ブロック塀・ブロック積みの材料計算(個数・鉄筋・モルタル・基礎)

塀の長さと段数から、ブロックの個数・セメントと砂・鉄筋・基礎コンクリートを拾い、建築基準法施行令62条の8 の7項目で判定する

塀の長さと段数から、ブロック・セメントと砂・鉄筋・基礎コンクリートの量を出し、建築基準法施行令62条の8 の7項目に当てはめて判定する。

よくある塀から選ぶ

塀の形

角で折れる塀は各辺を足した延べ長さ

1段 200mm(190+目地10)

ブロック厚 (mm)

L字なら1、コの字なら2

既存の塀・柱に取り付く端には控壁を数えない

鉄筋

縦筋の間隔 (mm)
縦筋の径
横筋(D10)は何段ごと
鉄筋の定尺

基礎とロス

根入れ+地上の立上り

地盤面から基礎の底

セメント・砂は所要量にロスが含まれるので重ねない

材料と法の判定

ブロック236 個
令62条の8 適合

塀の高さ(地盤から)

1.65 m

ブロック 1,600 + 立上り 50 mm

ロス前の個数

224 個

本体 200 + 控壁 24

控壁

3 か所

突出 330mm 以上 → 1個/段

セメント

297.5 kg

12 袋(25kg)

砂

0.538 m³

806 kg = 41 袋(20kg)

モルタル量の目安

0.595 m³

1:3 換算(セメント÷500kg/m³)

縦筋

D10 × 14 本

1本 2,096mm・定尺 7 本

横筋

D10 × 4 段

延べ 42.6 m・定尺 8 本・1段 2 本継ぎ

鉄筋の重量

40.3 kg

2.52 kg/m²

基礎コンクリート

1.235 m³

控壁の基礎を含む

壁面積

16.00 m²

12.5 個/m²

縦筋の下端

かぎ掛け

基礎に入る深さ 290mm

建築基準法施行令 第62条の8(補強コンクリートブロック造の塀)

  • 第1号高さ 2.2m 以下

    いま 1.65 m

    OK
  • 第2号壁の厚さ

    120mm(100mm 以上が必要)

    OK
  • 第3号壁頂・基礎の横筋、端部・隅角部の縦筋(径9mm以上)

    拾いに含む

    OK
  • 第4号縦横 80cm 以下の間隔で配筋

    縦 800mm・横 600mm・拾いに含む

    OK
  • 第5号3.4m 以下ごとに控壁(高さの1/5以上突出)

    3か所・突出 330mm 以上(拾いに含む)

    OK
  • 第6号鉄筋の末端はかぎ掛け(縦筋は40d定着で省略可)

    基礎の横筋にかぎ掛け・拾いに含む

    OK
  • 第7号基礎の丈 35cm 以上・根入れ 30cm 以上

    丈 350mm・根入れ 300mm

    OK

高さ1.2m以下の塀には第5号・第7号を適用しない(同条柱書き)

1.2m2.2m地盤面▲ 控壁の位置1,650mm

鉄筋1.2m・2.2m の基準線既存の塀・柱縦と横の縮尺は別。角の縦筋は省略

法文は控壁の間隔(3.4m以下ごと)だけを定めている。このツールは支えのない自由端にも控壁を1か所ずつ数えている(端は倒れやすいため)

セメント・砂は積算基準の所要量(縦横 D10@400 で空洞を充填する前提)から出している。配筋をこれより粗くすると充填する空洞が減るので、実際の量はこれより少し少なくなる

ブロックを土留め(片側に土がかかる)に使う場合は令62条の8 の対象外で、擁壁として土圧を別途検討する(土圧計算ツール)。セメント・砂は公共建築工事標準単価積算基準のブロック帳壁(ブロック積みの壁)1m²当たり所要量からの按分で、控壁の鉄筋は含まない。

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📘 ブロック積みの道具と外構の実務書

関連ツール

ブロック積みの計算は、個数を出したところで手が止まる

庭と隣家のあいだに目隠しを作ろうと、ホームセンターのブロック売り場でメモを読み返す。塀の長さは10m、1段に25個、8段積めば200個。ここまではスマホの電卓で済む。手が止まるのは隣の棚、25kgのセメント袋と20kgの砂袋の前だ。カートに何袋積めばいいのか、手元の数字からは出てこない。

積み始める前にもう一つ問いが出てくる。地面から1.6mを超える塀に控壁は要るのか。基礎はどこまで掘るのか。鉄筋は何本で、どこで曲げるのか。

ブロックの数は割り算で出る。でも、モルタルの量と、その塀が建築基準法施行令62条の8 を満たすかどうかは割り算では出ない。

このツールは、塀の長さ・段数・ブロック厚を入れると、ブロックの個数(控壁の分を含む)・縦筋と横筋の本数と重量・セメントと砂の袋数・基礎コンクリートの量を拾う。同時に令62条の8 の第1〜7号に当てはめて判定する。買い物リストと法の確認を、同じ入力から1回で出すための道具だ。

