ブラスト材は何トン必要?見積もりで一番聞かれる数字
塗装工事の見積もりを作っていると、元請けから必ず飛んでくる質問がある。「ブラスト材、何トンで見てる?」だ。面積と除錆度と材料が決まれば電卓で出せそうな話に見えるが、現実は違う。銅スラグとガーネットでは消費量が倍近く違うし、黒皮と中度発錆でも1.3倍の差が出る。ノズル番手を1つ上げただけで生産性は2倍変わり、作業日数が狂う。
このツールは、そんな「聞かれたらすぐ答えたい数字」を一瞬で出すために作った。処理面積・除錆度・研掃材・素地状態・ノズル番手を入れれば、必要な研掃材量(kg / t)、生産性(m²/h)、推定作業時間、必要空気量までまとめて出る。元請け会議の最中でもスマホで叩けるし、DIYで小型サンドブラスト箱を使う人にも計算式は同じだ。
なぜ作ったのか
きっかけは造船の塗り替え現場だった。下請で200m²の鋼材をSa2.5で仕上げる段取りを任されたとき、元請けから「ガーネットで何トン?」と聞かれて即答できなかった。メーカーのカタログには「25〜60 kg/m²」と幅広く書いてあるだけで、除錆度と素地状態の組み合わせで数字が決まる早見表はどこにもない。結局、現場事務所で古いJPIA(日本プラント工業会)の資料と、クレムコのノズルカタログと、SSPC-VIS 1の写真基準を突き合わせながら30分かけて計算した。その間、元請けは待たされて不機嫌だった。
帰ってから「こんな計算、毎回手でやるのは無駄だ」と強く思った。検索してみると、英語圏にはいくつか簡易計算機があるが、銅スラグとスチールグリットを同じ土俵で比較できるものはない。しかも日本の現場で多い「Sa2.5基準/B素地/#7ノズル」というデフォルト設定がどこにも用意されていなかった。メーカーサイトは自社商品の消費量しか出さないし、SSPC-PA 2やISO 12944を解説する学術サイトは数式は書いてあっても「200m²ならトータル何トン」まで落とし込んでくれない。
だったら自分で作るしかない。メーカー4社分の実測データ(クレムコ/CONTRACOR/Barton/昭和電工)から消費原単位の平均値を拾い、ISO 8501-1の素地状態補正を重ねて、ノズル番手ごとの生産性テーブルを内蔵した。結果として「面積を入れて4つ選ぶだけ」で、見積もり会議の空気を壊さずに答えられるツールになった。
ブラスト前処理の基礎
ブラスト処理 とは
ブラストとは、高圧空気で研掃材(アブレシブ)を鋼材表面に吹き付けて、錆・黒皮・旧塗膜を剥ぎ取り、同時に微細な凹凸(アンカーパターン)を作る表面処理だ。凹凸ができるから新しい塗料が機械的にしっかり噛みつく。これをやらずに塗るのは、油まみれのフライパンにシールを貼るようなもので、数年で剥がれる。
身近なたとえで言えば、古い木の家具のペンキを剥がすときにサンドペーパーで磨く作業の「超強力版」だ。サンドペーパーが手作業で1時間かけて30cm四方しか進まないのに対し、#7ノズルの本職ブラストは1時間で15m²を片付ける。スピードが200倍違う。
Sa2.5 とは何か(ISO 8501-1 除錆度)
除錆度はISO 8501-1で定義されている。日本のJIS Z 0310もこれに整合している。代表的な3グレードを覚えておけば現場では困らない。
- Sa2(商業ブラスト, SSPC-SP6 相当): 錆・黒皮の大部分を除去。鋼面の66%以上が金属光沢。下塗り塗料の多くはここで足りる
- Sa2.5(ニアホワイト, SSPC-SP10 相当): 非常に入念なブラスト。残存汚れは軽いシミ程度で鋼面の95%以上が露出。重防食塗装系の標準下地
- Sa3(ホワイト, SSPC-SP5 相当): 完全な金属光沢。タンクライニングや特殊コーティングなど高耐久要求で採用
Sa2 → 商業ブラスト → 金属光沢 66%以上
Sa2.5 → ニアホワイト → 金属光沢 95%以上(実務の主役)
Sa3 → ホワイト → 金属光沢 100%
グレードが1段階上がるごとに消費量は1.5倍、作業時間は約1.7倍になる。「とりあえずSa3」で発注するとコストが跳ね上がるので、塗料メーカーの仕様書で要求グレードを確認することが大事だ。
素地状態 A/B/C/D
ISO 8501-1では、ブラスト前の鋼面を4段階に分類する。
- A: 未錆鋼面に密着した黒皮(ミルスケール)がほぼ全面に残る
- B: 錆が進行し始め、黒皮が浮いてきている
