「シーリング、何本いる?」を目地の寸法から決める
浴室のコーキングが黒ずんできた。サッシ周りのシーリングにヒビが入っている。外壁の目地が痩せて、奥のバックアップ材が見えている――こういう劣化、心当たりがあるよね。
打ち替えようとホームセンターや資材店に行くと、まず困るのが「何本買えばいいのか」だ。1本で足りるのか、3本か、それとも缶で買うべきか。外壁になるとさらに「プライマーはどれだけ要る?」「そもそも目地幅はこれで合っている?」まで分からなくなる。
このツールは、目地の幅・深さ・総延長から、シーリング材(コーキング材)の量、カートリッジやペール缶の本数、1本で何m打てるか、プライマーの量までを一度に出す。外壁のように伸び縮みする目地なら、部材の長さと色から必要な目地幅と深さも出せる。買う前に寸法を測って、数字を入れてみてほしい。
なぜ材料計算と目地幅を一緒に出すツールにしたのか
3本買って2本余った最初の失敗
最初は浴室の打ち替えだった。浴槽と壁の取り合い、床の立ち上がりの目地が黒カビだらけで、思い切ってDIYすることにした。目地は合計3mほど。幅も深さも測らないまま「足りないと困るから」と3本買って帰り、使ったのは1本だった。残りの2本は物置で固まった。
そのとき作ったのが、幅×深さ×延長から本数を出すだけの小さな計算機だ。浴室やキッチンならこれで十分だった。
外壁でつまずいた3つのこと
困ったのは、外壁のサイディングやALCの目地を見積もろうとしたときだ。
- 単位が缶になる。外壁は総延長が数十〜数百mになり、カートリッジだと20本、30本と並ぶ。業者は4L・6Lのペール缶で買うが、「缶1つで何m打てるか」がすぐに出てこない
- プライマーの量が分からない。外壁の打ち替えではプライマーがほぼ必須なのに、何g買えばいいかを書いた資料が少ない。メーカーの積算資料には式があるが、探さないと見つからない
- 目地幅そのものが正しいか分からない。既存の目地が狭すぎて切れているなら、同じ幅で打ち直しても数年でまた切れる。幅は部材の伸び縮みで決まるのに、その計算はふつうの使用量計算には入っていない
この3つを1画面で済ませたくて、材料の計算に容器の選択、プライマー、目地幅の目安を足したのが今の形だ。
シーリング 材料計算の基礎 — 量は「幅×深さ×長さ」で決まる
コーキング シーリング 違い
コーキングとシーリングは、現場ではほぼ同じ意味で使われる。強いて分けるなら、建築の仕様書やJIS A 5758(建築用シーリング材)が使うのが「シーリング材」で、ホームセンターの売場やDIYの世界で通じるのが「コーキング」だ。計算の上ではどちらも同じで、このツールも区別しない。
たとえるなら、シーリング材は建物の関節に巻くゴムの包帯だ。外壁の板は日が当たると伸び、夜に縮む。その隙間に、伸び縮みについていけるゴムを詰めて、水と空気を止める。包帯の太さ(目地幅)が足りないと、動きにちぎられて隙間が開く。
シーリング 使用量 計算式
必要な量は、目地を細長い箱とみなした体積そのものだ。
体積[mm³] = 幅[mm] × 深さ[mm] × 延長[mm]
1 mL = 1,000 mm³、延長[m] × 1,000 = 延長[mm] なので
使用量[mL] = 幅[mm] × 深さ[mm] × 延長[m] × (1 + ロス率)
×1,000と÷1,000が打ち消し合うので、幅と深さをmmのまま掛けた数字が、1mあたりのmL数になる。幅10mm×深さ10mmなら1mで100mL。これだけ覚えておけば暗算でも見積もれる。
ロス率は、ノズルに残る分、ヘラでかき取る分、目地の形のばらつきを見込む割増しだ。ペンギンシールの積算参考資料はシーリング材もプライマーも**施工ロス20%**を織り込んで計算している。
コーキング 1本で何m(カートリッジ 何メートル)
カートリッジは330mL前後が主流で、メーカーによって320mL・333mLもある。1本で打てる長さは目地の断面で決まる。