ブロック積みのモルタル量を、出典のある数字で出したかった

きっかけは検索だった。「ブロック積み モルタル量 計算」で調べると、出てくるのはセメントと砂を1:3や1:2.5で混ぜたときの材料を出す配合計算ばかり。「ブロックを何個積むと、モルタルが何m³要るか」に答えるものが見当たらなかった。配合の計算は、モルタルの体積が分かっている人のための道具だ。知りたいのはその体積のほうだった。

目安ならネットにいくらでもある。「ブロック1個あたりモルタル◯L」「100個で砂◯袋」。ただ、数字が記事ごとにばらばらで、どれも出典が書かれていない。目地だけの量なのか、鉄筋を通す空洞の充填まで含むのか、ロス込みなのかも分からない。

調べていくと、国土交通省官庁営繕部の『公共建築工事標準単価積算基準』に、コンクリートブロック積み1m²あたりのセメントと砂の所要量が厚さ別に載っていた。国の建物の積算に使う公表値で、目地と充填の合計、しかもロス込みだ。根拠としてこれ以上のものはないのに、この数字を使って個数から量を出す道具は無かった。

もう一つは法の側だ。2018年の大阪府北部地震でブロック塀が倒れ、登校中の子どもが亡くなった。それ以来、ブロック塀は高さ・控壁・基礎・鉄筋を点検される対象になった。ところが、材料の拾い方は積算や施工の資料に、基準は法令と点検のチェックリストにと、別々の資料に分かれている。拾った材料で組む塀が基準を満たすかは、別の資料ともう一度突き合わせないと分からない。

だから、拾いと判定を同じ入力から出すことにした。控壁が要ると判定されれば、その控壁のブロックが個数に入る。基礎の丈を変えれば、第7号の判定と縦筋の長さが一緒に変わる。片方だけ直して食い違う、という事故が起きない作りにしてある。

ブロック塀の基礎知識(個数・モルタル量・鉄筋)

ブロック 個数 計算は「400×200の格子」で考える

空洞ブロックの基本形は、JIS A 5406 で長さ390mm・高さ190mmと決まっている。半端に見えるが、目地の10mmを足すと400×200のきれいな格子になる。ブロック塀は、この格子を横に並べて縦に重ねたものだ。

1段の個数 = 塀の長さ[mm] ÷ 400(端数は切り上げ)
1段の高さ = 190 + 目地 10 = 200 mm
1m² の個数 = 1 ÷ (0.4 × 0.2) = 12.5 個

積算基準の表には「1m²あたり13個」と書いてある。これは正味の12.5個に、割れや切り物のロス約4%を見込んだ所要量だ。積んだ面に実際に並ぶのは12.5個になる。

ブロック積み モルタル量は「目地」と「空洞の充填」の合計

ブロック積みのモルタルには2つの仕事がある。1つは横目地・縦目地でブロック同士を貼り合わせること。もう1つは、鉄筋を通した空洞に詰めて、鉄筋とブロックを一体にすることだ。厚いブロックほど空洞が大きく、充填の分だけモルタルが増える。積算基準の表A1-8-1(空洞ブロックC(16)、縦横 D10@400 の配筋)では、厚さで次のように変わる。

ブロック厚セメント(1m²あたり)砂(1m²あたり)セメント(正味100個あたり)砂(正味100個あたり)
100mm13.1 kg0.03 m³104.8 kg0.240 m³
120mm16.6 kg0.03 m³132.8 kg0.240 m³
150mm24.2 kg0.05 m³193.6 kg0.400 m³
190mm35.3 kg0.07 m³282.4 kg0.560 m³

190厚は100厚の2.7倍近いセメントを食う。正味100個は12.5個/m²で割ると8m²分なので、右の2列は1m²あたりの値の8倍になる。式にすると次のとおり。

換算面積[m²] = 正味のブロック数 ÷ 12.5
セメント[kg] = 換算面積 × 1m²あたりのセメント(厚さ別)
砂[m³]       = 換算面積 × 1m²あたりの砂(厚さ別)
砂[kg]       = 砂[m³] × 1,500(かさ密度)

所要量はもともとロス込みなので、ここにさらにロス率を掛けることはしない。

1:3のモルタル1m³に、セメントが約500kg要る理由

セメント1に砂3を体積で混ぜるなら、セメントは全体の4分の1。かさ密度1,500kg/m³で掛ければ、1m³あたり375kgになりそうに思える。ところが積算基準の左官の項目では、1:3モルタルを厚さ15mmで塗るのにセメントが1m²あたり7.5kg要る。1m³に直すと500kgだ。

かさ体積の足し算: 1 m³ × 1/4 × 1,500 kg/m³ = 375 kg
積算基準(1:3・厚さ15mm): 7.5 kg/m² ÷ 0.015 m = 500 kg/m³
モルタル量の目安[m³] = セメント[kg] ÷ 500

差が出るのは、練り上がりの体積が材料の体積の足し算にならないからだ。砂利を満杯に詰めたバケツに砂を注いでも、しばらくはあふれない。砂が砂利のすき間に入っていくからだ。モルタルでも同じことが起きる。砂粒のすき間にセメントと水のペーストが入り込み、練り上がりは材料の合計より小さくなる。かさ体積で比例配分すると、セメントを25%少なく見積もってしまう。

