DIY・住まい公開 2026-03-31更新 2026-09-08

DIY内装リフォーム計算まとめ|塗料・壁紙・タイル・床材・色決め

「塗料、何缶買えばいいの?」から始まるDIYの挫折

壁紙を張り替えたい、タイルを敷きたい、珪藻土を塗ってみたい——DIYリフォームのアイデアは尽きないのに、材料の必要量がわからなくて手が止まる。ホームセンターで「とりあえず多めに買っておくか」と判断した結果、余った塗料が物置を圧迫したり、逆に足りなくてロットの色番が変わってしまったり。

DIY塗装・内装リフォームで必要な計算は大きく7つ。塗料の缶数・壁紙のロール数・タイル枚数・フローリング枚数・珪藻土や漆喰の量・コーキング本数・乾燥時間だ。どれも「面積×必要量÷容量」の基本構造は同じだが、控除する窓やドアの面積、ロス率、柄リピート、乾燥条件など変数が多い。

そして数量が出せても、まだ買い物リストは完成しない。下地処理に使う番手、色の決め方、そして仕上がったあとの住み心地——ここまで決めて初めて「これで発注していい」と言える。

この記事では、DIY内装リフォームの計算を11領域に整理し、各計算の勘どころと無料ツールへのリンクをまとめた。

なぜこの記事を書いたのか

ホームセンターの店員さんに「この部屋だと何缶必要?」と聞いても、返ってくるのは「部屋の広さによりますね」という回答だけ。ネットで調べても「塗り面積÷塗布量」としか書いていなくて、窓やドアの控除、2度塗りの計算、ロス率の考慮は自分でやるしかない。

壁紙は柄リピートの計算がさらにやっかいだ。無地なら単純に面積で割ればいいが、大柄のリピート(64cmなど)があると、天井高とリピート長の関係で必要量が一気に跳ね上がる。この計算を間違えて材料が足りなくなったとき、同じ品番がもう在庫切れ——DIYあるあるの悲劇だ。

タイル、フローリング、珪藻土、コーキング……素材が変わるたびに計算ロジックも微妙に違う。全部を1つずつ手計算するのは現実的じゃない。だから計算をそれぞれ専用ツール化して、まとめ記事として一覧できるようにした。

もう1つ、数量計算だけを載せた記事にしなかった理由がある。DIYで実際に失敗するのは、**数が足りなかったときより「やり直しになったとき」**だからだ。下地のヤスリがけを飛ばして塗料が剥がれる、色見本と実際の壁でイメージが違う、せっかく直したのに照明が暗くて仕上がりが映えない——どれも材料の量とは関係のないところで起きる。だから数量(①〜⑦)に加えて、準備・色・住み心地(⑧〜⑪)まで1ページに入れてある。

DIY内装リフォーム計算の全体像|11の計算領域

内装リフォームで必要な計算は、「材料の数量(①〜⑦)」と「数量以外に決めておくこと(⑧〜⑪)」に分けると整理しやすい。

#計算領域主な検討内容対応ツール
1塗料・ペンキ壁面積から窓・ドア控除、塗り回数で必要缶数塗料・ペンキ必要量計算
2壁紙・クロス周長・天井高・柄リピートから必要m数・ロール数壁紙・クロス必要量計算
3タイル部屋形状とタイルサイズから枚数・ケース数タイル枚数・材料計算
4フローリング・CF部屋寸法と床材規格から枚数・発注量・費用概算フローリング・CF 必要量計算
5珪藻土・漆喰塗り面積から材料量と費用概算珪藻土・漆喰 塗り面積&材料計算
6コーキング目地寸法からカートリッジ本数シーリング・コーキング必要量計算
7乾燥時間塗料種類・気温・湿度から乾燥予想時間塗料乾燥時間シミュレーター
8下地処理と道具番手の順序、丸鋸のチップソー選びサンドペーパー番手ガイド / チップソー選定ナビ
9膜厚からの逆算体積固形分と塗り厚から理論所要量塗装膜厚・塗料使用量計算
10色を決める・合わせる色番の変換、混色シミュレーションHEX⇄マンセル⇄日塗工 変換 / 色混合シミュレーター
11仕上がりの住み心地照明の台数、遮音、窓の断熱照度計算・照明台数算出ツール / 防音・遮音量シミュレーター