| 目地幅×深さ | 1mあたり | 1本(330mL)で打てる長さ(ロスなし) | ロス10%込み |
|---|---|---|---|
| 5mm × 5mm | 25 mL | 約13.2 m | 約12.0 m |
| 6mm × 6mm | 36 mL | 約9.2 m | 約8.3 m |
| 8mm × 8mm | 64 mL | 約5.2 m | 約4.7 m |
| 10mm × 8mm | 80 mL | 約4.1 m | 約3.8 m |
| 10mm × 10mm | 100 mL | 約3.3 m | 約3.0 m |
| 15mm × 10mm | 150 mL | 約2.2 m | 約2.0 m |
「コーキング1本で何メートル?」への答えは、浴室の細い目地(5〜6mm角)なら8〜12m、外壁の目地(10mm角)なら約3mだ。メーカーの製品ページにも「幅5×深さ5で約12m、幅10×深さ10で約3m」といった目安が載っていて、ロス1割込みの数字とほぼ重なる。
ペール缶(4L・6L)は何メートル打てる
外壁のように長い目地は、4Lや6Lの缶で買うことが多い。現場で2液を混ぜる2成分形が主流だが、1成分形の缶入りもある。同じ式で、幅10mm×深さ10mmなら次のとおりだ。
| 容器 | ロス10%込み | ロス20%込み |
|---|---|---|
| 缶 4L | 約36.4 m | 約33.3 m |
| 缶 6L | 約54.5 m | 約50.0 m |
サイディングの標準的な目地(幅10mm×深さ8mm)なら1mあたり80mLになり、6L缶で60m前後打てる。メーカーのカタログが「6L缶で約60m」と書いているのは、この寸法とロス2割の組み合わせだ。
シーリング プライマー 使用量の計算式
プライマーは、シーリング材を目地の側面に接着させるための下塗りだ。塗るのは目地の両側の面だけで、目地底には塗らない(底はボンドブレーカーで縁を切る)。だから塗る面積は「深さ×2面×延長」になる。
プライマー[g] = 標準塗布量[g/m²] × 深さ[m] × 2面 × 延長[m] × (1 + ロス率)
標準塗布量は、コニシのボンド シールプライマーの資料とペンギンシールの積算参考資料がそろって、非多孔質面(金属・ガラス・樹脂)100g/m²、多孔質面(コンクリート・ALC・モルタル)200g/m²としている。しみ込む面は倍要る、と覚えておけばいい。サッシと外壁の取り合いのように片側が金属・片側がモルタルの目地は、このツールでは2つの平均の150g/m²で計算する。
シーリング 目地幅 計算 — 動く目地の幅はJASS 8の式で決める
外壁の板の継ぎ目やサッシ周りのように、温度で開いたり閉じたりする目地をワーキングジョイントと呼ぶ。この目地の幅は、日本建築学会の JASS 8(防水工事)の考え方で、部材の動きとシーリング材が耐えられる伸縮率から決める。式はセメダインの技術資料やペンギンシールのカタログに同じ形で載っている。
温度ムーブメント δ[mm] = α × ℓ × ΔT × (1 − Kt)
設計目地幅 W[mm] ≧ δ ÷ ε × 100 + |We|
α : 部材の線膨張係数(/℃)
ℓ : 部材の長さ(mm)。目地から次の目地まで
ΔT : 部材の実効温度差(℃)。色が濃いほど大きい
Kt : 温度ムーブメントの低減率(取付けの拘束などで実際は全部は動かない分)
ε : シーリング材の設計伸縮率(%)
We : 目地幅の施工誤差(mm)
ツールが持っている外壁の値は次のとおり(JASS 8 の標準値。両社の資料で一致)。
| 部材 | α(×10⁻⁶/℃) | ΔT 明色 | ΔT 暗色 | Kt |
|---|---|---|---|---|
| アルミ形材 | 23 | 55 | 70 | 0.2 |
