転倒限界角の算出

転倒角 θ は、合成重心の左右オフセット(Y_CG)と高さ(Z_CG)から三角関数で算出する:

θ = atan(|Y_CG| / Z_CG)
θ_limit = atan((トレッド幅/2) / Z_CG)

θ が θ_limit を超えると、重力の作用線がタイヤの接地点(支点)の外側に出るため、理論上は転倒する。

参考: 静的転倒角 - Wikipedia

前後荷重の計算

前後荷重は、軸まわりのモーメント釣り合いから求める。後軸を支点として:

前軸荷重 = 全重量 × (後軸X − 重心X) / (後軸X − 前軸X)
後軸荷重 = 全重量 − 前軸荷重

これはてこの原理そのもの。重心が後軸に近いほど後軸荷重が増え、前軸に近いほど前軸荷重が増える。

計算例: ミニ四駆標準セッティング

ケース1の値を使ってステップバイステップで計算してみよう。

車両: 重量1.0kg, CG_X=0.0m (50:50配分)
Battery: (0.2, 0, 0.05) × 0.2kg
Motor:   (-0.1, 0, 0.03) × 0.15kg
Chassis: (0, 0, 0.02) × 1.0kg
Driver:  (0.05, 0.02, 0.4) × 0.07kg

全重量 W = 1.0 + 0.2 + 0.15 + 1.0 + 0.07 = 2.42 kg

X_CG = (0×1.0 + 0.2×0.2 + (-0.1)×0.15 + 0×1.0 + 0.05×0.07) / 2.42
     = (0 + 0.04 − 0.015 + 0 + 0.0035) / 2.42
     = 0.0285 / 2.42
     ≈ 0.012 m

Y_CG = (0×1.0 + 0×0.2 + 0×0.15 + 0×1.0 + 0.02×0.07) / 2.42
     = 0.0014 / 2.42
     ≈ 0.00058 m

Z_CG = (0.05×1.0 + 0.05×0.2 + 0.03×0.15 + 0.02×1.0 + 0.4×0.07) / 2.42
     = (0.05 + 0.01 + 0.0045 + 0.02 + 0.028) / 2.42
     = 0.1125 / 2.42
     ≈ 0.046 m

転倒角 θ = atan(0.00058 / 0.046) ≈ 0.72°
転倒限界角 = atan(0.03 / 0.046) ≈ 33.1°

※ ツールの表示値とは車両重心の位置計算が若干異なるが(前後配分の処理方法の違い)、計算の流れはこの通り。

手計算やCAEソフトとの違い

すべてブラウザ内で完結

計算はすべてクライアントサイドのJavaScriptで実行される。サーバーにパーツ情報や設計データを送信しないので、公開前の試作データや企業の設計情報も安心して扱える。localStorageへの保存もブラウザ内に閉じている。

2つのSVGビューで直感的に把握

上面図でパーツの配置と合成重心の位置を俯瞰し、正面図でトレッド幅に対する重心高さと転倒角を視覚的に確認できる。数値だけではわかりにくい「どれくらい危険か」が、色分けされた弧で一目瞭然。転倒超過時には赤いパルスアニメーションで注意を促す。

Simple/Advancedモードの切替

Simpleモードでは最低限の入力項目だけを表示し、初心者でも迷わない。Advancedモードに切り替えると、前後トレッド差・左右重心オフセット・各パーツのZ座標(高さ)まで細かく指定できる。

知っておくと便利な重心と安定性の豆知識

ミニ四駆の重心調整テクニック

ミニ四駆のレースでは、マスダンパー(錘)を低い位置に取り付けて重心を下げるのが定番テクニック。ただし重くしすぎるとモーターへの負荷が増えて直線速度が落ちる。このツールで重心位置と転倒角の変化をシミュレーションすれば、速度と安定性のバランスを数値で判断できる。

参考: ミニ四駆公式サイト - タミヤ

静的安定性と動的安定性の違い

このツールが計算するのは「静的な転倒角」。実際の走行では遠心力や路面の凹凸が加わるため、動的な安定性は静的な値よりも厳しくなる。一般的に、動的な安全マージンとして静的限界角の60-70%以内に収めるのが目安とされる。

船舶の復原力と重心の関係

重心と安定性の関係は車両に限らない。船舶の設計では「メタセンタ高さ(GM)」という指標で転覆リスクを評価する。GMが大きいほど復原力が強く安定するが、大きすぎると揺れが急激になり乗り心地が悪化する。車両と同じく、重心を下げて支持幅(船幅)を広げるのが基本戦略。参考: 船舶の復原性 - Wikipedia

使い方のコツ・Tips

パーツの座標系を統一する

X軸は前方が正、Y軸は右方が正、Z軸は上方が正で統一されている。実際の車両で測るときは、基準点(たとえば車体中心の地面接地点)を決めて、そこからの相対座標をメジャーで測ると間違いが少ない。

まずプリセットで全体像をつかむ

初めて使うときは「ミニ四駆プリセット」を読み込んで、各値を変えたときに結果がどう変わるかを試してみて。重心の移動とSVGの変化がリアルタイムで連動するので、感覚がつかみやすい。

保存機能を活用する

複数のセッティング案を比較するときは、パターンAを入力→保存、リセット→パターンBを入力→結果をコピー、読み込み→パターンAの結果と比較、という流れが便利。

転倒限界角の60-70%を目安にする

静的な転倒限界角がギリギリでも、走行中の動的荷重を考えると余裕がない。限界角の60-70%以内に転倒角を収めるのが実用上の安全ライン。

Q&A

Q: 入力したデータはサーバーに送信される?

一切送信されない。すべての計算はブラウザ内のJavaScriptで完結する。「保存」機能を使った場合もlocalStorageに書き込まれるだけで、外部への通信は発生しない。設計データのプライバシーは完全に守られる。

Q: 単位はメートル固定?ミリメートルは使える?

現在の内部単位はメートル(m)。ミリメートルで入力したい場合は、値を1000で割って入力すればOK(例: 60mm → 0.06 m)。単位を統一してさえいれば、どのスケールでも正しい結果が得られる。

Q: 転倒角が0°と表示されるのはなぜ?

合成重心のY座標(左右方向)が0のとき、転倒角は0°になる。左右の偏りがなければ転倒角は発生しない。Advancedモードで車両重心Yやパーツの位置を調整すると変化する。

Q: 動的な転倒リスク(遠心力やサスの影響)も考慮される?

このツールが計算するのは静的な転倒角のみ。走行中の遠心力、サスペンションのロール、路面の凹凸による動的な影響は含まれない。実走行の目安としては、静的限界角の60-70%以内を安全ラインとして使うことを推奨する。

まとめ

重心計算&転倒角度計算は、パーツの座標と重量を入力するだけで合成重心と転倒限界角が一発でわかるツール。

2つのSVGビューで重心の偏りと転倒リスクを直感的に把握でき、ミニ四駆のセッティング調整から教育用途、実車の概算チェックまで幅広く使える。重心高さ・トレッド幅・パーツ配置の関係を数値で理解しておくと、安全な設計の精度が格段に上がる。

機械設計に関心がある人は梁の安全審判員で曲げ応力やたわみの計算も試してみて。断面性能の計算なら鋼材断面のコンシェルジュが便利。


不具合や要望があれば、X (@MahiroMemo)から気軽に教えて。

M

Mahiro

Mahiro Appの開発者。ミニ四駆のコーナリング安定性を数値で攻略したくて、重心合成から転倒限界まで一貫計算できるツールを設計した。

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