計算の順序と依存関係

実際のリフォームでは、施工順序に沿って計算を進めると漏れが少ない。

  • 天井・壁の塗装(①塗料)→ 乾燥待ち(⑦乾燥時間)→ 必要なら2度塗り
  • 壁紙の張り替え(②壁紙)→ 端部のコーキング仕上げ(⑥コーキング)
  • 床タイルまたはフローリング(③タイル or ④フローリング)→ 巾木まわりのコーキング(⑥)
  • 珪藻土・漆喰の左官仕上げ(⑤珪藻土)→ 乾燥待ち(⑦乾燥時間)

つまり⑥コーキングと⑦乾燥時間は他の施工と組み合わせて使うことが多い。

そして施工に入る前に、⑧下地処理の段取りと⑩色の決定は必ず終わらせておく。どちらも後から変更が効かない。⑨膜厚は「塗料の缶数をもっと正確に出したい」ときに①の代わりに使う。⑪は工事そのものではなく、仕上がった部屋をどう使うかの話なので、計画段階で一度考えておくと後悔が少ない。

①塗料・ペンキ必要量計算|缶数を正確に出す

塗料 必要量 計算 とは

塗装面積から必要な塗料の量(缶数)を算出する計算だ。計算自体はシンプルだが、実務では以下の変数を考慮する必要がある。

必要塗料量 = 塗り面積 × 塗り回数 ÷ 1缶あたり塗布面積

塗り面積 = 壁面積 − 窓面積 − ドア面積

一般的な室内用水性ペイントの場合、1缶(1.6L)で約12〜14㎡塗れる。ただしこれはメーカーカタログ値で、下地の吸い込みが激しい場合は2〜3割多く消費する。石膏ボードの新品面と、砂壁の上塗りでは消費量がまるで違う。

「2度塗り」の落とし穴

水性塗料の2度塗りは基本中の基本。1度塗りでは下地が透けて仕上がりが悪い。しかし2度塗り=単純に2倍の塗料が必要かというと、実は1度目より2度目の方が消費量は少ない。1度目で下地を埋めているからだ。経験則として、2度塗りの合計は1度塗り×1.7〜1.8倍程度を見込むことが多い。

窓・ドア控除の重要性

6畳の部屋(壁面積約30㎡)で、腰窓1つとドア1つを控除すると約3〜4㎡減る。これは缶数にして0.5缶弱の差。「面倒だから窓を無視して多めに買う」と、14L缶なら1缶余る計算になる。水性塗料は開封後の保存期限が短いので、無駄な在庫は避けたい。

→ 塗料・ペンキ必要量計算で壁面積から窓・ドア控除、塗り回数で必要缶数を算出

②壁紙・クロス必要量計算|柄リピートがカギ

壁紙 必要量 計算方法

壁紙の必要量は「何m必要か」「何ロール買えばよいか」の2段階で考える。

1幅あたりの使用長さ = 天井高 + 上下の切りしろ(各5〜10cm)
柄リピートがある場合 → リピート長の倍数に切り上げ

必要幅数 = 部屋周長 ÷ 壁紙の有効幅(通常92cm)
必要m数 = 必要幅数 × 1幅あたりの使用長さ
必要ロール数 = 必要m数 ÷ 1ロールのm数(通常15mまたは50m)

柄リピートで必要量が激変する

無地の壁紙なら天井高+切りしろでOKだが、柄リピート64cmの壁紙で天井高240cmの場合を考えてみよう。

240cm÷64cm=3.75 → 切り上げて4リピート=256cm。切りしろを含めると約266cm必要。無地なら250cmで済むところ、16cmも余分に使う。これが幅数分だけ累積すると、6畳の部屋で1〜2m以上の差になる。

大柄の輸入壁紙(リピート90cm以上)ではロス率が20〜30%になることも珍しくない。「必要ロール数が思ったより多い」と感じたら、たいていリピートのせいだ。

→ 壁紙・クロス必要量計算で周長・天井高・柄リピートから必要m数を算出

③タイル枚数・材料計算|端部のカットロスを見込む

タイル 枚数 計算 とは

タイルの必要枚数は「施工面積÷1枚の面積」が基本だが、実際は端部で半端なカットが発生するため、10〜15%のロスを見込む必要がある。

基本枚数 = 施工面積 ÷ (タイル幅 × タイル長さ)
ロス込み枚数 = 基本枚数 × (1 + ロス率)
必要ケース数 = ロス込み枚数 ÷ 1ケースあたり枚数(切り上げ)