| アルミ板 | 23 | 55 | 70 | 0.3 |
| ステンレス | 17 | 55 | 70 | 0.3 |
| 鋼 | 10 | 55 | 70 | 0.3 |
| コンクリート(PCa) | 10 | 35 | 40 | 0.1 |
| ALC | 7 | 40 | 45 | 0.1 |
設計伸縮率 ε(温度による伸縮)は、2成分形の変成シリコーン・シリコーンが20%、1成分形の変成シリコーンとポリウレタンが10%、アクリルが7%。2成分形は1成分形の倍伸びるので、同じ動きなら目地幅は半分で済む。
幅には上下限もある。ワーキングジョイントの設計目地幅は最小10mm・最大40mm(アクリルは最大20mm)。深さは幅との比で決め、JASS 8 の図の許容範囲は、幅10mmで深さ10mm、幅20mmで10〜15mm、幅40mmで15〜20mmと、幅が広がるほど浅めの比になる。
量と幅を見誤ると何が起きるか — シーリング 使用量と目地幅の実務
足りないと薄く延ばす
シーリング材が途中で足りなくなると、残りを薄く延ばしたくなる。だが厚みの足りないシーリングは、目地の動きですぐに切れる。シーリング材メーカーの資料も、厚み1mm以下の薄い層は白化・軟化しやすいと注意している。浴室なら壁裏への漏水、外壁なら雨水の浸入と断熱材の劣化につながる。新築住宅の雨水の浸入を防ぐ部分は、品確法で引き渡しから10年の保証が義務づけられているほど重い部位だ。
プライマーをケチると剥がれる
打ち替えた目地が数年でぱっくり剥がれていたら、多くはプライマーの塗り忘れか塗布量不足だ。シーリング材そのものは切れていないのに、側面との境目から剥がれるのが特徴で、メーカーの不具合事例でも定番になっている。量が分からずに「少し塗っておけばいい」と考えるのが一番危ない。必要量を出してから買えば、塗り残しは減らせる。
目地幅が足りないと、何度打ち替えても切れる
シーリング材が耐えられる伸び縮みは、目地幅に対する割合で決まっている。1成分形の変成シリコーンなら幅の10%だ。幅10mmの目地なら1mm、幅20mmなら2mmまでしか追従できない。
アルミのパネル3mを暗い色で張った外壁なら、温度による動きは約3.4mmになる。これを1成分形で受けると、必要な目地幅は約34mm。幅10mmの目地では3倍以上の伸びを強いることになり、材料を良いものに替えても切れる。こういう目地は「材料が悪い」のではなく「幅が足りない」のだ。
深すぎても浅すぎてもいけない
逆に、深さが幅より大きい目地は、伸び縮みに追従しにくく、材料も余計に食う。サイディング向けシーリング材のカタログは、深さが幅以上の目地、深さ5mm未満の浅い目地をどちらも不適切な例に挙げ、サイディング目地は幅10mm×深さ8mmを適切な形としている。公共建築工事の標準仕様書も、一般の目地は幅・深さとも10mm以上と定めている。
このツールが活躍する場面
- 浴室・キッチンの打ち替え前 — 細い目地なら1本で足りるかどうかをその場で確かめる。プライマー不要の材料なら量の欄は消しておける
- 窓サッシ周りの補修 — 窓1枚あたりの周長を足して総延長にする。金属とモルタルの取り合いなので、プライマーは「片側ずつ」で計算する
- 外壁サイディング・ALCの打ち替え見積もり — 数十〜数百mの目地をカートリッジで買うか缶で買うかを決め、プライマーの缶数も一緒に出す
- 外装パネルの目地設計の確認 — 図面の目地幅が、部材の長さと色、使う予定のシーリング材に対して足りているかを確かめる
基本の使い方 — シーリング 本数とプライマー量を3ステップで
ステップ1:場所を選んで寸法を直す
上のボタン「浴室・洗面」「キッチン」「窓サッシ周り」「外壁サイディング」から近いものを選ぶと、目地の幅・深さ・延長・ロス率・容器・プライマーがまとめて入る。そのあと幅・深さ・総延長を、実際に測った値に直す。深さは古いシーリングを撤去したあと、バックアップ材の上端までを測る。
