庭の人工芝DIY、材料費がいくらになるか把握できているだろうか
「庭に人工芝を敷きたい」と思い立って、ホームセンターに行ってみる。ロール売り場の前に立つと、1m幅と2m幅がある。20mmと35mmと45mmがある。下地に砂利がいるらしい。防草シートも必要らしい。固定ピンは何本? 結局いくらかかるの?
人工芝のDIYは「敷くだけ」に見えて、実は材料の種類が多い。人工芝本体だけでなく、下地の砂利、防草シート、U字ピンと4種類の材料が必要で、それぞれの数量計算が地味にややこしい。面積から砂利の重量をキログラム単位で出し、ロール幅と敷設幅の関係からジョイント部のピン本数まで割り出す。電卓とメモ帳を使って手計算すると、どこかで必ず計算ミスが紛れ込む。
このツールは、幅と奥行を入れるだけで人工芝・砂利・シート・ピンの必要量と費用をまとめて算出する。「材料の買い忘れ」と「予算オーバー」、DIYで一番避けたい2つの失敗を未然に防ぐためのものだ。
なぜ「人工芝の費用計算ツール」を作ったのか
きっかけは、自宅の庭に人工芝を敷こうとしたときの失敗だった。
ネットで「人工芝 費用」と検索しても、出てくるのは「1平米あたり○○円」という単価情報ばかり。面積に単価を掛ければ人工芝の費用は出る。でも実際に必要な費用は人工芝だけじゃない。下地の砂利はどれだけ必要か。防草シートは面積分でいいのか。固定ピンは何本打てばいいのか。これらを全部足し合わせた「本当の総費用」を知りたかったのに、一発で答えが出るツールがなかった。
既存の計算ツールも探してみたが、不満が多かった。人工芝の面積だけ計算するもの、砂利だけ計算するもの、防草シートだけ計算するもの——全部バラバラ。3つのツールを行き来して手動で合算するなんて面倒すぎる。しかもロール幅と敷設幅の関係を考慮してくれるツールは皆無だった。たとえば幅3mのスペースに2m幅のロールを敷くと、2枚必要になるから芝の購入長さは奥行の2倍。この「ロール幅によるカット計算」を自動でやってくれないと、結局は自分で計算するはめになる。
さらに厄介だったのがピンの本数。周囲だけでなく、ロール同士のジョイント部にも50cm間隔でピンを打つ必要がある。ジョイント線が何本あるかはロール幅と敷設幅の組み合わせで変わる。ここまで計算してくれるツールは見つからなかった。
「全部まとめて一画面で、幅と奥行を入れるだけで答えが出るものが欲しい」。それがこのツールを作った理由だ。人工芝・砂利・シート・ピンの4材料を横断的に計算し、グレード選択で単価も変わり、トグル一つで砂利やシートの有無も切り替えられる。ベランダなら砂利不要、既設の防草シートがあればシートをOFF。こういう柔軟さが、実際のDIYでは必要だった。
人工芝の基礎知識 — パイル長・密度・素材で何が変わるのか
人工芝 パイル長とは — 20mm・35mm・45mmの違い
人工芝を選ぶとき、最初に目に入るスペックが「パイル長」だ。パイルとは芝葉1本1本のことで、パイル長はその長さを指す。髪の毛の長さのようなもので、短ければさっぱりした見た目、長ければふさふさした見た目になる。
一般に流通している人工芝のパイル長は大きく3段階に分かれる。
- 20mm前後(ショートパイル): ベランダや通路など、歩行がメインの場所向き。踏み心地は硬めだが、ゴミが溜まりにくく掃除しやすい。価格帯は1平米あたり1,000〜2,000円程度
- 30〜35mm(ミドルパイル): 庭やドッグランに最も人気のゾーン。天然芝に近い見た目で、寝転がっても気持ちいい柔らかさ。1平米あたり2,000〜3,000円が相場
- 40〜45mm(ロングパイル): 高級品。天然芝と見分けがつかないリアルさを追求した製品が多い。子どもの遊び場やガーデンウェディング会場にも使われる。1平米あたり3,500〜5,000円
パイル長が長いほどクッション性は上がるが、芝葉が倒れやすくなる(「倒伏」と呼ぶ)。35mm以上の製品を選ぶなら、パイル密度(1平米あたりの芝葉本数)もチェックしてみて。密度が高いほど芝葉同士が支え合い、倒伏しにくくなる。