ロス率は部屋の形状で変わる

長方形の部屋なら端部のカットは2辺だけだが、L字型やコの字型の部屋は切断箇所が増えてロス率が跳ね上がる。また、対角(45°)貼りにすると直角貼りより15〜20%多く必要になる。

モザイクタイル(30×30mmなど小型)は1枚あたりの面積が小さいので、カットロスの影響は相対的に小さい。逆に600×600mmの大判タイルは、1枚割ると半分が廃棄になるケースもあるので注意が必要。

→ タイル枚数・材料計算で部屋形状とタイルサイズから必要枚数を算出

④フローリング・CF必要量計算|規格と貼り方向を押さえる

フローリング 必要量 計算

フローリングの計算はタイルと似ているが、「貼り方向」と「床材の規格サイズ」が加わる。一般的なフローリング材は303×1818mm(1×6尺)や145×1818mmが多い。

基本枚数 = 部屋面積 ÷ (フローリング幅 × フローリング長さ)
ロス込み発注量 = 基本枚数 × (1 + ロス率)
費用概算 = 必要枚数 × 単価

クッションフロア(CF)との違い

CFはロール状の塩ビシートで、幅182cmが標準。部屋の長手方向にロールを転がして、幅方向で継ぎ目を作る。計算のポイントは「継ぎ目の重ね代(通常3〜5cm)」と「柄合わせ」だ。

フローリングのロス率は5〜10%が目安。CFは大判なのでカットロスは少ないが、柄合わせがある場合は10〜15%見込む。

→ フローリング・CF必要量計算で部屋寸法から必要枚数と費用概算を算出

⑤珪藻土・漆喰 塗り面積&材料計算|左官DIYの材料費を事前把握

珪藻土 漆喰 必要量

珪藻土や漆喰は、粉末状の材料を水で練って塗る左官仕上げ。塗り厚と面積から必要な材料量を算出する。

材料体積 = 塗り面積 × 塗り厚
材料重量 = 材料体積 × かさ比重
必要袋数 = 材料重量 ÷ 1袋あたりの重量(切り上げ)

珪藻土の塗り厚は1.5〜2.0mmが標準。漆喰はやや厚めの2.0〜3.0mmが一般的。「少し薄く塗って節約しよう」とすると、下地が透けたりひび割れの原因になるので、規定の厚さは守りたい。

費用感の目安

6畳の壁面(約30㎡)を珪藻土で仕上げる場合、材料費は1〜2万円程度(DIYの場合)。プロに依頼すると5〜10万円が相場なので、材料費だけならDIYのコスパは良い。ただし下地処理材(シーラー)やコテ・バケツ等の道具代も忘れずに計上しよう。

→ 珪藻土・漆喰 塗り面積&材料計算で塗り面積から材料量と費用概算を算出

⑥コーキング必要量計算|目地の体積から本数を逆算

コーキング 必要量 計算

コーキング(シーリング)は、目地の断面積と総延長から必要量を算出する。

コーキング体積 = 目地幅 × 目地深さ × 目地総延長
必要カートリッジ数 = 体積 ÷ 1本あたりの容量(通常330ml)

いつコーキングが必要になるか

  • 壁紙の端部 — 窓枠やドア枠との隙間をコーキングで仕上げる
  • タイルの目地 — 浴室や洗面所のタイル目地(ただし目地材とは別にシリコン系を使う箇所がある)
  • フローリングの巾木 — 巾木と壁の隙間をコーキングで埋める
  • 外壁のひび割れ補修 — サイディングの目地打ち替え

使用量は目地の断面寸法で大きく変わる。幅10mm×深さ10mmの目地が10m続けば、約100mlの消費。1本(330ml)で3.3m分しかない計算だ。「1本あれば足りるだろう」と甘く見て足りなくなるパターンが多い。