ステップ2:容器とプライマーを選ぶ
容器は「カートリッジ 330mL」「カートリッジ 320mL」「フィルムパック 600mL」「缶 4L(ペール缶)」「缶 6L(ペール缶)」から選ぶ。持っている製品の容量が違えば「容量を入力」にする。プライマーは塗る面を「非孔質面」「片側ずつ」「多孔質面」から選び、使わない材料なら「使わない」、メーカーの指定がはっきりしているなら「直接入力」にする。缶の量(100g〜1kg)も選べる。
ステップ3:本数・1本で打てる長さ・目地幅を読む
結果には、容器の数、1本(1缶)で打てる長さ、シーリング材とプライマーの量が並ぶ。外壁の動く目地なら、下の「目地幅の目安」で部材・長さ・色・シーリング材の種類を選ぶと、必要な目地幅と深さの範囲が出る。「幅◯×深さ◯mm で数量を出す」ボタンを押すと、その寸法が上の数量の計算に入る。
具体的な使用例 — シーリング 使用量 計算を検証
ケース1:浴室 6mm角×3m
- 入力: 幅6mm×深さ6mm×延長3m、ロス率10%、カートリッジ330mL、プライマーなし
- 結果: 118.8mL → 1本。1本で約8.3m打てる
- 解釈: 浴槽まわりを1周する程度なら1本で余る。3本買った昔の自分に見せたい数字だ
ケース2:キッチン 5mm角×4m
- 入力: 幅5mm×深さ5mm×延長4m、ロス率10%、カートリッジ330mL、プライマーなし
- 結果: 110mL → 1本。1本で約12.0m打てる
- 解釈: 1mあたり25mLしか使わない。細い目地は1本でかなりの長さを打てる
ケース3:窓サッシ周り 8mm角×10m
- 入力: プリセット「窓サッシ周り」のまま。幅8mm×深さ8mm×延長10m、ロス率10%、カートリッジ330mL、プライマー「片側ずつ」、100g缶
- 結果: シーリング材704mL → 3本(1本で約4.7m)。プライマー26.4g → 100g缶1缶(1缶で約38m)
- 解釈: 腰高窓2枚分ほどのサッシ周り。プライマーは数十gしか使わないので、500g缶ではなく小缶で足りる
ケース4:外壁サイディング 10×8mm×60m(6L缶)
- 入力: 幅10mm×深さ8mm×延長60m、ロス率20%、缶6L、プライマー「多孔質面」、500g缶
- 結果: シーリング材5,760mL → 6L缶1缶(1缶で62.5m)。プライマー230.4g → 500g缶1缶(1缶で約130m)
- 解釈: メーカー資料の「6L缶で約60m」とほぼ同じ結果になる。外壁ひと面ぶんの縦目地なら缶1つが目安だ
ケース5:同じ外壁をカートリッジで買う
- 入力: ケース4と同じ寸法で、容器をカートリッジ330mLに変える
- 結果: 18本(1本で約3.4m)。12本を超えるので「缶4Lなら2缶」の案内が出る
- 解釈: 18本を手で押し出すのは相当な手間だ。量が同じでも、容器の選び方で作業時間が変わる
ケース6:アルミパネル3m・暗色の目地幅
- 入力: 目地幅の目安で、アルミ板(パネル)、長さ3m、暗色、1成分形 変成シリコーン、施工誤差0
- 結果: 伸び縮み δ 3.38mm → 計算上の目地幅33.8mm → 設計目地幅34mm、深さの範囲13.5〜18.5mm
- 解釈: 2成分形に替えると δ は同じでも ε が20%になり、設計目地幅17mm・深さ10〜13.5mmまで縮む。延長30m・ロス20%・缶4Lで数量を比べると、34×14mmは17.1L=5缶、17×10mmは6.1L=2缶。材料の選び方が、幅と量の両方を大きく変える
ケース7:ALCパネル3m・明色
- 入力: ALCパネル、長さ3m、明色、1成分形 変成シリコーン
- 結果: δ 0.756mm → 計算上7.6mm → 下限に当たって設計目地幅10mm、深さ10mm
- 解釈: ALCは線膨張係数が小さく、計算上は10mmに届かない。こういう部材では最小寸法の10mm角が効いてくる