人工芝 素材の種類 — PP・PE・ナイロンの特徴
人工芝の芝葉に使われる素材は主に3種類ある。
- ポリプロピレン(PP): 最も安価で軽い。耐久性はやや劣り、紫外線で劣化しやすい。短期間の使用やベランダ向き
- ポリエチレン(PE): 現在の主流素材。柔らかく肌触りがよく、耐UV性能も高い。庭用人工芝のほとんどがPE製かPE/PP混合
- ナイロン: 最も耐久性が高いが、価格も最高クラス。吸水性があるためカビ対策が必要。スポーツ施設向けが中心
ホームセンターやネット通販で「リアル人工芝」として売られている製品は、芝葉がPE、根元のカーリング部分がPPという混合構造が多い。カーリング(縮れた短い繊維)がパイルを支えることで、踏んでも復元しやすくなる仕組みだ。
人工芝 ロール幅の選び方 — 1m幅と2m幅
人工芝はロール状で販売されており、幅は1mか2mが主流。選び方のポイントは「敷設エリアの幅」と「ジョイント(継ぎ目)の数」のバランスだ。
たとえば幅4mのスペースに1m幅ロールを敷くと、4枚並べるからジョイントが3本。2m幅ロールなら2枚でジョイントは1本。ジョイントが少ないほど見た目はきれいだし、施工も楽。ただし2m幅ロールは重く(10mで30〜40kg)、一人での取り回しが大変になる。
人工芝の基礎知識については、Wikipedia: 人工芝も参考になる。素材の歴史やスポーツ施設での活用事例が詳しい。
下地処理が人工芝DIYの成否を分ける — 防草シートと砂利の役割
人工芝DIYで最も大事なのに、最も軽視されがちなのが「下地処理」だ。人工芝を買ってきて地面にポンと置くだけでは、半年後に後悔することになる。
防草シートを省略するとどうなるか
人工芝の裏面には水抜き穴が開いている。ここから日光がわずかに地面に届く。さらにジョイント部の隙間からも光が入る。たったこれだけの光でも、雑草は容赦なく生えてくる。特にスギナやドクダミは人工芝の隙間を突き破って伸びてくることもある。
防草シートは地面と人工芝の間に敷く遮光シートだ。光を99%以上カットすることで雑草の発芽を防ぐ。1平米あたり100〜300円程度の追加コストだが、これを省略した結果「人工芝を全部剥がして雑草を抜いてから敷き直し」になったら、手間と費用は比較にならない。
防草シートの選定については、防草シート必要量計算でシート面積と費用を別途計算できる。
下地砂利(砕石)の役割 — 排水と地盤安定
庭の土の上に直接人工芝を敷くと、雨が降ったときに水が抜けずに溜まる。水たまりの上に人工芝が浮いた状態になり、歩くとブヨブヨする。さらに土が不均一に沈下すると、人工芝の表面に凹凸が出る。
下地に砕石(5号砕石が一般的)を3cm程度の厚みで敷き、転圧(タンパーやプレートで叩き締める)することで、2つの問題を同時に解決する。
- 排水性の確保: 砕石層が水の通り道になり、雨水がスムーズに地中に浸透する
- 地盤の安定化: 転圧した砕石層が安定した平面を作り、沈下や凹凸を防ぐ
砕石の比重は約1.8。3cm厚で敷くと1平米あたり54kgになる。10平米の庭なら540kg。ホームセンターの20kg袋で27袋。この「思ったより大量」という感覚が事前にわかるかどうかで、運搬計画も変わってくる。砂利の詳細な計算は砂利・砕石の必要量計算も参考になる。
ベランダ・屋上は下地処理が不要なケースも
コンクリートやタイルの上に敷く場合は、排水と地盤安定の問題がないため砂利は不要。防草シートも雑草リスクがないので省略できる。このツールでは「下地砂利を含む」「防草シートを含む」のトグルで簡単に切り替えられるようにしてある。
人工芝 費用計算が活きる4つの場面
自宅の庭リフォーム
最も多い用途がこれ。天然芝の手入れに疲れた、雑草だらけの庭をなんとかしたい——そんな動機で人工芝DIYに踏み切る人は多い。庭の幅と奥行を測ってこのツールに入力すれば、人工芝・砂利・シート・ピンの全材料費が一発でわかる。ホームセンターに行く前に予算が確定する安心感は大きい。