→ シーリング・コーキング必要量計算で目地寸法からカートリッジ本数を算出

⑦塗料乾燥時間シミュレーター|天候と気温で段取りが変わる

塗料 乾燥時間 計算

塗料の乾燥時間は「指触乾燥(触っても指につかない)」「半硬化乾燥」「完全硬化」の3段階で考える。各段階の所要時間は塗料の種類、気温、湿度で大きく変動する。

水性塗料は気温20℃・湿度65%で指触乾燥約1〜2時間、完全硬化は24〜48時間が標準。しかし気温が10℃以下になると乾燥時間が2〜3倍に延びる。冬場の施工で「明日2度塗りするつもりだったのに、まだベタついてる」というのは気温の影響だ。

乾燥時間を左右する3要素

1. 塗料の種類 — 水性<油性<ウレタン<エポキシの順に乾燥が遅くなる傾向。2液型は化学反応で硬化するので温度依存が大きい。

2. 気温 — アレニウスの式に基づき、10℃上がると反応速度が約2倍になる。逆に10℃下がると2倍遅くなる。

3. 湿度 — 水性塗料は水分の蒸発で乾燥するため、湿度が高いほど乾燥が遅い。湿度80%以上では施工自体を避けるべき。

→ 塗料乾燥時間シミュレーターで気温・湿度から乾燥予想時間を算出

⑧下地処理と道具|ここを飛ばすと数量計算が無意味になる

材料をぴったり買えても、下地が悪ければ塗膜は数ヶ月で剥がれる。DIYのやり直しで最も多い原因がここだ。

サンドペーパーは「番手を飛ばさない」

ヤスリがけの目的は、単に平らにすることではなく前の工程でついた傷を、次の番手で消していくこと。番手を飛ばすと前の傷が残り、塗装したあとに線として浮かび上がる。

一般的な番手の進め方(木部塗装の例)

#80〜#120  → 荒削り・古い塗膜の除去
#180〜#240 → 下地ならし。ここで塗る面の形が決まる
#320〜#400 → 塗装前の最終仕上げ
(塗装後の中研ぎ)#400〜#600 → 毛羽・ホコリの除去

目安は前の番手の2倍まで。#120の次に#400へ飛ぶと、#120の傷が消えないまま仕上げに入ることになる。逆に細かすぎる番手で終えると、塗料が食いつかず密着不良を起こすので、「細ければ良い」でもない。

石膏ボードのパテ研ぎ、木部の塗り替え、金属の錆落とし——素材と目的で最適な順序が変わる。

→ サンドペーパー番手ガイドで仕上げ目的・材料から番手の順序を自動提案

巾木・見切り材のカットはチップソー次第

内装DIYでは、巾木・廻り縁・見切り材といった造作材を必ず切る。丸鋸のチップソーは「木工用」と書いてあれば何でも同じではなく、刃数で仕上がりがまったく違う。

  • 刃数が少ない(24〜40P)→ 切削が速い。荒木取り向き。切断面は粗い
  • 刃数が多い(60〜100P)→ 切断面がきれい。造作・化粧材向き。ただし遅く、焦げやすい

化粧面の出る材料を24Pで切ると、木口が毛羽立って見切り材の隙間が目立つ。逆に構造材を100Pで切ると時間がかかりモーターに負担がかかる。

→ チップソー選定ナビで材料・丸鋸外径・仕上げ精度から最適な刃数を算出

⑨膜厚から塗料量を逆算する|「何缶」をもう一段正確に

①の缶数計算はカタログの「1缶で○㎡」を使う簡便法だ。もっと正確に出したい、あるいはカタログに㎡表記がない業務用塗料を使うときは、膜厚から逆算する。

体積固形分がカギ

塗料は溶剤や水を含んでいて、乾くとその分だけ体積が減る。乾いたあとに残る割合が**体積固形分(NV)**だ。

理論所要量 [L/㎡] = 乾燥膜厚 [μm] ÷ (体積固形分 [%] × 10)

