配管エキスパンションループ設計ツール

高温配管の熱伸びを吸収するエキスパンションループ(Lベンド・Zベンド・Uループ)の必要寸法と応力を自動算出。3形状の比較表付き。

高温配管の熱伸びを吸収するエキスパンションループ(Lベンド・Zベンド・Uループ)の必要寸法・最大応力・固定点反力をGuided Cantilever法で自動算出。3形状の比較表付き。

配管仕様

外径 89.1 mm / 肉厚 4.2 mm / E = 200,000 MPa / α = 1.2e-5 /℃ / σa = 130 N/mm²

温度条件

温度差 ΔT = 130.0

配管ルート

2つの固定点(アンカー)間の配管長さ

応力が許容値を超えています。ループ長を大きくするか口径・材質を変更してください。

設計結果

熱伸び量 ΔL
31.2 mm

伸び方向

項目LベンドZベンドUループ
必要ループ長2,533 mm3,582 mm2,592 mm
最大応力130.0 N/mm²130.0 N/mm²130.0 N/mm²
固定点反力3.32 kN1.17 kN1.27 kN
安全率1.00 (注意)1.00 (注意)1.00 (OK)
必要スペース2,533×2,533 mm3,582×1,791 mm1,296×2,592 mm

最良安全率(Uループ)

1.00

OK

許容応力 130 N/mm² / 最大応力 130.0 N/mm²

ループ形状図

Lベンド 形状図

固定点A固定点B2,533 mmΔL=31.2 mm
主配管 ループ部 固定点

Zベンド 形状図

固定点A固定点B3,582 mmオフセットΔL=31.2 mm
主配管 ループ部 固定点

Uループ 形状図

固定点A固定点B2,592 mmΔL=31.2 mm
主配管 ループ部 固定点

本ツールはGuided Cantilever法による簡易計算です。複雑な配管ルートや高温高圧条件では、ASME B31.3等に基づく詳細な配管応力解析が必要です。

不具合・ご要望はお気軽に@MahiroMemoまで

PR

📘 配管設計・施工の参考書籍

高温配管が「伸びる」ことで起きるトラブル、想像できるだろうか

蒸気配管、温水配管、化学プラントの高温プロセス配管――これらの配管は運転時に数十℃~数百℃まで昇温する。鋼材は温度が上がると膨張し、20mの炭素鋼管が常温から150℃に昇温すると約31mmも伸びる。この「たかが30mm」が配管を破壊する。

フランジ接続が引っ張られてリークし、固定点のアンカーボルトが曲がり、最悪の場合は配管自体が座屈する。エキスパンションループは、配管ルートの中に意図的に「逃げ」を作ることで熱伸びを柔軟に吸収する、シンプルだが極めて重要な設計要素だ。

このツールは、Lベンド・Zベンド・Uループの3形状について必要寸法・応力・安全率を一覧比較できる。Guided Cantilever法による簡易計算で、概算設計の最初の一歩を素早く踏み出せる。

なぜこのエキスパンションループ計算ツールを作ったのか

手計算のめんどくささ

エキスパンションループの寸法算出は、原理自体はシンプルだが手計算だと意外に手間がかかる。材質ごとの線膨張係数を調べ、口径に対応する断面二次モーメントと断面係数を表から引き、さらにL・Z・Uそれぞれの形状係数を適用して計算する。1つの条件に対して1形状だけなら数分で終わるが、「3形状を比較したい」「口径を変えたらどうなる」と考え始めると、同じ計算を何度も繰り返すことになる。

3形状を並べて比較できるツールがない

既存のWeb上の計算ツールは、特定の1形状だけの計算だったり、入力・出力のインターフェースが分かりにくかったりで、「3つの形状を条件を揃えて並べて比較する」ことが意外とできない。プラント配管の概算設計では「Lベンドでスペースが収まらなければZベンドに変更」「Uループにすればさらにコンパクト」といった形状の比較検討が日常的に発生する。だからこそ、1画面で3形状を横並びに比較できるツールが必要だった。

SVG図で形状をすぐにイメージ

計算結果だけ数字で並べられても、それが実際の配管ルートにどう影響するかイメージしにくい。このツールでは各形状のループ部分をSVGで図示し、必要寸法と安全率の色分けを直感的に確認できるようにした。設計検討の打ち合わせ資料にも使える。