ベランダ・バルコニーの模様替え
マンションのベランダに人工芝を敷くケース。この場合は砂利も防草シートも不要なので、トグルをOFFにすれば人工芝とピンだけの費用が出る。2m x 5mのベランダなら1万円以下で済むこともある。賃貸でも両面テープ固定なら原状回復可能だ。
ドッグラン・ペットスペース
犬を遊ばせるスペースに人工芝を敷く場合、耐久性重視でプレミアム(35mm)以上を選ぶのが定番。犬の爪に耐えられるパイル密度が必要だからだ。3m x 4mのドッグランなら、砂利込みで5万円前後。業者に頼むと15万円以上かかることを考えると、DIYのコストメリットは大きい。
屋上テラス・商業施設の緑化
屋上やルーフバルコニーの緑化にも人工芝は使われる。天然芝と違って灌水設備が不要で、荷重も軽い。大面積になると材料費の見積もりが重要で、6m x 10mの屋上なら芝だけで9万円、砂利込みだと16万円超と金額が大きくなる。事前の費用把握が欠かせない場面だ。
人工芝 必要量計算ツールの使い方 — 3ステップ
ステップ1: 敷設エリアの幅と奥行を入力する
人工芝を敷きたい場所の幅(m)と奥行(m)を入力する。メジャーで実測した数値をそのまま入れればOK。小数点もそのまま入力できる(例: 3.5m)。
ステップ2: 仕様を選択する
ロール幅(1m / 2m)、人工芝のグレード(スタンダード20mm / プレミアム35mm / リアル45mm)を選ぶ。庭に敷くなら下地砂利と防草シートのトグルはONのまま。ベランダや屋上ならOFFにする。
ステップ3: 結果を確認する
敷設面積、人工芝の必要長さ、下地砂利の重量、固定ピンの本数、そして合計費用が自動で表示される。「結果をコピー」ボタンで買い物メモとしてそのまま使える。
人工芝 費用の具体例 — 6パターンの見積もりシミュレーション
実際にツールで計算した結果を6パターン紹介する。すべて検証済みの数値だ。
ケース1: 4m x 6m の庭 — プレミアム35mm・1m幅ロール
家族向けの標準的な庭サイズ。下地・シート込みのフルセット。
- 入力: 幅4m、奥行6m、1m幅ロール、プレミアム(35mm)、砂利あり、シートあり
- 結果: 面積24m²、人工芝24m(4枚 x 6m)、砂利1,296kg、ピン76本、合計91,880円
- 解釈: 1m幅ロールを4枚並べるため、ジョイント3本分のピンが加算される。砂利は20kg袋で65袋と大量。軽トラでの搬入を検討したい。業者に依頼すると20万円前後が相場なので、DIYで約10万円の節約になる
ケース2: 3m x 5m — スタンダード20mm・2m幅ロール
通路やサブスペース向けの中規模。コスト重視でスタンダードグレードを選択。
- 入力: 幅3m、奥行5m、2m幅ロール、スタンダード(20mm)、砂利あり、シートあり
- 結果: 面積15m²、人工芝10m(2枚 x 5m)、砂利810kg、ピン42本、合計42,410円
- 解釈: 2m幅ロール2枚で幅3mをカバー(1m分はカットロスになる)。ジョイント1本分のピン追加のみ。砂利は41袋で、ホームセンターの配送サービスを使うと楽
ケース3: 2m x 3m のベランダ — スタンダード20mm・砂利なし・シートなし
マンションのベランダに敷く最小構成。コンクリート面なので下地処理は省略。
- 入力: 幅2m、奥行3m、1m幅ロール、スタンダード(20mm)、砂利なし、シートなし
- 結果: 面積6m²、人工芝6m(2枚 x 3m)、砂利0kg、ピン26本、合計9,780円
- 解釈: 1万円以下で済む手軽さがベランダ人工芝の魅力。ピンはベランダでは両面テープに置き換えてもよい。週末の午前中だけで完了できるレベルの作業量だ
ケース4: 5m x 8m の広い庭 — リアル45mm・2m幅ロール
見た目重視で最高グレードを選んだ大面積施工。