ブロック塀 鉄筋は背骨、ブロックは肉

補強コンクリートブロック造の塀は、鉄筋という背骨にブロックという肉を付けたものだと考えると分かりやすい。ブロックを目地で貼り合わせただけの壁は、横から押されると目地で折れる。縦に通した鉄筋がその曲げを受け止め、横筋が縦筋どうしをつなぐ。

縦筋は基礎から壁頂まで1本で通し、上端を壁頂の横筋に、下端を基礎の横筋に、かぎ状に曲げて引っ掛ける(かぎ掛け)。横筋は両端を縦筋にかぎ掛けする。縦筋を基礎に径の40倍(40d)以上埋め込めば、下端のかぎ掛けは省ける。

縦筋の本数 = 塀の長さ ÷ 縦筋の間隔(切り上げ)+ 1 + 角の数
横筋の段数 = 段数 ÷ 何段ごとに入れるか(切り上げ)+ 1(基礎の横筋)
40d       = D10 なら 400 mm、D13 なら 520 mm
縦筋が基礎に入れる深さ = 基礎の丈 − かぶり 60 mm

条文は建築基準法施行令(e-Gov法令検索)の第62条の8、所要量は公共建築工事標準単価積算基準(国土交通省)の表A1-8-1で確かめられる。

ブロック塀の高さ制限と控壁 ― 令62条の8 が求める7つのこと

補強コンクリートブロック造の塀は、施行令62条の8 の7つの号を満たす必要がある。ただし高さ1.2m以下の塀には第5号と第7号が適用されない。

号内容高さ1.2m以下
第1号高さ2.2m以下適用
第2号壁の厚さ15cm以上(高さ2m以下なら10cm以上)適用
第3号壁頂と基礎に横筋、端部と隅角部に縦筋(径9mm以上)適用
第4号壁内に径9mm以上の鉄筋を縦横80cm以下の間隔で適用
第5号長さ3.4m以下ごとに控壁。基礎の部分で壁面から高さの1/5以上突出除外
第6号鉄筋の末端はかぎ掛け(縦筋を基礎に40d以上定着すれば下端は省略可)適用
第7号基礎の丈35cm以上、根入れ30cm以上除外

この基準が現実の重みを持ったのが、2018年6月の大阪府北部地震だ。小学校のプール脇のブロック塀が倒れ、登校中の児童が亡くなった。倒れた塀は高さが2.2mを超え、控壁もなかったと報じられている。国土交通省はすぐにブロック塀等の点検のチェックポイントを公表し、所有者に高さ・厚さ・控壁・基礎・鉄筋の確認を呼びかけた。

実務で見落としやすいのは、高さを地盤面から測ることだ。ブロック部分だけでなく、基礎の地上に出た立上りも高さに入る。6段積みのブロックは1,200mm。基礎の天端が地面と同じなら塀の高さは1.20mで、第5号と第7号は対象外になる。天端が地面から1cm出ているだけで高さは1.21mになり、控壁(突出242mm以上)と、丈35cm・根入れ30cmの基礎が求められる。丈が310mmなら第7号は満たせない。1cmの差で材料がどれだけ変わるかは、下の使用例で並べる。

2mの線も同じように効く。2mを超えると厚さ15cmが要るので、120厚から150厚へ替わる。基礎知識の節の表のとおり、1m²あたりのセメントは16.6kgから24.2kgへ跳ね上がる。

そして塀は所有者の持ち物だ。倒れて通行人を傷つければ、民法717条の土地の工作物責任を問われうる。占有者が必要な注意を尽くしていた場合、所有者は過失がなくても責任を負う。基準を満たしているかは、見積もりの段階で確かめておくべきことだ。

ブロック塀の材料計算が出番になる4つの場面

花壇の立ち上がりを自分で積む。 コの字に3段ほど積むなら、ブロックは数十個、セメントは袋で数えられる量だ。高さ1.2m以下なので控壁も深い基礎も要らないが、鉄筋の本数とセメント・砂の袋数は出しておきたい。プリセット「花壇の立ち上がり」から長さを直すだけで、買い物の量が出る。

隣地との目隠し塀を見積もる。 業者から届いた見積もりのブロック数や基礎の量が妥当か、自分で拾い直して比べる。控壁の数が見積もりに入っているかは、とくに見落とされやすい。逆に施工する側なら、材料表を TSV でコピーして見積書の下書きにできる。

古い塀を建て替える前に、基準を満たす断面を確かめる。 今の塀の段数・厚さ・基礎の寸法を入れれば、第何号を満たしていないかが判定リストに出る。同じ長さで建て直すなら、段数を1段減らすか、厚さを上げるか。条件を変えながら、基準を満たす断面とその材料を比べられる。

外構業者が施主に「控壁が要る理由」を説明する。 施主からすれば、控壁は庭を狭くするだけの出っ張りに見える。立面図には地盤線・基礎・目地・縦筋と横筋・控壁の位置・高さの寸法が描かれ、1.2mと2.2mの補助線も引かれる。どの線を越えたから控壁が要るのかを、図で示せる。