配管の熱膨張とエキスパンションループ 計算の基礎

配管 熱膨張とは何か

金属配管は温度が上がると原子間距離が広がり、マクロ的に「伸びる」。この現象を熱膨張と呼ぶ。伸び量は以下の式で算出する:

ΔL = α × L × ΔT

ΔL : 伸び量 [mm]
α  : 線膨張係数 [1/℃]
L  : 配管長さ [mm]
ΔT : 温度差 [℃](= 運転温度 − 据付時温度)

たとえば炭素鋼(α = 12.0×10⁻⁶ /℃)の20m配管が常温20℃から150℃に昇温すると:

ΔL = 12.0×10⁻⁶ × 20,000 × (150 − 20) = 31.2 mm

31mmという値は、配管の直径よりもずっと小さいように思えるが、この変位が拘束された状態で発生すると、配管やフランジに巨大な力が加わる。たとえるなら、分厚い本を棚にぎゅうぎゅうに詰め込んだ状態で、1冊だけ膨らませようとするようなものだ。逃げ場がなければ棚板が壊れる。

エキスパンションループの3形状

熱伸びを吸収する方法の中で、配管ルートの中にループ(迂回区間)を設けるのがエキスパンションループ。代表的な3形状がある:

Lベンド(L字ベンド): 配管を直角に曲げて変位を吸収する。最もシンプルだが、吸収能力は3形状の中で最も小さい。配管ルートが直角に曲がる箇所に自然に適用できる。

Zベンド(Z字ベンド): 配管を平行にオフセットさせて変位を吸収する。Lベンドの約√2倍のループ長が必要だが、配管の主方向を変えずにオフセットで逃がせるため、レイアウトの自由度が高い。

Uループ: 配管をU字に迂回させる。3形状の中で最もコンパクトなループ長で済む(最も効率的)が、配管の上方または側方に突き出すスペースが必要。

参考: 配管の熱膨張 - Wikipedia

Guided Cantilever法

このツールが採用しているのは「Guided Cantilever法(ガイド付き片持ち梁法)」と呼ばれる簡易計算法だ。ループ部分の配管を片持ち梁としてモデル化し、熱伸びによる変位をたわみとして扱う。実務の概算設計で広く使われている手法で、ASME B31の付録でも参考手法として言及されている。

ループ設計を軽視すると何が起きるか

配管破損事故の実例

熱伸びへの対策を怠った結果、配管が座屈・破断する事故は珍しくない。特に蒸気配管では、起動時の急速昇温でループ部の許容応力を超え、溶接部にクラックが入るケースが報告されている。JIS B 8265(圧力容器の構造)やASME B31.3(プロセス配管)では、熱応力への対策を明確に要求している。

フランジリーク

エキスパンションループが不十分だと、配管の伸びがフランジ接続部に集中する。フランジボルトが塑性変形し、ガスケット面が開いてリークする。化学プラントでの有毒ガスリーク、蒸気管での高温蒸気漏れは、いずれも重大災害に直結する。

支持架台の変形

固定点(アンカー)に過大な反力が加わると、支持架台のコンクリート基礎にクラックが入ったり、鉄骨架台が座屈したりする。配管だけでなく建屋の構造体にまで被害が及ぶため、ループ設計は配管単体の問題ではなく、建築・構造部門との協調が必要な設計項目だ。

建築設備の配管では「国土交通省 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)」でも、長い直管部分にはエキスパンションループまたは伸縮継手を設けることが規定されている。

概算設計の最初の一歩として活躍する場面

プラント配管の基本設計

化学プラントやLNGプラントの配管ルート設計で、P&ID(配管計装図)からアイソメトリック図に展開する段階で「この直管区間にはループが要る?」「どの形状にする?」を素早く判定できる。詳細設計ではCAESAR II等の配管応力解析ソフトを使うが、基本設計段階の概算にはこのツールで十分だ。

ビル空調配管の改修

既存ビルの空調配管(冷温水管)を改修する際、天井裏のスペース制約の中でどの形状のループが収まるかを検討する場面。Uループは高さ方向に大きいのでZベンドに変更する、といった形状の比較検討に使える。