例)乾燥膜厚 30μm、体積固形分 45% の塗料
   30 ÷ (45 × 10) = 0.0667 L/㎡ → 1Lで約15㎡

実際の所要量 = 理論所要量 ÷ 塗着効率
  刷毛・ローラー: 0.7〜0.9
  スプレー(屋内): 0.4〜0.6

体積固形分が高い塗料ほど「1缶で塗れる面積」が広い。同じ値段の2缶を比べるときは、容量ではなく体積固形分で比較すると本当のコスパが見える。

スプレーガンを使う場合、塗着効率が0.5を切ることも珍しくない。「ローラーの倍は買っておく」が現実的な目安だ。

→ 塗装膜厚・塗料使用量計算で膜厚・体積固形分から理論使用量と缶数を計算

⑩色を決める・合わせる|面積効果と色番のギャップ

色見本と壁で印象が変わる理由

小さい色見本で選んだ色を壁一面に塗ると、明るい色はより明るく、暗い色はより暗く感じる。これが面積効果で、DIYで最も多い「思っていた色と違う」の正体だ。対策はシンプルで、狙いより1トーン落ち着いた色を選ぶ。

もう1つが光源の影響。昼白色のLEDで見た色と電球色で見た色は別物になる。塗る部屋の照明の下で色見本を当てて確認するのが確実だ。

色番の体系が現場ごとに違う

DIYで色をやりとりするとき、体系が噛み合わないことがよくある。

  • ネットで見つけた実例の色 → HEX(#RRGGBB)
  • 塗料メーカーの色見本帳 → 日塗工番号(22-80B など)
  • 内装業者・設計者との会話 → マンセル値(5Y 8/1 など)

同じ色でも表記が違うだけで話が通じなくなる。HEXを中間コードにすれば相互に変換できる。

→ HEX⇄マンセル⇄日塗工 変換で3体系を相互変換

塗料を混ぜて色を作るとき

売っている色でぴったりが無いとき、2色を混ぜて調色することになる。混ぜる前に方向性が読めていれば、試し混ぜの回数を大幅に減らせる。白を足すと明度は上がるが彩度は必ず落ちる、補色を少量足すと彩度だけ落ちてくすむ——このあたりは頭で分かっていても、比率の感覚は掴みにくい。

→ 色混合シミュレーターで混合比率を変えながらプレビュー

色の体系そのものをもっと深く知りたい場合は色コード変換まとめにまとめてある。

⑪仕上がりの住み心地|内装が終わったあとに効いてくること

壁と床がきれいになっても、住み心地は別の要素で決まる。内装をやり直すタイミングは、これらに手を入れる最後のチャンスでもある。

照明は「明るさ」ではなく必要台数で考える

壁を白くすると部屋は明るくなるが、逆に濃色にすると想像以上に暗くなる。塗り替えで色を大きく変えるなら、照明の台数も見直したほうがいい。

必要な明るさは用途で決まっていて、JIS Z 9110では居間 30〜75lx(全般照明)、書斎・勉強 500〜1000lx、台所の作業面 300lx などが示されている。部屋の広さ・天井高・壁の反射率から必要台数を出せる。

→ 照度計算・照明台数算出ツールで必要台数と平均照度を算出

遮音は「隙間」と「面密度」で決まる

壁紙を張り替えるついでに防音材を入れたい、という相談は多い。ただし遮音の効果は素材の**面密度(kg/㎡)**でほぼ決まり、薄い吸音シートを1枚貼った程度では体感はほとんど変わらない。

しかも遮音は最も弱い部分に支配される。壁をどれだけ強化しても、ドアの隙間・コンセントボックス・換気口から音は入る。「壁の性能を上げる前に隙間を塞ぐ」が費用対効果では圧倒的に上だ。

→ 防音・遮音量シミュレーターで壁構成から透過損失(TL値)と遮音等級を概算

断熱は窓から手を付けるのが定石

内装リフォームで壁を触るなら断熱も、と考えがちだが、住宅で熱が最も出入りするのは窓だ。壁を厚くするより、内窓を1つ入れるほうが費用対効果で勝つケースが多い。

→ 窓断熱リフォーム省エネ効果計算で年間の冷暖房費削減額と投資回収年数を確認、複数箇所を比べるなら断熱リフォーム投資回収シミュレーターでコスパ順に並べられる

DIY内装リフォーム チェックリスト

施工前の材料発注で使えるチェックリストをまとめた。

豆知識|DIY塗装・内装リフォームの雑学

「1畳」の面積は地域で違う

「6畳の部屋」と言っても、畳のサイズは地域によって異なる。京間(955×1910mm)、中京間(910×1820mm)、江戸間(880×1760mm)、団地間(850×1700mm)の4種類が主流。京間と団地間では1畳あたり約20%の面積差がある。6畳で比較すると、京間10.94㎡に対し団地間8.67㎡。材料の必要量も当然変わるので、「何畳」ではなく実測のmm単位で計算するのが正解だ。