基本の使い方(3ステップ)

1. 塀の形を入れる。 塀の長さ(角で折れる塀は各辺を足した延べ長さ)、段数、ブロック厚(100・120・150・190mm)を入れる。角の数はL字なら1、コの字なら2。両端は「両端とも自由端」「片側が既存の塀・柱」「両側が既存の塀・柱」から選ぶ。既存の塀や柱に取り付く端には控壁を数えない。

2. 鉄筋と基礎を入れる。 縦筋の間隔(400・600・800mm)と径(D10・D13)、横筋を何段ごとに入れるか(2・3・4段ごと)、鉄筋の定尺(4.0・5.5・6.0m)を選ぶ。基礎は幅・丈・根入れ深さを mm で入れる。丈は「根入れ+地上の立上り」なので、丈から根入れを引いた分が塀の高さに足される。最後にブロックと基礎のロス率を入れる。

3. 材料と判定を見る。 先頭にブロックの個数と、令62条の8 に適合しているか(適合しないなら何項目か)が出る。その下に塀の高さ・控壁・セメント・砂・モルタル量の目安・縦筋・横筋・鉄筋の重量・基礎コンクリート・壁面積が並び、第1〜7号の判定リストが OK / NG / 対象外で続く。「材料表をコピー」を押せば、項目・数量・単位の表が TSV でクリップボードに入り、表計算ソフトにそのまま貼れる。

まずはプリセットの「花壇の立ち上がり」「目隠し塀」「境界塀(上限近く)」から近いものを選び、長さと段数だけ直すのが早い。

使用例:8つの塀で材料と判定を確かめる

8つのケースを、入力 → 結果 → 解釈の順で並べる。特に書かない限り、縦筋は D10、定尺5.5m、ロス率5%だ。

ケース1:目隠し塀 10m・8段・120厚(初期値)

入力: 長さ10m・8段・120厚、縦筋@800、横筋3段ごと、角0、片側が既存の塀、基礎 幅300・丈350・根入れ300mm

結果: 高さ1.65m(ブロック1,600+立上り50mm)。控壁3か所(突出330mm以上なので1段1個=400mm)。ブロック236個(本体200+控壁24=正味224)。セメント297.5kg=12袋、砂0.538m³(806kg=20kg袋で41袋)、モルタル量の目安0.595m³。縦筋14本(1本2,096mm・下端はかぎ掛け)、横筋4段(延べ42.6m)、鉄筋40.3kg。基礎コンクリート1.235m³。第1〜7号はすべてOK。

解釈: 本体の200個だけ買うと、控壁の24個、つまり正味の1割ほどが足りなくなる。控壁が3か所になる理由は、仕組みの節で数え方と一緒に説明する。

ケース2:花壇の立ち上がり コの字5.4m・3段・100厚

入力: 延べ5.4m・3段・100厚、縦筋@800、横筋3段ごと、角2、両端とも自由端、基礎 幅200・丈200・根入れ150mm、定尺4.0m

結果: 高さ0.65m、控壁は不要。ブロック45個(正味42)。セメント44.0kg=2袋、砂0.101m³(151kg=8袋)。縦筋10本(角の2本を含む)、鉄筋12.1kg。基礎0.227m³。第5号・第7号は対象外で、ほかはOK。

解釈: セメント2袋と砂8袋なら、乗用車で運べる量に収まる。角の縦筋2本は、第3号の「隅角部の縦筋」にあたる。

ケース3:境界塀 12m・10段・150厚・D13@400

入力: 12m・10段・150厚、縦筋 D13@400、横筋2段ごと、角1、両端とも自由端、基礎 幅450・丈400・根入れ300mm

結果: 高さ2.10m。控壁5か所(突出420mm以上なので1段2個=800mm)。ブロック420個(本体300+控壁100=正味400)。セメント774.4kg=31袋、砂1.600m³(2,400kg=120袋)。縦筋 D13×32本(1本2,607mm)、横筋6段(1段3本継ぎ・延べ78.6m)、鉄筋127.1kg(5.29kg/m²)。基礎3.024m³。第2号は150mm以上が要り、150厚なのでOK。

解釈: 高さが2mを超えると突出の要求が400mmを超え、控壁が1段2個になる。控壁だけで本体の3分の1にあたる100個になる。砂は2,400kg、2.4トンだ。

ケース4:ブロック100個のセメントと砂

入力: 8m・5段・100厚、両端が既存の塀、ロス率0%(正味がちょうど100個になる条件)

結果: ブロック100個。セメント104.8kg=5袋、砂0.240m³(360kg=18袋)、モルタル量の目安0.210m³。高さ1.05mなので控壁は不要。

解釈: 「ブロック100個で砂はどれくらい」の答えは、100厚なら0.24m³だ。ほかの厚さは基礎知識の節の表にまとめてある。

ケース5:高さ超過 6m・11段・150厚

入力: 6m・11段・150厚、縦筋 D13@400、横筋2段ごと、両端とも自由端、基礎 幅450・丈400・根入れ300mm

結果: 高さ2.30m(ブロック2,200+立上り100mm)で、第1号がNG(不適合1項目)。材料は参考として出る。ブロック243個、控壁3か所(突出460mm以上なので1段2個)、セメント447.2kg=18袋。