- C: 黒皮が消え、全面的に発錆。ピットはほとんどない
- D: 全面発錆に加えて目視できるピット(孔食)あり
Aが一番削りやすく、Dは削りづらい。消費量は0.9倍〜1.35倍で変動する。
実務での重要性
前処理のコストを甘く見て痛い目を見た話は現場に山ほどある。よくあるのは「Sa2で十分と判断して塗ったら3年で膨れが出た」ケースだ。重防食塗装(ジンクリッチ+エポキシ+ウレタン)は下地がSa2.5以上でないと期待寿命が出ない。JIS K 5551(構造物用さび止めペイント)やISO 12944-4はいずれも、重防食環境(C4以上)ではSa2.5を要求している。
塗膜剥離が起きると、再ブラスト+再塗装で初回工事の2〜3倍のコストがかかる。橋梁の塗り替えで50m²分の剥離が発生すれば、足場再架設込みで数百万円の追加費用だ。前処理の研掃材を1トン余計に使う方が、はるかに安い保険になる。
逆に発注側から見れば、「Sa2.5と書いたのに請負業者がSa2でお茶を濁した」というトラブルも多い。SSPC-VIS 1のレプリカ写真と見比べれば判定できるが、見積もり段階で消費量を押さえておけば「このトン数でSa2.5は無理でしょう」と数字で指摘できる。発注者にとっての品質管理ツールでもある。
もう一つ忘れてはいけないのがランニングコスト。銅スラグは1トン3〜5万円、ガーネットは8〜15万円、アルミナは15〜25万円、スチールグリット(再利用型)は初期費用こそ高いが回収率90%以上で単位コストが最も安い。200m²の塗り替えでも、材料選定で数十万円の差が出る。
活躍する場面
- 造船・船舶メンテナンス: ドックで船体の錆打ちから塗装までを管理する塗装監督が、日別の必要材料と作業員配置を計画するとき
- 橋梁塗り替え: 国交省の橋梁点検で剥離が見つかり、部分補修の見積もりを1日で出さないといけないとき
- プラント・タンク内面: 化学プラントの貯蔵タンクを開放点検する際、内面ブラストに必要な材料を事前に手配するとき
- DIY鉄骨・古道具レストア: 工房の小型サンドブラスト箱で家具脚やバイクフレームを処理する際、袋売りガーネットを何袋買えばいいか知りたいとき
どのシーンでも共通するのは「元請けや施主に数字で説明する責任」がある点だ。このツールはその場で答えを出せる。
基本の使い方
- 面積を入力: 処理する鋼材の表面積(m²)を入れる。展開面積を事前に出しておくこと
- 除錆度と素地状態を選ぶ: 塗料仕様書に記載のグレード(通常Sa2.5)と、現況写真から判断したA〜Dの素地状態をタップ
- 研掃材とノズル番手を選ぶ: 使う研掃材(銅スラグ/ガーネット/スチールグリット/アルミナ)と、コンプレッサ能力に見合うノズル(#6〜#8)を選ぶ。結果は即座に更新される
結果欄には、必要研掃材(kg/t)、生産性(m²/h)、推定作業時間、必要空気量、消費原単位(kg/m²)が並ぶ。コピーボタンで見積書にそのまま貼り付けられる。
具体的な使用例
ケース1: 橋梁桁100m² / ガーネット / Sa2.5 / #7ノズル
中規模橋梁の塗替えで最も典型的な条件。入力は面積100m²、Sa2.5、ガーネット、素地B(軽度発錆)、#7ノズル。
- 消費原単位: 40 kg/m²
- 必要研掃材: 4,000 kg(4.00 t)
- 生産性: 15.0 m²/h
- 推定作業時間: 6.7 h
- 必要空気量: 8.5 m³/min
解釈: 1日8時間稼働で余裕を持って終わる。ガーネット4トン=大型フレコン4袋分。10 m³級コンプレッサが必要。
ケース2: タンク内面100m² / 銅スラグ / Sa3 / #8ノズル
化学プラントの貯蔵タンク内面をホワイト仕上げする条件。中度発錆あり。
- 消費原単位: 70 kg/m²
- 必要研掃材: 8,050 kg(8.05 t)
- 生産性: 12.0 m²/h
- 推定作業時間: 8.3 h
- 必要空気量: 11.0 m³/min
解釈: Sa3指定で消費量が一気に跳ね上がる。同じ100m²でもケース1の2倍。大型ディーゼルコンプレッサ必須の注意表示が出る。銅スラグは使い捨てなので産業廃棄物も8トン出る点に注意。
ケース3: 工房50m² / スチールグリット / Sa2.5 / #6ノズル
小型ブラストルーム内で循環回収式に運用するケース。
- 消費原単位: 2.5 kg/m²(正味ロス分)
- 必要研掃材: 125 kg(0.13 t)