壁紙の「有効幅」は92cm

日本の壁紙(ビニルクロス)は幅92cmが標準。ただし端部を2〜3cm重ねて両方カットする「重ね切り」が基本施工法なので、有効幅は約89cm。計算時にこの差を見落とすと、幅数が1〜2列足りなくなる。輸入壁紙は幅53cmが多いので、さらに枚数が増える点にも注意。

珪藻土は「調湿機能」が売りだが限界もある

珪藻土の調湿効果はJIS A 6909で「調湿建材」の基準が定められている。1㎡あたり70g以上の吸放湿量が目安。ただし塗り厚が薄すぎると調湿効果が十分に発揮されない。1.5mm以上の塗り厚を確保するのがポイント。

コーキングの寿命は10〜15年

シリコン系コーキングの寿命は一般的に10〜15年。変成シリコン系は上から塗装できるメリットがあるが、紫外線に弱く屋外では劣化が早い。浴室のカビが生えたコーキングは「打ち替え」が基本で、上から重ね塗りしても密着しない。

Tips|DIY内装リフォームで失敗しないために

  • 材料は「同一ロット」でまとめ買いする — 塗料の色番が同じでもロット違いで微妙に色味が異なることがある。壁紙も同様。追加発注で色が合わないリスクを避けるために、最初から必要量+5%を一括購入するのがベスト
  • 端材サンプルで試し塗りする — カタログの色見本と実際に壁に塗った色は、照明と面積効果で印象が変わる。小さい面積だと暗く見えた色が、広い面積に塗ると明るく感じる現象(面積効果)は頻繁に起きる
  • 養生は施工時間の半分を占める — プロの塗装職人は「養生8割、塗り2割」と言う。養生テープの消費量も計算に入れておかないと、途中でテープが足りなくなって中断する羽目になる
  • 気温5℃以下では塗装しない — 水性塗料は5℃以下で造膜不良を起こすリスクがある。冬場のDIY塗装は、暖房で室温を15℃以上に保った状態で作業するのが鉄則
Q. 塗料の必要缶数を計算するとき、下地の種類は考慮すべき?

考慮すべきだ。石膏ボード(新品)はシーラー処理後なら標準の塗布量でOKだが、砂壁やモルタル下地は吸い込みが激しく、1.3〜1.5倍の塗料を消費することがある。ツールの計算結果を目安にしつつ、下地の状態に応じて1〜2割多めに見積もるのが安全。

Q. 壁紙の柄リピートが分からない場合はどうすればいい?

壁紙のカタログやメーカーサイトの品番詳細ページに「タテリピート○○cm」「ヨコリピート○○cm」と記載されている。記載がない場合は無地扱い(リピートなし)で計算して問題ない。輸入壁紙は「Pattern Repeat」の表記で確認できる。

Q. タイルのロス率10%で足りないことはある?

部屋が長方形でストレート貼りなら10%で十分。ただしL字型の部屋、対角貼り、モザイクパターンの場合は15〜20%を推奨する。また、タイルカッターに慣れていない初心者は、カット失敗による割れも加味して15%で計算するのが安心。

Q. 計算結果のデータはサーバーに保存される?

すべてのツールはブラウザ内で計算が完結しており、入力データや計算結果がサーバーに送信されることはない。安心して利用できる。

Q. 乾燥時間の計算結果はどこまで信頼できる?

気温と湿度から推定する経験式ベースの目安値だ。実際の乾燥時間は、塗り厚のムラ、換気条件、下地の吸湿性などで変動する。とくに2液型塗料は混合比のズレで硬化不良を起こすこともあるので、計算結果は「最短このくらいは待つべき」という目安として使ってほしい。

Q. ヤスリがけはどこまでやれば「十分」なのか?

判断基準は見た目ではなく手触りだ。照明を斜めから当てて表面を見ると、残っている傷が影になって見える。指の腹でなでて引っかかりがなく、斜光で線が出なければ次の番手へ進んでよい。⑧で触れたとおり番手を飛ばすと前の傷が消えないので、サンドペーパー番手ガイドで順序を確認してから始めると手戻りがない。