仕組み・アルゴリズム — 計算の流れと設計判断
手法の比較
使用量の出し方には2通りある。
- 体積計算(採用): 断面積×延長にロスを掛ける。製品を決める前でも使え、容器を変えても同じ式で済む
- メーカーの早見表: 目地寸法ごとに「1本で◯m」を引く。正確だが、表にない寸法や別メーカーの容器には使えない
早見表は体積計算にロスを掛けた結果を丸めたものなので、体積計算を採り、ロス率を入力にした。早見表と同じロス(20%)を入れれば同じ数字になる。
計算フロー
使用量とプライマーの量は前半の式のとおりで、ツールはそこから先を次の順に出す。
1. 容器の数 = 切り上げ(使用量 ÷ 容器の容量)
2. 1本で打てる長さ[m] = 容器の容量 ÷ (幅 × 深さ × (1 + ロス率))
3. プライマー缶 = 切り上げ(プライマー ÷ 缶の量)
4. 1缶で塗れる長さ[m] = 缶の量 ÷ (塗布量 × 深さ/1000 × 2 × (1 + ロス率))
切り上げのときは、ごくわずかな値を引いてから切り上げている。6mm角×25m・ロス10%はちょうど990mL=3本ぶんだが、コンピューターの小数の計算では 6×6×25×1.1 が 990.0000000000001 になり、そのまま切り上げると4本と出てしまうからだ。
目地幅の目安は、δ を出してから JASS 8 の式で W を求め、整数mmに切り上げ、下限10mmを下回れば10mmに上げる。深さは JASS 8 の図の許容範囲を折れ線にして、その幅での下限と上限を出す。数量に送るときは、材料が少なく済む下限側を整数に切り上げて使う。
計算例:窓サッシ周り
1mあたり = 8 × 8 = 64 mL/m
使用量 = 64 × 10 × 1.10 = 704 mL
本数 = 切り上げ(704 ÷ 330) = 切り上げ(2.13) = 3本
1本で = 330 ÷ (64 × 1.10) = 4.69 m
プライマー = 150 × 0.008 × 2 × 10 × 1.10 = 26.4 g
設計判断:プライマーを側面だけで数える理由
面積を側面だけで取る理由は前半の式のところで書いたとおりで、三面で接着すると伸びるときに底に引っ張られて切れるからだ。
サイディング用の製品には少量のプライマーが同梱されていて、サンライズのカタログは150g缶で約63m(深さ8mm)を目安にしている。塗布量に直すと約150g/m²で、このツールの「多孔質面」200g/m²より少ない。メーカーが塗布量を指定している製品は「直接入力」でその値を入れると、カタログの数字と合う。
他のシーリング計算との違い
前半で書いたとおり、使用量の目安はメーカーの製品ページや早見表で手に入る。このツールとの違いは次の点だ。
- 容器をまたいで比べられる: 同じ目地を、カートリッジ・フィルムパック・4L缶・6L缶で何本になるか、切り替えるだけで比べられる。1本で打てる長さも容器ごとに出る
- プライマーの量まで出る: 塗る面の種類から標準塗布量を当て、缶数まで出す。メーカー指定の塗布量も入れられる
- 目地幅の目安が出る: 使用量の計算機はふつう「今の目地を埋める量」しか出さない。部材と色とシーリング材の種類から、そもそもの目地幅が足りているかを確かめられる
- 寸法をそのまま数量に送れる: 目地幅の目安で出した幅と深さを、ボタン1つで数量の計算に入れられる
塗装を一緒に見積もるなら塗料・ペンキ必要量計算、浴室のタイル目地まで直すならタイル枚数・材料計算と役割を分けている。
豆知識 — 1成分形と2成分形、ペール缶の中身
1成分形と2成分形はどう違う
カートリッジに入っているのは、ほとんどが1成分形だ。空気中の湿気と反応して表面から固まる。工場で色も練りも済んでいるので、開けてすぐ打てる。