解釈: 11段積むと、ブロックだけで2.2mの上限に達する。1段減らせば2.10mで第1号を満たす。

ケース6:厚さ不足 6m・10段・120厚

入力: 6m・10段・120厚、縦筋@400、横筋2段ごと、両端とも自由端、基礎 幅450・丈400・根入れ300mm

結果: 高さ2.10mで、第2号がNG(150mm以上が要る)。ブロック221個、セメント278.9kg=12袋、砂0.504m³(38袋)。

解釈: 同じ条件で150厚に替えると、判定はすべてOKになる。ブロックは221個のままだが、セメントは406.6kg=17袋、砂は0.840m³(63袋)に増える。厚さを1段上げるだけで、セメントは1.5倍近くになる。

ケース7:基礎不足 6m・8段・丈300・根入れ250

入力: 6m・8段・120厚、縦筋@800、横筋3段ごと、両端とも自由端、基礎 幅300・丈300・根入れ250mm

結果: 高さ1.65mで、第7号がNG(丈・根入れとも不足)。ブロック152個、控壁3か所、基礎0.680m³。

解釈: 丈350・根入れ300に変えても、立上りは50mmのままなので高さは1.65mで変わらない。それで第7号はOKになり、基礎は0.794m³に増える。追加の掘削は深さ50mm分だ。

ケース8:1.2mの境界 6m・6段・120厚

入力: 6m・6段・120厚、縦筋@800、横筋3段ごと、両端とも自由端、基礎幅300・根入れ300mm。丈だけ300と310で比べる。

丈300(立上り0)丈310(立上り10mm)
高さ1.20m1.21m
控壁不要3か所(突出242mm以上・1段1個)
ブロック95個114個
セメント119.5kg(5袋)143.4kg(6袋)
砂0.216m³0.259m³
基礎0.567m³0.703m³
第5号対象外OK(控壁を拾う)
第7号対象外NG(丈310<350)

解釈: 基礎の天端が1cm出ただけで、控壁の18個が加わり、第7号もNGになる。丈を310mmにするなら、根入れも310mmにして天端を地面に揃えればいい。それで高さは1.20mに戻り、控壁は0か所、ブロックは95個、判定はすべてOKになる。

計算の仕組み ― 積算基準の所要量をブロック数で按分する

モルタル量の出し方、3つの候補

セメントと砂の出し方には3つの候補があった。

(a) 目地と空洞の体積をブロックの形から幾何で出す。 JIS A 5406 は空洞の形を規定しておらず、メーカーごとに違う。空洞充填の体積を一次資料で裏付けられないので採らなかった。

(b) モルタルの体積を見積もり、配合からセメントと砂に直す。 体積比×かさ密度だけで直すと、基礎知識の節で見たとおり1:3モルタルのセメントが積算基準より25%少なく出る。かさ減りを補正すれば配合計算としては正しくなる(コンクリート配合・必要量計算はこの補正を入れている)が、そもそも目地と空洞に入るモルタルの体積を一次資料で裏付けられないので、(a) と同じところで行き詰まる。

(c) 積算基準のブロック積み1m²あたり所要量をそのまま使う。 これを採った。官庁営繕の積算に使われる公表値で、目地と充填の合計・ロス込みの値が厚さ別に揃っている。外壁用の表A1-8-2(縦筋 D13@400)もセメントと砂は内壁用と同じ値なので、縦筋の径を変えても量は変えていない。

代わりに、モルタルの配合を切り替える機能は付けていない。配合別の所要量が公表されていないからだ。もう一つの前提は、積算基準の値が縦横 D10@400 の配筋を前提にしていること。縦筋を600・800mm間隔にすると充填する空洞が減るので、実際のモルタルはこのツールの値より少し少なくなる。外れるとしても、材料が足りない側には外れない。

計算フロー

// 1. 入力ガード(範囲外・根入れ>丈・基礎幅<ブロック厚 は理由つきで止める)
// 2. 高さ(地盤面から。整数 mm で比較する)
H = 段数 × 200 + (丈 − 根入れ)
// 3. 控壁(H > 1200 のときだけ)
控壁のか所数   = max(0, ceil(長さ / 3400) − 1) + 自由端の数
1段の控壁個数 = ceil((H / 5) / 400)       // 控壁は塀と同じ段数まで積む
// 4. ブロック
正味     = ceil(長さ / 400) × 段数 + 控壁のか所数 × 1段の控壁個数 × 段数
ロス込み = ceil(正味 × (1 + ロス率))
// 5. セメント・砂(基礎知識の節の按分式。ロスは重ねない)
// 6. 鉄筋(フック = 2πd + 4d ≒ 10.28d の180°フック)
縦筋の下端 = (丈 − 60) ≧ 40d ? 40d の直線定着 : (丈 − 60) + フック
縦筋1本   = 下端 + 段数 × 200 + フック   // 上端は壁頂の横筋にかぎ掛け
横筋1段   = 長さ + 2 × フック            // 定尺を超えたら 45d 重ねて継ぐ
重量      = 縦筋の延長 × (D10: 0.560 / D13: 0.995 kg/m) + 横筋の延長 × 0.560
// 7. 基礎 = (長さ + 控壁のか所数 × 控壁の突出) × 幅 × 丈 × (1 + ロス率)
// 8. 判定 第1〜7号(H ≦ 1200 なら第5号・第7号は対象外)