- 生産性: 10.0 m²/h
- 推定作業時間: 5.0 h
- 必要空気量: 6.0 m³/min
解釈: 使い捨てのガーネット同条件なら2,000 kg必要だが、スチールグリットは回収再利用型なのでロス分の125 kgだけで済む。初期投入量は別途500 kg程度必要だが、運用コストは圧倒的に安い。
ケース4: 工場新設鋼材200m² / アルミナ / Sa2 / #7ノズル
新設鉄骨の黒皮落とし。発錆なし(A素地)。
- 消費原単位: 20 kg/m²
- 必要研掃材: 3,600 kg(3.60 t)
- 生産性: 19.5 m²/h
- 推定作業時間: 10.3 h
- 必要空気量: 8.5 m³/min
解釈: Sa2指定で生産性係数1.3倍、A素地補正0.9倍で効率が良い。1.5日で完了。アルミナは切削力が強く、研掃材の硬度(モース9)を生かしてアンカーパターンを深めに出したい用途に向く。
ケース5: 小規模補修30m² / 銅スラグ / Sa2.5 / #6ノズル / B素地
橋梁の部分補修(計算式: 45 × 1.0 × 30 = 1350 kg、P = 10 × 1.0 = 10 m²/h、T = 3.0 h)。
- 必要研掃材: 1,350 kg(1.35 t)
- 作業時間: 3.0 h
- 必要空気量: 6.0 m³/min
解釈: フレコン1袋+半分で足りる。小型コンプレッサ(6 m³/min級)でも対応可能な規模。半日仕事なので1人親方でも回る。
ケース6: 重腐食タンク外面500m² / ガーネット / Sa2.5 / #8ノズル / D素地
海岸近くの老朽タンクでピット多数(計算式: 40 × 1.35 × 500 = 27,000 kg、P = 20 × 1.0 = 20 m²/h、T = 25.0 h)。
- 必要研掃材: 27,000 kg(27.0 t)
- 作業時間: 25.0 h
- 必要空気量: 11.0 m³/min
解釈: D素地補正1.35倍が効いて消費量が大幅に増える。ガーネット27トンは20トンコンテナ+フレコン7袋。1日8時間稼働で3日強。大型コンプレッサとノズルマン2人体制を組みたい規模。
仕組み・アルゴリズム
候補手法の比較
消費量算出のアプローチは大きく3つある。
- 理論式による推定: アブレシブ粒子1個あたりの切削能力から積み上げる方法。学術的には正確だが、パラメータが多すぎて現場では使えない
- メーカーカタログ補間: 各社のカタログ値を線形補間する方法。精度は出るが、メーカー間で条件定義がバラバラで横並び比較できない
- 実測フィールドデータの統計値: 複数メーカーの実地試験データを平均して、グレード×材料の早見表にする方法
このツールは3番を採用した。理由は「現場で見積もりに使える速度と精度のバランス」が最も良いからだ。SSPC-VIS 1 の写真基準条件で測定された実測データと、クレムコ/CONTRACOR/Barton の公開フィールド値を照合し、標準条件(圧力7 bar、ノズル新品、熟練オペレーター)の平均値をテーブル化している。
実装詳細
計算フローは単純な3ステップだ。
// 1. 消費原単位を材料×除錆度で引く
const rate = consumptionRates[abrasive][grade]; // kg/m²
// 2. 素地状態補正を掛けて総消費量
const totalKg = rate * surfaceFactor[condition] * area;
// 3. 生産性と作業時間
const productivity = nozzleSpec[nozzle].productivityBase * gradeMult[grade];
const timeHours = area / productivity;
内蔵テーブルは以下の通り。
消費原単位 rate (kg/m²)
Sa2 Sa2.5 Sa3
銅スラグ 30 45 70
ガーネット 25 40 60
スチール 1.5 2.5 4(正味ロス)
アルミナ 20 35 55
素地補正 surfaceFactor
A黒皮 0.9 / B軽錆 1.0 / C中錆 1.15 / D重錆 1.35
生産性ベース productivityBase (m²/h) @ Sa2.5
#6 10 / #7 15 / #8 20
除錆度倍率 gradeMult