蒸気配管の施工計画

工場の蒸気配管を新設・延長する際、固定点(アンカー)の配置とセットでループ位置を決める必要がある。施工計画段階でループの必要寸法を概算し、必要なスペースを事前に確保できる。

基本の使い方

3ステップで結果が出る。

Step 1: 配管仕様を選ぶ

材質(炭素鋼・ステンレス・銅管)と口径(25A~300A)を選択する。ヤング率・許容応力・断面性能は自動で設定される。

Step 2: 温度条件と固定点間距離を入力

運転温度と据付時温度を入力すると、熱伸び量が自動算出される。次に、2つの固定点(アンカー)間の配管長さをmmで入力する。

Step 3: 結果を比較する

「3形状比較」モードならLベンド・Zベンド・Uループの必要ループ長・応力・安全率・必要スペースが一覧表で比較できる。個別形状を選べばSVG図付きの詳細結果が表示される。「結果をコピー」ボタンで報告書にそのまま貼り付け可能だ。

具体的な使用例:6ケースの検証データ

ケース1: 炭素鋼 80A 蒸気配管(150℃)

入力値:

  • 材質: 炭素鋼(STPG370/SGP)
  • 口径: 80A (3")
  • 運転温度: 150℃ / 据付時温度: 20℃
  • 固定点間距離: 20,000 mm

計算結果:

  • 熱伸び量: 31.2 mm
  • Lベンド: 必要長 2,782 mm / 安全率 1.00
  • Zベンド: 必要長 3,935 mm / 安全率 1.00
  • Uループ: 必要長 3,200 mm / 安全率 1.00

解釈: いずれの形状でもちょうど許容応力に一致する必要長が算出される。実際の設計ではこの値に余裕係数(通常1.2~1.5倍)を乗じる。Uループが最もコンパクト。

ケース2: SUS304 100A 高温プロセス配管(300℃)

入力値:

  • 材質: ステンレス鋼 SUS304
  • 口径: 100A (4")
  • 運転温度: 300℃ / 据付時温度: 20℃
  • 固定点間距離: 30,000 mm

計算結果:

  • 熱伸び量: 145.3 mm
  • Lベンド: 必要長 6,780 mm
  • Zベンド: 必要長 9,589 mm
  • Uループ: 必要長 7,802 mm

解釈: 高温・長スパンのため、Lベンドでも約6.8mのループ長が必要。Zベンドは約9.6mとかなり大きくなる。スペースに余裕がなければベローズ型伸縮継手の採用を検討すべきだ。

ケース3: 銅管 50A 給湯配管(80℃)

入力値:

  • 材質: 銅管
  • 口径: 50A (2")
  • 運転温度: 80℃ / 据付時温度: 20℃
  • 固定点間距離: 15,000 mm

計算結果:

  • 熱伸び量: 14.9 mm
  • Lベンド: 必要長 2,943 mm
  • Uループ: 必要長 3,389 mm

解釈: 銅管は許容応力が低い(62 N/mm²)ため、温度差が小さくてもループ長が意外と大きくなる。天井裏の給湯配管では約3mの逃げ幅を確保する必要がある。

ケース4: 炭素鋼 200A 大口径蒸気管(200℃)

入力値:

  • 材質: 炭素鋼(STPG370/SGP)
  • 口径: 200A (8")
  • 運転温度: 200℃ / 据付時温度: 20℃
  • 固定点間距離: 40,000 mm

計算結果:

  • 熱伸び量: 86.4 mm
  • Lベンド: 必要長 7,508 mm
  • Zベンド: 必要長 10,617 mm
  • Uループ: 必要長 8,642 mm

解釈: 大口径になると配管の剛性が上がるため、必要ループ長も大きくなる。200Aクラスでは工場建屋内にループを収めるのが困難な場合が多い。

ケース5: 冷却条件(運転温度 < 据付時温度)

入力値:

  • 材質: SUS316
  • 口径: 65A (2-1/2")
  • 運転温度: -20℃ / 据付時温度: 30℃
  • 固定点間距離: 10,000 mm

計算結果:

  • 熱伸び量: -8.0 mm(収縮方向)
  • Lベンド: 必要長 1,781 mm

解釈: 冷凍・冷媒配管では収縮方向の変位が発生する。計算上は絶対値で同じ扱いになり、ループの「逃げ」は引っ張り方向に必要。

ケース6: SUS304 150A 長スパン配管(250℃)

入力値:

  • 材質: ステンレス鋼 SUS304
  • 口径: 150A (6")
  • 運転温度: 250℃ / 据付時温度: 20℃
  • 固定点間距離: 50,000 mm

計算結果:

  • 熱伸び量: 198.9 mm
  • Lベンド: 必要長 8,479 mm
  • Zベンド: 必要長 11,992 mm
  • Uループ: 必要長 9,761 mm

解釈: 約200mmもの熱伸びを吸収するには、Uループでも約10mのループ長が必要。この規模になると配管応力解析ソフトでの詳細検討が必須。中間ガイドの位置も重要になる。

仕組み・アルゴリズム解説:Guided Cantilever法の計算フロー

候補手法の比較

配管の熱応力を評価する方法には、大きく分けて2つのアプローチがある:

  1. Guided Cantilever法(簡易法): ループ部分を片持ち梁としてモデル化し、閉じた式(closed-form solution)で必要寸法を算出する。計算が速く、概算設計に適している。
  2. 有限要素法(FEM): CAESAR II、AutoPIPE等の専用ソフトで配管系全体をモデル化し、節点変位と要素応力を数値的に解く。分岐・多方向変位・サポート摩擦等を考慮できるが、モデル構築に時間がかかる。

このツールではGuided Cantilever法を採用した。概算段階で「ループが必要かどうか」「おおよそどのくらいの寸法が必要か」を瞬時に把握することが目的だからだ。

各形状の計算式

Lベンド:

必要ループ長: l = √(3 × D × ΔL × E / (2 × σa))
最大曲げ応力: σ = 3 × E × D × ΔL / (2 × l²)
固定点反力:   F = 12 × E × I × ΔL / l³

Zベンド:

必要ループ長: l = √(6 × D × ΔL × E / (2 × σa))  (Lベンドの√2倍)
最大曲げ応力: σ = 3 × E × D × ΔL / l²
固定点反力:   F = 12 × E × I × ΔL / l³

Uループ:

必要ループ長: l = √(π × D × ΔL × E / (2 × σa))  (最も効率的)
最大曲げ応力: σ = π × E × D × ΔL / (2 × l²)
固定点反力:   F = π² × E × I × ΔL / (2 × l³)

具体的な計算例

炭素鋼 80A(D=89.1mm, E=200,000 MPa, σa=130 N/mm², I=7.20×10⁵ mm⁴)で、ΔL=31.2mmのLベンドを計算すると:

l = √(3 × 89.1 × 31.2 × 200,000 / (2 × 130))
  = √(3 × 89.1 × 31.2 × 200,000 / 260)
  = √(6,411,692)
  ≒ 2,532 mm(約2.5m)

σ = 3 × 200,000 × 89.1 × 31.2 / (2 × 2,532²)
  = 130.0 N/mm²(許容応力に一致 → 安全率 = 1.00)

F = 12 × 200,000 × 720,000 × 31.2 / 2,532³
  ≒ 3,309 N(約3.3 kN)

この計算は「ちょうど許容応力に達する最小ループ長」を求めるため、安全率は常に1.0になる。実際の設計では安全率1.5以上を確保するためにループ長を1.2~1.5倍にするのが一般的だ。

配管応力解析ソフトとの使い分け

このツールが得意なこと

このツールは「概算設計のファーストパス」に特化している。3形状の比較が1画面ででき、材質・口径・温度を変えたときの影響をリアルタイムに確認できる。基本設計段階の配管ルート検討や、現場での概算確認に最適だ。

CAESAR II等が必要な場面

分岐配管、3次元ルート、サポート摩擦、地震荷重との組み合わせ荷重、クリープ域の応力緩和――これらを扱うには専用ソフトが必要。このツールは単純な直管区間のループ計算に限定しているため、複雑な配管系には適用できない。