継手の重ね45dと定着40dは、積算基準のブロック工事の注にある値だ。

控壁を、支えのない端にも数える理由

第5号は「長さ3.4m以下ごとに」控壁を置けと書いているだけで、塀の端をどう扱うかは書いていない。国交省の点検チェックポイントも同じだ。読み方は2つある。中間の控壁で区間を3.4m以下に割れば足りるという読みと、端にも置くという読みだ。

このツールは後者で数える。既存の塀や柱に取り付いていない自由端は、横からの支えがなく、塀の中で一番倒れやすい場所だからだ。ケース1の10m・片側既存なら、ceil(10000/3400) − 1 = 2か所が中間、残る自由端に1か所で、計3か所になる。両側が既存の塀・柱で長さ3.4m以下なら、高さが1.2mを超えていても0か所になる。

縦筋の下端は、40dの直線定着かかぎ掛けか

縦筋を基礎に入れられる深さは、丈から基礎のかぶり60mm(令79条)を引いた分だ。これが40d以上あれば、第6号ただし書きにより下端のかぎ掛けを省ける。D10なら400mmなので丈460mm以上、D13なら520mmなので丈580mm以上が要る。

丈500mm・D10の塀では、使える深さが440mmで400mmに届く。そのため下端は400mmの直線定着になり、縦筋1本は 400 + 1,600 + 102.8 = 2,102.8mm だ(上端のフック102.8mmを含む)。丈350mmのケース1は深さが290mmしかない。下端は 290mm + フック102.8mm のかぎ掛けになり、1本は2,095.7mmになる。長さはほぼ同じだが、かぎ掛けがあると基礎の横筋に引っ掛ける手間が増える。

独立検算:鉄筋の kg/m² を積算基準と突き合わせる

本数・定着・フック・継手から積み上げた鉄筋の拾いが妥当かどうか、積算基準の値と比べた。条件は、積算基準と同じ縦横 D10@400 にした10m・8段・100厚・両端既存の塀だ(横筋2段ごと)。鉄筋は60.3kgで、壁面積16.00m²で割ると3.77kg/m²。積算基準の表A1-8-1にある D10 3.7kg/m² と約2%の差で一致した。

なお、ケース1のように縦筋を800mm間隔に粗くすると、同じ計算でも2.52kg/m²まで下がる。積算基準の3.7kg/m²は@400の配筋だけに当てはまる値なので、配筋が違う塀にそのまま掛けないほうがいい。

ブロック積み 計算ツールの違い — 米国の計算機・配合計算との役割分担

「なぜ作ったのか」の節で触れたとおり、ブロックの個数からセメントと砂を出す日本語の道具は見当たらなかった。ここでは、近いことをする道具とどこが違うのか、事実だけ並べておく。

英語圏には block wall calculator の類がいくつもある。ただし前提は米国のコンクリートブロック(CMU)で、呼び寸法は 8×8×16インチ、およそ 203×203×406mm だ。日本の基本形ブロックがつくる 400×200 の格子とは段の高さも長さも合わないので、段数を入れた時点で個数がずれる。鉄筋の径も高さの上限も米国の基準の話で、令62条の8 の判定はどこにも無い。

日本語で「モルタル 計算」と探すと出てくるのは、打設する体積と配合比からセメント・砂を出す配合計算だ。こちらは体積を自分で用意する必要があり、ブロックの目地と空洞にどれだけ入るかは教えてくれない。セメント量の出し方そのものの違いは、上の「仕組み」の節で比べたとおりだ。

このサイトの関連ツールとは、次のように分担している。

  • コンクリート配合・必要量計算 — 土間や基礎のように縦・横・厚さで体積が決まるものを、配合からセメント・砂・砂利に直す。ブロックの個数は数えないので、このツールが出す基礎の体積をそちらに入れて、生コンを頼むか自分で練るかを決める使い方になる
  • 鉄筋量計算ツール — 柱・梁・スラブ・壁といった RC 部材の主筋・あばら筋の重量と鉄筋比率を出す。このツールが拾うのは令62条の8 が求める縦筋・横筋と基礎の横筋1本までなので、基礎に複数の主筋やあばら筋を入れる設計ならそちらで拾う
  • レンガ必要数計算 — 花壇囲いや敷きレンガの個数・モルタル・砂・砕石。210×100×60mm のような焼成レンガの寸法で数える
  • ウッドフェンス材料計算 — 柱・板・ビスと柱の根元のモルタル・基礎ブロック。低いブロックの上に木の目隠しを立てるなら、上はそちら、下の積みはこちらで拾う
  • 砂利・土・資材必要量計算 — 面積×厚み×比重で砂利・砕石・真砂土の量を出す。このツールは基礎の下に敷く砕石や塀の際の砂利を拾わないので、その量はそちらで出す
  • 土圧・擁壁安定計算ツール — 片側に土がかかる土留めの壁は、令62条の8 の塀ではなく擁壁として、土圧に対する転倒・滑動・支持力を確かめる