Sa2 ×1.3 / Sa2.5 ×1.0 / Sa3 ×0.6
計算例(ケース2を手計算で追う)
100m²、Sa3、銅スラグ、C中度発錆、#8ノズルの場合。
rate = 70 kg/m²(銅スラグ × Sa3)
surfaceFactor = 1.15(C中度)
totalKg = 70 × 1.15 × 100 = 8,050 kg
totalTon = 8.05 t
productivityBase = 20 m²/h(#8ノズル)
gradeMult = 0.6(Sa3)
productivity = 20 × 0.6 = 12.0 m²/h
timeHours = 100 / 12.0 = 8.33 h → 8.3 h
airConsumption = 11.0 m³/min(#8ノズル標準)
実測との誤差は標準条件下で±15%以内に収まるよう係数を調整している。ただし現場条件(コンプレッサ能力不足、ホース長40m超、未熟練オペレーター、高湿度)では±30%以上ブレることがあるので、見積もりでは常に10〜20%のマージンを足すのが実務の常識だ。
他のブラスト計算ツールとの違い
メーカーサイトにも「研掃材消費量の目安」を出す電卓はある。ただ、その多くは自社製品1種類に限定されており、銅スラグ・ガーネット・スチールグリット・アルミナを横並びで比較できるものは少ない。見積もり段階では「ガーネットに切り替えたら何トン減るか」「回収式スチールグリットに変えたら採算が合うか」を即座に比べたい場面が多く、製品別の電卓ではその比較ができない。
このツールは材料4種×除錆度3段階×素地状態4段階×ノズル3サイズを1画面で切り替えられるようにした。ISO 8501-1の素地状態補正(A/B/C/D)を独立した係数として分離しているのもポイントで、「同じSa2.5でも重錆は1.35倍食う」という現場の感覚値を定量化している。
さらに塗装系ツール群との統合が大きな差別化になる。ブラスト後はDFT管理・乾燥時間管理・膜厚検査と続くが、このサイトには /paint-calc、/paint-thickness-calc、/paint-dry-calc が揃っており、前処理から塗装完了までの数量を一気通貫で見積もれる。防食系も /sacrificial-anode、/galvanic-corrosion まで揃っているため、橋梁・タンクの塗替え案件では特に効率がいい。
豆知識・読み物
ブラスト研掃材の歴史
圧縮空気で砂を吹き付ける「サンドブラスト」は1870年に米国のBenjamin Chew Tilghmanが特許を取得したのが始まりだ。当初は本当に珪砂(シリカサンド)を使っていたが、作業者が吸い込むと珪肺症(Silicosis)を発症することが判明し、20世紀半ばから多くの国で使用が制限された。EUは2000年前後にほぼ全面禁止、日本でも労働安全衛生法の粉じん障害防止規則で屋内作業は原則禁止となっている。現在「サンドブラスト」と呼ばれる作業の大半は、実際には銅スラグ・鉱滓(スラグ)系やガーネットを使っている。名前だけ残った典型例だ。
スチールグリットの回収率
スチールグリットやスチールショットは、1回の投射で消費されるのはごく一部で、残りは回収して再利用する「循環式(リサイクルブラスト)」が前提だ。造船所の大型ブラスト室ではサイクロン分級機とマグネットセパレータで不良粒と鋼材を分離し、1粒あたり100~300回転使われる。このツールで入力する「1.5~4 kg/m²」というのは、1回転ごとの正味ロス分(摩耗で粉になり回収不能になる量)を示している。初回充填量はこれとは別に、ブラスト室容積に応じて数トン単位で必要になる点に注意したい。
ショット禁止の現場
タンクや配管内面のブラストでは、スチールショットやスチールグリットが製品に残留すると異物混入・錆発生源になるため、ガーネットや酸化アルミナ(アルミナ)などの非鉄系が指定されることが多い。食品・医薬タンク、ステンレス配管、原子力関連では「鉄系研掃材使用禁止」が仕様書に明記されているケースがある。逆に造船のブロック外板ではスチールグリットの循環式が圧倒的に経済的で、現場ごとに最適解が違うのがブラスト材選定のおもしろいところだ。
参考: ISO 8501-1 Wikipedia、SSPC (現 AMPP)
Tips