一方、外壁の大きな工事で使われる2成分形は、基剤と硬化剤を現場で攪拌機で混ぜる。混ぜる手間と、混ぜ方が悪いと硬化不良や気泡が出るリスクがある代わりに、厚く打っても中まで均一に固まる。大きな目地をまとめて打つ現場向きで、缶で売られることが多いのはこのためだ。
打ち替えと増し打ち
- 打ち替え: 古いシーリングをすべて撤去して新しく充填する。プライマーを塗り直せるので密着が確実
- 増し打ち: 古いシーリングの上から重ねる。手間は少ないが、新しい層が薄くなりやすく、古い層ごと剥がれることがある
外壁の改修では、打ち替えが基本だ。増し打ちは、サッシ周りのように撤去でサッシを傷めるおそれがある箇所で選ばれることが多い。量を計算するときも、打ち替えなら目地の全断面、増し打ちなら上に重ねる厚みぶんだけを深さに入れる。
Tips — 測り方と買い方のコツ
- 総延長は「窓1枚の周長×枚数」で足す: サッシ周りは窓ごとに測るより、幅と高さから周長を出して枚数を掛けるほうが速い。出窓や小窓は別に足す
- 深さは撤去後に爪楊枝で測る: 古いシーリングを抜いたあと、目地に爪楊枝を差してバックアップ材に当たる位置に印をつけると、深さが手早く分かる
- プライマーは乾かしてから打つ: 塗ったあと夏は30分、冬は60分以上置き、8時間以内に充填する。その日のうちに打てなかった目地は塗り直す、とメーカーの施工要領は書いている。塗り直す分を見込むなら、プライマーの缶は1つ多めに
よくある質問
ロス率は何%にすればいい?
初めて打つなら10〜15%、ノズルの切り口やヘラ仕上げに慣れているなら5〜10%で足りることが多い。業者の見積もりやメーカーの早見表と比べるときは、前半で触れた積算資料に合わせて20%にすると数字がそろう。ロス率を0%にすると注意が出るのは、ノズルに残る分だけでも数%は失うからだ。
手持ちのカートリッジが330mLではない
容器の欄で「カートリッジ 320mL」を選ぶか、「容量を入力」にして製品の表示容量(333mLなど)を入れてほしい。本数と1本で打てる長さが、その容量で計算し直される。フィルムパックやほかの缶も同じで、容量さえ分かればどの製品でも計算できる。
プライマーが要らない材料もある?
ある。浴室やキッチン向けのシリコーン系には、ガラスやタイル、ホーローならプライマーなしで接着する製品が多い。一方、外壁の変成シリコーン系やウレタン系は、サイディング・ALC・金属のどれでもプライマーを指定しているのがふつうだ。要否と塗布量はカートリッジや施工要領書に書いてあるので、不要なら「使わない」、指定の塗布量があれば「直接入力」で入れてほしい。
窯業系サイディングの目地幅は計算できない?
窯業系サイディングは、温度よりも水分の出入りで伸び縮みする材料で、JASS 8 の温度ムーブメントの表には載っていない。そのため目地幅の目安には入れていない。サイディングの目地は、メーカーやサイディングの施工要領が指定する寸法(一般に幅10mm・深さ8mm前後)に従い、数量の計算はプリセットの「外壁サイディング」から始めるとよい。
入力した寸法はどこかに送られる?
送られない。計算はすべて開いているブラウザの中で行っていて、入力した幅・深さ・延長や部材の条件をサーバーへ送る仕組みはない。結果をコピーしたときもクリップボードに入るだけだ。住所や現場名を入れる欄もないので、見積もり前の現場でも気にせず使ってほしい。
まとめ
シーリング材の量は「幅×深さ×延長」で決まり、幅と深さをmmのまま掛けた数字が1mあたりのmL数になる。このツールは、その量をカートリッジやペール缶の本数、1本で打てる長さ、プライマーの缶数に直し、外壁の動く目地なら必要な目地幅と深さまで出す。買う前に目地を測って入れてみてほしい。
外壁の塗り替えと一緒に計画するなら塗料・ペンキ必要量計算、室内の塗り壁なら珪藻土・漆喰 塗り面積&材料計算も使える。
ツールへの意見や、計算してほしい目地の条件があればお問い合わせページから送ってほしい。