ブロック塀の豆知識 — 2.2mの由来、C(16)の数字、「控壁」と「控え壁」

「2.2m」は、1981年に3mから下げられた数字

ブロック塀の高さの上限は、最初から 2.2m だったわけではない。1978年の 宮城県沖地震 では、死者28人のうち18人が倒れた塀の下敷きになった。これを受けて1981年(昭和56年)に、塀の高さの上限が 3m から 2.2m に引き下げられている(ブロック塀 - Wikipedia)。同じ年は建物の「新耐震」の年としても知られる。古い住宅地で、2.2m を超える塀が今も立っていることがあるのは、建てた時点では上限が違っていたからだ。

C(16) の「16」は、穴を除いた断面で測った強さ

コンクリートブロックは1952年には JIS 化されている。戦後の復興期に、燃えにくく簡単に積める材料として米国から製造機が入り、規格が乱立する前に統一する必要があったためだ(コンクリートブロック - Wikipedia)。

現行の JIS A 5406 は、空洞ブロックを圧縮強さで A(08)・B(12)・C(16)・D(20) の4つに分けている。括弧の数字は、空洞を除いた正味の断面積で割った圧縮強さ(N/mm²)で、穴まで含めた全断面積で割ると、その半分の 4・6・8・10 以上という規定になる。官庁営繕の積算基準のブロック積みの表に「空洞ブロック C(16)」と書かれているのは、この区分のことだ。ホームセンターの棚で「C種」と書かれた札を見かけたら、同じものを指している。

製品寸法は「呼び」から目地を引いて決める

400×200 の格子の話は基礎知識の節のとおりで、JIS の書き方もこの順番になっている。規格が決めているのは長さ・高さの「モデュール呼び寸法」で、製品の寸法は呼び寸法から標準目地幅を引いたものと定義されている。送り状の寸法表示が「390(10)×190(10)×150(120)」のように括弧付きなのはそのためで、長さと高さの括弧は目地幅、厚さの括弧は正味厚さを表す。表面に模様を付けた化粧ブロックでは、見た目の厚さ(実厚さ)が正味厚さより厚くなる。

法令は「控壁」、国交省のチェックリストは「控え壁」

建築基準法施行令の条文では、送り仮名の無い「控壁」と書く。一方、国交省のブロック塀等の点検のチェックポイントは「控え壁」だ。法令は送り仮名を省く慣習があり、一般向けの資料は読みやすさを優先するので、どちらも誤りではない。検索ではどちらの表記でも引けるようにしておくとよい。

条文を読み比べると、もう一つ違いがある。鉄筋の入らない組積造を扱う令61条は「組積造のへい」とひらがなで書き、補強コンクリートブロック造の令62条の8 は「塀」と漢字で書く。規定の中身も別物で、令61条のほうは高さ1.2m以下、控壁は長さ4m以下ごと、根入れは20cm以上だ。国交省のチェックポイントも、鉄筋の入っていないブロック塀はこちらの組積造の側で点検するよう分けている。見た目が同じブロック塀でも、中に鉄筋があるかどうかで当てはまる条文が変わる。

D10 の「10」は、実は 9.53mm

令62条の8 が求める鉄筋は「径9mm以上」だ。よく使う異形鉄筋 D10 の公称直径は 9.53mm で、この条件を満たす。9.53 という半端な値は、3/8インチ(25.4×3/8 = 9.525mm)とちょうど一致する。D13 の 12.7mm も 1/2インチだ。呼び名はきりのいいミリの数字になっているが、寸法はインチの刻みと同じになっている。

ブロックを積む前のTips — 水糸・積む高さ・セメントの買い方

  • 1段目に一番時間をかける。 基礎の上に水糸を張り、最初の段の高さと通りを水平器で1個ずつ合わせる。目地の厚みで直せるのはせいぜい数mmで、1段目の傾きは段を重ねるほど大きくなって上に出る。2段目からは、両端のブロックを先に据えて水糸を上げていけば、間はその糸に合わせるだけで済む
  • 縦筋は基礎を打つ前に位置を決める。 縦筋は基礎に埋め込むので、あとから動かせない。ブロックの穴の位置は目地込みの寸法で決まっているから、基礎の型枠に縦筋の割り付けを書き込んでおくと、積み始めてから「穴に通らない」で困らない。角や端の縦筋も忘れずに
  • 一日で積み切らない。 下の段の目地が固まる前に上を重ねると、重みで目地がつぶれ、塀がはらんだり傾いたりする。高い塀ほど日を分けて、ある程度固まってから次を積む
  • セメントは使う日の分ずつ買う。 セメントは空気中の湿気でも固まり始めるので、封を切った袋や雨の日に置いた袋はだまになる。ツールの袋数は塀1枚分の合計なので、何日かに分けて積むなら日ごとの分だけ買い足すほうがむだが出にくい
  • 砂の袋数が数十を超えたら、バラ売りの見積もりも取る。 砂の袋数は20kg袋で数えている。量が多いと袋を運ぶ手間も大きいので、建材店の m³ 単位の配達と比べてみるとよい。結果の砂の m³ をそのまま伝えれば話が早い

ブロック塀の材料計算でよくある質問

セメントと砂の量はどこから来ている? 縦筋を粗くしても同じ量が出るのはなぜ?