- 入力: 幅5m、奥行8m、2m幅ロール、リアル(45mm)、砂利あり、シートあり
- 結果: 面積40m²、人工芝24m(3枚 x 8m)、砂利2,160kg、ピン84本、合計211,720円
- 解釈: リアル45mmグレードは人工芝だけで16万円。砂利は108袋(2.16トン)で運搬だけでも一大作業。この規模なら砂利の搬入だけ業者に依頼するハイブリッド方式も検討したい。全面業者施工なら40〜50万円が相場だから、DIYで20万円以上の差が出る
ケース5: 3m x 4m のドッグラン — プレミアム35mm・1m幅ロール
愛犬の遊び場をDIYで作るケース。耐久性を考慮してプレミアムを選択。
- 入力: 幅3m、奥行4m、1m幅ロール、プレミアム(35mm)、砂利あり、シートあり
- 結果: 面積12m²、人工芝12m(3枚 x 4m)、砂利648kg、ピン44本、合計46,320円
- 解釈: 5万円以下でドッグランが作れる。砂利は33袋。犬が走り回ってもピンが抜けないよう、ジョイント部は特にしっかり打ち込むのがポイント。プレミアムの35mmパイルなら犬の足腰にも優しい
ケース6: 6m x 10m の屋上・大面積 — スタンダード20mm・2m幅ロール
ビルの屋上や大きな空きスペースをコスト重視で施工。
- 入力: 幅6m、奥行10m、2m幅ロール、スタンダード(20mm)、砂利あり、シートあり
- 結果: 面積60m²、人工芝30m(3枚 x 10m)、砂利3,240kg、ピン104本、合計166,920円
- 解釈: 60平米の大面積でも17万円以下。砂利は162袋(3.24トン)で、個人搬入は現実的でない規模。砂利はダンプ配送(1立米あたり5,000〜8,000円)が経済的。2m幅ロールを3枚で収まるため、ジョイント2本のみで仕上がりもきれいだ
人工芝 必要量計算の仕組みとアルゴリズム
候補手法の比較 — 面積ベース vs ロール幅ベース
人工芝の必要量を計算するアプローチは大きく2つある。
手法A: 単純面積ベース — 面積を計算し、単価を掛けて費用を出す。シンプルだが、ロール幅と敷設幅の関係を無視している。幅3mに2m幅ロールを敷くと4m分(2枚)必要なのに、面積ベースでは3m分として計算してしまう。カットロスを考慮できない。
手法B: ロール幅ベース(採用) — 敷設幅をロール幅で割り、必要なストリップ数(ロール枚数)を算出。ストリップ数に奥行を掛けて実際の購入長さを計算する。ジョイント部のピン数も正確に出せる。
本ツールでは手法Bを採用した。材料を買いに行くとき本当に必要なのは「何メートルのロールを何本買うか」であり、面積ベースの概算では実用に足りない。
計算フローの全体像
入力: 幅(W) m、奥行(D) m、ロール幅(RW) m、グレード、オプション
1. 面積 = W × D
2. ストリップ数 = ceil(W / RW)
3. 人工芝購入長 = ストリップ数 × D
4. 人工芝費用 = 面積 × 単価/m²
5. 砂利重量(kg) = 面積 × 厚み(0.03m) × 比重(1800 kg/m³)
6. 砂利袋数 = ceil(砂利重量 / 20)
7. 砂利費用 = 砂利袋数 × 400円
8. シート費用 = 面積 × 150円/m²
9. ピン本数 = ceil(周囲長/0.5) + ceil(ジョイント線合計長/0.5)
周囲長 = 2 × (W + D)
ジョイント線 = (ストリップ数 - 1) × D
10. ピン費用 = ピン本数 × 30円
11. 合計費用 = 人工芝費用 + 砂利費用 + シート費用 + ピン費用
ポイントはステップ4の費用計算は面積ベースで、ステップ3の購入長さはストリップベースであること。費用は「敷設面積分」を払うのが正しい(端材はロスとして切り捨て)が、購入するロールの物理的な長さはストリップ数で決まる。
計算例 — 4m x 6m プレミアム 1m幅ロール
具体的な数値を入れてステップバイステップで追ってみる。