結果の妥当性検証に

CAESAR IIで詳細解析した結果の「桁チェック」にも使える。手計算の簡易式と解析ソフトの結果が大きく乖離していれば、モデルの入力ミスを疑うきっかけになる。

配管の熱膨張にまつわる豆知識

世界最長の石油パイプラインと熱膨張対策

世界最長級のパイプラインであるドルジバ・パイプライン(全長約5,500km)では、昼夜の気温差だけで膨大な熱伸びが発生する。長距離パイプラインではエキスパンションループに加え、地中埋設による温度安定化やアンカーブロックの計画的配置で対応している。直線区間が数十kmに及ぶため、中間地点に大型のエキスパンションループや自然曲がりを利用した応力吸収区間を設けるのが一般的だ。

参考: Druzhba pipeline - Wikipedia

ベローズ型伸縮継手との使い分け

エキスパンションループは配管自体の弾性変形で伸縮を吸収するため、可動部品がなくメンテナンスフリーという大きな利点がある。一方、ベローズ型伸縮継手はスペースを取らないが、ベローズ部の疲労寿命管理が必要で、定期的な目視検査や交換が求められる。高温高圧の蒸気配管ではループが好まれ、低圧の空調配管ではベローズが多用される傾向がある。

参考: 伸縮継手 - Wikipedia

ループ設計を成功させる4つのコツ

ループの位置は固定点間の中央付近に

ループは2つの固定点の中間付近に配置するのが原則。端に寄せると片側の配管だけが大きく変位し、応力が偏る。

アンカー設計はループとセットで

ループが熱伸びを吸収するということは、固定点(アンカー)にはその反力が加わるということ。ループ設計とアンカー設計は必ずセットで行う。アンカーの強度不足はループの計算が正しくても事故につながる。

安全率は1.5以上を目標に

このツールはちょうど許容応力に達する最小ループ長を算出する。実際の設計では安全率1.5以上(できれば2.0以上)を確保するため、ループ長を計算値の1.2~1.5倍にするのが実務の目安だ。

配管サポートはループ部にも必要

ループ部分は自重で垂れ下がるため、ループ内にもガイド・スプリングハンガー等のサポートが必要。特に大口径管や保温付き配管では自重たわみが無視できない。

エキスパンションループ設計のよくある質問

Q: ベローズ型伸縮継手とエキスパンションループ、どちらを選ぶべき?

スペースに余裕があればエキスパンションループが推奨される。可動部品がなくメンテナンスフリーで、配管の寿命と同等の耐久性がある。一方、天井裏やピット内などスペースが限られる場合はベローズ型伸縮継手が有効。ただしベローズは疲労寿命があり、繰り返し回数に応じた交換が必要だ。

Q: 冷却配管(運転温度 < 据付時温度)でも使える?

使える。このツールは温度差の絶対値で計算するため、収縮方向でも同じロジックが適用される。冷凍配管や冷媒配管では据付時温度が運転温度より高くなるため、配管は「縮む」方向に変位する。ループは縮み方向の変位を吸収する「引っ張りの逃げ」として機能する。

Q: 計算結果の「安全率1.00」はそのまま設計に使える?

そのまま使うべきではない。安全率1.00はちょうど許容応力に達する最小寸法を意味する。実務では安全率1.5~2.0以上を確保するため、算出されたループ長の1.2~1.5倍を設計値とするのが一般的。また、このツールはGuided Cantilever法による簡易計算であり、配管支持条件や分岐の影響は考慮していない。

Q: 入力データはサーバーに送信される?

送信されない。すべての計算はブラウザ内のJavaScriptで完結しており、入力値がサーバーに送られることはない。オフライン環境でも動作する(初回アクセス後)。

まとめ

高温配管の熱伸びは、見た目以上に大きな力を配管系に加える。エキスパンションループはその力を「逃がす」ためのシンプルかつ信頼性の高い手法だ。

このツールはLベンド・Zベンド・Uループの3形状を同一条件で比較し、概算設計の初期判断を支援する。配管の熱伸び量そのものが気になった人は配管熱膨張・伸縮量計算ツールも試してみて。配管サポートの間隔チェックには配管サポート間隔チェッカーが使える。


不具合や要望があれば、X (@MahiroMemo)から気軽に教えて。

M

Mahiro

Mahiro Appの開発者。プラント配管の概算設計で「3形状を並べて比較したい」と感じた経験からこのツールを開発した。

運営者情報を見る

© 2026 配管エキスパンションループ設計ツール