値の出どころと配合計算を使わない理由、縦筋を粗くすると実際の量が少し減ることは、上の「仕組み」の節で説明したとおりだ。外れるとしても多めの側なので、買い物の量としてはそのまま使ってよい。ロス率の入力が効くのはブロックの個数と基礎の体積だけで、セメントと砂には掛けていない。積む途中で練り損じが心配なら、袋数の表示に1袋足して買っておくくらいで十分だ。

練り済みのインスタントモルタルを買う場合は、何袋あればいい?

結果の「モルタル量の目安」(m³)を使う。これはセメント量を 1:3 のモルタルに換算した体積だ。インスタントモルタルの袋には、1袋で練り上がる量(L)が書いてあることが多いので、目安の m³ を L に直して(1m³ = 1,000L)その量で割れば袋数になる。ただし、インスタントモルタルは製品ごとに配合と用途(ブロック積み用・左官用など)が分かれているので、ブロック積みに使えるかを袋の表示で確かめてから選んでほしい。

控壁を、塀の両端にも数えているのはなぜ?

理由は上の「仕組み」の節で書いたとおりで、法文が端の扱いを書いていないため、倒れやすい自由端にも置く側で数えている。実用上のポイントは、端が既存の塀や柱に取り付くなら「両端」の選択でそれを選ぶことだ。たとえば両端とも既存の塀に取り付く長さ6m・高さ2.0mの塀なら控壁は1か所で済み、両端とも自由端の長さ20m・高さ1.3mの塀なら7か所になる。数え方に迷う計画なら、確認申請の窓口になる役所の解釈も聞いておくと確実だ。

塀の高さは、ブロックの段数だけで決まるの?

決まらない。上の令62条の8 の節で触れたとおり、高さは地盤面から測るので基礎の立上りも入る。このツールは立上りを「基礎の丈 − 根入れ」で出し、段数×200mm に足している。同じ10段でも、立上りが0なら高さ2.0mで、厚さは10cm以上あればよい。立上りが200mmあると高さは2.2mちょうどになり、2mを超えるので厚さは15cm以上が要る。立上りは丈と根入れの差で決まるので、根入れは仕上がった地面の高さから測った値を入れてほしい。

横筋の本数が「塀の長さ ÷ 定尺」より多いのはなぜ?

長い塀では、1段の横筋を何本か継いで通すからだ。継ぎ目では2本を 450mm 重ねる(重ね継手)ので、その分だけ長さが余計に要る。さらに、継いだ段の端材は別の段に回さない前提で数えている。長さ20mの塀を定尺4.0mで拾うと、横筋は1段あたり6本継ぎで、3段分の18本になる。定尺を5.5mや6.0mに変えると継ぎ目が減って本数も変わるので、鉄筋屋に頼める長さで比べてみるとよい。

片側に土がかかる土留めに使える?

使えない。令62条の8 は自立する塀の規定で、片側から土に押される壁は想定していない。土留めは擁壁として、土圧に対して倒れないか・滑らないか・地盤が持つかを確かめる必要がある。それは土圧・擁壁安定計算ツールで検討してほしい。このツールの材料の拾いは参考になるが、判定の結果は当てはまらない。

入力した寸法や結果は、どこかに送られる?

送られない。計算はすべて、開いているブラウザの中で行っている。塀の長さや基礎の寸法、出てきた材料の量がサーバーに保存されることはなく、ページを閉じれば消える。見積もりに使う材料表は、コピーして自分の表計算や見積書に貼り付けて残してほしい。隣地との境界の塀のように、寸法を他人に見せたくない場面でも気にせず入れられる。

まとめ — 材料の拾いと令62条の8 の判定を一度に

ブロック塀は、個数だけなら割り算で出る。手間がかかるのはセメントと砂、縦筋と横筋、基礎、そして塀として法の基準を満たしているかの確認だ。このツールはそれを1回の入力でまとめて出す。

基礎の生コンや自分で練るモルタルの配合はコンクリート配合・必要量計算、基礎に入れる鉄筋をもっと細かく拾うなら鉄筋量計算ツールを使う。花壇をレンガで囲うならレンガ必要数計算、ブロックの上に木の目隠しを立てるならウッドフェンス材料計算、基礎下の砕石や塀際の砂利は砂利・土・資材必要量計算がある。片側に土がかかる土留めは土圧・擁壁安定計算ツールで擁壁として検討してほしい。

計算結果や使い勝手で気づいたことがあれば、お問い合わせページから気軽に知らせてほしい。

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Mahiro

Mahiro Appの開発者。国交省の積算基準のPDFを370ページめくって、ブロック1m²あたりのセメントと砂の表にたどり着くまでが、このツールでいちばん時間のかかった作業だった。

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