W = 4m, D = 6m, RW = 1m, グレード = premium(2,500円/m²)
1. 面積 = 4 × 6 = 24 m²
2. ストリップ数 = ceil(4 / 1) = 4 枚
3. 人工芝購入長 = 4 × 6 = 24 m
4. 人工芝費用 = 24 × 2,500 = 60,000 円
5. 砂利重量 = 24 × 0.03 × 1,800 = 1,296 kg
6. 砂利袋数 = ceil(1,296 / 20) = 65 袋
7. 砂利費用 = 65 × 400 = 26,000 円
8. シート費用 = 24 × 150 = 3,600 円
9. ピン本数:
周囲ピン = ceil(2 × (4 + 6) / 0.5) = ceil(40) = 40 本
ジョイントピン = ceil((4 - 1) × 6 / 0.5) = ceil(36) = 36 本
合計 = 40 + 36 = 76 本
10. ピン費用 = 76 × 30 = 2,280 円
11. 合計費用 = 60,000 + 26,000 + 3,600 + 2,280 = 91,880 円
砂利の比重1.8という数値は、砂利・砕石の必要量計算でも採用している一般的な砕石(5号砕石)の値だ。実際の比重は石の種類や粒度によって1.6〜2.0程度の幅があるが、ホームセンターで購入する袋入り砕石は概ね1.8前後と考えて問題ない。
ピン間隔の0.5m(50cm)は、人工芝メーカーの施工説明書で最も多く推奨されている値。風の強い場所や犬が走り回る場所では0.3m間隔に詰めることもある。この場合はツールの計算結果に1.5〜2倍の余裕を見ておくとよい。
人工芝 費用計算ツールと他サービスの違い
人工芝の費用を調べる方法はいくつかある。ホームセンターの店頭で相談する、施工業者に見積もりを依頼する、あるいは汎用的な面積計算ツールを使うか。ただ、どれも「人工芝DIYに必要な資材を丸ごと算出する」目的には合っていない。
施工業者の一括見積もりは便利だが、材料費と工賃が分離されていないことが多い。DIYで自分で敷くつもりなら、工賃込みの見積もりは参考にならない。逆に材料だけの見積もりを頼むと「施工なしでは対応できない」と断られるケースもある。
汎用の面積計算ツールは「幅 x 奥行 = 面積」を出すだけ。ロール幅の違いによる必要本数の差、下地砂利の重量、防草シートの費用、固定ピンの本数まで一括で出してくれるものはほとんどない。
このツールは、人工芝のグレード(スタンダード20mm / プレミアム35mm / リアル45mm)ごとの単価設定、1m幅・2m幅のロール幅選択、下地砂利や防草シートのON/OFF切り替えを備えている。つまり「自分のケースに合った材料費の合計」がワンストップで出る。ホームセンターを何軒も回る前に、ざっくりの予算感を掴むための道具だ。
人工芝の寿命とメンテナンス -- 知っておきたい豆知識
人工芝の耐用年数はどれくらい?
「人工芝は敷いたら終わり」と思いがちだが、実際には寿命がある。一般的なポリプロピレン(PP)製で7-8年、耐久性の高いポリエチレン(PE)製で10年前後が目安。紫外線による劣化が最大の敵で、直射日光が当たる南向きの庭は北側より劣化が早い。日本芝草学会の報告でも、UV暴露量と芝のパイル劣化には明確な相関があるとされている。
メンテナンスは本当に不要?
「メンテナンスフリー」は半分正しくて半分嘘。天然芝のような芝刈り・水やり・施肥は不要だが、以下のケアをしないと寿命が大幅に縮む。
- 落ち葉・ゴミの除去: 放置すると通水性が落ち、カビや苔の原因になる。月1回のブロワーか竹箒での掃除が理想
- パイルの起毛: 人が歩く場所はパイルが倒れる。デッキブラシで逆方向にブラッシングすると復活する
- 排水の確認: 人工芝の裏面には排水穴があるが、下地の砂利層が詰まると水たまりができる。梅雨明けに一度チェックしておくと安心
下地処理をサボるとどうなる?