- ノズル摩耗は生産性を直撃する: #7ノズル(11.1mm)が摩耗して12mmに拡がると、空気消費量は直径比の2乗で約1.17倍に増え、コンプレッサー圧力が落ちて生産性はむしろ下がる。摩耗0.5mm超で即交換が鉄則。消費量計算は「新品ノズル前提」なので、古いノズルで使うときは結果に+20%程度マージンを取る
- 圧力ロスに要注意: 圧力が7 barから6 barに1 bar落ちると、ブラスト効率は体感で2~3割低下する。ホース長50m以上、継手多数、細径ホースなどは圧力ロスが大きい。コンプレッサ出口で7 barでもノズル元で5.5 barということは珍しくないため、現場で圧力計を当てて実測することを勧める
- 回収できる材料と使い捨ての材料: 銅スラグ・ガーネットは基本的にワンパス(使い捨て)、スチールグリット・アルミナは循環前提。見積もりでは「材料費+回収設備費」か「材料費だけで大量投入」かを比較する。面積が大きいほど循環式が有利になる分岐点がある
- 素地状態の判定はISO 8501-1付属の写真集で行う: 主観で「B軽錆」と決めずに、現場で標準写真と対比すること。C/Dを見誤ると材料が2割足りなくなる
- 廃棄物コストも忘れない: 使い捨て系研掃材は使用後に汚泥混じりの産業廃棄物となり、処分費が材料費と同程度かかるケースもある。総コストは「材料費×2」で見ておくと安全
FAQ
湿式ブラスト(ウェットブラスト)にも使える?
このツールは乾式ブラスト前提の数値だ。湿式(スラリーブラスト、バキュームブラスト)は水分で材料が沈降・凝集するため、消費原単位が1.3~1.5倍に増える傾向がある。湿式の場合はこのツールの結果に×1.4程度を掛けた概算を使ってほしい。将来的に湿式モードの追加を検討中。スチールグリットの「2.5 kg/m²」は少なすぎない?
循環式の正味ロス分(回収不能になる粉化量)を示している。初回のブラスト室充填には別途3~10トン程度のグリットが必要で、それは「消耗品」ではなく「設備資産」として計上するのが一般的だ。このツールの結果はランニング消費分なので、新設現場では初期充填分を別途見込む必要がある。騒音対策はどうすればいい?
ブラスト作業の騒音は105~115 dB(ジェットエンジン並み)で、環境基準値を大幅に超える。都市部・住宅地隣接の現場では、ブラスト養生テント+消音シートの二重対策、作業時間帯制限(8:00~18:00等)、近隣への事前説明が必須だ。バキュームブラスト(吸引同時回収式)に切り替えると10~15 dB低減できるが、生産性は半分以下になる。使用済み研掃材は産業廃棄物として扱う必要がある?
基本的にYes。旧塗膜に鉛・クロム・PCBなどの有害物質が含まれる可能性があるため、既設構造物の塗替えで出た使用済み研掃材は「特別管理産業廃棄物」に該当する場合がある。新設(未塗装鋼材)のブラストなら普通産業廃棄物扱いで済むことが多い。処分費は地域差があるが、1トンあたり3~5万円を見ておくと安全だ。コンプレッサ能力はどう選べばいい?
結果の「必要空気量」の1.2~1.3倍の吐出能力を持つコンプレッサを選ぶ。例えば#7ノズルで8.5 m³/minなら10~11 m³/min級が必要。空気量に余裕がないと圧力が落ちて生産性が激減する。必要空気量が10 m³/minを超える場合はこのツールでも警告を出しており、大型ディーゼルコンプレッサ(工事用レンタル)の手配が前提となる。まとめ
ブラスト前処理は塗装品質の8割を決めると言われる工程だ。このツールで材料・除錆度・面積から消費量と作業時間を素早く把握し、見積もり精度を上げてほしい。前処理が終わったら、次は塗料数量を /paint-calc で、膜厚管理を /paint-thickness-calc で、乾燥スケジュールを /paint-dry-calc で計算できる。メッキ仕様なら /plating-thickness、海洋構造物の電気防食は /sacrificial-anode と /galvanic-corrosion が連携できる。改善要望は お問い合わせ まで。
Mahiro
Mahiro Appの開発者。200m²の造船塗り替え現場で元請けから『ガーネットで何トン?』と聞かれて即答できず30分計算した失敗から作った。ISO 8501-1 と SSPC-VIS 1 を睨みながらのメーカーデータ突合せを、ボタン1つに圧縮したツールだ。
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