Q. 色見本で選んだ色を塗ったら明るすぎた。次はどうすれば?

面積効果を見込んで、狙いより1トーン落ち着いた色を選ぶ。⑩で書いたとおり、明るい色は広い面積になるほど明るく感じる。加えて、色見本は必ず塗る部屋の照明の下で当てて確認すること。昼白色と電球色では別の色に見える。すでに買った塗料を活かしたいなら、同系のグレーやベージュを少量混ぜて落ち着かせる手もあるので、色混合シミュレーターで方向性を先に確かめるとよい。

Q. ホームセンターの塗料と業務用の塗料、どちらがコスパがいい?

容量あたりの価格では比べられない。⑨で見たとおり、塗れる面積は体積固形分で決まるので、固形分の高い業務用塗料は1缶あたりの単価が高くても㎡あたりでは安くなることがある。ただし業務用は希釈が必要だったり、色数が少なかったり、少量では買えないことも多い。1部屋だけならホームセンター品、家一軒まとめてなら業務用の検討価値がある、というのが実感だ。

まとめ|11の計算を先にやれば、ホームセンターで迷わない

DIY塗装・内装リフォームで決めるべきことは、**材料の数量(塗料・壁紙・タイル・フローリング・珪藻土・コーキング・乾燥時間)**と、**数量以外(下地と道具・膜厚・色・住み心地)**の合わせて11領域。施工前にこれらを詰めておけば、ホームセンターで「とりあえず多めに」の無駄遣いがなくなるし、塗ったあとの「思っていたのと違う」も減る。

この記事で紹介したツールをまとめておく:

外構・土間まわりの数量拾い(残土・砕石・生コン)は外構・土間の数量計算まとめ、棚づくりや壁掛けの固定は棚・壁掛けの固定まとめに分けてある。その他の資材計算は DIYカテゴリのツール一覧 からたどれる。

不具合の報告や機能リクエストはお問い合わせページから。

M

Mahiro

Mahiro Appの開発者。自宅の6畳和室を珪藻土でDIYリフォームした際、材料が1袋足りなくて同じ色番が品切れに。以来「計算してから買う」派に転向。壁の色は面積効果で明るく出ると知ったのは、2回塗り直したあとだった。

運営者情報を見る

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この記事で紹介したツール

塗料・ペンキ必要量計算

壁面積から窓・ドアを控除し、塗り回数で必要缶数を算出

壁紙・クロス必要量計算

部屋周長・天井高・窓ドア控除・柄リピート長から必要m数・ロール数・ロス率を算出

タイル枚数・材料計算

部屋の形状とタイルサイズから必要枚数・ケース数・ロス込み枚数を自動計算

フローリング・CF 必要量計算

部屋の寸法と床材の規格から必要枚数・ロス込み発注量・費用概算を自動算出

珪藻土・漆喰 塗り面積&材料計算

部屋の寸法から窓・ドアを差し引き珪藻土・漆喰の必要量と費用概算を表示

シーリング・コーキング必要量計算

目地寸法からシーリング材とプライマーの量、カートリッジ・ペール缶の本数、目地幅の目安を算出

塗料乾燥時間シミュレーター

塗料の種類・気温・湿度から指触乾燥〜完全硬化までの予想時間を計算

サンドペーパー番手ガイド

仕上げ目的・材料・塗装種類から最適な番手の順序(粗→細)を自動提案

チップソー選定ナビ

切る材料・丸鋸の外径・仕上げ精度から最適なチップソーの刃数を自動算出

塗装膜厚・塗料使用量計算

膜厚・体積固形分から塗料の理論使用量と缶数を計算

HEX⇄マンセル⇄日塗工 変換

HEX/RGBとマンセル表色系・日塗工コードを相互変換

色混合シミュレーター

2〜4色の混色プレビューと、目標色から配合比を逆算する調色モード

照度計算・照明台数算出ツール

光束法で必要照明台数と平均照度を自動計算。JIS Z 9110準拠プリセット付き

防音・遮音量シミュレーター

壁構成材料と厚さから透過損失(TL値)を周波数帯別に自動計算

窓断熱リフォーム省エネ効果計算

窓のU値変化・年間冷暖房費削減額・投資回収年数を自動算出

断熱リフォーム投資回収シミュレーター

箇所別に施工費用・光熱費削減効果・投資回収年数を比較。コスパの良い順に表示

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