DIYで最も失敗しやすいのが下地処理だ。防草シートなしで敷くと、半年もすれば接合部やピン穴から雑草が突き破って生えてくる。砂利層が薄い(3cm未満)と、雨のあとに地面がぬかるんで人工芝全体が波打つ。「芝を敷いたのに見た目がボコボコ」という失敗談の大半は、下地の転圧不足が原因。しっかり転圧した砂利層3cm + 防草シートの二重防御が、長持ちの鍵になる。
人工芝DIYで損しないためのTips
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ロール幅は「継ぎ目の少なさ」で選ぶ -- 2m幅ロールは1m幅より継ぎ目が半分になる。継ぎ目は見た目の弱点であり、雑草の侵入経路でもある。庭の幅が3m以上なら2m幅を選ぶと仕上がりが段違い
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材料は10-15%多めに買う -- このツールの計算結果はジャストサイズの理論値。実際にはカットロス(端材)や柱・排水溝周りのくり抜きが発生する。4m x 6mの庭なら24m^2ではなく27-28m^2分を見積もるのが安全
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ピンは「ケチらない」が鉄則 -- 固定ピンを間引くと、強風で人工芝がめくれ上がる。特に端部は50cm間隔を守る。ジョイント部分は30cm間隔まで詰めてもいいくらいだ。ピン1本30円程度なので、20本増やしても600円。ここをケチって芝が浮くと補修のほうが高くつく
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砂利は「再生砕石」がコスパ最強 -- 下地砂利に使うのはRC-40やC-40と呼ばれる砕石。新品の砕石より再生砕石のほうが3-4割安く、転圧後の締まりも良い。ホームセンターで20kg袋を買うより、建材店でバラ売り(t単位)を軽トラで取りに行くほうがさらに安い
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施工は「晴れが3日続く日」を狙う -- 下地の転圧は地面が乾いた状態でないと効果が薄い。雨上がりに施工すると、砂利層に水が含まれたまま固まり、乾燥後に沈下して凸凹になる
よくある質問
L字型や変形した庭の場合、どう計算すればいい?
現在のツールは矩形(長方形)のみに対応している。L字型の庭は、2つの長方形に分割してそれぞれ計算し、合計すると近い数値が出る。例えば「3m x 4mの部分 + 2m x 3mの部分」のように分けて2回計算し、費用を足し算する方法が実用的だ。ただし分割部分の継ぎ目にもジョイントテープやピンが必要なので、ピン本数は少し多めに見積もっておくといい。
プレミアム(35mm)とスタンダード(20mm)で体感の差は大きい?
かなり違う。スタンダード20mmはベランダや通路など「歩くだけ」の場所向きで、クッション性は薄い。プレミアム35mmは裸足で歩いたときの柔らかさが明確に感じられ、子どもが転んでも衝撃を吸収する。ドッグランとして使うなら35mm以上が推奨。リアル45mmは天然芝に近い見た目と踏み心地だが、パイルが長い分ゴミが絡まりやすく、メンテナンスの手間は増える。用途に合わせて選ぶのがコスパ的にもベストだ。
計算結果の「下地砂利」をOFFにしても問題ない?
既に砂利が敷いてある場所や、コンクリート・タイルの上に直置きする場合はOFFでいい。ただし土の地面に直接人工芝を敷くのは非推奨。雨水が抜けずに芝の下がぬかるみ、カビや悪臭の原因になる。下地砂利は「排水層」としての役割が大きいので、土の上に施工するなら必ず3cm以上の砂利層を設けたい。砂利の費用は全体の中では比率が低いので、ここを省くリスクは大きい。
入力データやブラウザの閲覧履歴は保存される?
入力した数値はブラウザ内でのみ処理され、サーバーに送信されることはない。計算はすべてクライアントサイド(あなたの端末上)で完結する。ページを閉じれば入力データは消える。アカウント登録も不要なので、個人情報の心配は一切ない。
ピン本数の計算根拠は?多すぎない?
ピン本数は「外周を50cm間隔 + ジョイント線(ロールの継ぎ目)を50cm間隔」で算出している。これは人工芝メーカーの推奨施工要領に準拠した数値だ。強風地域や角地ではさらに増やしたほうが安全で、決して多すぎるということはない。ピンが余ったら予備として保管しておけば、数年後に一部が浮いたときの補修に使える。
まとめ -- 人工芝DIYの費用は「事前計算」で失敗を防げる
人工芝のDIYは、材料の種類が多いぶん「何をどれだけ買えばいいのか」が分かりにくい。このツールで面積・ロール幅・グレードを入力すれば、人工芝本体だけでなく下地砂利・防草シート・固定ピンの必要量と合計費用が一括で出る。ホームセンターに行く前に予算感を掴んでおくと、余計な買い物や買い足しの二度手間を防げる。
下地の砂利量をもっと細かく計算したいなら砂利・土・資材必要量計算、防草シートのロール本数やピン配置を詰めたいなら防草シート必要量計算も合わせて使ってみて。3つのツールを組み合わせれば、材料リストがほぼ完成する。
不具合の報告や機能のリクエストはお問い合わせから気軽にどうぞ。